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用事があると言っていたアユカだが、真っすぐ家に帰る気はなさそうで、アユカの家とは逆方向へ歩いて行く。


一体どこへ向かっているんだろう?


あたしはつかず離れずの距離を保ちながら後をつける。


するとアユカは駅のトイレへと消えて行った。


こんな場所でトイレを借りるなら、学校でしてくればいいのに……。


そう思いながら少し離れた場所で待っていると、ワンピース姿に着替えたアユカがトイレから出てきたのだ。


普段より大人っぽい化粧もしていて、キョロキョロと周囲を見回している。


ポニーテールを変えられていたら、一瞬誰だか分らなかったかもしれない。