便乗してイジメを行っていたということも考えられるけれど、それならイジメなんてすぐに飽きてやめてしまいそうなものだった。


「なにか裏があると思ってるの？」


そう聞くと、アユカは大きく頷いた。


「まずは被害者のユマちゃんに話を聞くべきだと思う」


「そうだね。それもいいかもしれない」


雄大は感情を失ってしまってからも、学校へ来るたびにクラスメートたちにからかわれ、時々呼び出されて暴行を受けている様子だった。


このまま放置しておけば、イジメは更にエスカレートすることだろう。


そうなると、雄大の感情が戻ってくることに支障がでるかもしれなかった。