「頼むよ陽菜。俺は自分の心なんていらない! なにもかも忘れたいんだ!」


「できないよ……! あたしは魂取りだけど、でも雄大の魂を取るなんて……!」


雄大ならきっとまた元通りの心を取り戻すだろう。


だけどそれはいつになるかわからない。


その後の行いしだいだから、数か月で戻るときもあれば、何年もかかるときだってある。


そう考えると怖かった。


その間ずっと雄大が雄大ではなくなってしまうのだ。


いつものようにバカを言い合うことができなくなってしまう。


「陽菜、俺の言うことを聞け」


雄大は突然立ち上がると、上から目線でそう言ってきた。