その様子にあたしはグッと拳を握り締めていた。


心の中で『頑張れ!』と、応援してしまう。


しかし本当のところは早く少年Aに1人になってほしかった。


あたしが用事があるのは、少年Aだけなのだから。


「離せってば!」


少年Aはそう怒鳴ると、体の向きを反転させた。


途端に向い合せになり、少年Bがキョトンとした表情を浮かべる。


その顔めがけて、少年Aはタバコを押しつけたのだ。