「それで、気晴らしに友達と海に遊びに来たのまでは良かったんだけど、三人のうちあたし以外、彼氏連れてきてて」

 それで嫌になって帰ろうとしたとき、一徹のバイクが目に留まったらしかった。

「でもあのとき、ピンクのヘルメットがなかったら、乗ることもなかったし、こうして話すこともなかったよね」

「まぁ、御守みたいにぶら下げとったからな」

「きっとね、今だから言えるけど、はるかさんが引き合わせてくれたのかなって」

 もう泉の顔からは不機嫌さは消えていた。