とにかくも。
そういった身体がメインの関係になってから半年が過ぎて、すっかり春めいてきた頃、
「ね、イッテツ?」
「ん?」
「二人でさ、どっか遠くに行かない?」
「たまには旅もいいなぁ」
一徹は答えた。
「いや、旅じゃなくて」
「?」
「…一緒に駆け落ち、しちゃわない?」
ドキッとした顔を一徹はしてみせた。
「あたしね、…もしかしたら恋愛がうまくないかも知れなくてさ」
泉は急に切り出した。
「あたしね、イッテツに出逢うまで男ってみんな女をセックスの道具にしか考えてないのかなって、正直思ってた」
どうやら。
そういう間柄になるような交際が多かったのかも知れない。