それでも。

 ベッドでの一徹は、泉に優しいまま接していたし、少しでも泉が拒否するようなそぶりをすると、

「じゃあ、やめとこうか」

 とすぐ手を止める。

 ときにはそうした一徹に、物足りなさを感じないでもなかったが、

「泉が嫌なことはしない」

 という方針が一徹の中にはあったらしく、そういったときには頑固なほど動かなかったりもした。