まだ残暑もあって、陽射しも厳しいなか、周りがほとんど半袖であるのに、独りだけ長袖のブルゾンを羽織り、ハイカットのスニーカーを履いているのは、嫌でも目立ったらしい。 何人か、ギャルがちらちら視線を送ってきた。 が、どうやら顔立ちが好みのタイプではないのか、すぐ離れてゆく。 「…ま、女って男を見た目でしか見ないからな」 小さくこぼすと、駐車場に戻って手袋をはめた。