その日はそうやって別れたのだが、

「いまどきのギャルってのは、えらいもんやなぁ」

 と思わず帰りのヘルメットの中で呟いた。

 信号が赤になった。

 待っている間、泉の柔らかく温かい唇の感触を思い出してみたが、青に変わるとすぐスロットルを回し、もと来た道を逆方向に転がしていった。