「じっくり練ってね。時間がかかって大丈夫だから」
「う、うん!」
美久がボウルを押さえて、留依が中身のバターと砂糖を混ぜていく。ここは電動泡立て器があるので簡単。
時間をかけてじっくり練ることでおいしくなる。留依は中身を零さないようにだろう、注意しながら中身を混ぜていく。
混ざったら次は卵を入れて、また練って……材料が全部入ったところで、最後だ。
最後は小麦粉。最初のほうにふるって準備をしておいたものだ。
「じゃ、今度はこっちね」
美久が取り出したのは、へら。
留依は首をかしげる。
「なんで? 泡立て器じゃだめなの?」
確かに疑問かもしれない。美久は小麦粉を示して説明した。
「へらで、さっくりと空気を含ませるように混ぜるんだよ。泡立て器だとべったり混ざっちゃうの」
美久の説明に、留依は感心した、という声を出した。
「へー……混ぜるって言っても違いがあるんだねぇ。全然思いつかなかったよ」
「私も最初、料理のレシピとか見て、『なんで? そのまま混ぜちゃっていいじゃん』って思ったよー」
そういうわけで、次はへら。留依は美久の言った通り、空気を含ませるように、そっと優しく混ぜていく。
チョコレートが入ったので、一気に甘い香りが漂うようになった。
「いい香りだねぇ」
留依がうっとりとした、という声で言った。その声は幸せそうだったので、美久まで嬉しくなってしまう。
チョコレートは愛のお菓子だと昔から言われているそうだ。それでバレンタインに贈られるようになったのだと。
とても素敵なことだと思う。甘いお菓子で大切な気持ちを伝えるなんて。
「うまくできるかな」
それはきっと心配ではなく、期待。留依の声は明るかったから。
「できるよ」
美久のそれも確信だった。
やがて生地が全部混ざって、あとは焼くだけの状態になった。
オーブンの天板に平らに広げて、余熱をしておいたオーブンに入れて、時間の設定をしたら、あとは待つばかり。
ふぅ、とため息をついた留依。
美久も「お疲れ様」と言った。
「う、うん!」
美久がボウルを押さえて、留依が中身のバターと砂糖を混ぜていく。ここは電動泡立て器があるので簡単。
時間をかけてじっくり練ることでおいしくなる。留依は中身を零さないようにだろう、注意しながら中身を混ぜていく。
混ざったら次は卵を入れて、また練って……材料が全部入ったところで、最後だ。
最後は小麦粉。最初のほうにふるって準備をしておいたものだ。
「じゃ、今度はこっちね」
美久が取り出したのは、へら。
留依は首をかしげる。
「なんで? 泡立て器じゃだめなの?」
確かに疑問かもしれない。美久は小麦粉を示して説明した。
「へらで、さっくりと空気を含ませるように混ぜるんだよ。泡立て器だとべったり混ざっちゃうの」
美久の説明に、留依は感心した、という声を出した。
「へー……混ぜるって言っても違いがあるんだねぇ。全然思いつかなかったよ」
「私も最初、料理のレシピとか見て、『なんで? そのまま混ぜちゃっていいじゃん』って思ったよー」
そういうわけで、次はへら。留依は美久の言った通り、空気を含ませるように、そっと優しく混ぜていく。
チョコレートが入ったので、一気に甘い香りが漂うようになった。
「いい香りだねぇ」
留依がうっとりとした、という声で言った。その声は幸せそうだったので、美久まで嬉しくなってしまう。
チョコレートは愛のお菓子だと昔から言われているそうだ。それでバレンタインに贈られるようになったのだと。
とても素敵なことだと思う。甘いお菓子で大切な気持ちを伝えるなんて。
「うまくできるかな」
それはきっと心配ではなく、期待。留依の声は明るかったから。
「できるよ」
美久のそれも確信だった。
やがて生地が全部混ざって、あとは焼くだけの状態になった。
オーブンの天板に平らに広げて、余熱をしておいたオーブンに入れて、時間の設定をしたら、あとは待つばかり。
ふぅ、とため息をついた留依。
美久も「お疲れ様」と言った。