- モネの丘 -
*** Mr. Autumn ***
まさか、本当に顔見知りに会うとは……
無視しようかとも思ったが、このまま歩き出してはあまりにも不自然だ。渋々振り返ると、銀縁の眼鏡をかけた大人っぽい雰囲気の女性が、驚きと喜びを同時に表情で表わしていた。……が、見覚えがない。
「やっぱり! 久しぶりだねえ!」
「えーと……、どちら様です?」
「ひどーい、忘れちゃった? 高校の同級生の藤岡だよ」
フジオカ……。そうか、思い出した。ハルの友達だった、あの保健委員の子だ。全校生徒でハルに黙祷を捧げたあの日、保健室でハルのために泣いてくれた子。それにしても女の子というのは一年で見違えるほど変わるものだ。高校時代はあまり特徴の無い子だったが、何というか、美人になっていた。
「ああ、ごめん、覚えてるよ……。随分見違えたから、気付かなかった」
「あら、それって誉めてるの? ふふっ。そちらの方は……、あれ、え……、何で……」
彼女の顔がみるみる青ざめていくのが分かった。面倒なことになった。荷物を持っていない左手で頭を抱える。
「えへっ、早速見つかっちゃったね、秋」
「どうして……ハルちゃんがいるの……?」
「あー、これはその……、話すと長くなるんだけど……」
話すと本当に長くなる。適当に誤魔化せるような状況でもない。でも僕にもそんなに時間はない。……仕方ない、連行しよう。
「とりあえず藤岡、……今ヒマ?」
「忙しくはないけど……、どういうことなの? 説明してよ!」
「説明するから、高校まで付き合ってくれないか……」
「え……?」
*** Miss Spring ***
アキと春ちゃんと一緒に、電車に揺られた。私の故郷に向かう電車に。
展覧会に向けて、アキが描いてくれてた私の絵を完成させるためみたい。何週間か前に、アキが押し入れにしまっていた絵を取り出して筆を構えた時はドキドキしたけど、アキは手を動かさずに静かに涙を流すばかりだった。アキ、ごめんね。まだ、あなたを縛る私の願いが、解けていないんだね。
絵のモデルを春ちゃんに依頼したのを知った時は、複雑な気持ちだった。この絵は、私にとっての特別なもの。私を忘れないように、アキにかけたおまじない。それを、別の人に取られてしまうような、そんな気分。
でも、もうアキを苦しめたくはない。アキには幸せになって欲しい。でも、やっぱり忘れて欲しくない。でも、でも……。そんな考えが、頭をグルグルと巡っていた。
一時間ほどで電車は駅に着いて、改札を出る二人に付いて行った。懐かしいなぁ。三年ぶりくらいかな。変わらない景色を眺めながら二人の後ろをしばらく歩くと、見覚えのある一人の女の子が近付いてきた。
「あ、千夏……」
藤岡千夏ちゃん。私の一番の友達だ。最後に見た時から、千夏は少し大人っぽくなってる気がした。三年以上経ってるわけだから、当然かな。
久しぶりだよ。アキの話とかいっぱい聞いてもらってたな。またお話ししたいな。色々あったんだよ。私、幽霊になって、きなこって名前の猫さんと友達になって、私にそっくりな春ちゃんにも会って、アキとまた会えて……
いけない、また涙が出てきてしまう。昔から涙もろかったけど、バクレイになってから私、余計に泣くようになったな。
「そちらの方は……、あれ、え……、何で……」
千夏が春ちゃんを見て、びっくりしてる。アキが頭を抱えてる。春ちゃんが笑ってる。それを見てる幽霊の私……。ふふっ、何だか面白いな。昔からずっと仲のよかった友達が集まったみたいだ。
私もこの輪に入れたら、みんなと一緒に話したり、笑ったりできたら、どんなに幸せだろう。
*** Mr. Autumn ***
僕は、二人を引き連れて高校に続く坂道を登っていた。怯える藤岡に、今までの経緯を掻い摘んで説明しながら。時折春もフォローを入れてくれた。
「俄かには信じがたいけど……、でも本人が目の前にいるんだから、信じるしかないみたいね……。でも、あの……、ハルちゃんが、事故で記憶喪失になってるってことはないの?」
「あははっ、それはないよ。私にはちゃんと子供の頃からの記憶もあるし」
「そっか……、そうよね。ごめんなさい」
「謝ることないよ。それにしても、ホントに似てるみたいだねぇ。ハルちゃんが生きてた頃に、会ってみたかったよ」
「世界にはそっくりな人が三人はいるっていうからな……。まさか実在するとは、僕も思ってなかったけど」
「そうね、驚いたわ。……ところで、高校に何か用があるの?」
ちょうど、校門の前に辿りついた所だった。休日だが、部活動をする人たちの為か、門は開いたままだ。その割には、運動部の騒がしい声は聞こえない。
「……未完成だったハルの絵を、完成させるためだ」
「え、それって……。でも、どうして今更……?」
「その説明も聞きたければ、中まで付いて来てよ。これも、話すと長くなるんだ」
「うぅ、ここまで来たら付き合うわよ」
「なんだかドキドキするね! 知らない高校に潜入するなんて!」
「なるべく自然な感じで行くぞ。僕たちは不審者じゃない、関係者だ!」
校門を通り、校舎には入らずに外縁をぐるりと回り、細い道を突き進む。あれから三年以上経っているのに、校舎もこの細い道も、何も変わっていない気がする。懐かしいあの場所に近づくにつれ、動悸が早くなっていくのを感じた。
校舎の壁が尽きると共に、急に視界が開ける。広く青い空が、目に飛び込んでくる。先に来ていたハルが、僕に気付いて振り向くビジョンが、一瞬だけ浮かんで消えた。
「ここが、僕がモネの丘と呼んでた場所だよ……」
「わあ、綺麗!」
「ここが……ハルちゃんの言ってた……」
モネの丘は、三年前の秋の日に、ハルを描いていた時と何も変わっていなかった。丘からの景色は、建物の増減のせいか僅かに変化を感じたが、丘に佇む一本の桜も、遠くに見える山々も、記憶の中の風景と一致した。もちろん、季節の違いはあるのだが。桜は枯れているし、遠くの山には雪がかかっているのか白くなっていた。
春も、僕も、藤岡も、暫く無言で景色に見とれた。静寂の中、二月の冷たい風だけがそよそよと流れ、まるで世界が停止しているかのような錯覚を感じた。
「ね、秋の絵、見せてよ」
春の提案で、僕たちの時間はまた動き出した。
「先に言っておくが……、途中だし決して上手くはないからな」
そう言うと、思い出と同じ位置にイーゼルと折り畳みイスを設置し、カンバスを袋から出した。
「おお、ほんとだ、ここの景色だ!」
「そりゃそうだよ。ここで描いたんだから」
未完成のカンバスには、夕焼けと、一部欠けている秋の景色と、それらに包まれるハルの制服姿が半分ほど描かれている。ハルはあの頃、色んな表情を見せていたので、絵の中のハルには顔がなかった。最後の仕上げに描こうと思っていたからだ。
「ふむふむ……。こんな感じかな?」
春は暫く絵を眺めた後、絵の中のハルと同じ姿勢で、景色の中に立った。
記憶の中で鮮明に輝く景色と、目の前の風景が、ぴたりと一致する。
涙が溢れそうになったが、ぐっと堪えた。今は藤岡もいるんだ。
そう思って、先ほどから何も言わない藤岡をちらりと見たら、ハンカチで目元を拭いていた。藤岡……君はきっと、ハルの一番の親友だったんだろうな。
パレットに絵具を出し、筆を構える。
始める前に、ずっと気にしていたことを、春に聞いてみた。
「今更だけど……、本当にいいのか? 僕は、ハルを……君に重ねようとしているのに……」
「うん、気にしないで。秋が私に、昔の恋人の面影を重ねるだろうなってのは、最初から覚悟してたよ」
「え……、そうなのか?」
「そう。初めて秋と話した日からね」
女の子は鋭いというのはよく聞くが、本当なんだな。
「ねえ、二人は、その……付き合ってるの?」
藤岡が久しぶりに口を開いた。春が首を振る。
「ううん。残念ながらまだだよ」
「そう……」
そうだよな、ハルの友達で、色んな相談事を聞いていた藤岡にとっては、僕がハルとそっくりな女の子と付き合っていたら、気に入らないかもしれない。本当に全員が納得できるような答えは、一体どこにあるんだろうか。
「じゃあ、始めるよ……」
「うん」
目が合うと、春は小さく微笑んだ。
静かな世界の中で、春を描いた。制服はないので記憶を頼りにして、体の形や姿勢、手や足の比率、表情や髪の光沢などの細かい部分は、春を参考にした。夕焼けの秋の景色はここには存在しないけど、使えるものは使って、あとは想像と記憶で補うしかない。
遠いハルの思い出と、目の前の春の優しさに、胸は切なく痛み続けたけど、一人で向き合っていた時のような涙は流れなかった。その代わり、僕に微笑む春の目から、一粒の涙が流れたのが見えた。高校の夏合宿でハルと見た、一筋の流れ星のようだった。
「え……、なんで泣くんだ? やっぱり、嫌だったか?」
「あれっ……ホントだ。何でだろう。全然悲しくないし、心はすごーく静かで落ち着いてるのに、急に涙が出ちゃった。へへ、おかしいね」
そう言って春は、手で涙を拭う。
「きっと目にゴミが入ったとかだよ。大丈夫だから、続けて」
「わかった……」
少し気にしながらも、僕は春を描き続けた。
*** Mr. Autumn ***
まさか、本当に顔見知りに会うとは……
無視しようかとも思ったが、このまま歩き出してはあまりにも不自然だ。渋々振り返ると、銀縁の眼鏡をかけた大人っぽい雰囲気の女性が、驚きと喜びを同時に表情で表わしていた。……が、見覚えがない。
「やっぱり! 久しぶりだねえ!」
「えーと……、どちら様です?」
「ひどーい、忘れちゃった? 高校の同級生の藤岡だよ」
フジオカ……。そうか、思い出した。ハルの友達だった、あの保健委員の子だ。全校生徒でハルに黙祷を捧げたあの日、保健室でハルのために泣いてくれた子。それにしても女の子というのは一年で見違えるほど変わるものだ。高校時代はあまり特徴の無い子だったが、何というか、美人になっていた。
「ああ、ごめん、覚えてるよ……。随分見違えたから、気付かなかった」
「あら、それって誉めてるの? ふふっ。そちらの方は……、あれ、え……、何で……」
彼女の顔がみるみる青ざめていくのが分かった。面倒なことになった。荷物を持っていない左手で頭を抱える。
「えへっ、早速見つかっちゃったね、秋」
「どうして……ハルちゃんがいるの……?」
「あー、これはその……、話すと長くなるんだけど……」
話すと本当に長くなる。適当に誤魔化せるような状況でもない。でも僕にもそんなに時間はない。……仕方ない、連行しよう。
「とりあえず藤岡、……今ヒマ?」
「忙しくはないけど……、どういうことなの? 説明してよ!」
「説明するから、高校まで付き合ってくれないか……」
「え……?」
*** Miss Spring ***
アキと春ちゃんと一緒に、電車に揺られた。私の故郷に向かう電車に。
展覧会に向けて、アキが描いてくれてた私の絵を完成させるためみたい。何週間か前に、アキが押し入れにしまっていた絵を取り出して筆を構えた時はドキドキしたけど、アキは手を動かさずに静かに涙を流すばかりだった。アキ、ごめんね。まだ、あなたを縛る私の願いが、解けていないんだね。
絵のモデルを春ちゃんに依頼したのを知った時は、複雑な気持ちだった。この絵は、私にとっての特別なもの。私を忘れないように、アキにかけたおまじない。それを、別の人に取られてしまうような、そんな気分。
でも、もうアキを苦しめたくはない。アキには幸せになって欲しい。でも、やっぱり忘れて欲しくない。でも、でも……。そんな考えが、頭をグルグルと巡っていた。
一時間ほどで電車は駅に着いて、改札を出る二人に付いて行った。懐かしいなぁ。三年ぶりくらいかな。変わらない景色を眺めながら二人の後ろをしばらく歩くと、見覚えのある一人の女の子が近付いてきた。
「あ、千夏……」
藤岡千夏ちゃん。私の一番の友達だ。最後に見た時から、千夏は少し大人っぽくなってる気がした。三年以上経ってるわけだから、当然かな。
久しぶりだよ。アキの話とかいっぱい聞いてもらってたな。またお話ししたいな。色々あったんだよ。私、幽霊になって、きなこって名前の猫さんと友達になって、私にそっくりな春ちゃんにも会って、アキとまた会えて……
いけない、また涙が出てきてしまう。昔から涙もろかったけど、バクレイになってから私、余計に泣くようになったな。
「そちらの方は……、あれ、え……、何で……」
千夏が春ちゃんを見て、びっくりしてる。アキが頭を抱えてる。春ちゃんが笑ってる。それを見てる幽霊の私……。ふふっ、何だか面白いな。昔からずっと仲のよかった友達が集まったみたいだ。
私もこの輪に入れたら、みんなと一緒に話したり、笑ったりできたら、どんなに幸せだろう。
*** Mr. Autumn ***
僕は、二人を引き連れて高校に続く坂道を登っていた。怯える藤岡に、今までの経緯を掻い摘んで説明しながら。時折春もフォローを入れてくれた。
「俄かには信じがたいけど……、でも本人が目の前にいるんだから、信じるしかないみたいね……。でも、あの……、ハルちゃんが、事故で記憶喪失になってるってことはないの?」
「あははっ、それはないよ。私にはちゃんと子供の頃からの記憶もあるし」
「そっか……、そうよね。ごめんなさい」
「謝ることないよ。それにしても、ホントに似てるみたいだねぇ。ハルちゃんが生きてた頃に、会ってみたかったよ」
「世界にはそっくりな人が三人はいるっていうからな……。まさか実在するとは、僕も思ってなかったけど」
「そうね、驚いたわ。……ところで、高校に何か用があるの?」
ちょうど、校門の前に辿りついた所だった。休日だが、部活動をする人たちの為か、門は開いたままだ。その割には、運動部の騒がしい声は聞こえない。
「……未完成だったハルの絵を、完成させるためだ」
「え、それって……。でも、どうして今更……?」
「その説明も聞きたければ、中まで付いて来てよ。これも、話すと長くなるんだ」
「うぅ、ここまで来たら付き合うわよ」
「なんだかドキドキするね! 知らない高校に潜入するなんて!」
「なるべく自然な感じで行くぞ。僕たちは不審者じゃない、関係者だ!」
校門を通り、校舎には入らずに外縁をぐるりと回り、細い道を突き進む。あれから三年以上経っているのに、校舎もこの細い道も、何も変わっていない気がする。懐かしいあの場所に近づくにつれ、動悸が早くなっていくのを感じた。
校舎の壁が尽きると共に、急に視界が開ける。広く青い空が、目に飛び込んでくる。先に来ていたハルが、僕に気付いて振り向くビジョンが、一瞬だけ浮かんで消えた。
「ここが、僕がモネの丘と呼んでた場所だよ……」
「わあ、綺麗!」
「ここが……ハルちゃんの言ってた……」
モネの丘は、三年前の秋の日に、ハルを描いていた時と何も変わっていなかった。丘からの景色は、建物の増減のせいか僅かに変化を感じたが、丘に佇む一本の桜も、遠くに見える山々も、記憶の中の風景と一致した。もちろん、季節の違いはあるのだが。桜は枯れているし、遠くの山には雪がかかっているのか白くなっていた。
春も、僕も、藤岡も、暫く無言で景色に見とれた。静寂の中、二月の冷たい風だけがそよそよと流れ、まるで世界が停止しているかのような錯覚を感じた。
「ね、秋の絵、見せてよ」
春の提案で、僕たちの時間はまた動き出した。
「先に言っておくが……、途中だし決して上手くはないからな」
そう言うと、思い出と同じ位置にイーゼルと折り畳みイスを設置し、カンバスを袋から出した。
「おお、ほんとだ、ここの景色だ!」
「そりゃそうだよ。ここで描いたんだから」
未完成のカンバスには、夕焼けと、一部欠けている秋の景色と、それらに包まれるハルの制服姿が半分ほど描かれている。ハルはあの頃、色んな表情を見せていたので、絵の中のハルには顔がなかった。最後の仕上げに描こうと思っていたからだ。
「ふむふむ……。こんな感じかな?」
春は暫く絵を眺めた後、絵の中のハルと同じ姿勢で、景色の中に立った。
記憶の中で鮮明に輝く景色と、目の前の風景が、ぴたりと一致する。
涙が溢れそうになったが、ぐっと堪えた。今は藤岡もいるんだ。
そう思って、先ほどから何も言わない藤岡をちらりと見たら、ハンカチで目元を拭いていた。藤岡……君はきっと、ハルの一番の親友だったんだろうな。
パレットに絵具を出し、筆を構える。
始める前に、ずっと気にしていたことを、春に聞いてみた。
「今更だけど……、本当にいいのか? 僕は、ハルを……君に重ねようとしているのに……」
「うん、気にしないで。秋が私に、昔の恋人の面影を重ねるだろうなってのは、最初から覚悟してたよ」
「え……、そうなのか?」
「そう。初めて秋と話した日からね」
女の子は鋭いというのはよく聞くが、本当なんだな。
「ねえ、二人は、その……付き合ってるの?」
藤岡が久しぶりに口を開いた。春が首を振る。
「ううん。残念ながらまだだよ」
「そう……」
そうだよな、ハルの友達で、色んな相談事を聞いていた藤岡にとっては、僕がハルとそっくりな女の子と付き合っていたら、気に入らないかもしれない。本当に全員が納得できるような答えは、一体どこにあるんだろうか。
「じゃあ、始めるよ……」
「うん」
目が合うと、春は小さく微笑んだ。
静かな世界の中で、春を描いた。制服はないので記憶を頼りにして、体の形や姿勢、手や足の比率、表情や髪の光沢などの細かい部分は、春を参考にした。夕焼けの秋の景色はここには存在しないけど、使えるものは使って、あとは想像と記憶で補うしかない。
遠いハルの思い出と、目の前の春の優しさに、胸は切なく痛み続けたけど、一人で向き合っていた時のような涙は流れなかった。その代わり、僕に微笑む春の目から、一粒の涙が流れたのが見えた。高校の夏合宿でハルと見た、一筋の流れ星のようだった。
「え……、なんで泣くんだ? やっぱり、嫌だったか?」
「あれっ……ホントだ。何でだろう。全然悲しくないし、心はすごーく静かで落ち着いてるのに、急に涙が出ちゃった。へへ、おかしいね」
そう言って春は、手で涙を拭う。
「きっと目にゴミが入ったとかだよ。大丈夫だから、続けて」
「わかった……」
少し気にしながらも、僕は春を描き続けた。