ホワイトデーの贈り物



塚本琴菜(つかもとことな)

幼なじみで彼氏の河田俊(かわだしゅん)と毎朝一緒に通勤してます

小さい頃……記憶がない頃に俊にキスをされてからいつの間にか恋人同士の私達、小学校の入学式の時に俊からプロポーズ(お互いの母親曰く)

でも、俊はサッカーも上手くてかっこいい
当然モテる訳で………彼女の私はヤキモチを妬いてばかり

というのも俊はみんなに優しい
他の女子とも普通に仲良く話す

それは俊のいいところだし、みんなに嫌われるよりは私も全然いいと思う

ヤキモチを妬いてるのは私の感情だけだし、俊に愛されてるのは充分わかる


高校を卒業して私は医療事務を取得して近くの整形外科へ就職していた

一方俊は理学療法士の資格を取る為に専門学校へ進み私達は中距離恋愛になった

その間お互いに色々あったが、お互いの仲も元に戻り、俊が国家試験を受ける日にインフルエンザになった

その事を職場で話すと病院のご好意で俊をバイトで雇ってくれて、次の国家試験に受かったら職員として雇ってくれるという大変有難いお言葉をいただき今に至る

どっちの運がいいのか……
インフルエンザにならなければ違うところに勤務していた可能性もある

とはいえ、今も同じ時間に家を出ることが出来るし病院も夜中にリハビリも事務もしないので夜勤もない


俊が働き始めてからの最初の年のバレンタインデー

モテる俊は沢山のチョコを貰った

もちろん病院の関係者は私が彼女と言うことは知ってるし、患者さんにも俊は彼女はいるの?って聞かれると

「受付の可愛い子が彼女です!」

と答えているらしい

まぁ、愛されてるのはわかる………

でも、義理チョコの数………

病院終わりに2人で紙袋1杯のチョコを3袋持って帰った

「ちょっと、俊、断れなかったの?」

「無理だよ、だって患者さんなんてわざわざ持ってきてくれたんだよ?おばあちゃんとか多いしさ、俊くんにって言われて断れる?」

おばあちゃんを出されると確かに断れないけどさ


チョコを貰って帰ってから1つ1つ開けていき、貰った人の名前も書き出したのは当然私がやった



そしてもうすぐホワイトデーが近づいてきていた

「ねえ、俊、お返しどうするの?」

「うーん、そうだなぁ、やっぱりしないとまずいよな」

「そうだと思うけど?買いに行く?」

「まあ、今日の帰りに見に行って見るか」



仕事終わりにショッピングモールに行った

バレンタインデーほどではないがコーナーがあり沢山の商品が置かれていた

「何がいいのかなー、琴菜なら何が欲しい?」

「そうねー、最近お返しにも意味があって……」

琴菜は携帯で検索を始めた


俊も携帯を開き調べてみる

「なるほど……難しいな」

俊は携帯を閉じた

「無難にクッキーだな(笑)」

「だね、でもチョコでもさ高そうなものも手作りのものも、普通に市販のものもあったじゃない?」

「うん」

「そこらへんの区別はどうするの?」

「もう、同じものにするしかないかなぁ」

「じゃあ選ぶ?」

2人はホワイトデーのコーナーを見て回った



「何かあまりコレって言うものがないな、疲れた」

俊は近くの椅子に座った

「何か飲みもの買ってこようか?」

「うん、炭酸がいい、暑い」

「わかった」


俊は携帯を出してメールを送った


「はい、俊、お待たせ」

「あっ、サンキュー」



俊は飲みながら言った

「なぁ、琴菜さ、昔よくクッキー作ってなかった?」

「あー、作ってたね、中学生の時にオーブンを買ったばかりで楽しくて俊に味見をさせてたような気がする」

「あれ、美味かったんだよなー、作ってくんない?」

「は?」

「だから、琴菜のクッキーが食べたい……ちゅっ」

俊は人目も気にせず頬にキスをした