「わっ! いっぱい入ってる!」
箱を開けた直後に、わたしは声をあげた。アクセサリーや財布が入っている。
「お前の髪にぴったりだと思うんだ、これとかさ」
健はそう言って、箱の中から小さな白いリボンを取り出した。
「わあ、嬉しい!」
わたしは黒髪で、編み込みハーフアップにしているので、それに合ったものがあるのは、喜ばずにはいられない。
健が、後ろから上手にリボンをハーフアップの結び目につけてくれた。
「似合う似合う! 選んで正解だったな」
自分のことのように目を細めてくれる健。まるで小さい妹の面倒を見るような表情だ。
箱のすみの方に、小さな袋があったので、開けてみるとドロップパールのイヤリングだった。
「今、それもつけてみろよ」
「えっ? ちょっと派手にならないかな」
髪にリボンをつけて、耳にイヤリングをつけるだなんて、少し豪華に飾りすぎだとわたしは思った。
「なんで? いいじゃん」
「本当? じゃあ、今つけてみる」
わたしは、近くにあった手鏡を健に持ってもらい、イヤリングをつけた。