本社ビル

「失礼します。コーヒーお持ちしました」


「ありがとう」

「何か部長、ご機嫌ですか?」

「えっ、顔に出てる?」

「なんとなくですけど……」



「どうかな、いいことがあったとも言えるし残念とも言えるかな」

「はい?」


竜二は雫の足が治ったことと管理栄養士の資格のことを話した


「まあ、お子様はまだ雫様がお若いですからね。結婚は一年と少しですか……」

「そうなるな、ん?まだ大きなスケジュールは入ってないだろ?」



「そうですけど……あの私事なのですが産休を……」



「ん?子供出来たのか?」

「はい、やっと授かりまして……そのお式の準備がお手伝いできないかと……」

「出産は終わってるよな?」

「まあ、夏予定なので」



「式に出席してくれれば構わない。自分の身体のことを考えて産休に入るといいよ」

「ありがとうございます」


「よかったな、結婚して五年か」

「はい」

「無理して動くなよ(笑)俺が動くから」

「ありがとうございます」

「八階に行ってくる」

「はい」




八階社長室


「そうか、そういうことなら雫ちゃんの入社を許可しよう。詳しいことは正月に家に来て決めればいい」

「ありがとう」

「真木くんの後任もお前に任すよ」

「春の新入社員が来てから決めるよ。じゃあ戻る」