医者に病気だと診断されても生活の面は誰にも頼らないし、自分一人で暮らしていかなければならない。


人を信じていないあたしは職場の誰にも病気の件は話さず、薬を服用して以前と変わらず毎日仕事をしていた。


体の不調は続いているけど心に光がさしてる気がしている。


なぜなら悠希という強い味方があたしを守ってくれるのだから…


頑張るのは嫌いだが、もうちょっとだけ頑張ってみる。


頑張ってみたい。


そして悠希とこの部屋にいたい。


自分の部屋は自分だけの部屋じゃない気がして仕方ないんだ。


~二人の部屋~


この部屋を維持する為にあたしの体よもってくれと願う…


だが、薬だけではおさまりきらない原因は心の奥底に根付いていた。


子供の時に背負った心の傷は修復するには不可能で、全身を切り刻んでいたんだ。


あたしはむしばまれていく体に薄々気付きながらも目を伏せ、二人の部屋を守る為に意地でもアパートを借り続けていた。



悠希と付き合い、気付けば約半年の月日を共にしている。


駆け巡った半年は山あり谷ありだったが、彼氏と共に過ごした時間でこんなに充実した時を過ごせたのは悠希しかいない。


「男がなんぼのもんだ」って気持ちを撤回してもいい。


悠希がずっと隣にいてくれるなら…


二人で時を刻み、月日が過ぎる。


それは否応なしに年をとるという事。


あたしは誕生日が近くなっていても体調の優れなさで自分の誕生日をすっかり忘れていたんだ。