それほど話題になっていた観覧車ビルが今日のトリを飾るという事になる。

 早速僕たちは観覧車の入場チケットを買いに受付に並ぶ。最近できただけあってたくさんの人が行列を生んでいる。皆観覧車に乗りたいという人達だ。この入場受付の所に行くまでに若者向けのショップやレストランといったものがそれぞれの階層で軒を連ねていてはいるが、やはり皆ここにきたのなら観覧車に乗りたいのだと、そう思うのだろう。
「結構並んでいるね」
 僕は話を彼女に振る。
「そうだね。でも、その分私は楽しみだな」と返してきた。彼女の言う通り、それはそれでより楽しみになるという事もある。はそう言い聞かせて、列に並んだ。
 結局僕たちが受付前まで行くのに30分かかってしまった。結構な時間並んだな、と思う。でも、もうすぐ観覧車に乗れる。