♪side:翔一
航大がラジオを消して、俺はずっとテーブルに向かって俯いていた。何を話していいか分からなかった。わざとらしく話をそらすことも出来ず、結局今のラジオの内容の話になってしまう。
「航大はさ、同性愛ってどう思う?」
「あぁ、同性愛……ね。俺は……そうさなぁ、ありだとは思うけど」
「え?ありなの?」
「別に誰が誰を好きになろうがお互い愛し合ってりゃ性別なんか関係ないんじゃねぇの」
「なるほどなぁ……性別なんか関係ない……か」
「なんだよそんな元気無くして」
「俺、お前のこと好きかも。男として」
「え……?は?」
「いや、ごめん、ギャグか何かの冗談に聞こえたら申し訳ないと思うけど、残念ながら本気なんだわ」
「……」
「だよなぁ。ふざけんなって思うよな」
「いや別にふざけんなとは思わないけど、どうしたんだよ突然」
「突然か、突然って訳でもないんだけどな」
「俺からしたら突然だよ」
「なんかさ、前からすげぇモヤモヤしてたんだ。お前のこと、友達って思ってたけど……」
「けど、なんだよ?」
「けどさぁ、なんか、なんていうかな、好きだって思っちまったんだよな」
「よくわかんねぇけど」
「俺もよく分かってねぇけど、別に冗談とかじゃなくて、ちゃんと本気だよ」
「本気かよ」
「酒飲んで、煙草吸ってて、無精髭すらろくに剃らないけど、好きなもんには一直線で、飾らない航大って、かっこいいよ」
「結構貶してんじゃねぇか」
「そういうのも全部含めて好きだっつってんだ」
「好きなもんに一直線か……なれたらよかったけどな」
「なってんじゃねぇの?今もハガキ書き続けてるんだし。ラジオも立派な趣味で、好きなことだろ」
「でも、もっと上手くハガキ書く奴なんかいっぱいいるだろ。そいつらに比べれば俺なんか……」
「続けるってのが一番好きな事に一直線ってことだと思うぞ。なにかを続けられなくて諦めた奴の方がこの世の中にはいっぱいいると思う」
「そうか……そんなもんなのか」
「そんなもんだと思うけどな」
「さっぱり状況が読めないけど、とりあえずありがとう」
「返事それかよ」
「それかよ、じゃねぇよ。状況が飲み込めないんだよ」
「航大は俺のことどう思ってんだって話だよ。付き合う付き合わないは今はどうでもいい」
「どう思ってるって、難しすぎんだろ。恋人として見れるかどうかって話だろ」
「まぁ、平たく言えばそういうことになるのかもな」
「おいちょっと待てって。さすがに情報が多いだろ」
「さっきのラジオちゃんと聞いてたか?」
「話変えるなよ」
「変えてねぇよ。さっきのラジオの五枚目に読まれたハガキ、俺のなんだよ」
「は?ミスコンのグランプリがどうとか言ってたやつ?」
「それ。俺はお前にこれからもありのままの俺を受け入れ続けて欲しいと思ってるよ」
「お前、よくそんな歯の浮くようなセリフ言えるよな」
「悪いかよ、本気なんだって。何度も言ってんだろ」
「ちょ、待て分かったから」
今まで生きてきた中で一番の本音と一番の緊張が混在して、頭の中がパンクしそうになっていた。全身が熱くなっていた。言いたかったことは全て漏らさず伝えたし、一生分の勇気を使い果たした気がした。今にも崩れそうな崖っぷちに自分から歩み寄って、もう後戻りは出来ないところまで来てしまった。
航大がラジオを消して、俺はずっとテーブルに向かって俯いていた。何を話していいか分からなかった。わざとらしく話をそらすことも出来ず、結局今のラジオの内容の話になってしまう。
「航大はさ、同性愛ってどう思う?」
「あぁ、同性愛……ね。俺は……そうさなぁ、ありだとは思うけど」
「え?ありなの?」
「別に誰が誰を好きになろうがお互い愛し合ってりゃ性別なんか関係ないんじゃねぇの」
「なるほどなぁ……性別なんか関係ない……か」
「なんだよそんな元気無くして」
「俺、お前のこと好きかも。男として」
「え……?は?」
「いや、ごめん、ギャグか何かの冗談に聞こえたら申し訳ないと思うけど、残念ながら本気なんだわ」
「……」
「だよなぁ。ふざけんなって思うよな」
「いや別にふざけんなとは思わないけど、どうしたんだよ突然」
「突然か、突然って訳でもないんだけどな」
「俺からしたら突然だよ」
「なんかさ、前からすげぇモヤモヤしてたんだ。お前のこと、友達って思ってたけど……」
「けど、なんだよ?」
「けどさぁ、なんか、なんていうかな、好きだって思っちまったんだよな」
「よくわかんねぇけど」
「俺もよく分かってねぇけど、別に冗談とかじゃなくて、ちゃんと本気だよ」
「本気かよ」
「酒飲んで、煙草吸ってて、無精髭すらろくに剃らないけど、好きなもんには一直線で、飾らない航大って、かっこいいよ」
「結構貶してんじゃねぇか」
「そういうのも全部含めて好きだっつってんだ」
「好きなもんに一直線か……なれたらよかったけどな」
「なってんじゃねぇの?今もハガキ書き続けてるんだし。ラジオも立派な趣味で、好きなことだろ」
「でも、もっと上手くハガキ書く奴なんかいっぱいいるだろ。そいつらに比べれば俺なんか……」
「続けるってのが一番好きな事に一直線ってことだと思うぞ。なにかを続けられなくて諦めた奴の方がこの世の中にはいっぱいいると思う」
「そうか……そんなもんなのか」
「そんなもんだと思うけどな」
「さっぱり状況が読めないけど、とりあえずありがとう」
「返事それかよ」
「それかよ、じゃねぇよ。状況が飲み込めないんだよ」
「航大は俺のことどう思ってんだって話だよ。付き合う付き合わないは今はどうでもいい」
「どう思ってるって、難しすぎんだろ。恋人として見れるかどうかって話だろ」
「まぁ、平たく言えばそういうことになるのかもな」
「おいちょっと待てって。さすがに情報が多いだろ」
「さっきのラジオちゃんと聞いてたか?」
「話変えるなよ」
「変えてねぇよ。さっきのラジオの五枚目に読まれたハガキ、俺のなんだよ」
「は?ミスコンのグランプリがどうとか言ってたやつ?」
「それ。俺はお前にこれからもありのままの俺を受け入れ続けて欲しいと思ってるよ」
「お前、よくそんな歯の浮くようなセリフ言えるよな」
「悪いかよ、本気なんだって。何度も言ってんだろ」
「ちょ、待て分かったから」
今まで生きてきた中で一番の本音と一番の緊張が混在して、頭の中がパンクしそうになっていた。全身が熱くなっていた。言いたかったことは全て漏らさず伝えたし、一生分の勇気を使い果たした気がした。今にも崩れそうな崖っぷちに自分から歩み寄って、もう後戻りは出来ないところまで来てしまった。