黄昏、君を探して。


 学校から徒歩十分ほどの場所にショッピングモールがあるから、と相川の腕を引いてやって来た。

 モールのフードコートにあるタピオカ専門店は、平日であろうとなかろうと長蛇の列を作る。そのはずだけれど、なぜか今日は一人も並んでいなかった。


「やっぱ田舎のタピオカはこういうとこで売ってるんだな……。東京とは全然違う」


 一言一言多い。余計な一言どころじゃ済まないくらいに好き放題言われて、少しイラついた。
 それでも、不思議と憎めない。自分が情けなくなる。


「タピオカ、買いに行かないの?」


 強く腕を引かれて、メニューも決めずにレジに並んでしまった。


「いらっしゃいませ!ご注文どうぞ!」


 私はメニュー表を見つめながら少し考えた後、カルピスタピオカジュースのタピオカ増量は相川ので、私はミルクティータピオカ、と決めた。


「ベースがカルピスでタピオカ増し増し、もう一つはタピオカミルクティーでお願いします」

「はい! お作りいたしますので、横にずれてお待ちください!」


 商品を受け取った後、私は喉の渇きに耐えられず、ミルクティーを勢い良く飲み干すとタピオカだけが残ってしまった。

 虚し気にカップの底にたまったタピオカを見つめる私に対してか、相川は肩を震わせて笑いを堪えている。

 私は、なんでこんな人にタピオカという高校生にとって高価なものを奢ったのか、理解できなくなかった。
 衝動的な行動だったとはいえ。


「神崎、意外と不器用なんだな」

「うるさいな、文句ある?」

「いや無いけどさ、タピオカ飲むのここまで下手くそな人初めて見たからさ」

「……それが人に嫌悪感を与えていることくらいわからないかな?」

「待って、怒ってる?」

「怒るを通り越して、呆れてるっての」

「あらま」


 相川は、私の返事を聞くなり、堪えていた笑いを爆発させてしまったようだった。

 私は今、ここに穴があれば入りたいくらいに顔が熱くなったり動悸がしたりで、動揺を抑えきれず、タピオカジュースを手に持ったまま、相川に背を向けて歩き出した。