廊下を歩く音、人とすれ違う時の風の音。
音楽室から聴こえる、いつの日かの音。
校庭で響き渡る黄色い音。
静かな朝の教室に差し込む、太陽の光。
教科書をめくる音。
休み時間の周りの音。
昼休みの賑やかで楽しい音。
少し寂しくなる放課後の教室の音。
かと思えば音楽室から響き渡る、吹奏楽部の音色。
この世界は、音で溢れている。
嫌なくらい。
あの日、そんな当たり前の音たちが、消えた
「あんた、うちらと友達だっけ?」
自分の耳がおかしいのかと思った。
だから、何度も心の中で聞き返した。
むしろ、それをすること意外に私ができることは何もなかった。
今思えば、その時の私にはもう、
事実を受け入れられなかったのかなって。
いつも無理をして、笑顔を作っていたから。
それでも、なんで私は笑顔をやめられないんだろう。先生にも、周囲の人間にも。
自分にも。
いつまでも、私は私に終止符を打てないままだ。


