今日は夏休み補修授業の最終日。
 今日一日乗り切れば、明日から本当の夏休み!
 そんな感じで、体の半分が休みの色に染まって登校した。

 教室に入る。
 私が受けるのは、学力向上の補習授業。
 ほんとは任意参加なんだけど、部活とかの特別な理由が無い限りは、全員参加。
 一日中、過去問や応用問題の演習ばかりで、嫌になる。
 まぁ、赤点補習にならなかっただけ、マシなんだろうけど。

 今日は、まだアーちゃんは来てないのかな。
 隣の席の様子を見ながら席につく。
 私が、一時限目の教科書を、机の上に準備していると…。

「ねぇねぇ。濱野~。知ってる? 大ニュース、大ニュース」
 猫なで声の藁川百合華がやってきて、アーちゃんの机に座った。
 続いて、いつも百合華に引っ付いてる牟田口朱美が一つ前の席に座る。

 折角、いい気分でいたのに。朝から、嫌な人たちに絡まれた。
 そもそも、「濱野~」なんて、呼び捨てにされる程の仲ではない。
 それに、この人たちの大ニュースとは、どうでも良いような噂ばかりで、聞くだけ
無駄というものだ。
 一体全体、何だって、私のところに話を持ってきたのだろう。
 私は無視を決め込む。