広沢 心優(ひろさわ みひろ)として、漫画家の奏心(かなみ)として、悔いのない人生を送る為に第一歩を踏み出す。

今日はアシスタント候補の面接である。

私なんかがバリバリの少年漫画を描いているとして、引かれないかな?

アシスタントは二人取りたいのだが、技術面が優れている方、並びに男性が苦手という点から女性優先。

事前に出しておいた課題の技術面のチェックや入れる時間帯や曜日等を考慮し、気になる二人に絞った。

どちらも独身の方で、今流行りの妖や異世界の漫画を投稿しているらしい。

「まずは、ペンネーム……マナさん。アピールポイントがあったらどうぞ」

「……先生って女性だったんですね。オマケに可愛いとは!素敵です!私は背景をこまかーく書くのが好きです。ぜひアシスタントさせて下さい!」

私は緊張してガチガチで何も聞けないから、対馬さんが代わりに面接してくれている。対馬さんが質問して、それに答えたマナさん。マナさんは見た目は金髪で派手な印象だったが、応募して来た方の中では背景が一番上手だった。流石、自分で推すだけあるなぁ。

「次はペンネーム、えびまよさん」

「先生の漫画が大好きです!以前は少女漫画を投稿してましたが、先生の漫画を読んでから異世界とかファンタジー系も興味が湧きました」

えびまよさんはトーン使いがとにかく上手だった。ペンネームがえびまよさんだけれど、私がエビ好きだから選んだ訳ではない……。えびまよさんは、どことなく福島さんに似ている。アニメと漫画大好きな方。