しばらくして、潤兄が俺の部屋をノックして、
「御飯食べよう。待たせてごめんな」
と言った。
気付けば、時刻は21時少し前だった。長い時間、話し合いをしていたらしい。
下に降りていくと、テーブルに弁当が4つ並んでいた。
「ヒロ、遅くなっちゃったからコンビニ弁当でごめんね。同じのがなくて、好きなの選んでね」
そう言った母は、泣き腫らしたのか、目の周りが赤くなっていた。
「父さんは鮭弁当にしたいなぁ……」
「あら、私も鮭弁当が良かったのに!……じゃあ、分けっこしましょ」
「母さん、今は分けっこじゃなくて、シェアって言うんだよ」
「知ってるわ、そんな事。シェアなんかよりも、分けっこの方が可愛いわ」
両親の会話は常にこんな感じだが、母が今にも泣き出しそうな顔をしていて、空元気だと直ぐに分かる。潤兄にも俺にも気を使わせないように、わざと明るく振舞っているかのようだった。
結局、父が鮭弁当、母がハンバーグ弁当、潤兄はパスタ、俺は生姜焼き弁当になった。本当にてんでバラバラの弁当だ。
潤兄はパスタを選んだのは良いが、食が進んでいなかった。潤兄だけではなく、両親も進んではいない。オマケに会話もない。
「御飯食べよう。待たせてごめんな」
と言った。
気付けば、時刻は21時少し前だった。長い時間、話し合いをしていたらしい。
下に降りていくと、テーブルに弁当が4つ並んでいた。
「ヒロ、遅くなっちゃったからコンビニ弁当でごめんね。同じのがなくて、好きなの選んでね」
そう言った母は、泣き腫らしたのか、目の周りが赤くなっていた。
「父さんは鮭弁当にしたいなぁ……」
「あら、私も鮭弁当が良かったのに!……じゃあ、分けっこしましょ」
「母さん、今は分けっこじゃなくて、シェアって言うんだよ」
「知ってるわ、そんな事。シェアなんかよりも、分けっこの方が可愛いわ」
両親の会話は常にこんな感じだが、母が今にも泣き出しそうな顔をしていて、空元気だと直ぐに分かる。潤兄にも俺にも気を使わせないように、わざと明るく振舞っているかのようだった。
結局、父が鮭弁当、母がハンバーグ弁当、潤兄はパスタ、俺は生姜焼き弁当になった。本当にてんでバラバラの弁当だ。
潤兄はパスタを選んだのは良いが、食が進んでいなかった。潤兄だけではなく、両親も進んではいない。オマケに会話もない。