自分の沸き上がって来た感情を押し殺して、店内を巡る。

始まりかけた淡い恋は、まるで小学生の初恋のように何もする事が出来ないままに終わるだろう。

今、この瞬間だけでもヒロ君と居られたならば……私の心に残る一日となる。

だから、まだ側に居させてね?

「わぁ、コレ……綺麗」

目についたのは、誕生石のネックレス。

キラキラと輝く、透き通る桃色のピンクトルマリンは私の誕生石だ。

私は綺麗で可愛いと思うけれど、ヒロ君の彼女は、どういうのを好むのかなぁ?

「ピンクトルマリン……10月……」ヒロ君は呟きながら、ガラスケースの中のジュエリーを見つめる。

「そちら、新作の誕生石シリーズなんですよ。お出ししましょうか?」

私達の様子を伺い、店員さんが、すかさず駆け寄る。

満面の笑みを浮かべる店員さんに断りを入れられず、ケースから出して貰う事にした。

女の子の憧れである、“お姫様”のティアラにちりばめられた誕生石。

本当に可愛いすぎる!!

「つけてみましょうか?」

店員さんが有無を言わせずに次の行動に出て、私の首にネックレスを通す。