「美紗は、双子だったんだよ」


お父さんがゆっくりとした口調でそう言った。


「双子……?」


「あぁ。もう一人の子は男の子で、名前ももう決めてあった。だけど、帝王切開で生まれて来た直後に息を引き取ったんだ」


「今まで言えなくてごめんね。お母さんとお父さんも、なかなか幹久(ミキヒサ)の事が忘れられなくて……」


「ちょっと待って! その子の名前は幹久だったの?」


「えぇ、そうよ。美紗がお姉ちゃんで、幹久が弟だったの」


お母さんが頷く。


2人の目には涙がたまっていたが、それ以上の衝撃が体に走っていた。


『俺はミッキーだよ!!』


元気一杯な声を思い出す。


みきひさ、ミッキー。


ただの偶然?


でも、こんなことってある?