一瞬、固まってしまった。


ミッキーの香りをすぐそばで感じる。


ミッキーはあたしの体を抱きしめたまま、背中をポンポンと叩いてくれた。


それは幼い頃のあたしが両親に良くやってもらっていた事だった。


懐かしい感覚が胸の中に蘇って行く。


「ミッキー……」


男の子に抱きしめられて恥ずかしいはずなのに、あたしの心はとても心地よかった。


あたしはミッキーの温もりを感じながらそっと目を閉じたのだった。