超能力での救助が無理なく出来るようになった頃、陸くんが意外なアイデアを提案
してきた。
 それは『バリア』。
 自分が透明で固い球体の中心に居るようなイメージを作る。
 すると、念動力がイメージした球体状に働き、近寄る物体が球体状の念動力で跳ね
返される。バリアがあれば、火の粉が降ったり、石礫が飛び交ったりする場所でも、
活動が可能になる。
「バリアなんて、どうやって考えたの?」と聞いたら。
「漫画で見た気がする」とのこと。
 流石、元中二病少年。あ、ゴメン。今の無し。

 バリアが使えるようになった所で、陸くんからまた新しい提案があった。
 それは、『ステルス飛行』。
 飛行中に自分の周囲にバリアを張り、その外側の空気を念動力で圧縮する。
 圧縮された空気は熱を出す。そうすることで光が屈折し、私達の姿が背景に隠れて
見えなくなる。蜃気楼や逃げ水と同じ理屈だ。
 地上では、私達の周りに陽炎が立っているように見えるだけだが、飛行中にやって
みると、飛んでいる姿が見えにくくなる。高速移動すれば尚更だ。
 ステルス飛行を使えば、私達の居場所が分かる危険を減らせるだろう。
「ステルス飛行なんて、どうやって考えたの?」と聞いたら。
「やっぱり、漫画に描いてあった」とのこと。
 流石、元中二病少年。(ry