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夜中になり、あたしはお姉ちゃんの布団の中に入り込んでいた。


お母さんはああいっていたけれど、男子に言われた言葉は想像以上にあたしの胸に突き刺さっていた。


「大丈夫だよサオ。あたしたちの顔を見て」


お姉ちゃんはそう言い、手鏡を取り出した。


1つの布団に寝転んでいる、よく似た2人の女の子。


「ほら、そっくり」


「本当だ」


薄暗い部屋の中で2人でコソコソしているだけで心が弾んだ。


誰にも内緒で少し悪い事をしている気分になれる。