*
「ご馳走さま」
晩ご飯を食べ終え、食器をキッチンのカウンターに乗せると。
「ねーちゃん、俺が先に飯食い終わったからサッカーの試合見るからな」
リモコンを片手に小6になったばかりの弟がドヤ顔で言う。
小さい頃はよく、テレビの取り合いでケンカもした。今でもたまにはあるけれど、もう面倒だから弟に譲ることが多くなった。
「はいはい、どうぞ。私は宿題するよ」
やったーという弟の声を聞きながら私は自分の部屋に向かう。弟よ、おまえは勉強しなくて大丈夫なのか?
そうは言ったものの、タブレットの画面に複雑に並ぶ英語を見ていると、頭がクラクラしてくる。
勉強は苦手じゃない。特別成績が良いわけではないが、普通レベルにはこなしている。
やっぱり今日はなんだか調子が良くないな。
英語の問題は諦めて、私は学校専用アプリのSNSを開く。
うちの学校では生徒1人1人、専用のタブレットを使って授業を行っている。
教科書はほぼ、このタブレットに内蔵されている。今日も英語の授業で課題が出され、明後日までにそれを解いて送らなければならない。
今どきの授業方法に最初はみんな戸惑ったけど、今では先生の方が生徒に教えてもらっていたりするだから、やっぱり私たちは今どきの若者なんだろう。
パッと明るなった画面には、その日に呟かれたいくつかの投稿が見える。
「ご馳走さま」
晩ご飯を食べ終え、食器をキッチンのカウンターに乗せると。
「ねーちゃん、俺が先に飯食い終わったからサッカーの試合見るからな」
リモコンを片手に小6になったばかりの弟がドヤ顔で言う。
小さい頃はよく、テレビの取り合いでケンカもした。今でもたまにはあるけれど、もう面倒だから弟に譲ることが多くなった。
「はいはい、どうぞ。私は宿題するよ」
やったーという弟の声を聞きながら私は自分の部屋に向かう。弟よ、おまえは勉強しなくて大丈夫なのか?
そうは言ったものの、タブレットの画面に複雑に並ぶ英語を見ていると、頭がクラクラしてくる。
勉強は苦手じゃない。特別成績が良いわけではないが、普通レベルにはこなしている。
やっぱり今日はなんだか調子が良くないな。
英語の問題は諦めて、私は学校専用アプリのSNSを開く。
うちの学校では生徒1人1人、専用のタブレットを使って授業を行っている。
教科書はほぼ、このタブレットに内蔵されている。今日も英語の授業で課題が出され、明後日までにそれを解いて送らなければならない。
今どきの授業方法に最初はみんな戸惑ったけど、今では先生の方が生徒に教えてもらっていたりするだから、やっぱり私たちは今どきの若者なんだろう。
パッと明るなった画面には、その日に呟かれたいくつかの投稿が見える。