朱里とは中学の美術部で出会った。朱里は明るくて誰とでもすぐに仲良くなれる。それなのに、朱里はいつも私の隣りにいた。私の描く絵が素敵だと、言ってくれた。
クラスではボッチだけど。部活に行けば大好きな絵を描ける。大好きな朱里に会える。私は絵と、朱里のおかげで、中学生活を乗り越えられた。
そして、なんだかんだで高校も同じで、琥太郎というオマケまで付いてきて。相変わらずのコミュ障だけど、入学からもう少しで2ヶ月経つけれど、大きな不安もなく高校生活を送れている。
「どうした?珍しく筆が進んでませんな」
言われて初めて気付く。今日はまだ青い色しか使ってない。
「ん?そうだね、何でかな」
青い色は眩しくて。真っ直ぐに引かれた線がまるで長方形に切りとられた海のように見える。
もう一本線を足して正方形にしてみようかと筆を取ったが、やめた。無理矢理描いたものはやっぱり、後々後悔することが多いから。
諦めて筆を置いた時。ドンドンと窓を叩く音がする。
のぞいていたのは琥太郎だった。
朱里が面倒くさそうに立ち上がり窓を開ける。
「朱里、水分が足りねー。何か買ってきて」
暑さで少しバテた様子の琥太郎。
「は?何?あたしパシリ?」
「ごめんって、何でもいいからさ、頼むよ」
朱里はぶつぶつ言いながらも財布を取り出して部室を出て行く。
クラスではボッチだけど。部活に行けば大好きな絵を描ける。大好きな朱里に会える。私は絵と、朱里のおかげで、中学生活を乗り越えられた。
そして、なんだかんだで高校も同じで、琥太郎というオマケまで付いてきて。相変わらずのコミュ障だけど、入学からもう少しで2ヶ月経つけれど、大きな不安もなく高校生活を送れている。
「どうした?珍しく筆が進んでませんな」
言われて初めて気付く。今日はまだ青い色しか使ってない。
「ん?そうだね、何でかな」
青い色は眩しくて。真っ直ぐに引かれた線がまるで長方形に切りとられた海のように見える。
もう一本線を足して正方形にしてみようかと筆を取ったが、やめた。無理矢理描いたものはやっぱり、後々後悔することが多いから。
諦めて筆を置いた時。ドンドンと窓を叩く音がする。
のぞいていたのは琥太郎だった。
朱里が面倒くさそうに立ち上がり窓を開ける。
「朱里、水分が足りねー。何か買ってきて」
暑さで少しバテた様子の琥太郎。
「は?何?あたしパシリ?」
「ごめんって、何でもいいからさ、頼むよ」
朱里はぶつぶつ言いながらも財布を取り出して部室を出て行く。