いつのまに蝉の声は聞こえなくなったのだろう。

朝、カーテン越しにも分かる日差しの強さは長引く夏の暑さを感じさせる。

今日から新学期。

合わせたアラームよりも前に目がさめるのはいつものこと。

ベッドの棚に置いてるはずのメガネが見当たらないのもいつものこと。

お母さんが朝の支度でバタバタしている音が聞こえるのも、いつものこと。


琥太郎は、学校に来られるのだろうか……。

そんなことを考えるのは、やはりいつもとは違う朝だ。