夏休みが終わり新学期が始まっても、ナナからの反応も投稿もなかった。
さすがに気になって、何度か当たり障りのないメッセージを、直接ナナに送ったりもした。
『宿題終わった?』
とにかく、無事を確認したかった。それでも彼女からの返信はなく、モヤモヤした気持ちが積もるだけだった。
まだギラギラと照りつける太陽から目を背けたくなるくような朝。
「おーす」
駅のホームでだるそうに声を掛けて来たのは野球部の透だった。
「ああ、久しぶり」
サッカー部よりも練習が厳しい野球部は忙しく、夏休みに入ってから透と会うことは一度もなかった。夏の甲子園に向けた県大会に、早々と敗退してしまったのも、練習が厳しくなった要因だろうけど。
「あちーな」
もはや挨拶と化しているその言葉。時おりホームの屋根からシューと音を立てて噴出されている霧状のミストだって、暑さ対策になっているのか疑問だ。
「三年引退したんだろ?」
「ああ、サッカーも?」
「ああ」
混雑しているホームに電車が滑り込んでくる。早くクーラーの効いた車内に入りたい。
誰もが順番を守りながらも我先にという気持ちで乗り込んだ車内には熱気がこもり、涼しいとは言えなかったが外よりは全然マシだった。
「そういやさぁ、亡くなった米村さんっているだろ?」
口を開いたのは透の方だ。
「ああ、知り合いか?」
「いや、知り合いではない。でも、野球部の琥太郎ってやつがさ、その米村さんの幼馴染で、彼氏みたいなもんでさ」
「マジか……」
やっぱり、そんな相手がいたんだ。
さすがに気になって、何度か当たり障りのないメッセージを、直接ナナに送ったりもした。
『宿題終わった?』
とにかく、無事を確認したかった。それでも彼女からの返信はなく、モヤモヤした気持ちが積もるだけだった。
まだギラギラと照りつける太陽から目を背けたくなるくような朝。
「おーす」
駅のホームでだるそうに声を掛けて来たのは野球部の透だった。
「ああ、久しぶり」
サッカー部よりも練習が厳しい野球部は忙しく、夏休みに入ってから透と会うことは一度もなかった。夏の甲子園に向けた県大会に、早々と敗退してしまったのも、練習が厳しくなった要因だろうけど。
「あちーな」
もはや挨拶と化しているその言葉。時おりホームの屋根からシューと音を立てて噴出されている霧状のミストだって、暑さ対策になっているのか疑問だ。
「三年引退したんだろ?」
「ああ、サッカーも?」
「ああ」
混雑しているホームに電車が滑り込んでくる。早くクーラーの効いた車内に入りたい。
誰もが順番を守りながらも我先にという気持ちで乗り込んだ車内には熱気がこもり、涼しいとは言えなかったが外よりは全然マシだった。
「そういやさぁ、亡くなった米村さんっているだろ?」
口を開いたのは透の方だ。
「ああ、知り合いか?」
「いや、知り合いではない。でも、野球部の琥太郎ってやつがさ、その米村さんの幼馴染で、彼氏みたいなもんでさ」
「マジか……」
やっぱり、そんな相手がいたんだ。