「木工よ。あなたはこんなの誰でもできるって言ったけれど、あたしにはそんな風には思えない。仕事だって料理だって、誰でもできそうだけど違うでしょう?」

妻の言おうとしていることはよくわかった。

幸太郎が硬くないご飯を炊けるようになったのは最近だから、何事にも努力が必要なのだと理解していた。

「作っても、売れなきゃ意味がないからね」

材料費を先に支払うだけで、商品が売れなければ結局赤字だ。