マミは嬉しそうに言って飛び跳ねた。

明美が同じアパートの一室で暮らし始めたことで、マミはどんどん元気になっている。

「そうだ。タエちゃんにこれを上げようと思ってたのよ」

明美がタエの前までやってきて、むぎわら帽子を脱いだ。

そしてそれをタエに差し出して来たのだ。

「えっ?」

タエは驚いて明美を見つめた。

このむぎわら帽子が大切なものであることを、タエも知っていた。