そうしている間に少女と旦那さんが近くまで来ていて、旦那さんが明美に会釈をした。

その顔の右ほおには、明美と同じようなホクロがあった。

なるほど、これを見て似ていると思ったのかと、明美は納得した。

「この子の帽子は拾い物なんです。ね、あなた」

女性が旦那さんへ向けてそう言う。

「あぁ。ボクが偶然この浜辺で見つけたんだ」

「え?」

明美は旦那さんの顔をマジマジを見つめた。