食堂の時のように止める事ができなくて、明美は棒立ちになったまま次から次へと涙を流した。

明美の指には今も指輪が光っている。それは色あせる事なく、キラキラと輝き続けている。

プロポーズされた時の事はまるで昨日の出来事のように鮮明に思い出すことができた。

でも……これで明美と旦那との思い出めぐりは終わってしまった。

2人の夫婦としての歴史はここで始まり、そして、ここで終わる。