「お前……それ、本当か?」


翌日、先輩に死神のこと、ブログのことを話した。


「はい。ですが、確かな証拠がありません。このブログの主はただ自分の考えを書いているだけで、自殺を勧めてはいません」
「つまり、この考えを知って、自殺したってことか……」
「……それと、遺書の指示をしたのはこのブログ主でした」


先輩の顔が険しくなっていく。


「湯村は今日、このブログ主と接触するんだな?」


先輩は睨み続けていた俺のタブレットを返し、確認してきた。


「はい」
「じゃあ、俺がこの前自殺した奴のパソコン履歴を調べてみよう。このサイトにアクセスしていたら、上も動かせるだろ」


先輩の言葉が信じられなくて、思わず凝視してしまった。


「……なんだよ」
「いえ、お願いします」


なんだかんだ、先輩も市民が大切なんだな。


そう思いながら、一日の業務を終えた。


約束の時間が近付き、俺は待ち合わせ場所に向かう。
妙な緊張感に襲われる。


指定したのは、川辺だ。
夕方になると、恐ろしく人がいない場所。


そこに行くと、人影があった。


「……え……」


一気に動揺が走った。
夕日に照らされ、川面を眺めているのは、女子高生だった。