「でも俺、岳海蒼丸の役に全然立ってないよね。もう少しでバイトの給料入るんだけどさ、物語上必要なものを買うのに充ててよ。マルオの小道具の予算に充当してもいいし」

 自分で稼いだお金を献上すると言い出した拓海に、

 「イヤイヤイヤイヤイヤ‼ 拓海が働いて得たお金を何で俺らに使わせるの⁉ 拓海のお金なんだよ⁉ 拓海だけのもの‼ それに俺、廃材で小物作るのが好きなの‼ お金をかけずにクオリティー高める事に燃えるから」

 『もう。何言ってるの、拓海‼』と、マルオが両手をクロスさせ、×を作りながら拒否した。

 「俺だって、岳海蒼丸の役に立ちたいんだよ」

 しかし拓海は、『たいした金額じゃないんだからいいんだよ』と引き下がらない。