始発の新幹線の中で爆睡し、そのまま出社すると、いつも通りの日常へ。

 今日も暫くすると社員たちが現場へ出払った為、事務所に蒼ちゃんと2人になった。

「……蒼ちゃん、あのね」

 唐沢とのことを報告しようと、蒼ちゃんに話し掛ける。蒼ちゃんはきっと、大喜びするだろう。

「何ー?」

「私ね、唐沢と付き合うことになったよ」

「……え。まじ?」

「うん。まじまじ」

「……そっかー」

 予想に反して、蒼ちゃんの反応は極薄だった。まぁ、そうか。結婚までいくかなんてまだ分からないから、蒼ちゃんを産んであげられるか確約も出来ない。でも、

「もう少し喜ぶかと思ってた」

 少なからず進展があったというのに、蒼ちゃんのこの薄味なリアクションにはやはり首を傾げる。