一年ぶりに、湖のある田舎町に帰省した高三の優芽。その町には、湖の守り神である龍神信仰が密かに根づいていた。

幼馴染たちと夏の日々を過ごすうちに、優芽は初恋の相手である皐月への想いを募らせていく。

夏祭りの夜、優芽と皐月は両想いに。だが「明日、もしも何か辛いことがあっても慌てないで」と皐月は意味深な台詞を言い残す。

翌日、皐月の存在はこの世から消えていた。子供の頃余命いくばくもないと言われていた皐月は、龍神と入れ替わり新たな龍神となることで、永遠に湖を見守る存在となっていたのだった。龍神は、夏の間だけ人の前に姿を現すことが出来る。

夏祭りの数日後、優芽は皐月のことを忘れてしまう。そして一年後、優芽は皐月と再会し、再び恋が動き出したのだった。

皐月の回想で、かつての龍神の正体は優芽だったことが明らかになる。小五の夏、優芽に恋をした皐月は、人間になりたがっていた優芽と自分の立場を交換した。優芽を幸せにし永遠に見守ることが、皐月の望みだったのだ。