「……は? いつ俺がそう言ったよ?」
「態度でわかるよ。私にばっかりきつい言い方するし、私と話してるときはいつも不機嫌だし、最近、ちょくちょく目が合ってたことも、計算ばっかりする私のことが不快だったからって考えたら、全部に説明がつくし」
「ちょっ、なんでそうなるの。目が合ってたことは認めるけど、俺は別に、宮野が嫌いだからとか不快だからって理由で見てない。そんなに自分を偽って疲れねーの、無理してんじゃねーのって、むしろ心配して……」
「信じない! そんなの、今考えただけじゃん! どうとでも言えるじゃん! 私から計算を取ったらなにも残らないよ。晄汰郎が好きそうな子にはなれないんだよ、私は!」
「……」
「あ、ご、ごめん……」
「いや」
俯き、詩は膝に顔を埋める。
つい感情的になってしまったけれど、でも言いたいことは、
それだった。詩とは正反対の、本来の可愛さで勝負をしてくる子。計算なんかしないで、真正面からストレートにぶつかってくる子には、詩はなれない。
つまり、晄汰郎は詩の理想の男子だったけれど、詩は晄汰郎の理想の女子ではなかったということだ。
最初から生息するエリアが違う。勝負するフィールドが違う。そんなの、今さら好きになったって、どうしようもない。
「態度でわかるよ。私にばっかりきつい言い方するし、私と話してるときはいつも不機嫌だし、最近、ちょくちょく目が合ってたことも、計算ばっかりする私のことが不快だったからって考えたら、全部に説明がつくし」
「ちょっ、なんでそうなるの。目が合ってたことは認めるけど、俺は別に、宮野が嫌いだからとか不快だからって理由で見てない。そんなに自分を偽って疲れねーの、無理してんじゃねーのって、むしろ心配して……」
「信じない! そんなの、今考えただけじゃん! どうとでも言えるじゃん! 私から計算を取ったらなにも残らないよ。晄汰郎が好きそうな子にはなれないんだよ、私は!」
「……」
「あ、ご、ごめん……」
「いや」
俯き、詩は膝に顔を埋める。
つい感情的になってしまったけれど、でも言いたいことは、
それだった。詩とは正反対の、本来の可愛さで勝負をしてくる子。計算なんかしないで、真正面からストレートにぶつかってくる子には、詩はなれない。
つまり、晄汰郎は詩の理想の男子だったけれど、詩は晄汰郎の理想の女子ではなかったということだ。
最初から生息するエリアが違う。勝負するフィールドが違う。そんなの、今さら好きになったって、どうしようもない。