キスだけじゃ足りない。それ以上のことをしたい。もっと蜜を感じたい。

そんな欲求は蜜とキスをする度、会うだけでもいつだって思ってる俺の願望。キスをすればそれは増して、脆い理性が崩れそうになることもあった。

だけどダメだって自分に言い聞かせて耐える理性は常にギリギリ。

それは蜜と会えば毎度のことなのに耐性というものには残念なことに全く無縁で、毎回蜜の犯罪級の可愛さやキスしたときに出る色気なんかと戦う俺。

当然まだ全勝無敗だけど、ここ最近じゃその全勝の栄冠が危うくなってきている。今だってそうで、実際、かなり危なかった。


俺と同じ気持ちじゃなかったら絶対シないって決めてるから〝いい?〟なんてわざわざ聞くんだけど、俺も男。

蜜を好きになってから一年ぐらいかなりご無沙汰で、数えきれないほど蜜の誘惑に耐えて耐えて耐えまくってきたこの努力が水の泡になりそうなぐらいそろそろ、もう、限界。

昔の俺とは真逆の俺になった(自分でも思う)とはいえ、鉄の理性を手に入れたわけじゃないし。…うん、まあ毎回耐えるのも辛いからそんなもんあるんだったら欲しいけど。


蜜がただ言葉だけで俺を拒否っていたら、全勝の栄冠剥奪。イコール、たぶん無理矢理事に及んでいたと思う。

一度理性が崩れるといくら蜜が泣いたってきっとやめてあげられない。嫌だと言われても無理で、蜜をめちゃくちゃにしてしまう。

そうなってしまうってちゃんとわかっているから。だから、泣きながら拒否ってくれるのが一番いい。…ショックだけど。

俺の弱点でもある蜜の涙が脆い理性を繋ぎ止めるから、それがいいんだ。

……マジショックだけどなっ!