自分が今から俺としようとしていることを人に、それも身内――自分の片割れに、まだ始まってないとはいえ見られて気づかれたことがかなり恥ずかしかったらしい。

邪魔が入ったことには舌を鳴らしたけど、見られたことに関しては俺的には全然許容範囲内。

チラリ、とほんの少し捲り上げてしまっている服からは腹が僅かに見えてしまっているが……まあそこは相手が弟ということで100歩譲って目を瞑り、腹以外は完全に服を纏った状態。

聞くだけで理性ぶち切れ寸前もんの言葉にできないほど可愛すぎる喘ぎ声もたぶん聞かれてないだろうということから、そこには怒りを覚えず気にしない(それが全部逆の状態だったらたとえ弟でも律のこと半殺しにしてた)俺とは真逆。


今しがたの律と同じ、ううん、それ以上にいつもみたく顔を熟したトマトの赤にも勝りそうなぐらい真っ赤っかにして、こんもりと今にも落ちそうに下瞼に溜まる涙。

それを見て、え、嘘でしょ…。と、一気に不安が溢れた俺のそれは大的中。

俺が声をかけようとする前に溜まっていた涙はぼろぼろ零れ、しゃくりながら〝やだ〟とか、〝恥ずかしい〟とか、さらには〝やっぱり無理〟とか、とどめは〝律に見られたからもうシたくない〟って。

グサグサと胸を刺す言葉をマジ泣きされながら言われた俺。


そこまで言われたらもう〝ヤらない〟の一択しかない。

律に見られる前までヤる気満々だっただろうが今更シたくないとか無理――なーんて、そんな無理矢理は死んでもしない。