そういえば自分がここに来て三日の間、高嶺が食事らしい食事をしているのを見たことがなかった。
 莉央に与えるついでにフルーツを食べたり、ボウルに入ったシリアルと牛乳を抱えているのを何度か見ただけである。

(それにしたって酷すぎない……?)

 嫌な予感がしながらも、莉央は尋ねる。


「ちなみに夜はどうしてるの?」
「デリバリーか会合で外食か……たまに翔平がゆで卵をくれるからそれを食べる」
「ゆで卵……」
「ああ、あとプロテインとか?」
「それは食事にカウントしないと思う」
「そうか。割と最近のはいろんな味があって飲みやすいんだが。ジュースみたいで」
「ジュース……」


 唖然とする莉央であるが、高嶺は本当に割とどうでもよさそうで、そんな自分の生活に悩んでいるそぶりは見えなかった。