あれから、警察が来て学校中が大騒ぎになった。


片桐さんが死んだ翌日に、今度は学校で咲良が死んでしまったのだから。


それも、首を切られるという同じ殺され方で。


保健室で休んでいた私達の所に、刑事さんらしき人がやってきたけど……私達が咲良を殺す動機も、殺せるような凶器も見付からなかったということで、後でまた警察に行く事になった。


パニックに陥りながらも、起こった事を全て話したけど、どこまで信じてくれたのか。


きっと、頭がおかしいとでも思われたかもしれない。


そして、保健室に二人。





「桐山さん……見たよね?あれ」


影宮さんの言葉に、ビクッと身体が反応する。


見た……と言いたくない。


あの存在を認めたくない。


あれが一体何なのか分からないから、何をどう理解すれば良いのか。


「血が……人の顔に見えただけだよ。鏡の中に人がいるはずなんてないじゃない……」


そうは言ったものの、あれがそんなものではないという事は分かっていた。


だけど……。












「知ってるんでしょ?鏡の中のナニかの話」













そう言われて、私はもう一度鏡の中の顔を思い出した。