土曜のイレギュラー出勤から帰ってきたゼンさんは、ダイニングで遅めの夕食を摂っていた。
私はお向かいでみなみを抱っこしてゆらゆらしている。
寝かしつけを兼ねているんだけど、かれこれ一時間、うとうとしては起きるので、スリングに入れてしまった。
スリング好きのみなみは結構すぐに寝てくれる。
しかし、スリングから出してベッドに置くのがまた一苦労なんだよね~。
温かくホールドされたスリングから外界に引きずり出されるその瞬間、みなみが目覚めるリスクは高い。
なので、寝かせに行くタイミングを図りつつ、眠りを深くしようとゆらゆらする私。
「明日はお誕生日だね、ゼンさん」
私が言うと、ゼンさんがうんうんと頷いた。ごはんが口いっぱいで頷くしかできなかったのだ。
「料理、腕によりをかけるから!」