生後6ヶ月のこの日、みなみはとうとう偉業に成功した。

目撃者はゼンさんだ。


「佐波!みなみが!寝返りしたっ!!」


お風呂を洗って戻ってきた私に、ゼンさんが叫ぶ。
見れば、プレイマットにうつぶせに転がるみなみ。


「なになに?これ、自分でこうなったの?」


「おまえ、呑気だな!みなみがどれほど頑張ってひっくり返ったか!俺は全部見てたぞ!」


ゼンさんが言うには、みなみはいつもどおり下半身を捻っていたらしい。重心が変わったと思ったときには、自分でうつぶせになっていたとか。


「割とゆっくりだったねぇ。4ヶ月くらいから、期待してたんだけど」


私は呑気にみなみの後頭部をテンテンつつく。

みなみはそこから戻れないらしく、首を横っちょにして

「うーっ!」

と唸った。