異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ

リナ・ミーサガ・リンバース。 



言わずと知れた雷帝の魔導師と言う異名を持つダバード・ロード王国の出身の放浪魔術師としてアースティア大戦での英雄の一人で、大戦時ではユーラシナ大陸各地の悪党と帝国やその同盟国から恐れられて居る事は、後々の時代小説・時代劇映画・ドラマ等の創作物でも知られた人物としても知られて居ます。







 リナの生家であるリンバースの家のミドルネームは、アースティア大戦当時では、先祖がどう言う読み方だったのかは分からないとされて居る。



 先祖から伝えた聞くには、コヨミ皇国系の名前だったと言う話を聞くだけで、詳しくは分からないとされて居ました。



 ですが、その後の調査ではコヨミ皇国の断絶した皇族家である御坂家の流れをくんで居る事が分かり、紅葉とは遠縁の親戚関係に在る事が分かりました。









 そんなリンバースの家は中流貴族の家系であり、昔から一族は領地を持っておらず、発明や研究、技術官僚を職業として居た代々研究者の家系貴族である。







 その家族構成は、父親でダバード・ロード王国魔導研究官僚であるあるネギスプリング・ミーサガ・リンバース。



 母親で魔導戦技研究武官僚であるソシエ・ミーサガ・リンバース。



 5歳年上の姉でダバード・ロード王国の王立総合技術研究所の研究員にして稀代の魔導師でもあり、魔導関連技術の技師でもある。かなりの戦闘系統魔法の使い手でもあり、閃光魔法と言う所謂、光線式の槍、魔導弾、魔導光線などの光の粒子の魔法応用した業と雷撃魔法を得意として居る。



この両方を融合せた魔法である雷光魔法の使い手てでもあり、雷光のレナの通り名でアースティア大戦中期から本格的に参戦したレナ・ミーサガ・リンバース。



 また、親戚関係にはソシエの実家に当たるミナミエ家を継いだ妹のハルルーカ・ミナミエ。



 その娘達で従姉妹のカナ・ミナミエとチアルキ・ミナミエ、トウマ・・ミナミエと成って居り、アースティア大戦当時、レナ・ミーサガ・リンバースがローラーナ帝国のローラーナ帝国軍・第四軍団・ゾルモン要塞軍旗下の第九鉄鋼魔導高速強襲戦艦隊デラーズ隊を率いて居るガナベル・セガール・バドー少佐に誘拐されると言う事態が起こります。 



 その時期のダバード・ロード王国内では、王国南部の鉄の都と王家の渓谷と言う伝説の地にて、古代遺跡を発見したと言うニュースが王国内齎されて居たのです。



 レナは、その調査員の1人に抜擢され、運悪く誘拐されてしまったのである。



 リンバース家は、その事件の二次被害に遭い、ネギスプリングとソシエ夫妻は自宅にて中傷の手傷を負わされ、無傷だったのはリナは、中等科の学生寮から高等科の寮に移る手続きを住め為、学園中等部に行って居た為に難を逃れていた為に無事でありました。



 その後、リナはこの事件更なる襲撃者から逃れる為に、国外追放処分が下され、両親達は王室が何処かに匿う処置が取られる事に成ります。



 そのミナミエ家が、トキアード市内に在るリンバース家の屋敷に住んでおり、邸宅の保存に努めて居るが、帰って来れたのはアースティア大戦の戦後に成ってからでした。



 リナの追放先は、姉の師匠に当たる竜人族にして、白竜人族の長であるエリノア・ドラグリア白龍大帝が治めるドラグリア白龍大帝国で在りました。





リナ・ミーサガ・リンバース関連指定史跡・施設案内。



リンバース家邸宅 



 ダバード・ロード王国・ケンブリッジ州・州都・トキアード市内北区16番地・レールガン町・4丁目・トキワダイ4番・4号。 



 個人邸宅なので敷地内の見学は不可だが、案内版の在る場所から庭先を見る事は許可されて居るが土日祝のみで、公開日は指定日に限る。





リナ・ミーサガ・リンバース記念館



 ダバード・ロード王国・ケンブリッジ州・州都・トキアード市中央区1番街・アクセラレータ町2丁目・ラストオーダー1番地・99号。



 リナ・ミーサガ・リンバースの足跡を辿る展示物を中心に、アースティア大戦や戦後の彼女の活躍に付いての展示物が展示されて居る。





トキアード市立総合学園



 小学校から大学までエスカレーター式に通える魔導学を中心に教えて居る国立学校で、リナは此処で初等科から中等科までを過ごすが、古代遺跡襲撃事件をきっかけに退学させられて居るが、後に通信教育と言う形で高等科を試験式に卒業して居る。







群馬大学・魔導技巧習得研究学部



 群馬県霧野市内に置かれて居る群馬大学霧野市キャンパス内にアースティア大戦前後に新設された特殊学部。



 創始者はリナ・ミーサガ・リンバースで、アースティア大戦当時の群馬県知事である山本太一知事に招かれて、魔導関連の技術指導研究を是非とも群馬大学でやって欲しいと頼まれたのが切っ掛けであった。



 リナは交換条件として日本国籍と大学に通いたいと言う希望を条件にするなら引き受けても良いと答えて居る。





 山本太一知事は、当時与党であった自由国民党員でも在り、安元総理とも懇意だったので、特別待遇と言う形でリナは日本国籍を取得。



 同時に文部科学省のお抱え魔導技術指導員にも抜擢され、更には交援省の魔導戦技要員と言う護衛官にも任命された上で、群馬大学に学生も成って居る。



しかも、学生講師と言う異例待遇で迎えられて居る。



 そんなリナは、アースティア大戦後は群馬大学の魔導技巧習得研究学部の教授に成り、その生涯を霧野市で過ごす事に成った。



 現在でも彼女の功績は高く評価されており、群馬大学霧野市キャンパス内には、その功績を称えて、リナの銅像と数多くの研究物が展示されて居る。





リナと紅葉の出会いは、紅花園の誓い (こうかえんのちかい)のメンバーが集まる切っ掛けと成った運命の出会いでした。



 二人が5歳の時の事でした。





 リナとその両親は諸国会議の出席する為に、コヨミ皇国を訪れていたリナの両親は、魔法関連の技術者であり、同時に古代文明や転移文明の遺跡の研究者で、戦争に必要な技術関連の会議に出る為でした。





 その会議の合間は、貴族の子供等に取っては、とても退屈な時間でもありました。



 リナに限らず会議に政府関係者の子供等が連れて来れるのは見合いか、知り合いを増やすのが目的だったとの事です。





 幼い時から互いを見知って置けば、何かと便利と考えての事です。



 リナと紅葉の出会いは、リナの両親がコヨミ皇国での会議に、出席する為に訪れた時の事でした。





 コヨミ皇国を訪れていたリナは、東洋の果てに在るコヨミ皇国のとても珍しい古い町並みに目を奪われ、大使館の近所を探検して居た様です。



そんな時にリナは紅葉と出会います。



 お転婆で有名なお姫様として、従者達を困らせる事で有名な皇女だった紅葉は、諸国会議で城内の警備体制が薄くなる事を見計らって、星都城を抜け出しており、城外の遊び友達と相撲をして遊んで居たのです。









 リナは、金持ちな感じのする子が、こんな所で取っ組み合いしているのが珍しかったので、子供達が相撲する様を遠巻きに見て居ました。



 紅葉が1人の女の子を投げ飛ばすと、何かを感じ採ったのか振り向いてリナの元へと駆け寄って来た。





「随分と大変な目に遭っているのね。」





「えっ?!」





「貴女、西から来た子でしょ。でも其処に何時までも立って居ると、怖ーい人達に掴まるわ。私と一緒に遊びましょ。」



 紅葉は、星読みの力でリナの素性を察知すると、リナを無理やりに悪童仲間達の中へと行き吊り込みました。



 このコヨミ皇国で、西の子とは自国以外の西側全ての友好国の子供達の事を指して言って居ます。



 偶にやって来ては、見ず知らずの地元の子供と適当な付き合いをし、遊んで帰って行くからです。



 これがリナと紅葉の最初の出会いでした。





 その後リナと紅葉は、相撲を取りますが、卑怯な事に紅葉は、星読みの力を使って連戦連勝を誇って居ました。



 その事に付いては、後に紅葉の回顧録を取材した雑誌者の記事や歴史書に書かれて居ます。



 ですが、リナは無心で適当に紅葉を投げ飛ばすと言う荒業に打って出た事により、紅葉に打ち勝ちます。





 丁度、その時でした。



 紅葉とリナを探す者達が現れます。





 紅葉には、従者達である加藤絵美里と福島香織。



 リナには、姉のレナとその親友達でした。



 二人は息がピッタリと合うかのように、直ぐに逃げる方向を決めた駆けて行くのです。





その後二人は、何か在れば行動を共にする仲と成り、紅花園の誓いへと至るのです。

ドラグリア白龍大帝国・・・・・・故郷たるダバード・ロード王国を政治的、身の安全を守る理由から追放処分と成ったリナは、此処で3年間の月日を過ごす事に成ります。



 首都ハイリッピンに在るヒト族特別居住区画。



 此処は特別な理由から首都ハイリッピンに留まる竜人族以外のヒト族が暮らして居る特別区画です。



その一角に今でもリナが過ごして居た下宿所が残って居ます。



 現在はリナの子孫一族が所有する別荘と成って居り、その管理はドラグリア白龍大帝国 を統治する白龍大帝一族であるホワイト・ドラグリア家がして居ます。



 当時の当主であり、白龍大帝であったのはエリノア・ホワイト・ドラグリア白龍大帝。



 通称名やあだ名として知られた名前はエリン。



 アースティア大戦当時とその始まりを知る数少ない生き字引的な人物でしたが、アースティア暦1×××年及び西暦2×××年の10月某日に老衰の為に、隠居先である日本国・群馬県・霧野市内の高見山・高見家敷地北東部に在る白龍庵荘にて亡くってしまいました。 



 これはアースティア大戦を知り、尚且つそのアースティア大戦の開始で年度で在る600年前から生きて居た人物で、大戦に関わる人物の最後の一人と言われて居る人物の死でありました。



(これ以外の理由でアースティア大戦終結前後から生きて居る長寿族は別扱いと成って居る)



 その墓所は高見家菩提寺近くで、国の重要指定史跡にも指定されて居る紅花竜庭園墓所内に造られた墓所に葬られました。



 さて、そのエリンですが、リナの在るであるレナ・ミーサガ・リンバースの師匠でもある事から、その妹であるリナの窮状をダバード・ロード王国の女王であるアーヤ・シュチュ―ド女王から保護を頼まれ、引き取る事を受諾するのでした。





 リナはその地で母国の高校卒業資格証の取得の為の勉学に励む傍らで、魔導戦技学と魔導技術学。



 それに魔導基礎学と言った魔法学を ドラグリア白龍大帝立魔導学院。



 略して帝立学院。



 その帝立学院でドラグリアの天才と謳われる学士たるミナワ・ミゴットに徹底的に勉学を叩きこまれつつ、基礎的な魔法学を習いつつ、エリンからは魔導戦技学・・・・所謂、戦う為の戦闘魔法を徹底的に身体に叩き込まれたのでした。



こうした経緯が有ったが故に誕生したのが、皆様もご存知のアースティア大戦の英雄である魔術師である雷帝の魔術師のリナ・ミーサガ・リンバースなのです。 





リナ・ミーサガ・リンバース関連指定史跡・施設案内。





 リナ・ミーサガ・リンバース旧下宿邸宅

 

 首都ハイリッピン東部地区・5番地街・3丁目・25番・7号。 



 首都ハイリッピン東部地区・5番地街・3丁目バス停から徒歩5分。



 個人所有地なので、一般公開日以外は見学不可。



 見学会を希望する場合はホームページでのご確認。又はお電話にてお問い合わせをお願い致します。
アースティア暦1000年・4月20日・午前10時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央部地方・シベリナ中央地方・ダバード・ロード王国・イングラード州・王都インディクス・インディクス城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 この日、魔法と魔導技術大国であるダバード・ロード王国は、国家元首たるアーヤ・シュチュ―ド女王を中心に、異界から現れたと言う国家、日本と言う国に対して、どう対応すべきなのか。



また、彼の国と国交開設をするのかどうかを話し合うべく、必要な首脳陣や官僚らを緊急招集して会議が行われ様としていた。





 日本と言う国の存在を報せて来たのは、コヨミ皇国政府と同地に駐在する自国の大使からであった。



その日本なる異世界からの転移国家の詳細な情報が、在コヨミ大使館から齎されると、ダバード・ロード王国政府は、半身半疑ながらも信じるに至ったのは、自国の大使館の大使と職員達が入手した有るモノが有ったからだった。



それは日本国が各国の政府と大使館宛に配った日本に付いて書かれている文面と各種紹介写真が載せられて居る分厚いカタログの様な紹介本だった。





 数百ページにも及ぶ紹介覧の内容は、異世界各国が腰を抜かすほどの好評価だった。



 中でも日本の各種産業に付いての紹介覧は目を見張るものがあった。





立体式高速街道(高速道路)、高速運搬車両(鉄道)、大型鉄船、飛行機械、自動機械車両、各種生産設備は自動化と効率的な生産力。





 その他の各種産業も喉から手が出るほどに欲しいものばかりである。



 正に異世界の国々は、こう思った事だろう「本当に日本国は凄い~デス~ネ。」と言う言葉を口々に言ってしまう程の内容であった。





最後の一覧に載って居た自衛隊の項目に目を通した女王であるアーヤが、日本との即時に国交交渉を閣僚と議会に命じるのには、十分すぎる内容と言えた。



 現在のこの国は、大河の向こう側に有った南部の領土を完全に帝国に攻め落とされて居る状況にある。



 ダバード・ロード王国政府は、この状況を打開し、何としてでも旧領地を奪還したい構えだが、軍事技術には自信が有るが、兵力的な戦力差が有る為に歯痒い思いをしている。



此処は何としてでも日本と国交を結び、軍事支援と経済支援と技術支援を引き出したい想いだった。





 会議室では、今コヨミ皇国に派遣されて来ている日本の大陸調査団と護衛のニホン軍(自衛隊)に付いての対応と報告に付いての会議の真っ最中であった。





「以上が我が国の在コヨミ皇国ダバード・ロード王国大使から送られて来て居るニホン国に付いての報告書と意見書だ。」





御前会議でアーヤに最初の報告したのはダバード・ロード王国の外務省経由の報告書を基にした情報である。





 この報告書を読み上げて居るのは、ダバード・ロード王国の女性の外務大臣のユウ・カイダーンである。



ユウ外相は30歳で、外相に抜擢された女性であった。



口が多少悪い所が有るが、部下の面倒見が良い姉御肌で有る事で知られていた人物だった。





コヨミ皇国の駐在する自国の大使からあさくら号事件の一報を受け、その動向を追っていた。



 そして、その後も日本国成る国の動向を追って居たダバード・ロード王国外務省は、続報の緊急報告を受けた。



 日本国が、遂にユーラシナ大陸の調査を行う為、外交調査団と軍の派遣を決めたと言うのだ。



 数日中には、コヨミ皇国の港や街道を自国に準じた物へと作り変える為に、先遣隊を派遣するとの一報も報告書に書かれて居た。



 その数日後、在コヨミ皇国大使館を経由して日本国からのフルカラーの分厚い紹介冊子を30冊ほど送られて来たのだ。





 此処に居る閣僚らは日本の資料を精査して、どうするべきなのかを決められずに居た。



 女王であるアーヤが元首として鶴の一声で決めても良いのだが、それでは後々に成って国中の者達に取って、お互いの思想的な禍根を産み兼ねない。



 此処で会議を行い、その結果を持って意思統一した上で、日本からの支援を受ける方向に持って行きたいと彼女は考えていた。



 アーヤは、ハッキリ言って日本の各種支援が喉から手が出るほどに欲しいと思って居る。



しかし、ある共通の事実が有って即断出きずに居たのである。





 それをユウ外務大臣は、周りの者達がハッキリと言わない事に苛立ち、この場の沈黙を破った。





「陛下、そして、この場に居る皆も分かっているだろうから、ハッキリと言わせてもらう。これは劇薬だ!」





「ユウ殿、もう少し、穏便な言い方をした方が、」







髭を蓄えた中年の産業大臣が彼女を宥める様に答えているが、捲くし立てる様に更に話を続けた。





「いいや、此の儘では、この会議をただひたすらに踊りを続けるだけだ。そんな下らん会議は私の性分では我慢ならん。」



「良いかっ!!これは極めて重要な会議だっ!!」



「シベリナ連合の各国の中で逸早くニホンへの対応に動いて居るのは、報せを寄越して来たコヨミ皇国を除けば、恐らく我が王国だけだっ!!」



「アセリナの翼人らは軍と官僚が統一されて居る制度の為に、直には動けまい。」



「アルガスは南部の防衛で手一杯で、直ぐにも閣僚や官僚を二ホン国へと使節団送っての国交交渉所ではない。」



「ドラグリアは竜人族と言う種族の性質状、のんびりとした動きになると思われる。ラクロアナは、地理的に二ホンに近い東部に位置する国では在るが、今はレビル国王陛下は、病で臥せって居られる。」



「政務を代行して居られるフランシェスカ王女殿下も、レビル国王陛下に成り代わっての政治的な即決の決断をさせるには、まだまだお若過ぎるし、その動きも鈍い事に成るだろう。」





「我が国は早期に確立した連絡網の一つである竜郵便のお陰で、比較的早く、この情報を手にして居る。」



「この冊子はシベリナ連合各国に配られて居るが、それが届くには、後数日掛かる筈だ。」



「それとだ、オローシャのコヨミ皇国大使から序でに本国に資料を届けて欲しいと頼まれている。」



「彼の国はシベリナ連合の西端に位置して居て、二ホン国に付いての情報も入り辛いと思われる。」



「今後の事を考えるなら、日本から遠いオローシャ帝国も国交交渉をするように働き掛けるべきだろう。」



「更には、我が国が二ホン国に付いての得た情報をオローシャ帝国に提供する手伝いをする事も必要に成るだろう。」



「其処で提案が有る。」



「二ホン国を含む、この世界たるアースティアに転移して来て居る異世界国家群との国交交渉を希望する反帝国同盟諸国や帝国と相容れない国是と考えて居る国々を引き連れて、二ホン国に近い大きな町での国際会議を開こうと提案するのは、どうだろうか?」







「なんとも大胆な提案だなユウ外務大臣。」





「それでは何かね。君はシベリナ連合各国の全てを連れて、ニホンとの交渉するべきと言いたいのかね。」と食料産業大臣は冷淡な口調で、年若い女性外務大臣に言って居る。







「彼の国のとの交渉は、何れも難航を極めるかも知れんぞっ!」







「いや、その前にっ!このままニホンと交易を結べば我が国の経済と産業がどうなる分からん。」







「それどころか、ニホンに経済と産業その物が乗っ取られかねんっ!」





各大臣や軍の幹部らはバラバラな発言で騒ぎ始めた。



 そう、この国の基本産業基盤は手工芸と手工業が中心だ。



 更に魔鉱石と普通の各種鉱物石を加工した製品を使って、日々の日常を暮らして居る。



 それにダバード・ロード王国は、アースティア世界に措いて、世界有数の魔導技術立国であり、魔導工廠工業大国でも在るのだ。



  軍事技術の大半も自国で全てを賄えられるほどに優れており、隣国のオローシャ帝国も同等の魔導技術を有して居る。





 その為に、オローシャ帝国とは技術提携条約を結んで、量産型兵器生産の統一生産を行って居るのだ。



 其処へ・・・・それらの製品を真っ向から否定し、より生産効率の良い品物が新たに入って来ると、ダバード・ロード王国だけで無く、生産提携している同盟各国の経済に影響が及び、かなり大きく、更には一時的な利益率の大損が出てしまう恐れがあるのだ。



 ダバード・ロード王国の主だった政府首脳陣達は、それでは戦争所では無くなるのでは無いかと心配して居るのだ。



 特に此処に居る貴族諸侯に属する者達は、国内工業に関わる出資をして居る。



 日本からの支援を受けた後と戦後、自分達の投資の回収と居場所の事を特に気にして居たのであった。



 下手をすれば、大損した挙句に、路頭に迷うことを恐れていた。



 ダバード・ロード王国に取って日本からの支援投資とは、紛れもなく劇薬と言えた。





 そんな煮え切らない会議に出席している首脳陣達、其処へテーブルをバンと思い切り叩きつけて啖呵を切ったユウが叫ぶ。







「喧しい!!!! あんた等の心配は分かってるし、最もだよっ!!確かに私も皆もが言った通りニホンは劇薬だ。」



「それも病気と怪我で弱ってる子供の国に向かって、酒精の強い酒と一緒に口苦い強い薬を一緒に一気飲みさせる行為だって事は、この場に居る誰もが十分に理解して居るんだろう?」



「成らば、こう言う時こそ、国を預かる物が全員で責任を取るのが筋だろう?」



「それに二ホン国との交渉は私が必ず悪い様にはしない形で、決着を付けて見せる。これならば此処に居る全員が文句は無い筈だ。」





「後は皆の腹を決めるだけれだ。さぁ、どうする?」





「そ、そっそれは・・・・・・・・・・」







「じゃなきゃ、決まらんし、何も始まらん。」







 ユウは決められない年配の閣僚らに一括を言った上で、日本との直接交渉は、ユウ自ら交渉の矢面に立つと言い切った。





 彼女は奇異の目で日本の紹介情報冊子資料に目を通す閣僚らと違って彼女はしかっりと最後まで資料に目を通して居た。





 其処で幾つかの日本との取引になりそうな物と自国に利益に成り得るページを見付けていた。







「私はアイサ宰相と共に資料を見比べて、我が国の産業でも何か取引出きないか、売り込む物は無いかと、この会議までの間に考えました。」



「其処で私達は、閣僚の先輩方とは違った部分に注目しました。」



「確かに日本国の各種工業製品は凄い!ハッキリ言って我が国では太刀打ち出きないほど優れて居る。だけど、ある欠点を抱えて居ます。」







「して、その欠点とは?」







「それはあたしが話しましょう。」







今度は宰相のアイサ・ノートがユウと交代になる形で話し始めた。



 宰相大臣であるアイサは、ユウと同じく三十歳の若さで宰相に抜擢された女性である。



 だが、この人事も人手不足から来る抜擢でも有った。



 近年、何処の国でも軍部と省庁でも男子出生率の低さから来る若い女性の政治と軍内部への偏った幹部登用は当たり前と成りつつある。





 これは戦地では前線へと、どうしても出て行かざる負えない中間層から戦死し、中央の政治では中間の官僚と政治家が地方を立て直す為に、各地方へと飛ばされて居る為だった。



 そして、居残るのは年を取ったベテランと新人のルーキーしか残らなくなる。





 地方の政治では、上手く仕事をこなす先輩の少なさと、ド新人で使えない人材が居ると言う配置の状態のせいで、現場では大変な混乱を招いていた。





 その中で、アイサとユウの二人は、アーヤの肝いりで名指し指名されて閣僚入りした優秀な人材だったのであった。







「ニホン国は島国で、その製品を作り出す資源を8割近くを持って居ないのです。その殆んどが、輸入に頼り切って居ます。」



「彼の国は、輸入した資源を加工して、加工した物を売って生計を立てて居るのです。」



「更に食料自給率も7割から6割程度で、足りない残りの物もまた、輸入で賄って居ます。」





「これは狭い国土に人口が増え続け、海外貿易を行う上で必要に成った工業化と農業生産とのパワーバランスが崩れている構造故の弊害なのでしょうね。」







「其処で我が国は先ず、二ホン国に食料をシベリナ連合各国と共同で輸出します。この輸出する農作物もニホンの要望に応える形にしたいと思って居ます。」



「そして、資源の輸出、これは各種鉱物ですが、我々が使う事も無い黒い燃える水や毒霧、異世界国家の間では石油と天然ガスと言う物を採掘採取権を売り出し、その利益の3割を我が国が、残りを採掘した国と作業を担当する商会で山分けと言う形を取る予定で居ます。」



「アイサ宰相殿、ちょっと待って欲しい。それでは我が国の利益が少ないのではないかな。」



「そうだぞ、それでは利益を多く得て得をするのは権利を譲渡してしまう外国たけに成ってしまうではないか?」



「責めて自国を6割か半分の利益にしないと、国内に措いて反発が出てしまうぞっ!!」



 この言い分は、最もな意見だった。



 たが、閣僚等が言う意見は、オイルとガスマネーの利益が通常の鉱物と同等であると言う間違った認識から来ていたと言う意見から来るものであったからだった。



「皆様の言いたい事は分かります。ですが、石油と天然ガスと言う物質は、宝石や金塊等の鉱物以上に価値の有る物なのです。」



「それに採掘と輸送に関わる投資はある程度、資金に余裕が無いとやって行けないそうです。」



「それに元々採掘技術も無い我が国に、それら二つを掘り起こす事は無理ですし、貯蔵方法も特殊で、それらに掛かる費用を込みで考えますと、妥当だと言わざる負えないのです。」



「何?そんなにも扱いが難しい物質なのか?」



「なるほど、だから土地を持って居る方が利益が少なめなのか?」



「はい。何れ我が国の方でも技術の習得はして行く積りですが、今は外国に頼った方が無難なのです。」



「それに、この採掘条件の中身に付いてですが、採掘地の土地権利を持って居る当事国が外国商会との商取引で利益を、その外国商会が採掘とその採掘物を欲している諸外国と売買をして利益を得て、最後に外国商会の国元が税金を得る事で、同等の利益が分配される形と成ります。」



「成程、今の説明で得心が行った。それならば致し方あるまい。」



「ですが、ご安心を石油と天然ガスは費用はある程度嵩み、自国への利益が少なく見えますが、入って来る利益は莫大です。何せ国家血液とも言われて居るらしいですので。」



「「「「「えっ?!」」」」」





 後にダバード・ロード王国閣僚等は驚く事に成る。



 それは悲鳴を上げるが如く、嬉しい声で笑う姿が有ったと言う。



 オイルマネー恐るべしとね。



「話が脱線しましたが、対帝国との戦争継続と国内工業の改革と一新をする為には、鉱物加工製品が優れている日本へと輸出する。」



「それを実現するには、日本との膨大な地下資源の取引網を築く。」



「その為には、我が国とドラグリア、オローシャ、アセリア、ラクロアナ王国の4ヵ国で産出される魔鉱石とシベリナ全体で産出される各種鉱石、更にまだ我々が未確認または未使用の地下資源の採掘権を売りに出す事を提案する方向で交渉を進めたいと考えて居る所です。」







「次にそれらを輸送に必要な港を二ホン国の使用に合わせた形で整備と拡張をし、更には空港と鉄道と呼ばれる交通設備や関連施設を建設します。」





「その次には、街道と移動車両の配備と運用する法律の整備です。」







 とある閣僚が、その手が有ったかと言う顔で言う。







「なるほど、確かにこれならば、両国にそれなりに利益の分配が可能となり、我が国でも柔軟な対応が可能ですな。」







「しかし、これだけでは我が国への利益が少ないのでは無いですかな?」







 その疑問にアイサは温和な雰囲気を壊さずに冷静に答えた。







「はい、それではニホン側の利益が凡そ8割になるでしょう。」



「これを我が国は、将来的に4割に持ち込むのが当面の目標です。と言ってもニホンとの貿易で得られる収益は、目に映るグラフでは分かり辛いですが、我が国でも十分な額だと予想されます。」







「これは仕方が無い事だ。あちら側の国力の方が高すぎる事から来るものだ。」



「事は外交交渉が絡んで来る事だが、資源と食料の輸出の交渉は概ね上手く行くと、私は考えて居る。問題はニホンの工場と商社と呼ばれる組織との交渉だ。」







ユウはとあるページを開いた。







「これはニホンの商社と工場、つまり我が国の商会と工匠商会にあたる民間組織に付いて描かれて居る紹介ページだ。この中で私はとあるに工匠商会に目を付けた。」







ユウが指差した写真は大企業が経営する工場の写真ではなく、日本各地に良く見られる小さな中小の町工場だった。







「これはどう言う工房なのですか?」







「これらはニホンでは中小企業と呼ばれている小さな規模で経営している工匠商会の工房の紹介絵図だ。私はこれらの工房を我が国に積極的に誘致したいと考えている。」







「ユウ外務大臣、何故なのですかな。誘致するならば、もっと大きな所に来て貰う方が良いのでは?」







とある閣僚が疑問を抱くもの最もな疑問の一つだろう。



 それに大手企業ならお金と設備をたくさん持って来てくれる筈だとね。



 その利益も莫大になる筈。



 それなのにユウ達若手の閣僚らは、資金振りにも困って居て、海外展開すら土台無理な感じで、明日を知れない中小企業を誘致しようとしていた。



アースティア暦1000年・4月20日・午前10時35分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央部地方・ダバード・ロード王国・イングラード州・王都インディクス・インディクス城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









 会議は白熱し、ベテランの先輩方を目の前にして、ユウは首を振りつつ答える。







「それで駄目だ。何処の国も大手の所を抑えようと躍起に成るだろう。それにニホンのどの商会も進出する先を幾つも抱え込むのは、彼の国の現在の状態では難しいだろう。」



「何れ進出してくれるとしても、一番に乗り込んできた商会が有利になるのは当然だ。」





「勿論、我が国も2社以上ほど誘致したいと私も考えいるぞ。しかし、それでは我が国の産業が大手の外国企業に頼らなければ成らなくなる。それではいけない。」







「成らば、どうするお積りだ?」







 それにはアイサが答える。







「あたしとユウは、この中小企業と呼ばれる工房に目を付けたのは、規模が小さくて、加工機械を使ってはいるものの、手作業で行う加工が多い事に注目したの。おそらく資金振りが難しく、苦しい事と加工する製品が精密で難しいと予想されるわ。」







「そんな経営が苦しそうな所を呼んで本当に意味が有るんですか?」







「よく読んでみて、この中小企業の自社製品は、大手の工業製品の部品加工が大半であると書いてある。」



「少ないけどオリジナルの加工品も多くあるわ。これらを誘致すればニホンの工業の基礎を学べるわよ。」



「それに新しい工作器具と簡単な自動機械を使う物作りは、我が国の工房のやり方に近い。それに二ホン国に早く追いつきたいと思うのなら古い器具から行き成り真新しい器具を使っての物作りは決して上手く行く物では無いと思うの。」



「そうだぞ、大事な過程をすっとばしての結果なんぞ身に着け覚え得ても、身に成らんしな。」



「事が上手く行けば、加工部品の生産を日本に次いでの生産大国を目指せるわ。それに誘致競争が少なくて済む所が魅力なのよ。」





この国は良く考えて居る。



 中小企業の工場は跡継ぎや後継者問題を抱えて居るし、資金面で銀行と少しだけ揉めている。





 海外進出もしている所も有るが、まだまだ少ない。異世界転移で海外の工場や取引先を失った中小企業も多い。



 この異世界で、異世界の国が大々的に招致したい。



 本社は日本のままで良いからと、言われれば、此処は一つやって見ようかなと言う企業や工場で頑張っている社長のおじさんも居るかも知れない。





「おおおっ、成るほど、それは考えましたな。」





 ユウは、更にもう一つの提案をする。





「それともう一つ、我が国の主力兵器である魔導機兵をニホン国へ無償提供する。」





「!!!!」







多くの閣僚らは驚きを隠せずにいた。







「待って下さい。魔導機兵は近年に成ってから周辺諸国で一般に使われ始めている兵器と成っています。」



「各国とも共通量産型の大量生産や独自に試作開発・特殊タイプの生産もされいますが、しかしですぞっ、元々持ってもいない国、しかもまだ国交処か同盟すら結んでいない国等に無償提供等と、何を言われるのですか女王陛下っ!」



「これは我が国の重大な軍事機密に当たります。それを金銭や技術の交換では無く、全くの無償で提供するのは正気の沙汰ではない事ですぞっ!」







「その通りですよ。日本の何らかの兵器の提供、もしくは技術提供して貰わない事には・・・・・・・・・・・・」







「正に割に合いませんな。」







軍部と国家の産業技術を統括する大臣や官僚達が、口々に抗議の声と反論の声を上げていた。





 しかし、女王たるアーヤが側近の者たちと話し合いで既に許可した事を言う様にとアイサに目配せていた。







「この魔導機兵の無償提供の件は、陛下自身が既に許可を出されています。」







「何と?!これには反対と言いたいですが、何か理由が有るのですか陛下?」







国防機密を開示する理由を女王であるアーヤが答える。







「これにはキチンとした理由があるわ。ニホンは既に機兵を持っているのよ。正確には小型の魔導機兵の「ろぼっと」とか言う人型の機械ね。ユウあのページを出して頂戴。」







「はっ、皆々様これをご覧下さい。」







 ユウは日本紹介冊子をテーブルの中央に置く。







「むむっ?!こっ、これは、小型の魔導機兵ですとっ!そ、そ、そそっんな有り得ないっ!こんなにも小型の物を作り出すなんて!!!!」







そこに写っていたのは二輪車と四輪車企業の紹介が書かれたページだった。





 その写真の一覧に、日本が世界に誇る4大二輪車メーカーであるモトダである。





 そう、カワカミ重工、モトダ技研工業、ヤマナ発動機、あと・あとあと・・・それと、それと・・・・・あれあれあれ?あと一社の名前が何故か出てこないぞ?



 

 あっれーっ!!何て名前で何処の事だっけ?



 確か・・・・「スで始まるメーカーでしょ」「そうだっ!!そうだっ!!忘れるなっ!!」「世界で一番のメーカーだろうずっ!!」「特にバイクの「刀」なんで最高だよねっ!!」



「「「「「スズノキのバイクは、如何なる所、異世界で在ろうとも世界随一いいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」



 おおっ、そうだった、そうだった。



 あれっ?誰かに突っ込まれた様な?



 それとも何所かのスズノキファンの皆様のお叱りだったりして? 



 それはともかく、たくさんの熱狂的なファンと安価な製品でご家庭の足をお届けしている企業、その名は確か・・・・・・スズノキ自動車工業だったかな?



 その二輪メーカーを含む機械企業の中で、最初に二足歩行するロボット開発に挑戦してたのが、モトダ技研工業である。





 そして、そのモトダが開発したロボットがアッシモダと言う階段すら下りられる自立歩行ロボットが写されていた。







居並ぶ者達に、モトダ技研工業が誇るロボット、アッシモダの写真を見せたアーヤ。彼女は不適な笑みで話を続けて行く。







「しかもこれは軍や政府が作らせたのでは無いのよ。民間工房商会で作ったのよ。」



「これは凄いわね。それも自立自動歩行するのよ。」







「なんですと!そんなバカなっ!」







「これで分かったでしょう。既に作って動かせられる上に、我が国よりも高性能な物が在ると言うのに機密も何も無いわ。」





「それなら、もっと良い物を作って貰うのに、一役買って貰うわ。」





「妾は、このろぼっとを作れる工房商会、モトダと取引を積極的に進めるわ。他にも幾つか狙っている所は在るの。それ等との交渉はユウに任せるわ。」







「それとユウ、どうせなら国交交渉の行う場所は、二ホンにしましょう。妾も直接二ホン行こうと思って居るのよ。」





「他国の国家元首や閣僚に官僚、それにアーヤ陛下自ら二ホンへですか?」





「ええ、各国の首脳や閣僚、官僚等を集めての国際大会議を執り行う提案を二ホンにするのよ。」





「それとユウ、魔導機兵の運搬は、ニホンに頼めないか連絡を取ってみて。」



「それに紛れてニホンに行けば良いのよ。そうすれば、大会議の合間に帝国に会議を邪魔をされたり、自国を脅かされたりせずに済むわ。」





「そうすれば、帝国を欺いて上に、会議は大成功と言う事になるわ。」



「ですが、無茶ですっ!二ホンの輸送船に我が国の護衛戦艦も付けての大移動と成ってしまい、何所の誰が乗って居るって事がバレバレじゃないですかっ!!」





「それなら平気よ。最強の護衛を迎えに寄こさせれば、問題無いでしょ。表向きは、貿易の交渉使節団の派遣に加えて、そのサンプル品を始めとする各種物資の運搬とその護衛なんだから。」







「くっ、その手が有りましたか・・・・・・」





「流石はアーヤ陛下、考えて居られますな。」





 閣僚の一人が内心呆れた雰囲気で言う。







 そして、御前閣僚会議の大体の話し合いが終わりに差し掛かり、アイサが会議の最後を纏めに入る







「それでは纏めます。我が国は、シベリナ連合諸外国と共に食料と各種地下資源の輸出を進める。」





「輸出に当たって必要な設備と街道などを整備する。そして、我が国に工業発展をさせるカンフル剤として、日本企業を多く誘致する。」



「我が国は、その中でもモトダと中小企業を積極的に誘致する。」



「新開発や改修を目的とした魔導機兵をサンプルとして、ニホン国に無償提供する。」



「最後にニホンとの交渉を通じて必要な法律の整備と新規技術や知識の習得の為に、二ホン国へと人材を留学生として派遣し、長期的な人材育成を行う。」



「そして、陛下と周辺国の代表および国家元首の方々に対して、秘密裏にニホンへ共に参りませんかと打診をし、その一件を二ホンに提案をする。」







「以上が今後の我が国の基本方針と成ります。皆様方はこれで宜しいですか?」







 閣僚等は頷き、御前会議は、これにて終わりを告げた。





「それでは皆、解散よ。皆それぞれ仕事に掛かってちょうだい。」







「分かりました。」





 会議が終わって解散となりアーヤが退出すると閣僚らはそれぞれの仕事へと戻って行ったのであった。





 しかし、ダバード・ロード王国から日本政府に譲渡され、防衛省が管理をし、技術開発と解析を依頼されたモトダ技研工業は、軍事関連の事業のノウハウが無く、仕方なく先ずは業種の近いカワカミに相談する事となった。





 そのカワカミも「モトダさん、ウチだけじゃ生産や部品と備品関係の調達や開発で力に成れないですよ。他に何社か巻き込まないとコストと技術的に無理だよ。」と言われた。



 其処で魔導機兵の開発と技術解析の事業に、とある二社に声を掛けたのである。



 旧軍時代から色々と兵器開発と生産をしている三葉重工と配線や電子関連技術、また様々な機械装置を手がけている常陸那珂製作所。





 更にカワカミは、運搬車の開発に大松製作所と三葉扶桑の二社に声を掛けて上で、関わる事に成った。





後に日本版の魔導機兵開発は、運搬車を含めてカワカミ工業、三葉重工、モトダ技研工業、常陸那珂製作所、大松製作所、三葉扶桑が共同で研究開発がされて行く魔導機兵であるナイト・マギアは、日本の技術力で発展して行き、その寸胴な体型から軽量化が進んで行く事に成る。



 そして、機動性を重視し、様々な武装が運用できる形へと変化して行くのである。



 そんなロボット開発計画は、一部のマスコミやオタクな人達からは、V作戦とかガ○ダ○試作計画と揶揄されてしまう事に成ってしまうのは、我が国ならでは無いだろうか?

ダバード・ロード王国。

 シベリナ地方王国連合同盟内に措いて、同じ同盟諸国であるオローシャ帝国と 一、二を争う程の経済・軍事力を保持して居る大国の一つで、アースティア大戦を終わらせるに至った大国の一つとされて居ます。


 同時代の戦争を終わらせた国家元首の一人と言えば、アーヤ・シュチュ―ド女王の名を上げる事でしょう。

 当時26歳で、とても先見性を持った人柄を伺わせる政策と安全保障政策の数々の建策を打ち出し、それらを実行に移す手腕はアースティア大戦史を語る上では欠かせないものと成って居ます。



 その中でも日本国内からの中小企業の誘致に加え、モトダ技研工業・カワカミ重工・ヤマナ発動機・スズノキ自動車工業と言った日本国内でもバイクメーカーとして知られる4会社による分割進出政策は、ダバード・ロード王国の工業発展を大いに躍進させたとされて居ます。


 その切っ掛けと成った出来事として、世界共通暦・アースティア暦1000年・4月20日。


 この日、魔法と魔導技術大国であるダバード・ロード王国は、国家元首たるアーヤ・シュチュ―ド女王を中心に、異界から現れたと言う国家、日本と言う国に対して、どう対応すべきなのか?



 また、彼の国と国交開設をするのか如何かを話し合うべく、必要な首脳陣や官僚らを緊急招集して会議が行われました。


 ですが、会議室では若手閣僚と官僚幹部とベテラン閣僚と官僚幹部との間で激論が数時間に渡ってぶつけ合う大激論と成ります。


 しかしながら、その情勢を一変させた物が在ります。

 それが日本国が各国の政府と大使館宛に配った日本に付いて書かれている文面と各種紹介写真が載せられて居る分厚いカタログの様な紹介本の登場により、ダバード・ロード王国王政府閣僚らは、取り敢えずは日本国と国交樹立を目指す事で一致したのです。

 特にアーヤ・シュチュ―ド女王が主張したのは、ローラーナ帝国と戦って勝つには、国内の工業力と技術力。

 更には経済基盤の底上げし、経済・技術ともに帝国を上回る必要が在ると閣僚・官僚幹部らに説きます。

 それには日本国の重工業株式会社の力が必要不可欠だとも合わせて主張したと言います。

 当時、アースティア世界に措いて、最新鋭の兵器と言えば、魔導力技術を応用した戦艦を始めとるす艦船兵器と魔導騎兵と呼ばれたロボット兵器をどれだけの数を生産配備し、如何にして揃えられるのか?が課題と成って居た言います。



 ですが、当時のローラーナ帝国と反帝国同盟諸国との力の差は6対4と言った具合に、反帝国同盟諸国の軍事生産力と経済力が圧倒的に差が付いており、これを如何にかしなければ勝つ事も儘為らないのでした。


 其処でアーヤ女王が目を付けたのが、当時ロボット技術力で最先端技術力を持って居たモトダ技研工業でした。

 中でもアーヤ女王が目を引いて居たのが、モトダ技研工業が誇るロボット、アッシモダと言う自立式二束歩行型ロボットでした。

 この技術力を応用出来れば、魔導騎兵性能に技術革命を起こせると思い至った言います。

ですが、此処で問題点が一つ有りました。

 それはダバード・ロード王国には、日本国と取り引きが出来る様な物が無いかもしれない事と自立式二束歩行型ロボットの技術力と引き換えにする様な技術力が在るのかと言う問題点でした。


其処でアーヤ女王は思い切っった方法を取ります。

それは自国の魔導兵器を日本国に譲渡する事と国内に在る鉱物資源の採掘権。

 それに加えて、同盟諸国と連携して、食料自給率が悪い日本国に向けて、食料を輸出させる事で、両勢力の均衡を保とう言う手段を取ります。

 中でも石油や天然ガスは、今現在でもダバード・ロード王国の特産輸出物であり、この国の経済力の3割5分を支えて居ると言われて居ます。

 これらの政策のお陰で日本国の中小企業と重工業メーカーを誘致し、国内に在る既存の商工会を巻き込んだ産業革命は、ダバード・ロード王国を躍進させた原動力である事は、ダバード・ロード王国の歴史に名を刻む出来事で在りました。

モトダ技研工業・カワカミ重工・ヤマナ発動機・スズノキ自動車工業。



 言わずと知れた我が日本国を代表するバイクメーカーであり、発動機を使った様々な動力機械製品を産み出し続けて居る重工業メーカーでも有ります。





その重工業株式会社らが、転移災害に遭うと、それぞれ違った形で被災した事で、経営危機とそうで無い会社に別れて居ました。





 カワカミ重工は神奈川県の北東部に位置する川崎市や神戸市を中心としたオートバイ・航空機・鉄道車両・船舶・軍事ヘリコプターなどの輸送機器、その他機械装置を製造している工業メーカーで在る事で知られて居ます。



 アースティア大戦当時にアースティア世界へと転移して影響はと言うと、国内を中心とした体制を敷いて居た為、海外支社工場の喪失は少なく済んで居ました。



 ヤマナ発動機は、静岡県磐田市に本社を置くオートバイを中心とした輸送用機器を製造するメーカーで、二輪の売上規模は世界第2位であり、船外機やウォータービークルの販売台数は世界首位を誇る規模と成って居ます。



他にも農業機器や楽器製品、産業ロボットに浄水機等の製品も手掛けて居ます。



 そんなヤマナ発動機のアースティア大戦当時にアースティア世界へと転移して影響はと言うと、国内を中心とした体制を敷いて居た為、海外支社工場の喪失は少なく済んで居ました。





 モトダ技研工業は、創業者の元田浩一郎が浜松市で創業、現在は東京都港区に本社を置く日本の大手輸送機器メーカーである。



 通称はモトダで、オートバイの販売台数、売上高は世界首位であり、自動車の販売台数は世界第7位、国内2位と成って居て、日本での販売網は、四輪販売店がモトダカーズ店と二輪販売店がモトダドリーム店に大別して販売して居る。

 小型ジェット機の出荷数、芝刈機のシェアは世界首位。発電機、除雪機、小型耕うん機のシェアは国内首位を誇る一大工業メーカー。



 特に有名ななのが自立型二束歩行ロボット技術力の結晶であるアッシモダと、二輪車販売数の大半である原付バイクのスーパーガブとモトダCB400Super・Fourは乗り易いと評判の良い二輪車として知られて居ると共に、四輪車モトビックは地球世界では60万台を売り上げて居ました。



 そんなモトダ技研工業のアースティア大戦当時にアースティア世界へと転移して影響はと言うと、豊川自動車工業株式会社・追浜自動車産業株式会社と続く国内第3位のシェアを誇って居り、海外支社工場はオーストラリア大陸を覗く全ての地域に建てられて居ます。



 特に目を見張るのは、南アメリカ大陸とアフリカ大陸に町工場を建てた事に在ると言われ、例え小さな工場であっても需要を増やす為にコツコツと経営戦略を撃だすと言う発想理念を持って居る。



 ですが、転移災害の影響で多くの支社工場を失いましたが、今までの売り上げ成果のお陰で経営危機に至る様な事に無く。



 寧ろ新規事業を展開する事で再起を図ろうと画策しようとして居ました。



 最後に紹介するスズノキ自動車工業は、静岡県浜松市に本社を置く日本の大手自動車及び二輪車メーカーとして有名です。



 四輪車の世界販売台数は第10位、国内販売台数は第3位、二輪車の世界販売台数は第8位、国内販売台数は第3位船、外機では販売台数世界第3位で在りました。



 ですが、転移災害に巻き込まれたスズノキに経営危機が訪れます。



 それはヨーロッパ地方・インド・北米・中国と言った地域に進出する事で、日本国内で最安を誇る値段が付いた製品を作るべく、数多の部品組み合わせながら生産力を高めた居た事が仇と成って、残ったのがアセアン諸国に在るベトナム工場・タイ工場・スマトラ工場と言った3拠点のみと成り、倒産寸前の経営危機に陥ります。



 当時100歳と成ったばかりの鈴ノ木治会長は、スズノキ自動車工業を世界に誇れる一大自動車メーカーーと躍進させた中興の祖と言われ「ジェネラレル・モーターズが鯨で、家がメダカ?いやっ!家はメダカじゃなくて蚊ですよ。だって、メダカは鯨にのみ込まれてしまうが、蚊であれば空高く舞い上がる事が出来るので、決して飲み込まれないでしょ?」と言う言葉は名言として知られて居る。



 だが、このままでは私が愛し、育て上げたスズノキが消えなくなってしまうと嘆いて居た所に、スズノキバイクを愛する猛烈社員と言われた鈴木凛が、スズノキバイクレーシングチームのレーサーである鈴木刃の解雇危機と自社の倒産危機を救わんと立ち上がります。



 其処で鈴木凛がコヨミ皇国の在日本国大使から取って来た仕事こそが、ダバード・ロード王国での産業革命事業計画でした。



 これに失敗すれば、赤っ恥を掻くだけでは無く。



 スズノキの倒産を意味して居ました。



 鈴ノ木治会長は、息子である鈴ノ木宏俊社長と鈴木凛らにスズノキの将来を託すとし、ダバード・ロード王国・スズノキ自動車工業株式会社支社会社を設立。



 支社長には、この仕事を取って来た鈴木凛を氏名し、ダバード・ロード王国東部地方であるオローシャ帝国と接する国境の州で、西部の山岳地帯を背にして居る州であるグゥエールーズ州の州都・バーミャン市に営業本社と支社工場を建設します。



 所が、これが中々経営が軌道には乗りませんでした。



 他のライバル企業であるモトダ技研工業・カワカミ重工・ヤマナ発動機らは、ダバード・ロード王国内で順調に売り上げを伸ばして行く中で、スズノキは横ばい状態所か、一向に売り上げが上がりませんでした。



 それはダバード・ロード王国王政府が提供してくれたグゥエールーズ州が盆地と平野部が、全て山岳地帯に囲まれた地域である事が売り上げ不振の主な原因でした。



 材料と成る鉱物資源と燃料と成る油田とガスが豊富だからと、インフラ整備にすらお金を掛けた経費が無駄に成ると頭を抱えた凛支社長でしたが、此処で在る事に気が付きます。



 それは隣国のオローシャ帝国・サマーラ州皇帝直轄領・州都モルディナ市とフローレイティア州領とが、ドラグリア山脈西端側と挟んで隣り合わせに成って居る事に気が付きます。



其処で凛支社長は賭けに出ます。



 それはドラグリア山脈西端山脈地帯に、ダバード・ロード王国・グゥエールーズ州の州都・バーミャン市とオローシャ帝国・サマーラ州皇帝直轄領・州都モルディナ市とフローレイティア州領とを繋ぐ一般道路のトンネルと高速道路、それに鉄道建設を日本国・ダバード・ロード王国・オローシャ帝国と言った各政府らに持ち掛けます。



 丁度その頃に成ると、中央シベリナ鉄道の建設計画も立ち上がっており、凛と各国の足並みと思惑が見事に一致した瞬間でした。



 こうしてスズノキは、ダバード・ロード王国を始めとするアースティア世界にて、地球世界と同じく各地に根を下ろしながら各国の雇用を拡大させ、国力の増大する一助と成る事に成功したのでした。



カワカミ重工本社所在地・神奈川県・川崎市・塩浜町・三丁目・12号。

神戸市本社所在地・兵庫県・神戸市・中央区・東川崎町・5丁目・1番・13号。





モトダ技研工業本社所在地・東京都・港区・南青山・二丁目・11番・11号。





 ヤマナ発動機本社所在地・静岡県・磐田市・新貝20番・20号。



 スズノキ自動車工業本社所在地・静岡県・浜松市・南区・高塚町・3丁目・30番・300号地。

 アースティア暦1000年・アースティア暦 1000年・西暦2030年・4月23日・午前9時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・ラクロアナ王国・アデニューム州 王都・アデニューム市・カリマンシェロ城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 ユーラシナ大陸の東の果てに、ラクロアナ王国と言う国が在る。





 北西には、ドラグリア山脈の東端が在り、山脈を国境として、その向こう側には、ドラグリア白龍大帝国の東端の領土が在った。



 西側には、アルガス公国へと街道が続いて居り、東側には太平洋が広がって居たが、今はロシア共和国の国土が点在する海域へと変化して居た。





 そんなラクロアナ王国の人口は、凡そ400万人で、国土面積は大よそ700kmである。





 国土の3割が寒冷地に近い気候を有して居いた。





 残り7割の国土が温暖で、日本の東北・関東地方に近い気候で。比較的過ごし安い土地柄であった。



 そんな土地柄のお陰で、南部が稲作で北部が小麦と大麦の生産地、野菜類を含めた畑作も大体の物が取れる豊かな農地がたくさん在るのだ。





 国土の東側が海に面して居るので、魚貝の加工品が名産でもあり、エールと言う酒も生産されて居る。



 特に秋に獲れる鮭漁と一年を通じて漁に出られる海では、比較的寒い地域の魚とイカとホタテが獲れて、それらを干物にして売って居た。



 他にも北部で牡蛎、南部で鮑が良く撮れて居る。



 王都・アデニューム市の北側にはロアナ湖が広がって居て、多くの種類の川魚とシジミが良く取れて居ると言う。





このラクロアナ王国は、典型的な食料生産が得意な農林水産業主体の国家である。





 金銀銅の鉱山と鉄の鉱山も在り、ファンタジー世界の国家としては、あまりにも典型的な普通の国家なのでパッとしないと国家とも言えるだろう。





 首都であるアデニューム市は、王国国土の中央に在る。





 北西にドラグリア山脈が広がって居て、その山脈から大河であるドナルク川が、流れ幾つもの湖を経てロアナ湖を通って下流へと注いでいる。





 そのロアナ湖の側に王都であるアデニューム市は在るのであった。



 国土の南部には、パイプ・ライン大河を挟んで二つの貿易拠点の都市が二つある。



 北部に在るのは、グラッグ州のゼングリラ市と南部のシャン・ライア州領のロウデニィオン市である。



 シャン・ライア州はラクロアナ王国の飛び地にして、無主の土地で無開拓だった所の土地を対帝国の防波堤として、100年掛けて開拓した地方である。





主要都市 





王都・アデニューム市・アデニューム州。 



 湖畔の有る王都 湖畔近くにカリマンシェロ城が建って居る。



 ロアナ湖が大変綺麗で、川魚が沢山獲れ、特にしじみとサケが良く獲れる。





ニュウヤーク市・ニュウヤーク州。 





 北西から流れるドナルク川の側にある都市にして。水運と漁港の町。



 首都の往来と南北の町を水運と街道が貫いて居り、倉庫街と水産加工の工場が在る。 





ゼングリラ市。  



 グラッグ州 パイプ・ライン大河北部の貿易港。





 西へと向う為のハブ港。街道も西に延びていて、たくさんの倉庫街が立ち並ぶ港町。



 此処で多くの荷物は馬車と船に分かれて運ばれて行く。





ロウデニィオン市・シャン・ライア州。 



 ゼングリラ市の南部に有ってパイプ・ライン大河から南側への貿易港。開拓と貿易の町。



 コヨミ皇国と南部諸国、亜人国家との重要な拠点。帝国に対しての防壁の役目を担っている。





アデイリード市・トリドン州。 





 ドナルク川の上流にある都市で、鉱山の町、北西のドラグリア山脈周辺の山々から鉱物資源を掘っている。





サイグロブス市・シュナィーダー州。 





 冬になると豪雪地帯と成り、港は在る物の、冬には凍結してしまう。





 北部の辺鄙な都市である為に、これと言った産業が無く、毛皮と石炭しか無いと言われていた。



 後に日本が天然ガス・石油・アルミ・レアメタルの産地とし開発が進むと、日本と変わらない町へと変貌して行く事に成る。





政体は国王制を敷いて居るが、国務行政の頂点の長として、宰相と宰相府を行政の筆頭に置いている。次に元老院、その下に官僚制度を採用している。





 爵位は勲功受賞制度を採用して居て、権力的な意味合いは無い。





 中央集権制で中央から州知事が派遣されて来る。





 普通選挙制度や民主主義と言う考え方ないので、国家試験をパスして5年から10年ほどの実務経験と政治経験が無いと特定の上位の長官職や元老院の議員に付けないのである。



 軍は陸軍と最近になって沿岸と河川の防備に当たっていた水軍を海軍と警備隊に分けられている。





 海軍と言っても出きたばかりなので、ちゃんとした物では無い。





 それに共同作戦と言う考えは有っても統合運用の概念はまだ無い。



 これは何処の国でもその様な発想に至っていない。通信技術が未熟な故である。





さて、この国に付いての紹介はこれ位だろう。アデニューム市の周囲には、所々に宿場町と農家の家が立ち並び、麦畑と畑作地が広がっている。





 城の北側はロアナ湖があり、ドナルク川が北側から西回りにアデニューム市の南を回って東へと続いて流れている。





 都市の近くには、港と海軍と水上警備隊の基地が在る。





 城の城壁や海軍などの基地には、ドラグリア山脈から豊富に採掘された鉄を加工して作られた大量の大砲が配備されて居た。





ラクロアナ国王の軍事力は、兵力が60万人。歩兵20万人。騎士甲冑を許された騎士身分(少尉以上の軍人)が30万人。



 その内訳は、騎馬隊10万人、重騎士10万人、近衛隊3万人、飛竜騎士1万人、騎士団4万人、海軍が全軍で22万人である。





 海軍はその特殊性的な組織である為に、乗船経験と先任制の士官が指揮権の優先となる為に、戦争でや訓練成績が優秀な者が、例え学力が劣り、生まれが農民で有ったとしても優秀な者の出世が出きる様に成っている。



 陸軍は体力と試験と士官学校の出来の良さだけで人事の査定と出世コースが決まってしまう事が多く、高い学費が払えるお金持ちがの家柄が多く、貧乏人が官僚や軍部の中枢や指揮官に上り詰める為には、その門徒がとても狭かったのであった。



 それ故に、海軍と陸軍の仲は、お互いに悪いと言える。





 貧困層(海軍)対裕福層(陸軍)





 無論、これは表面的な事であり、海軍にも裕福な者もいるし、その逆も然りである。





湖畔に聳え建っていて、灰色の石材を使い、屋根が赤く染まっているカリマンシェロ城。





 その国王の部屋には、ラクロアナ国王であるレビル・アブヒム・ラクロアナ国王がベッドで横に成っていた。現在60歳で、この王は決して死に掛けている訳ではない。



 ただ、長年の政務に於ける激務が祟り、床に伏せる回数が多くなっていた。彼の王は、余り戦場には出て居ないが、政務と来れば大半が座り仕事である。





 仕事は立っているのと座っているのとで、どちらが楽かと問われれば、人それぞれに由るが、前者と答えるのが大半ではなかろうか?



 座っての仕事は一見して楽に見えるが、かなり腰に来きて疲れるのだ。トラックやその他の乗り物の運転の仕事や旅行でのドライブも、そうと言える状態だろう。





 レビル王は腰と過労に長年の間、悩まされて来た人物であった。





「ふぅ、フランよ。済まないな。父がすっかり年老いたばかりに、もう少しだけと思っているのだが・・・・どうにも体が言う事を聞かんのだ。」





「いいえ、お父様の長い間のご苦労を思えば、わたくしも臣下も、民草も国の為に尽くして来たそのご苦労を良く存じております。」





国王の寝室には、1人娘で次代の女王となるフランシェスカ・アブヒム・ラクロアナがベッドの横で、椅子に腰掛けながら父の手を取ってその身体を労わっていた。





 現在、彼女は20歳。あと数年すれば王位を譲られるだろうと言われて居る。



 しかし、国王が年老いて生まれた王妃は、余りにも不憫な時代に生まれ、国の後を継ぐには、遅過ぎるとも言われている。



 レビルの妻であるジェシカ王妃は産後の具合が悪くなり、フラン王女が生まれてから一年で亡くなっていた。王妃の亡くなった当時の年齢は35歳であった。



 せめて男子が生まれていたら、王妃が生きて居たらとも言われていたが、二人は結婚してから10年も子宝に恵まれないと言う悲運が続いていた。





 年老いて生まれた跡継ぎに、多くの臣下と国民は不安視していた。レビル王はあと少し、あと少しと、言いつつ、愛娘が25歳を過ぎるまでに国政の引継ぎと婿探しを済ませる積りであった。





だが、彼の身体は、長年の激務で蓄積された疲れが蝕み、言う事を聞いてくれなく成っていた。



 帝国が目の前に迫ったこの時代に、フラン王女は過酷な船出をしなければ成らなかったのである。







「王女殿下。そろそろお時間で有らせられます。」





 控えていた女性の従者に公務の時間を告げられる。







「フラン、もう良いから行きなさい。」





「はい。」





フランは名残惜しそうな感じで、レビルの元を離れた。





「お父様、では後ほど・・・・・」





フランが部屋を出て行きドアが閉まる。





「本当に不憫な時代に生まれた子だ。」





「せめて・・・せめてあの子がもう少しだけ、早く生まれていれば・・・マシな形で国を継がせられたものを・・・・・ごほっ、ごほっ、この国はあの子の代で終わるのか・・・・・・・・」





「うううっ、うううっ・・・・・・・・」





誰も居ない王の寝室で、その主のすすり泣く声が漏れてきた。





 それを聞く者は誰も居ない。





 間も無くこの国にも、激しく吹き荒れる激動の時代と言う名の嵐が吹こうとしている。









 アースティア暦1000年・アースティア暦 1000年・西暦2030年・5月1日・午前9時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・ラクロアナ王国・アデニューム州 王都・アデニューム市・カリマンシェロ城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 ラクロアナ王国 カリマンシェロ城にて・・・・・・・・・・・







この日、国王の執務室でフラン王女は、父に成り代わって政務の代行していた。



 赤く染まった髪と物静でお淑やかな雰囲気の王女は、黙々と各省庁の役所から上がってくる書類と睨めっこして判子とサインをしたり、直近くの部屋で詰めている各省庁の担当官僚に、質問をしたりして居た。



 そんな彼女の元に外交省経由からある手紙が届いた。







「失礼致します。殿下、王女殿下と国王陛下宛にお手紙です。」







「あら、珍しいですわね。国政に関わらないお父様やわたくし個人に宛てた手紙なら纏めて、公務の後の時間に纏めて持ってくる筈ですのに。一体、何所のどなたからですの?」





「はっ、フラン殿下宛には、コヨミ皇国のクレハ皇女殿下からであります。陛下への手紙は、リキヒト国皇陛下からです。それと見たことも無い紙で出きている箱が送られております。」





「まぁ、クレハから?リキヒト陛下からもお手紙を下さるなんて久しく有りませんでしたわね。」





久し振りに聞く懐かしい友人の名に、ぱあっと顔が明るくなったフラン。







「陛下へのお手紙は、如何が致しますか?」





外交官僚は、国王への取り次ぎに付いてお伺いして来た。







「今日もお加減が余り良くないわ。わたくしが読んだ上で、居りを見てお見せします。」





「はっ、承知致しました。」





外交官僚が執務室を出て行く。フランは目の前の書類に目を通し、適切に処理し終えると、紅葉からの手紙を広げた。





「拝啓、フランシェスカ様。私はとある事をお伝えしたくて、久し振りにお手紙をお送り致します。今私はニホンと言う国に滞在して居ます。」





「ニホン?そんな国・・・・在ったかしら?」





 フランはニホンと言う国の名に、首を傾げながら手紙の続きを読み進めて行く。





「ニホンは、ラクロアナ王国から南東の方角に浮かぶ島国です。実はニホンは1月前に異世界から転移してきた異世界の国なのです。」





「異世界?」





「異世界から国家が丸ごと転移してくるなんて何の冗談?信じられないと仰るでしょう。ですが本当の話です。」



「この国の事は、一言ではとても言い表せないでしょう。とにかく見る物、触れるもの全てが物凄い。シャシンと言う絵図と日本の資料本をだんぼーるなる紙の箱でお送りします。」







フランは、見たことも無い紙で出きている割には、頑丈そうな出来栄えのする紙の箱は、見慣れぬ紙の様な物で封がされていた。



 彼女は、ダンボール蓋を止めてあったガムテープをペイパーナイフを使って切り裂いて箱の蓋を開いた。





「紙の箱ね・・・・まぁ、クレハ、久し振りに貴女をお顔を見たわ。確かに、これは凄いわね。」







紅葉の写った写真と彼女がカメラで撮影した日本の風景の写真。日本政府が用意した資料本、通称カタログ。





 そんな感じの名前で交援省と日本政府は呼んでいる本が30冊ほど入っていた。





「それと近々、貴女のお国にもニホン外交官僚が向うと思います。その時には良しなに。」



「それと東にはロシア共和国と言う国が在ります。ニホンと同じ異世界から転移してき来た国の一つで、東に400キロほど進んだ海上に在りますので、貴国の民と軍との諍いが起こらない様に対処をお願い致します。」





「追伸、お互いに、身の回りが落ち着いたらお茶でもご一緒しましょうね。」







紅葉からの手紙は、簡単にそして、簡潔な手紙であったが、書かれていた内容は、ラクロアナ王国に取って国家の一大事と呼べる内容が書かれていた。





「まぁ、大変。ええと、取り敢えず私は如何しましょう。」





久振りのお友達からの手紙と思って読んて見たら、トンデモない内容が書かれていた。



 東と南東に見知らぬ国家が異世界から現れた?





 何も知らない王国軍か警備隊、国民が異世界国家の領海をへと進入してしまったら、大変な事になる。



 フランは、呼び鈴を鳴らすと取り次役をしている王室職員を呼び出す。





「フラン様何か御用でしょうか?」







「至急、宰相府と軍務省と外交省に使いを、オルバ宰相を始め外交と国防の責任者を王城会議室へ呼び出して、重要な外交事案が有ると伝えて下さいませ。」







「はっ。」





「クレハ・・・・貴女は本当に、何時も何時も、トンでもない事をしますわ。」







フランは執務室からベランダへと出ると、遠く南東の方角を見て、紅葉が居るであろう日本国とは如何なる国であろうと思うのであった。



シベリナ地方王国連合同盟を構成する国家の一つ、それがラクロアナ王国です。



 元々はユールッハ地方の端っこに在った国家の一つが300年前に逃げ伸びで建国したのが始まり。



世界最大の大陸ユーラシナ大陸東部であり、シベリナ地方の東部でもある。人口が凡そ400万人、国土面積は大よそ700km²で、気候が日本の関東・東北に近いと言われて居ます。



 しかしながら、国家を支える金銀銅の鉱山と鉄の鉱山も多数を抱えて居り、ファンタジー世界の国家としてはあまりにも普通の国家なのでパッとしないと国家と言えるでしょう。





 首都であるアデニューム市は国土の中央に在って、北西にドラグリア山脈が広がって居ます。



 その山脈から大河であるドナルク川が流れ、幾つもの湖を経てロアナ湖を通って下流へと注いで居り、そのロアナ湖の湖畔近くにアデニューム市は在ります。



 国土の南部にはパイプ・ライン大河を挟んで二つの貿易拠点の都市が二つ在って、北部にグラッグ州のゼングリラ市と南部のシャン・ライア州領のロウデニィオン市です。



 シャン・ライア州はラクロアナ王国の飛び地にして、無主の土地で無開拓だった土地を対帝国の防波堤として100年掛けて開拓した地方です。



 政体は国家元首を筆頭に宰相府を筆頭に次に元老院、その下に官僚機構を敷いて居り、爵位は勲功受賞制度を採用して居て、権力的な意味合いは無い。





 中央集権制で中央から州知事が派遣されて来るが、普通選挙制度や民主主義と言う考え方が無いので、国家試験をパスして5年から10年ほどの実務経験と政治経験が無いと、特定の上位初句元老院の議員に就けない制度に成って居ます。



 中央集権制で中央から州知事が派遣されて来るが、普通選挙制度や民主主義と言う考え方が無いので、国家試験をパスして5年から10年ほどの実務経験と政治経験が無いと、特定の上位初句元老院の議員に就けないのである。



 軍は陸軍と最近になって沿岸と河川の防備に当たっていた水軍を海軍と警備隊に分けて整備されたばかりである。



 海軍と言っても、出来たばかりなので、ちゃんとした物ではなく、それに共同作戦と言う考え方は有っても、統合運用の概念はまだ無い。



 これは何処の国でも、その発想に至っていない為なのと、長距離通信技術が未熟な故である。





 ロアナ湖畔に聳え建って居る建物こそ、灰色の石材を使い、屋根が赤く染まって居るのが、ラクロアナ王国王城であるカリマンシェロ城。



 日本じんからすれば、地球世界のヨーロッパ地方に良く見られる形式のお城と言える様相を呈して居る建物と言えるでしょう。



 当時ラクロアナ国王で在ったのは、レビル・アブヒム・ラクロアナ国王でありました。



 しかしながら、この時のレビル国王は長く国政に携わる疲労から中程度の過労から来る病気に悩まされて居たと言います。



 レビル王は腰と過労に長年の間、悩まされて来た人物で、余り戦場には出て居ないが、政務と来れば大半が座り仕事であったらしく。



 腰痛と寝不足が多い仕事柄の為か、60歳を迎えた際には、遂に国王の身体は悲鳴を上げたと言われて居ます。





 レビル王が此処まで踏ん張って居たのも、1人娘で次代の女王となるフランシェスカ・アブヒム・ラクロアナ王女殿下が居たからなのです。



 当時の彼女は20歳でした。



 あと数年もすれば王位を譲られるだろうと言われて居ましたが、国王が年老いてから生まれた王妃は、余りにも不憫な時代に生まれ、王国の後を継ぐには、遅過ぎるとも言われて居りました。



 レビル国王の妻であるジェシカ王妃は産後の具合が悪くなり、フラン王女が生まれてから一年で亡くなっていた。王妃の亡くなった当時の年齢は35歳でした。



 せめて男子が生まれて居たら、王妃が生きて居たらとも言われて居ましたが、二人は結婚してから10年も子宝に恵まれないと言う悲運が続いて居た事もラクロアナ王国の悲運だったことの一つと言えるでしょう。



 年老いて生まれた跡継ぎに、多くの臣下と国民は不安視して居ましたが、レビル王はあと少し、あと少しと、言いつつ、愛娘が25歳を過ぎるまでに国政の引継ぎと婿探しを済ませる積りであったそうです。



そん中で日本国がアースティア世界へと異世界転移して来ました。





それもラクロアナ王国の南西部にです。



それは不運続きであったこの国に取って、とても幸運な出来事でした。





 またフラン王女は、コヨミ皇国第一皇女である紅葉とも交流の深い親友の一人であり、日本国と国交を結びませんかとの手紙をレビル国王への親書と共に送って居る。





 現在その手紙は、ラクロアナ王国アースティア大戦終戦記念博物館に飾られ、大戦終結へと向かう事に成った貴重な文章の一つとして、広く市民や観光客に公開されて居る。



 それと紅葉皇女が写った写真と彼女自らカメラで撮影した日本の風景の写真も在り、それと同じものが高見家にも残されて居り、高見家アースティア大戦終戦英雄戦記記念館でも公開されて居る貴重な資料とされて居る。



 中でも紅葉が長崎デートと言い張って居る竜史とのツーショット写真は、彼氏が出来たよと自慢したかった側面が在ると歴史家は見て居るとされて居ると言います。



 ラクロアナ王国と日本国との繋がりは、紅葉皇女と竜史の尽力により、今も続いて居る友好の懸け橋なのですが・・・・・・・・・・・・・