異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ

ブラキュリオス湖畔紛争・・・・・・・・それは、アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午前9時45分に、置鮎竜次郎一佐が指揮を執って居る西方面海自派遣艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣艦隊・略称名・ダバ派遣艦隊が、ダバード・ロード王国へと向かう途上で、ガミトフ・バイマン中将が率いるローラーナ帝国・グリクス地方軍団と激突した戦いの事を指して居ます。





 両軍が激突したのは、ダバ派遣艦隊が、グリクス地方軍団によるアルガス公国・レジェンダリア諸島侵攻の気配を見せた事から、帰国の帰り道でもあるブラキュリオス湖航路の安全確保を目的とした迎撃作戦を展開する事を決断した為に巻き起こったアルガス公国・レジェンダリア諸島の攻防戦でした。





 この戦いに措いて、置鮎竜次郎一佐を司令官とする日本国・アルガス公国・ドラグリア白龍大帝国・アセリナ王国から成る合同作戦軍である日シベ合同作戦軍とガミトフ・バイマン中将が率いるローラーナ帝国・グリクス地方軍団とが、本格的な戦争へと突入し、激突した最初戦いとして知られて居ます。



 この戦いでの別の戦線では、ダバード・ロード王国も参戦して居り、自国領近くのローラーナ帝国軍の要塞や基地。



 砦や見張り陣地と言った要地を撃破しつつ、敵の備蓄倉庫を襲って、物資や資金調達をしつつ、陽動作戦を展開し、遠方から同盟諸国を支援に踏み切ったのは、当時のダバード・ロード王国女王であった、アーヤ・シュチュ―ド女王の英断と決断力であったと言われて居ます。



 この戦い結果、ガミトフ・バイマン中将が率いるローラーナ帝国・グリクス地方軍団の総兵力の9話8分を失った壊滅的な敗戦と成った事により、グリクス地方内陸部へと撤退する事に成りました。











 その緒戦の戦いであるマルダ平原の戦いで、ブラキュリオス湖畔紛争の戦いの火蓋が切って落とされたと言われて居ます。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月日・午前4時30分頃に開始された、アルガス公国・レジェンダリア諸島の攻防戦でした。





 緒戦であるレジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦と同じく激しい攻防戦であったとの供述書と映像記録が残って居り、アースティア世界大戦末期の戦史を知る貴重な映像記録としも知られて居り、歴史学者たちが様々な視点から議論が白熱するエピソードの一つと成って居ます。





 この戦には、偶々付近に居た ローラーナ帝国に誘拐されて、行方不明に成って居た姉であるレナ・ミーサガ・リンバースの足跡を辿る目的にで、各地のローラーナ帝国軍を襲って居た紅花園の誓いの一人であるリナ・ミーサガ・リンバース。 



 アルガス皇国軍のクリスティーナ・マケッンジー。 



 頭の可笑しなよ放浪のアセリナ族人であるハンナ・リリロッカ・ヨシカーナと言った面々が出そろい、アースティア世界大戦末期の英雄譚物語の初期名場面とも言えるエピソードが此処から始まったと言えます。 



三人は偶々合流し、この戦いに参加する事に成ります。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午後16時00分頃の事です。





 この日、夕方にアルガス公国軍と日本国自衛隊との会議が、アナハインム城内の大会議室にて召集されました。





アルガス公国軍の最近の偵察で得た情報は、以下の通りと成って居る



 空挺戦艦20隻 空挺竜母艦20隻 空挺重巡洋艦15隻 空挺巡洋艦30隻 空挺駆逐艦60隻 空挺帆船戦艦が200 魔導陸上戦艦30隻 魔導陸上揚陸艦50隻、帆船戦艦300 帆船輸送艦500





 グリクス地方軍団側の全兵力は、凡そ40万人程度と成って居たと有ります。





 そして、グリクス地方軍団と帝国軍をこれまで阻んでいたのはブラキュリオス湖と言う湖の広さであり、船が中々揃わなかった事に有りました。







 そんなグリクス地方軍団を相手にする事に成った置鮎一佐は、グリクス地方軍団と戦う為に、一計を案じた策を披露します。





「これから説明をする作戦と言うのが、有体に言えば、敵側に侵攻作戦を遅らせる為に、奇襲による遅滞遅延作戦ですね。」



「まぁ、陽動作戦も兼ねて居ますが。」



「それが、妥当でしょう。」



「具体的には、如何するの?」



 クリスも賛同し、リナがその内容に乗り気で居た。



 その手の戦いは、彼女の十八番だからだ。



「はい、護衛艦きりしまとヘリコプター搭載護衛艦いずも、ひゅうがを中心とした護衛艦隊の一隊と、艦内に持って来て居る全てのヘリコプター使用した少数精鋭部隊を編成し、奇襲部隊として、敵地へと奇襲します。」



「ヘリコプター搭載護衛艦・・・・・と言うと、あの水上基地とも言える大きな鉄船を用いて、帝国側陣地へと攻勢を掛けると言うのですか?」



「その通り、闇夜に紛れ、神速を以てして、神出鬼没に敵地への攻撃する。」



「そして、護衛艦きりしまはイージスシステムと言う監視装置を持って居ますので、敵側の動きは逐一分かりますし、護衛艦に配備されて居る偵察専用のヘリも出撃しますので、攻守に万全を期した体制での奇襲作成に成ります。」



「如何でしょうか、お二人とも?」



「決行は?」とリナは、途轍もなく真剣な眼差しで聞き返します。



「準備が整い次第、今夜にでも。」と置鮎一佐は、直ぐ答えました。



 アルガス公国軍側の指揮官クラスの騎士達を中心に周囲はざわつきます。



「面白いですね。その奇襲作戦、是非ともやりましょう。」





 クリスの一言で、アルガス公国軍側は、この作戦への参加と決行を決断する。



 置鮎一佐の作戦とは、護衛艦きりしまとヘリコプター搭載護衛艦いずも、ひゅうがと搭載されて居る陸自海自の全ヘリ部隊を用いた奇襲作戦でした。



 この場に居た両者は、一致団結してダバ支援艦隊の到着するまでの間、奇襲攻撃によるゲリラ作戦を決行する事と成ったのでした。



 後の歴史では、この戦いの事をレジェンダリア諸島・カントルナ砦近郊上陸撤退戦と呼ばれ、置鮎一佐が提案した作戦の事をグリクス地方奇襲作戦または、グリクス地方奇襲戦と呼称されて居る。









グリクス地方奇襲作戦・グリクス地方奇襲戦





 置鮎竜次郎一佐が指揮を執って居る西方面海自派遣艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣艦隊・略称名・ダバ派遣艦隊が、40万人ものグリクス地方軍団と言う大軍を相手に有利に戦うべく考案した奇襲攻撃作戦のこと。



 グリクス要塞近くに展開して居た補給部隊や移動部隊に加えて、複数の砦や中規模の要塞を開戦前に殆んど叩いてしまおうと言う物である。





 この戦いで初戦に必要な兵力や補給物資や資金を失ったガミトフ・バイマン中将とローラーナ帝国・グリクス地方軍団は、更なる無理を強いられ、ブラキュリオス湖畔紛争を戦わねばならなくなったと言う。





アルガス公国・モンブラン州・モンブラン州都・ファン・ブランク市



 ブラキュリオス湖の軍事拠点であるレジェンダリア州との連絡港でもあり、モンブラン州の州都であもある軍事拠点と貿易港として栄えているアルガス公国西側の重要な拠点都市。



 アースティア世界大戦後は、パイプ・ライン大河の中継港の一つとして、東西線貿易の要の一つとして、栄えてつつ、東西南北の繋がる鉄道網のユーラシナ大陸間鉄道のシベリナ鉄道・シベリナ中央地方線が通るターミナル駅が置かれ、南へは地下トンネルでユーラシナ大陸南部へと向かえる様に成った。



アルガス公国・モンブラン州・モンブラン州都・ファン・ブランク市への歩き方。



 近隣諸国から航空便で2時間。鉄道で3時間。水上船・陸上船で5時間。バスなどの自動車事故で4時間。





アルガス公国軍・駐屯居城要塞・アナハインム城





 アースティア世界大戦以前からあるアルガス公国・モンブラン州を守る居城の事で、公国政府直轄領の一つとして、公国軍幹部が守りに付いて居る。



 ブラキュリオス湖畔紛争では、作戦会議とアルガス公国本土とレジェンダリア州との連絡と補給物資の保管拠点として使われて居た。



 アースティア世界大戦後は、アルガス公国軍の拠点がブラキュリオス湖のレジェンダリア州・レジェンダリア諸島に移転した為、戦後復興改革の拠点としてアナハインム城は、ファン・ブランク市の市役所として使われた。



 しかしながら、30年後に近代化都市を造るべく、新市街地が増設される事に成り、ファン・ブランク市役所は、アナハインム城から移転され、未来世界ではアナハインム城・アースティア世界大戦記念博物館と成って居る。



 主な展示物は、ブラキュリオス湖畔紛争とそれ以前の歴史を紹介するものに成って居るが、ブラキュリオス湖畔紛争の模型展示を交えた、生映像の紹介展示は、毎年数万人もの観光客に大好評だと言う。





アナハインム城・アースティア世界大戦記念博物館への歩き方。



 ファン・ブランク市駅から、旧市街地に最寄りの交通機関で15分。徒歩で30分。



 近隣諸国から航空便で2時間。鉄道で3時間。水上船・陸上船で5時間。バスなどの自動車事故で4時間。

アースティア暦 1000年・西暦2030年・5月28日・午前9時44分頃のことでした。



 日本国・北海道・札幌市・札幌駅にて、とある出来事が有りました。 





 この時のラクロアナ王国のフランシェスカ・アブヒム・ラクロアナ王女は、父親であるレビル・アブヒム・ラクロアナ国王の療養中の見舞いも兼ねて、日本国に非公式訪問をして居ましたが、その後は時期を見計らって正式訪問をして居る事を公表します。



 アースティア暦 1000年・西暦2030年・5月28日からアースティア暦 1000年・西暦2030年・8月3日までの役二ヶ月間もの間を北海道視察旅行に費やして居たそうです。





 ラクロアナ王国のフランシェスカ・アブヒム・ラクロアナ王女は、外務大臣のエマリー・ロズリーを伴って、港町であるニュウヤーク市より、日本の海上保安庁の大型巡視船に乗り込んで、日本国・北海道の小樽港から密かに来日して来てらしく、





 ラクロアナ王国内には、東京サミットの開催が発表されまでの間だけ、地方視察に1月ほど向うと発表されて居たそうです。



 この時点では、東京サミットの開催と言うのは、未だ正式には決まっては居らず、その開催の是非と言うのは、ダバ派遣艦隊の動向次第と成って居る為、東京サミットの開催や反帝国同盟諸国と中立地域諸国らの国家元首と外交使節団等が、日本国へと向かうかも知れないとの大っぴらな情報公開をする訳にも行かなかったようなのです。



 そんなフラン王女とエマリー外務大臣の二人が、日本国へと入国する為にも、日本の厳しい防疫検査と一ヶ月に亘る健康診断の結果、入国しても問題無しとの連絡を受けると直ぐに、日本への入国申請を出したそうです。





 その返事は思いのほか簡単に許可が得られたらしいのですが、そのままの身分だと、当時の国内情勢下では、二人の訪問が過激派や反戦団体に妨害される恐れと療養中のレビル国王の所在地がばれてしまい兼ねないと言う事から政府公認で偽造身分証明書が作成される事に成りました。



 東京サミットの開催が決まるまでのフラン王女とエマリー外務大臣達二人の表向きの身分証は、サンクトペテルブルク市から日本国へと旅行にやって来たロシア人の友人同士で、不幸な事に転移災害に巻き込まれてしまった結果。



 帰国する事が叶わず、今後の身の振り方を決めて居ない為、北海道への帰化かウラジオストク市へと移住するかの二択を日本国とロシア共和国から如何したいのかを聞かれて居ると言う設定の人物とする事に成って居たそうです。





 小樽港のフェリー乗り場に着いた大型巡視船に架かった桟橋から降り立ったフランとエマリーの二人は、此処で別れる事に成ります。



 ラクロナ王国外務大臣であるエマリー・ロズリーは、福岡市東側郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・第1会議で行われる予定のアセリナ王国・アルガス公国・ラクロナ王国・ダバード・ロード王国の4カ国から、日本との国交開設交渉及び安全保障条約締結交渉の全権委任大使でした。





 この4カ国の各政府は、警備上の理由から大臣クラスの要人を直ぐには、大勢送り出す余裕は無い為、日本から地理的に近いラクロナ王国外務大臣であるエマリーを各国は推挙して派遣を決定したそうです。





 この世界の今の状況下では、妄りに国の要人が会議の為に他国へ行くと言う情報を流すと、帝国が何をして来るのが分からないので、事を進めるのには慎重を期す必要が有ったのでした。



 その会議に臨むべく、彼女は札幌駅から北海道・東北新幹線と東海道・山陽新幹線を使って、福岡市へと向かいました。





 一方のフラン王女は、札幌市内に在る札幌医科大学付属総合病院で療養中のレビル国王のお見舞いに向かいました。



 札幌医科大学付属総合病院に着くと護衛警察官たちとと供に特別病棟へと向かいました。



 レビル国王は、その身分であるが故に、秘匿されるべき人物である為、日本政府の手によって特別病棟に入院させられて居りました。



 因みに札幌医科大学付属総合病院とは、札幌市内に在る札幌医科大学の付属病院の事で、普段は札幌市民が心身ともに身体が病んだ時に癒しを求めて通院する事で知られて居る札幌市の地域医療を担う地域病院の一つでした。





 しかしながら、この時の札幌市・旭川市・函館市・千歳市を中心にして、反戦キャンペーンを訴えるデモ行列行進が行われ、『戦争反対っ!!』『シベリナ連合各国との国交樹立反対っ!!』『戦争して居る国との国交反対っ!!』



『ローラーナ帝国との賠償交渉し講和すべきっ!!』と、随分と乱暴な訴えをする者達の声が聞えて来るとレビル国王の不安な声が回顧録で語られて居たそうです。



 護衛が厳重でも不安が拭えない中での、異国王女の訪問は危険性を伴う物でしたが、親子の対面は恙なく済んだらしく、父親であるレビル国王は、娘に北海道視察を勧め、留学も考えてみてはどうかと言ったそうです。





 ラクロアナ王国は、北海道と良く似た気候風土らしく、北海道で盛んな近代産業を自国にも取り入られると考えたようなのです。





 フラン王女は、父親であるレビル国王の勧めに従って、北海道視察旅行に出かける事にしました。



 そんな北海道の各地をフラン王女は、旅行客のフリをしながら二か月間を掛けて回り、ラクロアナ王国の国政改革に役立てる様と必死に勉強をして回って居さうです。



 一時期は各地域の有力者達にお願いをして、農業大学の農場や講義を受けたり、手を汚しながらも水産加工場で実地研修をさせて貰ったり、はたまた漁協組合に頼み込んで、漁に出掛けて行く漁船に乗り込み、大の男でも厳しい漁業を体験したり、更にはお菓子工房で菓子作りを学んだりと忙しい毎日を送って居た。







 札幌農業大学にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 この日、札幌市内のに在る北海道大学・農学部で、見慣れない赤く染まったロングストレートヘアースタイルと物静でお淑やかな雰囲気の風貌の顔付きで、ボデイスタイルは背がやや高めであり、凹凸の在る完成された身体付きは、誰が見ても羨む見姿と言える女性がノートを片手に講義を受けて居た。



 北海道大学は、北海道札幌市に本部を置く日本の国立大学である。



 1876年(明治9年)創立の札幌農学校を前身とする国内の旧帝国大学7校の一つであり、THE大学ランキング日本版2022では国内第6位で、社会貢献の取り組みを示すインパクトランキングでは世界10位・国内1位に数えられており、愛称の呼び名として北大の名で知られて居ます。



 フラン王女は、農業経済学を中心に一週間ほどの体験見学をする事にした。



農学部

生物資源科学科

応用生命科学科

生物機能化学科

森林科学科

畜産科学科

生物環境工学科

農業経済学



「おいっ!!アレって誰だ?」



「アレって?」



「だから、窓際側の一番後ろの席に居る赤く染まったロングストレートヘアースタイルと物静でお淑やかな雰囲気の風貌の顔付きをした女の子だよっ!!」



「それに、他にも二人の見慣れない金髪ショートヘアースタイルの女の子と銀髪ホブヘアースタイルの女の子も気に成るしっ!!」



「確かになぁ~、あんな子たち・・・新学期が始まった時には居なかったしなぁ~」と呟くのは、今年の一年生たちの男子学生たちだった。





 講義が終わると、気に成る男子たちらは、早速ナンパを仕掛けると言う物。



「ねえねえ、君たちって入学式の時には居なかったよねっ!!」



「何所から来たのっ!!」



「この後、暇かな?」



「学食かどこかの喫茶店でお茶しないっ!?」と声を掛けて来ると、フランの周りに居るロシア人に扮して居る護衛任務の女騎士たちがの表情が豹変する。



「お前たちっ!」



「フランお嬢様は、お忙しいのだっ!」と声を荒げてしまう。



「二人ともっ!」



「「ですがっ!」」



「マリー、ローズっ!此処は二ホンなのですよ。それにわたくし達は、異国人なのです。二ホン人とケンカ腰に成って、騒いでしまっては、他の同胞国人に迷惑に成ります。」



「「はい、お嬢様っ!」」と居直る二人。





それに気圧されてしまったナンパ男たちは啞然として居た。



 どうやら目の前に居る女の子たちらは、どこぞのご令嬢たちらしい事が分かったが、如何言った事情の女の子たちなのかがが謎であった。



其処に、とある一年生の女子学生のグループが現れた。



「やっほー、フラン。迎えに来たよぉ~」とショートヘアースタイルの快活な女の子が現れた。



「ホノカ?何かご用かしら?」



「今朝、言ったでしょ?札幌市内を案内するってね?」とウインクする。



 フランは迎えに来たほのかなる女子学生の思惑を察し、その申し出を受ける事にした。



 因みにほのか成る人物は、北海道知事の鈴代直道知事の娘さんで、北海道大学に通って居る20歳の女子学生であった。   



「鈴代さんって、この外人さんたちと知り合いなの?」



「ウラジオストクからのお客さんよ、そんでもって家のお父さんのお客様。こちらのお嬢様たちのお父さんとは、昔からの知り合い。今度ね、北海道大学の留学を考えて居るから、その前に見学に来て居るのよ。」



「ああ、それで見かけない顔だったんだ~」と納得する男子たち。



「フラン・シェスーカーと申します。ウラジオストクで農場と水産加工会社を経営して居る父親から、ほのかのお父さまを通じて、北海道大学に見学会にやって来ましたわ。この二人は、幼馴染みで、家の社員の娘さんたちです。」と紹介する。





「マリー・アントワーネットだ。」



「ローズ・リツレクアです。」と成り合った。





「・・・と言う訳よ。だからナンパは控えて欲しいなぁ~」とほのか言う。



 男子学生たちらが女の子たちの事を良く見ると、北海道・札幌市内の名家・著名人や自衛隊に海保、それに警察関係者の娘さんたちが居並んで居た事に気が付く。





(おい、不味いって、よく見たら北海道の政財界やら、自衛隊に警察に・・海保の幹部関係者の娘さんたたばかりだぜっ!!)





(有識者・・・権力云々と言うより。マジに手を出すなって事だろう。)



(だな。此処は知らなかったで済ませたほうが無難だろう。)と言って男子学生たちらは引き下がって行くのであった。





「助かりました、ほのか殿。」



「ええ、正直言って軍人である我らに、二ホン人の民間人の扱い方は、祖国に居た時と違って、勝手が違い、不慣れでしたので・・・・」





「ちょっとちょっとっ!!二人とも、それだとまだまだ硬いって、それじゃ、せっかくアタシたちがフォローしても、世間さまに言えない身分がバレバレだよぉ~、此処に居るあたしらは、タメなんだから、もっと砕けた態度で良いからさ~」と、ほのかは言う。



 既に此処に居る女学生たちらは、それぞれの父親たちからの紹介で顔合わせを済ませていた為、ほのか達・・・女子学生たちらは、フランたちとは同年代であった。



「そうですよ、硬い口調だと、何所の誰なのかと疑われてしまいますわ。ねぇ、ほのか?」



「ほらほらほら、肝心のフランお嬢様は、アタシたちにフランクでしょう?」





「はぁ~、分かりました。ホノカ。これで良いのだろう?」



「それで、ホノカ。これからわたし達を何所へ案内してくれるのかしら?」





「それじゃ、お昼ご飯に札幌市名物のスープカレーでも行きましょう。」と言う人に成り、北海道大学近くの専門店へと行くのであった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・と言うエピソードが有ったそうです。





 この後、フラン王女は、ロシア人留学生のフラン・シェスーカーとして、北海道大学に留学生して居た事は、卒業後に発表されて、多くの札幌市民たちを驚かせる事に成になり、鈴代ほのからとのの友人関係は、末永く続いたとの事です。

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午前9時45分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖東部河口付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





カントルナ砦付近への揚陸艦隊と揚陸部隊の編制



編成 第1艦隊



旗艦 ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦 ひゅうが 

兵装  Mk41VLS(発展型シー・スパロー短SAM、アスロックSUM用) 1基(16セル) 20ミリCIWS 2基 3連装短魚雷発射管 2基 



艦載機 CH-47JA 輸送ヘリコプター 4機 220名 

    UH-1H 多用途ヘリコプター 4機 56名

    OH-1 観測ヘリコプター 2機 4名



あたご型護衛艦 あしがら 



兵装 Mk41VLS(スタンダードSAM、アスロックSUM) 2基

   (96セル)、90式SSM4連装発射筒2基、127ミリ単装砲1基

   20ミリCIWS2基、3連装短魚雷発射管2基 乗員310名



しらね型護衛艦 くらま



兵装 127ミリ単装砲2基、20ミリCIWS2基、シー・スパロー短SAM8連装発射機1基、アスロックSUM8連装発射機1基、3連装短魚雷発射管2基 SH-60J哨戒ヘリコプター1機、SH-60K哨戒ヘリコプター2機 乗員360名



あかつき型護衛艦 



護衛艦 しらつゆ



全長151.1m 幅17.4メートル 排水量4650トン。 



127ミリ砲塔 1基 20ミリCIWS2基 90式SSM4連装発射筒 2基



Mk41VSL(シー・スパロー短SAM、アスロックSUM) 1基(32セル) 3連装短距離魚雷発射管 2基 



航空機 SH-60J/K哨戒ヘリコプター1機 乗員176名



あぶくま型護衛艦 



護衛艦 ちくま 



護衛艦 とね



兵装 76ミリ単総砲1基、20ミリCIWS1基 ハープーンSSM4連装発射筒2基、 アスロックSUM8連装発射機1 3連装短魚雷発射管2基 乗員120名



はやぶさ型ミサイル艇 はやぶさ

           わかたか

           おおたか

           くまたか

           うみたか

           しらたか

           とんび (オリジナルのミサイル艇)



兵装 90式SSM連装発射筒2基、76ミリ単総砲1基

   12.7ミリ単装機銃2基 乗員21名 



第1揚陸艦隊 



旗艦 輸送艦 あつみ 

   輸送艦 もとぶ           

   輸送艦 ねむろ 

   87式自走機関砲 4両 82式指揮通信車 1両 100名

   16式機動戦闘車 4両 11式式装軌車回収車 1両100名

   87式偵察警戒車 4両 11式式装軌車回収車 1両 100名



第2揚陸艦隊



旗艦 揚陸護衛艦 つがる 

   輸送艦 みうら 

   輸送艦 おじか 

   輸送艦 さつま



 つがる型 10戦車 12両 31/2tトラック11両 

      軽装甲機動車12両  200名  



 みうら型 AAV7水陸両用車10両 200名

      96式装輪装甲車5両 89式装甲戦闘車5両 100名

      普通科部隊・200名 物資積載



第2艦隊 



総旗艦 いずも型ヘリコプター搭載護衛艦 かが



兵装 シーRAM近接防御SAM11連装発射機2基、20ミリCIWS 2基



艦載機 AH-64D戦闘ヘリコプター (アパッチ・ロングボウ) 7機 

    AH-1S戦闘ヘリコプター(コブラ) 7機 28名



こんごう型護衛艦 きりしま



兵装 Mk41VLS(スタンダードSAM、アスロックSUM)2基(96セル)   

   

   ハープーン SSM4連装発射筒2基、127ミリ単装砲1基



   20ミリCIWS2基、3連装短魚雷発射管2基 乗員300名



あかつき型護衛艦



護衛艦 しぐれ

 



全長151.1m 幅17.4メートル 排水量4650トン



 127ミリ砲塔 1基 20ミリCIWS2基 90式SSM4連装発射筒 2基



 Mk41VSL(シー・スパロー短SAM、アスロックSUM) 1基(32セル) 3連装短距離魚雷発射管 2基 



 航空機 SH-60J/K哨戒ヘリコプター1機 乗員176名。 





第3揚陸艦隊



旗艦 揚陸護衛艦 おしか

   揚陸護衛艦 おが 

   揚陸護衛艦 おもえ  

   揚陸護衛艦 まつまえ 



偵察用オートバイ 10台  200名 人型兵器 機兵運搬の為、無積載 



陸自隊員200名 人型兵器 機兵運搬の為、無積載



甲板にて高機動車10両駐車、120mm迫撃砲を10門のみ積載し、船内は予備運搬船として運用の為に無積載。



甲板にて87式自走機関砲4両と87式偵察警戒車4両と1/2トラック2両を駐車し、船内は予備運搬船として運用の為に無積載。



ひうち型多用途支援艦 



ひうち



すおう 



あまくさ



補給艦ましゅう型 ましゅう おうみ 





海洋観測艦しょうなん型 にちなん





南方方面警戒艦隊





第3艦隊





あかつき型護衛艦  





旗艦 護衛艦 あかつき

   護衛艦 ひびき

   護衛艦 いなずま

   護衛艦 すずかぜ





全長151.1m 幅17.4メートル 排水量4650トン



 127ミリ砲塔 1基 20ミリCIWS2基 90式SSM4連装発射筒 2基 



 Mk41VSL(シー・スパロー短SAM、アスロックSUM) 1基(32セル) 3連装短距離魚雷発射管 2基 





 航空機 SH-60J/K哨戒ヘリコプター1機 乗員176名。 





むらさめ型護衛艦 





護衛艦 いかづち



兵装 76ミリ単総砲1基、20ミリCIWS2基、90式SSM4連装発射筒2基

   Mk48VLS(発展型シー・スパロー短SAM) 1基

   Mk41VLS(アスロックSUM) 1基 (16セル)

   3連装短魚雷発射管2基 



   SH-60K哨戒ヘリコプター1機

   

   乗員165名 





うらが型掃海母艦 うらが





兵装 76ミリ単総砲1基 機雷敷設装置一式 乗員160名





「先ず、第一艦隊と第二艦隊がファン・ブランク市に向う。」



「同地のアルガス軍と合流し、出撃可能な兵と軍船と一緒に出発。」



「兵の一部は、輸送艦で運び、アルガス公国軍の軍船は、ひうち型多用途支援艦などを使って曳航する。」



「輸送艦と揚陸護衛艦は一斉に、この地図の地点、カントルナ砦から7キロ離れた岸辺に一気に上陸する。」



「多用途支援艦に曳航された軍船は、途中で艦隊から分離し、セイジョン・ローグリア城の在る港へと向って貰う。」



「この間に石井三佐には、東部のカントルナ砦の港に停泊する軍船に対して突撃しつつ、陽動を掛けて貰う。」



「陽動?」



「上陸には時間が掛かる。それに大中小と軍船が空と水上に数多くの埋め尽くされて居る事だろう。」



「小回りの利くはやぶさなら素早い動きで敵を翻弄しつつ、小型軍船と中型軍船に対して攻撃を仕掛けて欲しい。」



「大型軍船は、成るべく撃沈を避けてくれ。」



「それは、如何してですか?」



「撤退して貰う時に船が無いと捕虜に成ってしまう。」



「捕虜を多く捕って、これ等の面倒を看る余裕が、我々にもアルガス王国にも無いだろう。」



「それもそうですね。了解しました。」



「我々の本来の目的は、あくまでもダバード・ロード王国からの兵器と物資の受領と輸送だ。」



「それと同時に、本来の任務遂行の為には、この戦いで、帝国軍には大人しくなって貰う必要がある。」





「本作戦は、帝国の拠点を一支持的に南と追いやり、後退させるのが、この作戦での主目的だ。」



自衛隊が本気を出せば、大兵力を中心の帝国軍に対して撲滅をし得る事も容易であるが、現代戦に措いて、それはやり過ぎであると言われるだろう。



 かと言って、捕虜を多く捕らえれば、その後の事後処理に手間が掛かる。



「次に井上一佐の各ヘリ部隊は、砦に直接乗り込み、現地のアルガス軍の守備隊に撤退を伝え、同部隊が撤退する迄の間だけ砦を死守し、同時に砦内に爆薬を多数セット。」



「撤退をした後、ドローン等で敵が砦に多数入ったのを見計らって一斉爆破する。」



「指向性散弾も同時に仕掛け、敵に多大なる被害を更に与える。」



「撤退に手間取るなら守備隊の一部は、かがやひゅうがに来て貰っても構わない。」



「了解した。なるべく敵の攻勢を遅延させる。」



 井上一佐からは、次に上陸部隊の行動方針が言い渡される。



「揚陸を終えた陸自車両の各部隊は、部隊を3つに分け行軍を開始。」



「陸自第一部隊は、カントルナ砦。」



「カントルナ砦を包囲している帝国軍を奇襲し、この砦に篭城する部隊を援護し、速やかに撤退をさせる。」



「陸自第二部隊は、セイジョン・ローグリア城。」



「陸自第三部隊は、南方のセイローグ島・セイローグ聖堂砦に向かう。」





「このセイローグ島・セイローグ聖堂砦は、敵地から近いが前線と成り得る地域から遠い。」



「此処を拠点としてゲリラ作戦を展開し、敵の足止めを狙う。」





 説明が再び置鮎一佐に代わる。





「対戦車ヘリ各部隊は、二手に別れ、コブラ部隊をカントルナ砦に直行させ、アパッチ部隊を西回りに迎撃に向わせ、奇襲攻撃して貰う。」



「なお、自衛隊大陸派遣隊司令部の連絡次第だが、空自の航空隊も支援に来る予定だ。」



「海自の第一艦隊は、揚陸が終わ次第、カントルナ砦に向かい、敵艦隊と一時交戦する。」



「これも味方を撤退させる為の囮だ。」



「はやぶさ艇隊は、この時点で撤退し合流地点まで下がり燃料と弾薬の補給に入る。」





「第二艦隊のきりしまとしぐれは揚陸艦隊を護衛しつつ、必要に応じてミサイルの攻撃を出きる様にして置く。」





「此処までが作戦の第一段階。」





 井上一佐が作戦第二段階説明に入る。



「第二段階は、明日となる。」



「作戦通りなら、敵は砦を拠点に東からセイジョン・ローグリア城のある諸島の西寄りを目指して中央地域を通過するだろう。」



「陸自第二部隊は、塹壕を掘ってその場で翌日に備える。」



「AAV7水陸両用車、10式戦車、89式装甲戦闘車、16式機動戦闘車を除く各隊は迎撃体制を取る。」



「我が方はジリジリと後退しつつ、一旦城まで下がる。」



「各車両は、後を追われない様に城の西側まで後退。」



「オートバイとアルガスの騎馬兵を使い城下へと誘き寄せてゲリラ戦をしかけ、隠して置いた10式戦車、89式装甲戦闘車、16式機動戦闘車を後方に位置する竜兵器部隊へと強襲させる。」



「同時に87式偵察警戒車 軽装甲機動車で城下の外で詰まっている帝国軍を襲う。」



「敵は混乱し慌てて壊走し始めるだろう。」



「これで敵が撤退すれば良いが、もし態勢を整えた場合は、同地での平原での決戦も有り得るだろう。」



「その場合は、全総力を持って敵勢力を駆逐する。」



「第一艦隊は補給を済ませ、陸自の勝利が決定打となり次第、再びカントルナ砦付近へと進出し、本格的な攻勢に出る。」





「其れまでは、陸自で対処し辛い竜種に対しての支援準備態勢で、対処させて置く事と成る。」



「第三艦隊も同様だ。作戦の大まかな概要予定は、以上だ。」





「後は作戦指令書に従って作戦を遂行してくれ。」





「上手くすれば、支援艦隊と合流する事も考えては居るが、何時来るのかが分からない以上、現状での戦力で作戦を遂行する事を想定した作戦内容と成って居る。」





「最後に質問は?」



「はい。」



 リナが手を上げる。



「何だい、リナさん。」



「私達は?」



「ああ、君達は取り合えずは、このかがに乗っててくれ。」



「それと土属性の魔法は使えるかな?」



「地割れを起したりする攻撃魔法と陣地造形の魔法が有るけど・・・・・・・・・」



「じゃ造形の方で、塹壕と言う身を隠す溝を掘るのを手伝ってくれれば助かる。」



「分かったわ。」



「我は我は?」



頭の可笑しな集団は、ハンナを筆頭に出番は無いかと目を輝かせて聞いて来た。



 彼はアセリナの聖天使騎士の武装が槍型の魔導砲と腰に下げてるサーベル呑みと聞いて居た。



 そのエクスプロン・ランサーとは、何かと瑞樹や千棘に聞いて見ると、一発撃ったら、魔力切れを起して倒れる者が大半と成ると言う、全く以って、ある意味使えない武装である事が分かった。



 戦艦や要塞、都市攻撃や集団に効果が有っても、白兵戦や激しい局地戦等の戦場では、一回しか使えないと言うなら話に成らないの代物であるのだった。



「えーっと・・・・・・・・・」



置鮎一佐はチラリと自衛隊の部下の面々に目をやり、ある意味使えないこの聖天使騎士達の使い所のアイディアを無言で求めた。



 しかし、どいつもこいつも、無言で首を横に振って居た。



 こんな連中は、例えオタクで有っても、いや、クズとかカスとかクソとか呼ばれて居るほどの主人公でもない限り使えない。





 いや、使おうとはしないだろう。



 この話を聞いた自衛隊側は、良くもまあ、こんな国家と種族が今日まで生き残って来たなぁと不思議に思って居た。





「出番は無いのか?」





「ううっ・・・・・・・」





 ハンナは置鮎一佐に潤んだ瞳で迫って来る。





「無いの?」



「うーむ。うーん・・・くっ・・・・・・・・」



 段々とハンナの目が泣きが入りそうになる



「ううっ・・・・・・・・」





「あなた達は・・・・秘密部隊です。」



「其れなので、おいそれと最前線には出せません。」



「使い時は皆さんを良く使えそうな家の雑用じゃなかった。高見大臣と相談の上で決めたいと思います。」



「何せ少人数の秘密部隊ですので、何か有ったら、色々お互いに都合が良くないですし・・・・・・・・・・」



 苦しい、苦しい、苦しすぎる。



 非常に苦しい逃げ口上であった。





 此処で置鮎一佐は、この頭の可笑しな連中の問題を竜史に丸投げをしたのである。



(どうせ連絡を入れるんだ。)





(強力な魔導砲を一回しか使えない集団の扱いのネタくらい。彼なら出せるだろう。)



(流石の俺でや自衛官幹部であっても、ネタ魔法しか使えん連中の使い処なんぞ思い付かんし、知らんっ!!)



(彼も少しは、こう言う時くらいは、苦労して貰わないとな。)





 一つだけ言って置きたいが、アセリナの人々の頭の可笑しな具合は、人それぞれである。





 この艦に居るアセリナ人達は、ハンナの様な中二病を患う人ばかりでない事を付け加えて置く。



 ・・・・でもノリと勢いな人達なんだけね。



「秘密部隊、秘密部隊か・・・くくくく、くくく・・・(ひっ、ひっ秘密部隊!何かカッコいいぞっ!!。そうか、そうか、いざと言う場面で活躍するのだな。)」



「ぐふっ、ぐふふっ、ぐへへへへっ!!」



この頭の可笑しな小娘は、置鮎一佐の苦し紛れの一言を喜び、自分達が大活躍する姿を妄想の中で酔い痴れて居たりするのである。



 会議は、一先ず閉会となり、作戦開始に向けて、それぞれの持ち場へと戻るのであった。

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後15時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ダバ派遣艦隊が、ブラキュリオス湖での戦い為の対策会議が開かれ、対決に向けての準備を始めた頃より1日に遅れで、東から間も無くダバ派遣艦隊と合流地点に到着するべく。



 西へ西へと急いで居たダバ派遣支援艦隊は、とある出来事に遭遇しようとして居た。





 艦隊編制



 護衛艦はるな ひえい あさひ しらぬい まつゆき あさゆき じんつう おおよど 試験改修艦あすか。



 航空護衛艦しょうかく ずいかく 補給艦まみや いらこ あかし 掃海母艦ぶんご くなしり しゃこたん。





 修理ドッグ艦いとじま わかまつ。



 三葉自動車運搬船3隻 豊川自動車運搬船3隻 



 追浜自動車産業運搬船3隻 友住商事貨物船2隻 四井物産貨物船。





運搬船に車載しているもの。



多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS) 20両



88式地対艦誘導弾 20両



99式自走155ミリ榴弾砲 20両



99式弾薬給弾車 20両



155ミリ砲FH70 30門(牽引車付×30両)



各種クレーン 各種補給物資と弾薬及びミサイルを満載させている。





 支援艦隊の司令官の小沢司郎一等海佐が乗船して居る。



 航空護衛艦しょうかくのCICから警報が発せられた。



「こちらCIC。南方より3百機ほどの所属不明機が、我が艦隊方向へと飛行接近をして来て居ます。」



「我が方との接触まで凡そ20分くらいです。」



「各艦っ!総員っ!第1種戦闘配備っ!」



 

 艦隊の各艦からウウウウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーッ!!と警報が鳴り響く。



 小沢一佐の判断は、迅速だった。



「防衛省と交援省の情報データを照合しました。」



「移動方向から考えて、敵だと思われます。」



「照合パターンは飛竜タイプ。名称はワイバーンと有ります。」



 長距離通信でのやり取りで、交援省で集められた生物兵器や魔動力兵器のデータバンクから情報検索する隊員は、丸で謎の敵と戦う箱根の地下に本拠を置いて居るオペレーターの様に迅速な仕事ぶりをこなして居たのだった。



「各艦対空戦闘よーいっ!!」



「対空戦闘よーいっ!!」



「商船団の対空火器もイージスシステムとのデータリンク開始っ!!」



「商船団の対空火器もイージスシステムとのデータリンク開始しますっ!!」



「しょうかくより民間商船の各船の民間作業者の方は、シェルター区画へ退避願いますっ!!」



「陸自と海自隊員は、完全武装と指定された対空火器の設置場所にて待機せよ。繰り返す、此れより・・・・・・・・」





 民間の輸送船には、船主である民間各社から協議と契約に基づいて協力して貰って居る作業者や船員が乗船して居た。





 これは戦時徴用では無いのだ。



 政府は運搬に民間船をチャーターしたが、船を動かすには、人手不足と成って居たのだった。





其処で船会社の社員に対して、十分な説明と保障をして、危険を承知で来られる者呑みを乗船させ、シェルター区画と対空火器と武装させた陸自隊員を乗せて派遣させる事にしたのだった。



 それなので、決して日本国政府は、彼らの事を強制徴用をしては、居ないのだ。





一方の帝国側であるグリクス地方軍団所属の18・19・20飛竜航空隊は、偵察部隊の報告から二つの日本国海軍の艦隊が、何らかの意図で行動して居る目算が在ると予測し、合流の阻止、又は戦力の低下を狙った攻撃作戦を慣行しようとして居た。



グリクス地方軍団に所属するバラン・ビルダーク少佐は、彼の指揮する飛竜航空隊と左官クラスが騎乗する竜種として飼育される翼竜と言う腕が大きな翼と成って居る翼を持ち、強力な火炎攻撃と風のカマイタチの能力を持ったカマデラノドンと言う竜に騎乗している。



「バラン少佐、見えて参りました。」



「何とも壮観だな。あれが噂のニホン海軍艦隊か?」





 バラン少佐は輪形の形で、三列に一糸乱れず綺麗に並んだ艦隊に対して、錬度の高さを見抜いて感心して居た。



「如何なる目的は分からないとの我がグリクス地方軍団の諜報部からの報告です。」



「我らがグリクス地方軍団の行うレジェンダリア諸島攻略に際して、障害となる可能性を少しでも減らして置きたいとのガミトフ閣下からの御命令です。」



「それに間も無く援軍として来るお味方の飛竜航空隊が200騎に加え、我らが300騎の飛竜航空隊の手に掛かれば、如何に強力と噂されるニホン海軍と言えども一溜まりも無いでしょう。」



 グリクス地方軍団の司令官たるガミトフは、同地方に近付いて来て居た海自艦隊の二艦隊をパイプ・ライン大河に入って来た時からずっと監視をさせて来たのである。



 直接監視を続けて居れば、少なくとも正確な情報が手に入る。



彼は帝国東方軍司令部が、日本に付いての正確な情報を手に入れられず居る事に対して、独自の情報網で対応しようとして居た。





 それが時間と手間の掛かる直接現場に向けて、密偵や偵察や見張りを送り込む事だった。



 その甲斐が有ってか、日本が二艦隊を西に向わせて居る事を掴んで居たのである。



 だが、現時点でガミトフは、海自艦隊の後続艦隊の正確な位置の報告を受けていないで、どの位置に居るのかを彼はまだ知らないのであった。



 彼は見付け次第に攻撃をしても構わないと、管轄下の部隊に命じて有る。



 バラン・ビルダーク少佐は、その命令に素早く対応するべく作戦を開始して行くのであった。



「良し、第18、第19飛竜航空隊っ!攻撃開始っ!」



「各飛竜航空隊っ!突撃せよっ!」



 先ずは、総勢200騎の竜騎士が、ダバ派遣支援艦隊に襲い掛かる。



 此処にブラキュリオス湖畔紛争の前哨戦とも言える戦いが始まったのである。





 海自艦隊の砲塔は、全てを南に向けられて居る。



「小沢一佐、しょうかくとずいかくの海自航空隊の出撃は、どう致しますか?」



「うーむ。」



 小沢は判断に迷っていた。



 折角持ってきた航空隊の弾薬などを此処で消費して良いものかと。



 通常の判断なら迎撃行動は当たり前なのだが、護衛艦だけでも十分な迎撃が出きるのだ。



 戦力の温存か艦隊の守りを取る為に敢えて先手を取る為に打って出るのかで迷っていた。



 しかし、彼ばかりを責める訳にも行かない。



 これは国家と軍事組織として空母運用の経験不足から来るものだ。



 それに海自の航空隊は、まだまだ経験不足とも言える。





今回の遠征は、艦隊の護衛と習熟に実践錬度を高める目的も有るのだ。



 更に空自のベテラン隊員が、教官も兼ねて応援に来る予定だったが、その予定も数日ほど遅れるとの報せが来ていた。



 更に航空護衛艦しょうかくとずいかくに搭載されているのは、米海軍からお下がりで改修購入したF/A-18E/Fスーパーホーネットで、海自ではF-18J改と成って居る。





本来ならF-35を導入したいが、流石に機体価格の値段が高いし、海自航空隊も創設されたばかりで、予算不足も有った。



 其処で防衛省は、米国で機種変更の為に在庫一掃セールを行っていた中古品で、叩き安売りをして居たF/A-18E/Fスーパーホーネットを日本使用に魔改造して上で、国内に輸入して居たりする。



「小沢一佐、通信です。」



「何?何所からだ?」



「航空自衛隊大陸派遣隊に出向して居る。空自の第9航空団那覇基地所属の101小隊、202小隊、303小隊、404小隊、505小隊、606小隊などF‐15J戦闘機30機。」





「それに三沢第2航空団所属のF-2戦闘機20機からなる101、202小隊、303小隊、404小隊が間もなく飛来するとの事です。」



「それは有り難い。直ぐに向って来る敵機の位置を報せてやってくれ。」



「了解です。」



 

 小沢は数日遅れて来る筈の空自応援部隊の来訪を喜んで居た。



 これで如何にか成るとね。







 一方の空自航空隊は、神谷晶一佐が率いるF‐15J戦闘機30機と異例の人事と大規模な航空作戦を考慮して、未だにその腕前が落ちていない空自の青い彗星こと池田秀三空将補が、複座型のF-2Bに乗り込んで、全20機からなる編隊で、西へと向って居た。 



「艦隊司令の小沢だ。」



「神谷一佐、其方から南西に向かって、凡そ25キロ付近に、帝国の飛竜に乗った竜騎士の大部隊が、我がダバ派遣支援艦隊向って来て居る。」





「その数およそ300騎。其処で空自航空隊に、迎撃をお願いしたい。」



「了解しました。」



 小沢一佐の迎撃要請を受けた神谷一佐は、迎撃に向うべく指定された地点へと進路を取った。



「しかし、言わなくて、良かったですか、池田さん?」





「出発前に言っただろう。」





「この作戦の指揮は、現役の神谷に任せると。」





「しかし、俺の教官でも有った池田さんを下に付けるのは、ちょっとなぁ・・・・・」





「そんなに遠慮する事はない。」



「高見くんや小西大臣も承知の話だ。」



「それに此方も古巣の部下達を引き連れて、模擬訓模でも無い久々の前線だ。」



「彼らも、私の指揮下で、やるほうがやり易い。」



「全体指揮の方は、任せるから手足の様に使えば良い。」



 池田空将補が西方の前線に向うと万代基地で言われた神谷は、驚く事はしなかったが、まさか前線で戦いながら戦況を見るとはと、内心で呆れていた。



 やり難いと愚痴を溢している神谷だが、内心ではワクワクして居た。



 何せ現役を退いて数年が経っては居るが、定期的な飛行訓練をして居る池田空将補が前線に出るのだ。



 地球では絶対に出番の無い筈だった青い彗星が、遂に実戦をする出番が来たのだ。



 同じ戦闘機乗りとしては、こんなに心が躍り弾む事は無いのである。





 その生ける伝説が、今・・目の前で一緒に戦いに向おうとして居る。



 神谷の心は、子供の様にワクワクして居た。



「分かりました。無茶はしないで下さいね。」



「ふふっ、誰に言って居る?」



 言うだけ無駄かと、神谷は諦めて、各隊に命令を発した。



「サシバリーダーより各機へっ!!」



「これより合流予定のダバ派遣支援艦隊を襲撃しようとして居る。ローラーナ帝国航空隊を撃滅する。」





「全機っ!!俺に続けえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!」





 神谷一佐率いる空自航空隊は、進路を南西方面へと取って進んで行く。





 その様子を遠巻きに、見て居た者達が居た。





「ふ~む。あれが噂に聞くニホン国の鉄の鷲達か?」



「人の身で有りながら、あの様な物を生み出し、古き大戦以来、鋼の乗り物をこの世界に飛ばす国が、この世に現れようとは・・・・・・・・・」





「エリン。本当に見るだけよね?」



 ドラグリア白龍大帝国からお忍びで海自艦隊を視察名目で、物見遊山に来ていたエリノア・ドラグリア白龍大帝ことエリンとドラグリアの将軍にして、エリンの親友であるユキカゼ・コーキンの二人は、海自艦隊を発見すると野生の竜に扮しながら後を付けながら見て居たりする。



「バカかお前はっ!?あの鋼鉄の鷲共は、速度を上げ居ったのだぞっ!!」





「恐らく戦じゃっ!!!直ぐにあの者等の後を追うぞっ!!!」





「こんなに面白い見世物は、早々無いのじゃぞっ!!!」



「はぁ~・・・・・・」



 また胃が痛くなりそうと思うユキカゼだった。



 ドラグリアの者達も、何かに惹かれる様にして、空自の後を追って見るのであった。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後15時25分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





グリクス地方軍団所属の18・19飛竜航空隊は、真っ直ぐに、ダバ派遣支援艦隊に対して飛竜の口から放たれる火炎弾の攻撃による強襲を掛けるべく果敢に突撃を開始して来て居る。





「各小隊・隊長騎へっ!!連携して、ニホン艦隊へ攻撃開始っ!」





 手綱をしっかりと引きながら竜騎士達は、飛竜の雄叫びと共に、獲物たるダバ派遣支援艦隊の各護衛艦へと、立ち向かって行く。



 それを迎え撃つ各護衛艦は、全ての砲塔や兵装を空から向かって来た、飛竜航空隊へと照準を合わせていた。







 其処へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「サシバリーダーより各機へっ!!アタァァァーーーックっ!!」



 神谷一佐が率いる空自の第9航空団那覇基地所属のF‐15J戦闘機30機で、101小隊、202小隊、303小隊、404小隊、505小隊、606小隊らが散開しつつ、一斉に04式空対空誘導弾AAM-5を計30発を撃ち放った。





「報告っ!敵の奇襲攻撃により、我が方は30騎もっ!撃破されましたっ!」



 18・19飛竜航空隊所属のそれぞれの隊長は、副官からの報告で、一瞬にして2分隊分の竜騎兵を討ち取られしまう。



 その数は全部併せて30騎の竜騎士が撃墜されたとの報告に際して、驚愕の表情を表した。



「更に敵騎が接近っ!!」



「げ、げっ、迎撃態勢っ!!!」



 18・19飛竜航空隊を指揮して居る各隊の隊長達は、すぐさま新たな敵の迎撃態勢を取ろうとしたが、敵機のF-15戦闘機の余りにも早すぎる速度に、対応する事が間に合わず、瞬く間に接近を許してしまう。





 更には、すれ違い様に20mmバルカン砲を撃ち込まれた。



「更に30騎撃墜っ!」



「くそおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」



 帝国側の周囲の味方は大混乱に陥りつつあった。其処へ更に・・・・・・・・・



「今だっ!各艦主砲っ!撃ち方はじめっ!」



 艦隊司令の小沢一佐は、Fー15戦闘機が過ぎ去った後を突いて、ドンドンと音を立てて、護衛艦の各艦から主砲が18・19飛竜航空隊に撃ち込まれた。





「敵艦発砲っ!」



「あああっっ!!」





「何なんだっ!!あの発射速度と命中率はっ?!」





「くそおおおぉぉっ!これじゃ、近付く事すら、出きないじゃないかっ!」





 第18飛竜航空隊の隊長は、ニホン海軍戦艦の鉄壁の対空防御力に、舌を巻いて居た。





 一方のバラン・ビルダーク少佐は、翼竜種のカマデラノドンであるアッジマーグと言う名の愛騎に跨りながら、竜騎兵100騎の直営騎部隊の護衛を受けつつ遠巻きに戦況の成り行きを見守って居た。



「うーむ・・・・・・・・」



「バラン少佐!先鋒隊のお味方が、10分も経たずに、その半分が討ち取られて居ますっ!」



「まさか此処までの戦力差がるとはな・・・・・・・・・・」



 バラン少佐としては、予想外としか言い様が無いかった。



 聞きしに勝る錬度と強さであるニホン戦艦と鉄龍は、まるでシャチが獲物を狩るが如く、ローラーナ帝国軍の飛竜航空隊を圧倒して居た。





数としては、例え帝国の竜母艦を相手にしても十分な数をぶつけた積りであったが、質に措いてニホンの兵器が圧倒して居たと言う事なのだろう。





「バラン少佐殿っ!北東の方角から騎影を確認っ!」





 副官であるゲイツ・キャパルバル大尉が、何かを視認したらしい。





「敵だな。全騎っ!!迎撃態勢へっ!」





 バラン少佐は第20飛竜航空隊に命令で迎え撃つ態勢を整えさせた。





「さて、見せて貰おうか。ローラーナ帝国軍・竜騎兵航空部隊の実力とやらをっ!!」





 バラン少佐が率いる第20飛竜航空隊の目の前に現れたのは、航空自衛隊の青き彗星こと池田秀三空将補が乗り込むF―2Bを先頭にして、マッハ2.0のスピードで飛行するF―2A部隊を率いて、大胆にも指揮官である敵将を討つと言う行動に出て見せたのである。



「こうして、池田一佐と飛べる日が来ようとは・・・・・・・」



「全くだ。しかも戦場の空でだ。」



「将補に成られてしまい。もう二度と有り得ないと思って居りました。」



「3人とも、もう私は空将補だよ。」



「何時までも一佐の扱いのままでは困るな。」



「ですが我々に取って米軍から演習で撃墜判定を取り、露軍や中国軍から舌を巻く様な追い払いしてのけたのは、一佐殿です。」 



 池田空将補の三沢基地時代から部下である柴本幸弘一佐・塩谷光三一佐・大川徹一佐・立木秋彦一佐の4人は、軽口を叩きつつ、初めての実戦に挑もうとして居た。



「立木までも、揶揄うのは、止めてくれ。」



 池田の後部座席には立木一佐が補佐として乗り込んでいた。



「しかし池田さん。読み通りとは流石ですな。」



 立木一佐が池田の鋭い感に感心していた。



「神谷が踏ん張って居る隙に、敵将を討ち取ってやるろうぜっ!!」と柴本一佐が意気込んでいた。



「良しっ!各機に告ぐ!」



「先ずはAAM-5を撃ち込んで、その混乱に乗じて散開っ!」



「20ミリで周囲に居る雑魚を片付けつつ、大将首を確実に狙え討つぞっ!!!」





「「「「了解っ!!」」」」





「FOX1」と言う掛け声と共に、AAM-5を一発づつ、計20発が第20飛竜航空隊に撃ち込まれた。



「回避っっっ!!!」





 運悪く、ミサイルに狙われた竜騎兵等は、必死に逃げ様として足掻いたが・・・・・・・・・・・



「うあああっ!!ああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!」



「来るなっ!来るなああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!!」



「避けた筈だ。何故だっ!まだ追って来るだとぉっ?うううおおおおおぉぉおぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」



 20騎が爆砕して果て行く。



 続け様に20ミリバルカン砲の餌食と成り、先発して行った第18・19飛竜航空隊の二の舞に成りつつあった。





「少佐殿っ!北西から引き返して来る青い鉄龍が、再び我が方を狙って来て居ますっ!」





 副官のゲイツ大尉が上官であるバラン少佐に注意を促す。





 バラン少佐に狙いを付けたのは誰かと言うと・・・・・・・・・





「其処だっ!墜ちろっ!」



 バラン少佐に狙いを定めたのは、池田空将補であった。



 乱戦に有って彼は冷静に部下の指揮を執りつつ、敵指揮官機を撃ち落すべく、目標を正確にロックオンしてのけたのである。



 ロックオンの音の定まった効果音がコクピット内に鳴り響くと、AAM-5一発が轟音と共に撃ち放たれる。





「アッジマーグっ!!!ウインドバリア展開っ!!!」





 バラン少佐は、愛騎アッジマーグにウインドバリアなるカッター状の風を発生させてバリアを顕現させた。



 これに中る攻撃は、粉砕されるか掻き消される事に成るのだ。



 さて、池田空将補の駆るF―2Bから撃ち込まれたミサイルは、その構造と質の良さ、それに信管に中らなかった事も有り、信管のが原因の爆発やウインドカッターに切り刻まれるまでには至らなかったが、何度か強力なウインドカッターが鈍器の様に叩き付けられて爆砕して行った。



「何だと?!ええいっ!」



 池田空将補は続けて20ミリバルカンを撃ち込んだが、ウインドカッターのバリアに弾かれてしまう。



「風のバリアか・・・・・いや、あれは魔法の類の物か?厄介だな・・・・・・・」



「池田さん。あれは魔法か何かですかね。」



 後部座席の立木一佐が冷静に分析し、見解を述べていた。



「そうだろうな。高見君辺りなら何か思い付くだろが、この戦闘中に意見を求めるのも無理だ。」



 池田空将補は、続けて柴本幸弘一佐・塩谷光三一佐・大川透一佐の3人が後に続いて連携で攻撃を仕掛けたが結果は変わらなかった。



「池田さん。面目ない。」



「しかっし、ありゃ強力な風圧と真空の風、かまいたちのカッターだな。」



「発生源は騎乗している指揮官らしき男か・・・・」



「奴が乗って居る竜と言う訳だな?」



 柴本幸弘一佐・塩谷光三一佐・大川透一佐の3人は、初の実践でもあるが、地球に居なかった見た事も無い敵に対して、如何すれば良いのかを必死に考える。



 周囲の戦闘は、それぞれのF―2編隊が対処して居るので、彼らは敵指揮官たるバラン少佐を相手に出きて居たのだった。



「うーむ。」





 池田空将補は、バラン少佐が乗っているカマデラノドンを良く観察していた。



 そして有る事に気が付いたのである。



「一つだけ、試してみたい事が有る。」



「と言うと?」



 立木一佐が聞き返す。



「あのバリアは、竜の真横の周囲だけ展開していると考えられる。ひょっとしたら真下か、真上にはバリアが展開出きないかも知れん。」



 池田空将補は、ウインドバリアの弱点らしき地点を見出したらしい。



「ダメ元でも、やって見ましょう。」



「こっちが指揮官にかまけてジリ貧に成る前に、蹴りを付けないと面倒だ。」



「俺達が、かく乱して見せます。その間に・・・・・・・・・」



「良しっ!各機散開して、仕掛けろっ!隙を突いて、私も再び、奴に仕掛けるっ!」



「「「了解!!!」」」



 柴本幸弘一佐・塩谷光三一佐・大川透一佐の3人は、バラン少佐に大して、かく乱攻撃を仕掛ける事にした。





その隙に池田空将補が展開中のバリアの穴を突くと言う物である。





 一方のバラン少佐は、何とかして撤退か、部隊を持ち直そうとして居た。



 もう直ぐ来る筈の援軍が来れば、もう一当てして撤退が出きるかも知れないからだ。





 しかし、このまま戦い続ければ、何れは彼の愛騎たるアッジマーグも力尽きるだろう。



「このままでは不味いか。」



「それにしても、私に対して、一番に仕掛けてきた鉄龍は優秀だな。」



「名の有る竜騎兵か指揮官をして居る敵将かも知れん。」



 青い鉄龍は、再び先回飛行をしながら、立て続けに閃光弾を撃ち込んで来た。



「ぐううっ!何んと言う投射力だ。」



「だが、まだだっ!この程度では墜ちんよっ!」





 ゴオオオォォォーーーッッ!!!と飛行する3機が、周囲を入れ替わり立ち代わりに、飛び回り攻撃を耐えるバラン少佐と愛騎アッジマーグ。



其処へ、真上から別の青い機影が現れる。



「この轟音は・・・何処だ?・・・・」



「むっ?!」



「なっ!!何っ!?真上だとっ?!」



「沈めっ!」



 池田空将補はAAM-5を撃ち込んだ。



 撃ち込まれたAAM-5は、バラン少佐の乗る竜に向って飛んで行く。



「ちいいぃぃっ!」



 バラン少佐は、アッジマーグの手綱を引き寄せ、バリアの方向を変えるべくアッジマーグの視界方向を真上に向けた。



「ギヤアアーーァァオオオーーーン!!」



「アッジマーグ!?」





 だが、高速で向ってくるミサイルはウインドバリアの隙間の穴に僅かに間に合わなかった。



 しかし、爆発したミサイルの爆風と破片の一部がバラン少佐とアッジマーグを傷付けて、空から落下して行く。



 「ふう、ふうーっ、ふーっ。ぐううっ!!」



 バラン少佐は済んでの所で持ち堪えたのだ。



「バラン少佐ああああぁぁぁぁーーーーーーっ!!!」





 大声で声を掛けて現れたのはグリクス地方軍団所属の第21・22飛竜航空隊が200騎と空挺戦艦七隻と空挺竜母が五隻だった。



「援軍か?」



「はっ!!援軍のバン・グッター少佐です。」



「バン少佐が率いるグリクス地方軍団所属の第9艦隊を率いて、只今到着を致したようです。」



 フラフラとして居るバラン少佐を決死の思いで、回収して行く。



 第21・22飛竜航空隊の隊長達は、数で再びF―2を圧倒し始める。



「態勢を建て直しつつ、残って居る味方を回収しろっ!!!」



「了解ですっ!!!」



 後に続く飛竜航空隊の竜騎兵らは神谷一佐とダバ派遣支援艦隊のかく乱攻撃を始めた。



 両者は、部隊と戦線の立て直しを図るべく、部隊を退き始めていた。





「各機、一旦、ダバ派遣支援艦隊まで後退だ。」





「様子を見るんですか?」



 立木一佐が聞き答えた。



「ああ、あれはあっちの援軍だな。あの援軍は予定されて居た艦隊と見るべきだろう。」





「それに此方も、今は補給も兼ねて、しょうかくとずいかくに着艦する。」





「神谷達も、そろそろ息切れ(弾薬と燃料)して居る頃合いだろう。」





 両者は一旦、退くがこれで戦力は一時的に五分に成った。





 空自派遣隊が補給を終えるまでの間、何が起きるのか、それは戦神だけが知るものかも知れない。





 一方、ダバ派遣支援艦隊の旗艦である航空護衛艦しょうかくでは、同じく航空護衛艦である。



 ずいかくと共に、敵大将格と思しき者を討ち取り切れなかったとの報告を受け、次なる対処を迫られて居た。 



 艦隊司令官である小沢司郎一等海佐は、空自の奇襲が上手く行かなかったと判断すると直ぐに、搭載してきた海自の航空隊にスクランブル発信を命じていた。



「直営機と飛ばし、更に攻撃隊を敵艦隊へ更に攻撃を加える。発艦開始せよっ!」



「了解です!!!海自航空隊は、発艦開始せよっ!」





 出撃のサイレンが鳴り響き、待機していた海自航空隊のF/A-18E/Fスーパーホーネットの改修機であるF-18J改がエンジン音を響かせていた。



 出撃をするのは、新設されたばかりの海自第1航空隊と海自第二航空隊の計20機である。





「ようやく出番か。」



「山崎っ!余り調子に乗るなよっ!!」



「お前こそなっ!!小安っ!!」



 隊長の山崎勇一射と小安健人一射である。



 両名とも空自の訓練学校に居た時に、海自の航空隊の新設の話を聞いて志願した経歴を持っている者達である。



「サシバリーダーより、海自第一航空隊及び海自第二航空隊の各機へっ!!」



「無茶はするなっ!!俺達の補給が済み次第、第二攻撃を仕掛けるっ!!」



「其れまで持ち堪えれば良い。」



 通信から神谷一佐からの指示が来る。



 そう、彼らは次の攻撃までの繋ぎなのだ。



 無茶をせず、防御に徹して居れば、ダバ派遣支援艦隊側が圧倒的に有利だった。



「へえーっ、あれが噂の沖縄で、エースと呼び声の高いの神谷一佐かい?」



「まっっ!俺の方が腕は上かなっ!」



「あん?何所の誰だ?俺の悪口と軽口を訊く奴は?」



「いえいえ、一佐殿の腕前を直に見られて光栄であります。」



 山崎は慌てて取り繕った。



 戦闘中と言う事もあって、通信がオープンに成って居たらしく。



 彼の小声の独り言が、漏れてしまって居たらしい。



「ふぅーっ、やっべぇっ!やっべぇっとっ!」



 そん一幕で、冷や汗を掻いた山崎であった。





「各機発艦せよっ!!」





 海自第1航空隊と海自第二航空隊は、ダバ派遣支援艦隊を敵から守るべく、各航空護衛艦から、それぞれ発艦して行ったのである。



 神谷一佐並びに池田空将補の部隊は、補給の為にしょうかくとずいかくに収容。急ぎ整備や補給を終わらせ、次なる戦いに備えるのであった。

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後15時58分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 航空護衛艦しょうかくとずいかくの2艦は、第二次大戦後70年経ってから東アジア地域情勢の変化に伴って、日本国が試験導入を決めて建造した実質的な空母であるしょうほう型軽航空護衛艦しょうほう、ほうしょうに続いて、日本が本格的に空母を復活導入させた航空護衛艦である。





しょうほう、ほうしょうの2艦は、西の某国の等の国々を欺く為に、軽空母兼ヘリ空母としての兼用であると世間に発表して居た。



 同時にいずもとかがも次世代戦闘機たるF-35の導入に向けて、離着陸出きるように改修案が計画された。



 更に試験的に離発着艦の訓練と独自に艦載機の開発及び現有機の改修を目的にF-4ファントム・F-15J改・F-2の改造し、本格的なF-35の導入まで繋ぎにする計画が立てられて居た。



 先ず最初に航空護衛艦を導入に際して、壊れても惜しくない退役が間じかに迫って居るF-4・ファントムを改修試験機として改造する事を防衛省は、2000年代半ばに計画を決定し、空母艦載機導入計画を始めたのである。



 これはしょうほう型が試験艦として建艦され、例え空母導入計画が頓挫しても、ヘリ空母として使えば良いし、それに際して犠牲と成る機体は、退役が間じかのF-4ファントムとF-15J改数機程度と成る。



 現用し続ける予定のF-15Jの一部の改造費用の損失は少し惜しいが、研究目的を名目にするのなら我慢が出来るだろうと考えられた。





 その後、兼ねてから噂されていた某隣国が、とある国からの空母購入と建艦計画が本格的と成った為に、日本も已む終えずに航空護衛艦の導入に正式なGOサインが内閣と国会で議決で決定されたのであった。





 航空護衛艦しょうかくとずいかくから飛びったF-18J改は、総勢20機。新設された海自航空隊であり、海自初の戦闘機専門部隊である。



 創設に当たって空自からの移籍や空自と海自の飛行訓練学校からの応募を募ったりして、設立した部署で、その第一期生から選抜して、この外征に派遣されて来て居る。



 その指導の為に、空自の森川知之一佐と辻村耕次一佐の両名を第二次龍雲海沖海戦後、佐世保に航空護衛艦あかぎの帰航後に、西方へと派遣する予定だったが、航空護衛艦あかぎの飛行甲板が戦闘で傷付くと言う事態に陥ってしまう。



 その代わりに神谷一佐らの派遣が決まったが、万代港の基地に着くと燃料補給後に、空中給油機を3機と池田空将補を伴っての出撃が言い渡されていた。





 西に不穏な動き有り、その対応を迫られた日本政府は準備と休息が整い次第、直ぐに神谷一佐らの派遣を決めた。





 神谷一佐等は、万代基地を飛び立つと、派遣予定先である航空護衛艦しょうかくとずいかくへと合流を急いだ。



 そして、間も無く到着と言う時に、ダバ派遣支援艦隊に向って敵機が襲来して来て居ると言う事態と成る。





 今戦況は油断を許されない状況の中、初の実戦をしなければ成らない海自航空隊面々が、それぞれの思いを胸に大空へと羽ばたく。



「航空護衛艦しょうかく、海自第一航空隊、全機発艦完了。」



「同じく、ずいかくの海自第二航空隊も全機発艦完了です。」





 航空護衛艦しょうかくのCICから通信が入る。





「航空護衛艦しょうかくのCIC。」





「各艦の哨戒機の偵察により、敵艦隊の艦種は資料を照合の結果、空挺戦艦七隻と空挺竜母と思われる。」





「レーダーに映る機影は、凡そ200機前後。」





「海自航空隊の各パイロット等は、我が方の空自航空隊の補給整備が完了するまで、迎撃に徹せよっ!!!」



 通信士から全体命令が言い終わると、艦隊司令の小沢一佐が命令の趣旨を伝える。



「残念ながら、対艦ミサイル等をこの場で多く消費する訳にはいかんっ!!!」



「それに民間輸送船には、多数の民間協力者と多くの車両や補給物資が積まれて居る。」





「これ等に被害が及ぶ事は、絶対に有っては成らない。」





「迫り向って来る敵機を迎撃し、力の差を見せ付けて、諦めさせるのがベストだと言わざる終えない。」





「我々の目的は、この進み行く先で、我々を待って居るダバ派遣艦隊の支援だっ!」





「それに・・・間も無く始まるであろうブラキュリオス湖での戦いに、急ぎ向わなければ成らないのだ。」



「厳しい条件下での戦いを諸君らに強いらなければ成らないが、この戦いに参加する隊員全員の奮闘に期待する以上だ。」



 小沢一佐が通信を言い終わると、敵に新たな動きが見られた。



 民間輸送船は、何としてでも、守り抜かなければ成らない。





 第二次大戦中に軍部の無策な方針と希望的な船舶の損耗率に加え、水増しの改ざんされた書類のせいで、多くの船舶会社の船乗りが犠牲と成ってしまった史実がある。



 だが、現代の日本でも有事には、自衛隊の車両や補給物資を民間船で運ぼうとする計画がある。





 しかしながら、平時に輸送船が殆んど必要が無いせいか、建艦し、維持して行こうとするコストに目が取られて、肝心の戦時に民間船を巻き込まない様にとの考えが無い様にも見える。





 例え民間船の操船が自衛官であっても、魚雷やミサイルで簡単に沈む様な船での輸送は避けるべきだろう。



 しかしながら現実でもこの世界の日本でも、輸送船や揚陸船の数を増やしても手が足りないのも事実だった。



 結局は戦時、詰まりは現実に事が起こらないと、丁度良いと言う目標値の目安は中々分からない物だ。



 特に国防のみを前提にして来た自衛隊と言う組織が、異世界で世界大戦をして居る世界で、どの様な対応をして行くのかが、これから問われて居ると言う事になるだろう。





「小沢一佐、敵機及び敵艦隊に動きあり、敵航空隊が真っ直ぐに向って来ます。」





「艦隊も距離を取りつつ、遠巻きに味方を支援する様な進路を取ると思われます。」

 



「あさひ、しらぬいに通達っ!各艦対空防御に穴が出ない様に、徹底して支援防御徹せよっ!!!」 



 艦隊陣形は輪形陣で、次の様な陣容に成って居る。



 先鋒に護衛艦はるな あさひ。



 右翼まつゆき、おおよど。



 左翼にあさゆき じんつう。



 中央に試験改修艦あすか 航空護衛艦しょうかく ずいかく。



 補給艦まみや いらこ あかし。その後方に修理ドッグ艦いとじま わかまつ。



 三葉自動車運搬船3隻 豊川自動車運搬船3隻 追浜自動車産業運搬船3隻 友住商事貨物船2隻 四井物産貨物船。





掃海母艦ぶんご、くなしり しゃこたん。



殿は護衛艦ひえい、しらぬいである。  



 なお、試験改修艦あすかは、平成四年に建艦された評価試験用の護衛艦であるが、異世界転移と言う事態と対帝国との防衛の為に急遽、延命使用の改修と武装の装備を施しての参加である。





 防衛省と日本政府では、今後、海自の育成に措ける練習艦は、現役艦を用いる方針である。



 もう、待った無しで戦争に突入してしまって居る状態では、退役練習艦と練習艦ですら、即改修して戦力に組み込まなければ成らないほどに、事態は切迫して居た。





 今まで防衛一筋で貫いて来た日本は、防衛の為に外征を視野に入れて動き始めている。その原因の最も大きなものは帝国だ。



 そして、交援省が中心と成って行って来た大陸での情報収集活動の結果、話し合いが通じるのか、如何かも怪しいとの見解も起因して居たのである。



 最早、日本国は、この異世界での大戦から逃れられず、知らんかも出きない状態であると内閣での国家安全保障会議では結論が出始めていた。





 国会内で帝国との講和をと主張して居るのは、与党と対立し、別の提案をして違いを有権者と野党支持層に向けて、アピールしている一部の野党だけだ。





 しかし、一部の野党が主張している講和は、あくまで政権奪取を睨んだ政争道具としての考えからだった。







 その一部の野党に擦り寄る様に近付いて居るのは、反戦平和団体シールド者達と言う黒い噂がある者達。





 過激な反戦平和主張を掲げるシールドは、自衛隊の解散や防衛省の解体、果ては警察と海保の非武装化をし、この日本国を非武装な国にして、他国との係争は外交交渉による話し合いすると言って居る。





 他にも和平交渉には、多額の賠償金の負担と小さな島や領海の譲り渡し、平和を妨げた人物の逮捕や当事国への引渡しをするべきと考えると言った過激で排他的主張と危険な思想を持って居る反戦平和政治思想団体だった。



 日本の戦後から続く戦争アレルゲンの権化とも言える反戦平和団体は、幾つもの新たな組織や活動家らを吸収したり、物別れして衰退を繰り返して来た団体たが、いざ、戦争と成しまった現在、急速にその勢力を伸ばして来て居た。





 やはり、我が国は、何時の時代に成っても極端な民族らしい。





 本当に危なく成らないと真実から目を逸らし続ける性分の様だ。今は戦わなければ、生き残れないのに、これまで大切に守って来た伝統的な仕来りや古びた物を大切にして、新しい事に挑戦する事を恐れ、間逆の事を主張をし、挑戦者達を罵倒して蔑む事をする。





 特に酷かった幕末の江戸幕府と徳川政権や太平洋戦争時の軍部や内閣も、古い発想に拘り、全てを台無しに成る寸前にまで追い込まれないと事態を変化させようとは試みる事はしたく無いと言うのが日本人と言う連中で、本当に全く困った民族なのである。



 

 ダバ派遣支援艦隊は、防御に徹するべく、海自航空隊のF-18J改、総勢20機を発艦させ、入れ替わりに神谷一佐らが率いるF-15J改・F-2併せて総勢50機を補給の為に収容するだった。





 一方の帝国のグリクス地方軍団所属の18・19・20飛竜航空隊は、壊滅的な被害を受けていた。







 大空を待って居た300騎も居た筈の飛竜航空隊は、自衛隊と戦って生き残ったのが、僅か30騎のみである。





 バラン少佐はグリクス地方軍団の第9艦隊と合流し、戦力の建て直しを図って居る。



 しかしながら、彼自身も愛騎であるアッジマーグが中傷を負っていたて出撃に耐えられる状態では無かったのだった。





 バラン少佐は、帝国空軍所属・第9空挺艦隊を指揮しているバン・グッター少佐と共に、日本軍に対して撤退戦を兼ねた再度攻撃の準備を空挺戦艦ズィードルンの艦橋で話し合って居た。





 空挺戦艦ズィードルンを含む空挺戦艦は全長180メートルある。



 何れも見た目が日本のアニメで見掛ける様な宇宙戦艦の姿と酷似して居た。



 後に続く空挺竜母は200メートルくらいで、姿形も現代空母が空を飛んで居るかの様であった。





 帝国の現用兵器は、統一性が殆んど無い。



 600年以上前から有る兵器の劣化コピーや発掘兵器を改修し、使える状態にして、運用したりコピーしたりして運用して居るからだった。



「やはり、負傷して居る兵や飛竜などは、最寄の基地へと引き揚げさせるべだろう。」



「はっ!その通りに手配を居たします。しかしながら、ニホン軍は聞きしに勝る軍でありますな。」



「この状態では負傷して居る者達は、足手まとい所か、下手をすれば、収容して居る艦と共に犬死と成るでしょう。」



「良し、最低限の空挺竜母を残し、負傷した物を空挺竜母で撤退させるか。」



 二人は空挺戦艦七隻と空挺竜母が五隻の内、空挺戦艦一隻と空挺竜母一隻に負傷兵と負傷した飛竜を乗せて撤退させたのだった。



 バラン少佐も愛騎であるアッジマーグを預けて、バン少佐のる空挺戦艦ズィードルンに乗り込み、戦闘での指揮を執る事と成った。





 これ等両者の戦闘を遥か高み、上空高度5千メートルから眺め見ていた者達が居た。



 自衛隊と帝国軍が戦って居た高度は、凡そ高度1500メートル前後位である。





 遥か上空で戦いの成り行きを見届けていたドラグリア白龍大帝国の白龍大帝であるエリノア・ドラグリアことエリンは、両軍の白熱した戦いに興奮していた。



「いやー、中々面白い戦じゃったのうーっ!」



「そうね。」



「ニホン軍の一方的な優勢と見て居たけど、帝国側の指揮官も負けては居なかったわね。」





「帝国側と日本側の両者共に現れた友軍は、何方も当初から予定して居た物だったみたいだった様ね。」



「その様じゃな。両者に取って互いに奇襲し合う成り行きは、誤算とも見て取れるのう・・・・・・」



 ユキカゼは帝国側の軍勢の動きを良く見ていた。



「そうだけど、ニホン軍の兵器の性能が良すぎて、帝国軍の友軍が奇襲的な攻撃が間に合わなかったのが、帝国軍の誤算だったと思われるわね。」





「その様じゃのう。」





「しかし、青い鉄鳥の先陣を勤めて居た者は只者では無いな。」





「ええ、帝国軍指揮官の敵将の位置を特定するのが、早かったわね。」





「わしの見立てでは、あれは恐らく二ホン軍指揮官の勘じゃな。」



「レーダーなる探知装置があるとの報告を聞いて居たけど、それだけで帝国の敵将を位置を特定して真っ先に狙い討つのは、誰にでも出きる事では無いと思うのよね。」





「機械に頼って居るだけでは無いとワシの勘が言って居るのじゃっ!」





「平和な異界の国の中に、彼の様な武士もののふが居るとはのう。」



「さぁて、お次はどの様な展開が見られるのか。かかっ、楽しみなのじゃっ!」



「ニホンと帝国、両者は互いの手の内を晒し合った。」



「ニホンは多くの輸送船らしき船を抱えて居る。」



「迂闊に攻勢に出るのが難しい状況ね。」



「一方の帝国は、ニホン軍の兵器の高性能差に舌を巻いて居るわ。」



「攻勢で取れれる手段も限られて居るわ。あっ!?動いたわ。」



 バラン少佐率いる帝国軍は、一部の部隊を退かせて、居残った部隊で、攻勢に出て行く。



 もう一方の自衛隊側は、味方機の補給が終わるまで防御に徹する動きが見られた。





 エリン達は、戦闘の成り行きを正に高見の見物と洒落込んで居ると言えたのだった。



 エリン達は、息を呑んで戦いの行く末を見守り続けて行く。



アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後16時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 バラン少佐率いる帝国軍と日本国が派遣したダバ派遣支援艦隊との戦いは、いよいよ最終局面に移行しようとして居た。





空挺戦艦ズィードルンの艦長にして、第9空挺艦隊の司令官たるバン・グッター少佐は、ある秘策を持っていた。



「バラン少佐、どうやら間に合った様です。」



「あっ、あれは?」



 第9空挺艦隊の後方に、突如として現れたのは、帝国が国内と領土とした各地の地域で、発掘を多くの人手を使って掘り起こし、その全容を解析をし、各種技術をコピーして作らせたと言う巨大兵器。



 この世界でも指折りの巨大要塞戦艦で、地上と空中を悠然と進みつつ、敵をなぎ払うかの様にして、壊滅させて行く悪魔の兵器。





 その名を移動要塞戦艦デストロイヤー。



 全長600メートルクラス移動要塞戦艦。元は古代兵器の移動要塞デストロイヤーをコピーして作られた兵器。





 多数の大型兵器を運搬し、左右の装甲には、18門の魔導砲台と艦全部に搭載されて居るデストロイヤー砲で、全てを薙ぎ払い撲滅する凶悪な兵器だが、移動は時速40キロと亀の如くその船足はかなり遅い。





 照準も疎らで兵器としての信頼は、破壊力以外は丸で当てに成らないと言う問題等も多数抱えて居る。





 細長い胴体と6本の多脚式歩行装置で地面を移動し、長距離は60メートル上空を飛行して移動する事が出きる。



 そのデザインは歪で、設計して考えた奴は頭が可笑しいのじゃないかと思うが、然しながら、この世界の子供達には、妙にわしゃわしゃとした多脚と光線砲の威力。



 そして多数の兵器が運用出きる事から、何故か妙に人気の有る兵器として知られて居る。



 大量生産こそ儘ならないが、帝国はそれなりの数を保有して居ると言う話だ。





「バン少佐、彼の移動要塞戦艦デストロイヤー。」



「どうやってあれを派遣させる事が出きたのだ?」





「はい。デストロイヤーを研究・開発・建艦している大元であるムーラ・ザーメ帝国立兵器研究所とガミトフ閣下は昵懇であるそうです。」





「今回の戦に際して、ニホン艦隊に対して、どれくらい通用するのかを試したいと研究所の思惑とガミトフ閣下の戦略上の思惑が合致して、一隻派遣と相成りました。」





「重ねて現在開発・試験中の兵器も同時に試すとの事です。」





「ふっ、そう言う事か、実は俺が聞いた話では、あれの派遣は、簡単では無いとの軍内部での噂を耳にしていて居てな。」





「確かに。一度の運用で、あらゆる面で金食い虫と揶揄されて居ますからな。」





 移動要塞戦艦デストロイヤーの運用は、何かと物入りである。



 物資に資金に搭載する特殊兵器の数々は、兎に角金や燃料を喰うし、人手も多く乗り込むからだ。





 例えるならば、宇宙世紀アニメに出て来る大型ロボット兵器を超時空要塞式宇宙戦艦で多数運用する様な事と同じだろう。





 以上の言う理由から、帝国でもおいそれと簡単に使う事の出きない兵器なのだ。



「まぁ、良い。」





「どうせ俺達の懐が痛む話では有るまい。」





「ニホン軍が、デストロイヤーに気が付くまでの間、精々遊んでやるさ。」



「流石はバラン少佐です。」



「敵はあの鉄竜を一旦、引き下がらせています。」



「恐らくは補給と騎士達に休息を取らせる為。」



「成らば此方は、もう一中てして、デストロイヤーとその艦載兵器群に、奴らを襲わせましょう。」



「そうすれば、ブラキュリオス湖に居ると言うニホン軍とアルガス軍との戦いが、かなり楽に成る筈です。」



「くくっ、これで少しは、ニホンのやつ等に吠え面をかかせてやれるな。」



「よしっ!者共っ!再攻撃の開始だっ!」



「今ならニホン軍は、準備が整って居るまい。」



「十分に痛め付けて、堂々と戦果の程を報告し、合わせてニホン軍攻略方法をガミトフ中将閣下に申し上げよう。」





 ジョークを挟む会話をしながら、バラン少佐とバン少佐の二人は、戦略を語り合い、互いに煉った策略を秘めてダバ派遣支援艦隊に挑むのであった。





 一方、遥か高度5千メートルの上空から見ていたエリンとユキカゼの二人は、大陸中央南部からゆっくりと航行して現れた移動要塞戦艦デストロイヤーの登場に気が付く。



「ねえ、エリン。あれを見てっ!」



 ユキカゼが、帝国軍の後方に目をやる様にと、エリンに促す。



「移動要塞戦艦デストロイヤーじゃと?」



「帝国めっ!勝つ為なら形振り構わぬと言うのか?」



 エリンは帝国軍が投入した兵器の姿を見て、勝ちに拘る形振り構わない狡猾なやり方に対して怒りを露にした。





 移動要塞戦艦デストロイヤーは、殲滅兵器として良く投入されて居る。





 二人は、移動要塞戦艦デストロイヤーの登場に驚愕しつつ、帝国の彼の兵器投入の決断と言う事実に目を見開いていた。



「そう見たいよ。」



「じゃが、わしはアレを気に入らぬ。」



 エリンは、ある理由から移動要塞戦艦デストロイヤーを嫌って居た。



「ああ、あれには何時も帝国の巨大兵器や試験兵器、秘密兵器等の何かが搭載されて居る事が、多いからかしら?」



 そう、移動要塞戦艦デストロイヤーは、特に大型で強力な火砲兵器や生物兵器の運搬に良く使われて居るのだ。



「そうじゃ、中でもキメラを始めとする魔導合成生物兵器郡だけは、決して許す訳にはイカン。」



「そうよね。」



「あれは、様々な方法で入手した細胞を錬金魔法や合成魔法と生物学。」



「それに本来は、人々を治す筈の医療関係の技術まで使われた悪魔の研究よ。」



 更に帝国はムーラ・ザーメ帝国立兵器研究所と言う遥か西方の帝国本国に在る研究機関施設で、悪魔の様な非合法で倫理に欠ける様な兵器開発や生物魔導兵器。



 更には非合法薬物に古代技術解析し、複製兵器を次々と生産して居る言う事実が有るのだ。



 実際に、その実情をシベリナ連合を始めとする反帝国陣営を含めて、諜報機関に探り入れたが、まだ、研究所に潜り込んで見たものが居ないと言う。





 このムーラ・ザーメ帝国立兵器研究所こそが、此処数百年の間に急速に、その兵器の技術力と性能との向上と共に、帝国の勢力図が拡大さている要因なのである。



「グルルルッ!!」



「感じるぞっ!あそこには、アレが居るっ!」



 エリンは、歯軋りをしつつ唸る。



 如何やらエリンが一番に気に入らない存在が運ばれて居るらしい。



「はぁ、エリン。」



「貴女がその話を持ち出すって事は・・・・・・・・」



「ああ、居る。」





「何らかの改造を施されて作られたキメラドラゴンがのう。」





 キメラドラゴンとは、非合法に集められた竜種や竜人族等の死体や奴隷や捕虜、更には拉致されて来た者達を使って肉体改造か魔法力で培養して他生物と融合させて強化改造生物兵器、または強化改造兵士等を指している生体兵器の事である。





 正に生命の倫理を無視する非倫理的な研究の産物とも言える代物だ。



 元々は古代の転移国家群の進んだ生物学研究が元に成って居る。



 ぶっちゃけ特撮番組に登場して来る悪の組織辺りが、平然とやって居る研究に近いかも知れない。





「ユキカゼ、事と次第では、わしらも参戦するぞっ!」



 エリンは、キメラドラゴンが発して居ると思われる異様な殺気や魔力と異常な力の気配を感じ取り、参戦する事を決意した。



「はぁ、しょうがないわね。」



「キメラドラゴンなら放置して置く訳には行かないわ。」



「それに移動要塞戦艦デストロイヤーと、その中には竜人族で無いと苦戦を強いる事が多い兵器も多数積んで居る。」





「ニホン軍も意外と苦戦するかも知れないわね。」





「私や護衛の騎士達も手伝うから、絶対に先走らないでね。」





 戦とも成ると、エリンは敵を本気で殲滅しに掛かるのだ。



 それも味方を置いてけぼりにして・・・・・・・・・・・・・・・・





 そんな行動を例え知って居ていても誰も止められない。



 戦闘種族たる白龍族の性かも知れないのだ。





「かかっ!!誰に言うておる。」



「わしは泣く子も黙る天下の白竜大帝様じゃぞっ!」



「そんな忠告を聞くわしでは無いわっ!」





 エリンも親友たるユキカゼ忠告を聞いて居ても、戦場で高揚と興奮は抑えられない。



況してや変身して居るこの竜の姿では、只敵を討ち滅ぼすのみである。





「はぁー、ああ、頭と胃が痛い。」





「これから戦なのに・・・・・・・・」



 白竜人族でも珍しく最後の最後まで、竜人族の血が滾らないユキカゼは、親友の行動に頭と胃が痛まずには居られないのである。





 こんな事なら戦と言う酒に酔えたら、どんなに楽なのだろうと思う彼女なのだった。



 エリンとユキカゼらは、移動要塞戦艦デストロイヤーとキメラドラゴンを含む戦略級殲滅兵器との戦いうべく、この戦いに参戦を決意する。





 やはり、巨大な相手には巨大なモノをぶつけるしか無いのだろう。



 エリン達白竜人族の者らは、遥か上空から戦場と成る地上に対して、戦いを仕掛けるタイミングを伺う体制を取るのだった。





 さて、最後にダバ派遣支援艦隊も第9空挺艦隊の動きに当然ながら目を配っている。



 バラン少佐らは、移動要塞戦艦デストロイヤーの存在に気付いて居ないと思って居るが、レーダー技術の無い彼らには、そんな事を想像し考える事すら想定の範囲外だった。



「大変ですっ!」



「航空護衛艦あかぎ空母クラスの凡そ2倍、600メートル級の空挺艦が接近中、目標との相対距離は、凡そ140キロ。」



「時速は40キロ程度で、ゆっくりとですが、我が方に向って来ています。」



「何だと!?」



 ダバ派遣支援艦隊の司令官である小沢一佐は、新たに現れた一隻の巨大艦に驚愕するのだった。



「帝国軍の新たな空母か?」



「今小型偵察ドローンでの映像を回します。」



 小沢一佐は、航空護衛艦しょうかくのCICにて遠隔操作している一般人向けに販売されて居る小型ドローンで、撮影した映像見る為に、端末のノートPCに目をやる。



 この小型ドローンは、遠方での偵察は無理だが、近場を偵察するのには便利として、この世界に転移した前後に、防衛省や海保などで予算を組んで導入した物だった。



 ダバ派遣支援艦隊も出発前に10機ほど搬入されて居るし、彼の第二次龍雲海沖海戦でも使用されていて、その利便性が立証されて居た。





 何せ、帝国はドローンに気付く事すら出きて居ない様子だったのだ。





「こっ、これは・・・・・・」



 小沢一佐は、科学とは別の理論で動く、空飛ぶ巨大な兵器に言葉を失う。



「おっ、大きい・・・・・・・・」



「うーん。」



 近くに居る他の海自隊員らも息を飲み込む。



 その横で別の隊員が、ポロっと素っ頓狂な事を言った。



「でもデザインが最悪ですよ。」



「何ですかっ!この宇宙船艦見たいなデザインに、大きな6本もの多脚ってっ!」



「趣味が最悪で悪過ぎるっ!!」



 突っ込む所は、其処かよっ!と思わず言いたく成った周囲だが、その隊員は比較的若い世代だったので、移動要塞戦艦デストロイヤーに対する正常な反応とも言えた。



 艦橋に居た隊員等は、オタク的な文化に触れる機会が少ない為か、SFやファンタジー的なノリに付いて来れない様子だった様だ。



「ともかく、こうなったら対艦ミサイルを使用するしかない。」



「はっ!!急ぎっ!発射体勢と収容した空自航空隊の装備換装と整備補給を急がせます。」



 しょうかくの副長は、小沢一佐に具申後、各部署の準備を急ぐ様にと言う為に、艦内無線マイクを急ぎ取っていた。





 最早、残弾を温存して戦っている場合では無い。



 下手をすれば、味方全員の生死に関わる。



 帝国側も追い詰められて居ると言えるが、ダバ派遣支援艦隊もまた、此処に来て有る意味、追い詰められて居ると言えた。





「それと、場合によっては、空自航空隊から選抜メンバーで出撃させて、巨大艦を攻撃させられるしか無いかも知れん。」





「今我々が、この場を逃げても帰路を塞がれれば、間違いなく厄介な事に成る。」





「これ以上、日本から艦艇を割くのは無理だ。」





「何としてでも本国との孤立を避ける為にも、あのローラーナ帝国軍には、相当な被害を被って貰わなければ成らん。」





 此処で逃げる事を選べば、ローラーナ帝国もデストロイヤーを日本に対して、有効な兵器として判断する可能性すら有るのだ。





 それにこのまま、この地に居座れるのも厄介だ。



 最悪日本の自衛隊の精鋭を揃えての総力戦にでも、成りかねない危険を孕んで居た。





 彼らはこの場で、かの移動要塞戦艦に対して、一撃を与えねば成らないと思い至る。



「はっ、では選抜メンバーを決める様にと池田空将補殿と神谷一佐らに伝えます。」



 この緊迫した状況に置いても、ダバ派遣支援艦隊に派遣された海自隊員等は、しょうかくでも、全ての護衛艦内でも慌しく、そして、冷静だった。



「むう、雲行きが思ったより怪しく成って来たな。」



 小沢一佐は、羽虫を噛み潰した様な苦々しく険しい表情に成る。





 果たして、ダバ派遣支援艦隊の攻撃態勢は、間に合うのか?艦隊に緊張と不穏な空気が包まれ始めていた。

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後16時35分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





航空護衛艦しょうかくとずいかくに所属する海自第一航空隊・海自第二航空隊は、部隊に配備されたF-18J改を駆り、戦場と成っている異世界の大空を自由に舞って居る。



「さぁて、俺のカワイイ子ちゃん。いっちょやるぜえぇぇぇーーーーーーっ!!」



航空護衛艦しょうかく所属、海自第一航空隊の隊長である山崎勇一射は、自分の愛機を丸で恋人の様に扱って大事に扱って居る。



「ふっ、相変わらず騒がしい奴。」



 クールな性格の小安健人一射は、無線機から聞えて来る山崎の楽しそうな声に、呆れていた。





 その後方では、彼の指揮の下で、厳しい訓練をやり遂げて来た部下達も、この戦場で初の実戦に参加する事に緊張を感じて居た。





 対する山崎の部下達も緊張はして居るが、彼の男の明るく軽いノリ有る性格の影響のせいか、不安な気持ちが和らいで居た。



 其処へ、しょうかくからの通信が入る。





「海自航空隊各機へ告ぐっ!!」





「敵竜騎兵隊300機が接近中っ!!」





「各隊は、迎撃体勢に移行っ!!」



「各機は攻撃開始せよっ!!!」





 しょうかくの通信士から司令官の小沢一佐から攻撃命令が言い渡された。



「「了解っ!」」



 山崎と小安の両名は、帝国軍の第9空挺艦隊に所属する第21・22飛竜航空隊を迎え撃つべく全機が迎撃体勢に入る。





 それらに相対する第21・22飛竜航空隊も準備万端を整えて次々と大空へと離陸し、ダバ派遣支援艦隊に向って最後の総攻撃するべく向って居た。





「相手は少数の迎撃騎。」



「だが、それらに我が方の先発隊が、全滅に近い被害を被って居る。」





「悔しいがニホン軍の鉄竜の強さは本物だっ!!」





「これは厳しい戦いに成るぞ!!」



 第21・22飛竜航空隊の指揮を任せれている隊長である竜騎士のゲビン・ソゲナー大尉は、この戦いに死ぬ覚悟で立ち向かう決意を固めた。





 間も無く両軍は衝突する。







アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後16時38分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点・パイプ・ライン大河から南方約2キロメートル手前の上空にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「総員っ!火炎弾っ!撃ち方っよーい。」





「撃てーーっ!!」





 最初に仕掛けたのは、第9空挺艦隊の第21・22飛竜航空隊である。





 多数の飛竜の口から放たれた高熱の火炎弾は、高速のスピードで、海自第一航空隊と海自第二航空隊に向って行くが。



「遅い、遅い。あくびが出る速度だな。」



 拍子抜けする攻撃に、山崎一射が乗り込むF-18J改は、あっさりと回避してのけた。



「今度は、こっちの番だぜっ!!」



 山崎一射が、加速を早めながら、敵に向かって突っ込んで行く。





 それに続く海自第一航空隊も彼の後に続いた。





 狙うは南西方向の一団である。





「喰らいなっ!」



 ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!





 山崎一射が狙いった相手に、M61A1 20mmバルカン砲が火を噴く。





「速いっ!速すぎるっ!」





「たった10騎で、此方は40騎は喰われたぞっ!」





 その後に山崎一射の部下達が後に続き、次々と敵機を撃ち抜いて行く。





 悪夢の様な敵騎の性能に舌を巻くゲビン。



 続けて彼から見て北東方向から別の部隊が迫って来て居た。





「撃てっ!兎に角撃ちまくれっ!!!」





「何としでも、迎え討つんだっ!!!」



「「「「「うあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっっ!!!」」」」」



「ダメですっ!敵が速すぎて中てる所か、掠める事すら出きないで有ります。」





 更に40騎の味方を連続で討ち落とされた。



「ばば、ばっ、化物めっ!・・・・・」



 あっと言う間に4割近い数まで味方を失う第21・22飛竜航空隊。圧倒的な戦力差と戦闘力。



 彼らは信じられないとしか言い様が無かった。





此処まで強いと感じ、絶対に勝てないとすれば、人外の強さを誇る上位種の生命体か、かの白竜人族を始めとする龍人族の変身後の巨龍の姿で、長と成って居る者達に対峙する時位だろう。





 対峙した事の有るとある飛竜航空隊の隊長は、念差の声を只言う事しか出きないのだった。





「須山っ!!永峰っ!!あのバカだけに、突っ込ませるなっ!」





「俺達は奴のフォローに回るぞっ!」



「了解ですっ!」

 

 小安一射も指揮下の部下達に、山崎一射が囲まれない様にとフォローに回らせた。



 山崎一射は、小安一射が、そうするだろうと分かって居て、更に攻勢に出て居る。



 数が多い相手には、味方から離れすぎずに、敵機を引っ掻き回して混乱を誘う方が、やり易い。



 日本側の海自艦隊は、一直線に西へと進むしか逃げ道が無いのだ。



 近付く敵は主砲と機関砲で対処し処理して居るが、数による飽和状態に持ち込まれると厄介だ。



 また、ミサイルの使用は、後に戦いの為に、節約して控えて居るが、事によっては迎撃をしなければ成らない。



 油断の出きない戦いが続いて居た。





 戦闘開始から凡そ20分が経過しようとして居た。



 ローラーナ 帝国軍側は、既に味方騎を80騎まで、その数を大きく減らされて居る。





 一方の自衛隊側はと言うと、ミサイルを殆んど使用する事無くM61A1 20mmバルカン砲で敵機を打ち倒して行く。



 空挺戦艦ズィードルンで艦隊の指揮を執りつつ、戦況を見守ってきたバラン少佐は、不利に成る戦況を見守る事しか出きない苛立ちを我慢しつつ、この戦況を打破し、起死回生の一撃を与える援兵を今か今か待っていた。



「まだか、まだなのか?」



「バラン少佐、お待たせ致しました。」





「移動要塞戦艦デストロイヤーが、ようやく到着致しました。」



 バン・グッター少佐が移動要塞戦艦デストロイヤーの到着を知らせる。





 移動要塞戦艦デストロイヤーは、ゴゴゴゴッと魔動力炉の音を響かせながら空中をゆっくりと浮遊しながら、空挺戦艦ズィードルンから2キロ先きを通り過ぎて行った。







一方の小沢一佐が率いるダバ派遣支援艦隊に、巨大戦艦の戦闘空域への到着の報が入る。





 各艦のレーダーと艦橋から、その大きさに驚く声が通信機から聞えていた。





「ローラーナ帝国空艇戦艦隊、間も無く巨大空中戦艦と合流します。」



「接触まで凡そ5分ほどです。」



「如何致しますか、小沢一佐?」



「戦闘機の空爆と対艦誘導弾及び全艦隊の対艦誘導弾で、敵巨大空中戦艦を迎え撃つっ!!」



「敵は我々の知り得ない未知の兵器だっ!」



「力の出し惜しみは決して、するなっ!」



「池田空将補のF‐2と神谷一佐のF‐15部隊の状況は?」



「はっ、10機の整備と補給が間も無く完了するとの事です。」



「ですが残りの機体は・・・・・・・・・・」



「この状況では仕方あるまい。」



「整備と補給が終わり次第、随時発艦だ。」





「山崎達は、燃料と弾薬が尽きる手前まで粘り、空自航空隊を援護させろっ!」





「狙うは、あの巨大空中戦艦のみだっ!」





「あれさえ叩き落とせば、敵の追撃も止むかも知れん。」



「了解です。」



 各艦の艦橋とCICでは目まぐるしく隊員達が動き回る。





 この戦いに挑む上官達を含めて、ダバ派遣支援艦隊に参加している全自衛隊員の全ての者達は、これが初の実戦だ。





 それも戦う相手に成るのは、SF映画やファンタジーアニメ風の戦艦を相手にすると言う有り得ない現実に直面していた。



 この場に居る隊員たちは、こんな相手は●ジラや○ル●ラ怪獣する様な物だと呟く。



そして、全ての事が終わった後には、護衛艦で、こんなハリウッド映画や自国のアニメ風の空想戦艦相手に戦う事に成るなんてと後に、ぼやいたり、インタビューでの感想を苦笑しながら述べたと言う。



それ位に参加した自衛官達に取って、カルチャーショックが大きかった様だった。



 更に付け加えるのならば、政府も同じくと言って居た事を付け加えて置く。





「敵艦隊に高熱源反応ですっ!」



「何っ?!」



 小沢一佐は強張った表情で報告を聞いた。何が来るのだと・・・・・・・・・





 その頃、移動要塞戦艦デストロイヤー内では、ギンジェム・グェンダー大佐が指揮を取り、この要塞戦艦に搭載されている悪魔の兵器。デストロイヤー砲が発射され様としていた。



「超高出力魔動力炉を5基全て正常。」





「補助魔動力炉も正常。」





「魔力パイプラインの魔力を発射口へと順調に魔力充電中。」



「ギンジェム大佐殿、行けます。」



「ぐふふふっ、よおおおおおぉぉぉぉぉーーーしいいいっっ!!!」





「デストロイヤー砲っ!発射よーいっ!!」



「目標っニホン艦隊っ!撃てええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」



「発射っ!!」



 移動要塞戦艦デストロイヤーの艦橋でデストロイヤー砲の発射命令が下され、オペレーターの士官が発射ボタンを押した。



すると、デストロイヤーの先端に有る大きく丸い発射口から赤い閃光が放たれ、ダバ派遣支援艦隊の後方の40メートル上空を掠めて、対岸のアルガス公国領内の無人の山頂へと物凄い爆発音と共に光線が着弾した。





 その爆発の閃光は眩い光共に閃光の十字柱と成る。



 その光景は丸で人型決戦兵器に打ち倒された巨大怪物の爆発その物だった。



「なっ、ななななっっ!!何なんだっ!!あの馬鹿げた威力はっ!?」





 小沢一佐としょうかくの艦橋は、一瞬にして恐怖に包まれた。



 他の艦の者達もからも同様な心境に陥って居る筈である。



「丸で・・・・SF映画やアニメの宇宙戦艦並みの高出力のビーム兵器・・・・・・」



「あっ、あああ、あれは、我が国や米国で開発中のレールガンなんて代物ですら、丸で玩具だぞっ!!」





「被害は?」



「はい。山崎・小安の海自航空隊の両部隊は健在です。」



「被害は航空隊・全艦隊共に有りませんが・・・・・・・・・」



「直ぐに空自航空隊にスクランブル発進だっ!!」





「何としてでも、敵巨大戦艦を撃沈するんだっ!!」



「それと急いで民間船団を護衛を付けて先行退避させるんだっ!」



「退避するまでの間、巨大空中戦艦は、我々で引き付けさせるぞっ!」



「はっ!」



 直ぐに、空自航空隊の再度出撃が命令された。



 其処へ・・・・・・・・・・・・・・・



「第二射が来ます。」



「何いいぃぃっ!?着弾予想地点はっ!?」



「ほほほっ本艦隊中央っ!!しょうかくですっ!!!」



「くそっ!!回避できる艦は回避させろっ!」



「皆すまん・・・・・・・・・」





 小沢一佐は冷静に命令を下し、助からないと踏んだ自ら乗船して居るしょうかくの乗組員たる隊員達全員に対して、侘びの一言を言うのだった。





 その時である。



 遥か上空の真上から白く40メートルも有る巨体が、舞い降り立った。





「まったく世話を焼かせおってっ!!!」





「間に合ええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」





 護衛艦まつゆきとじんつうはの両艦は、古いタイプと成りつつあるエンジンを悲鳴を上げさせながら、デストロイヤー砲の射線上から退避しつつあっが、艦隊陣形上どうしても直ぐには避けられないしょうかくは、艦艇中央部への直撃コースである。



 縦しんば艦内から逃げたとしても、着弾時における高出力の熱線で焼け死ぬか蒸発してしまう可能性が高い。





 何方にしても助からないと言えた。



「あ・あ・・あああっ、あれ?」



「俺達・・・・生きてるぞっ?!」



「お・お・おおおいっ!あれを見てみろっ!!」



「白い竜?!」



「それも一体だけじゃないっ!?」



 白い竜達は空中で浮遊しながら『ふしゅううう』と煙をモクモクとさせて、黄金色に光り輝く巨大なサークル風のバリアーを発生させてダバ派遣支援艦隊への攻撃を防いで居た。



「助かったのか・・・・・」



「ふう、何とか間に合ったのう。それで、この艦隊の司令官は誰じゃ?」



 小沢一佐は安堵する。



 しょうかくの目の前には、白く身長が40メートルは有るであろう巨大な白き竜が、魔法シールドを展開して防いでくれていた。



 その姿は、何処か威風と威厳を感じさせる物を感じさせ、赤い目は鋭い眼光を放っていた。



「喋った?」



 隊員の誰かが、間抜けな一言を言いつつも安堵する。





 小沢一佐は、急いで尋ねて来た白き竜の中でも一番の大きさを誇り、明らかに格の上である白竜に対して、名乗りを上げた。





「日本国ダバ派遣支援艦隊の司令官である小沢司郎一等海佐であります。」





「我が艦と我が艦隊を救って頂き、真に有難う御座います。」





「それで、あなたは・・・・・・・・・・」

 



 小沢一佐の名乗りを聞いた白竜は、満足したかの様に、彼に名乗り返えした。



「我が名は、ドラグリア白龍大帝国のエリノア・ドラグリア白龍大帝である。」





「貴官の奮戦、真に大儀であり、指揮官たる其方も誠に潔い。」



「わしらはこの戦、お主達の戦い振りを見ているだけの観戦と洒落込む積もりと思うて居った。」



「じゃが、幾らニホン軍が優れた兵器を多数有する軍とて、移動要塞戦艦デストロイヤー相手では、苦戦も免れぬであろう。」



「わしらが手伝うてやるうえ、此処は安心せいっ!」



「はっ!!ご加勢、真に有難う御座います陛下。」



 自衛官らは、まさかシベリナ連合の最強の勇にして、竜人族国家の国家元首自らの参戦に、放心状態である。



 そんな状態で小沢一佐とエリンとのスピーカーを通してのやり取りに、現実離れした事態に付いて行けないのであった。





「かかっ!!堅苦しい呼び方は好きではない。エリンで良い。」





「皆はそう呼ぶでの。」





「それに、これからは共に戦うのじゃからの。」





「主たちとは戦友じゃ、苦しゅうないのじゃっ!」



 遂に遂に、この東方地に措いて最強と謳われる存在たるエリンの参戦、この混沌として乱戦にの戦いに、更なる暴風を巻き起こす存在が乱入する。





 戦いは更なる混迷へと誘われるのだった。



アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午後16時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から東方へ27キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









 ドラグリア白龍大帝国の白龍大帝であるエリノア・ドラグリア白龍大帝が、物見遊山同然で、このパイプ・ライン大河を西へと遡上するダバ派遣艦隊と視察と証してやって来ていた。



 だが、お目当てのダバ派遣艦隊とは出会わず、行く先々の帝国の不穏な気配と情報と危険を考慮しての状況から急遽、後詰め艦隊を編制派遣する事に成った日本と防衛省。



 そして、エリン達は、後詰めとして後続艦隊であるダバ派遣支援艦隊と遭遇する。



 ユキカゼは、各方面から得ていた艦隊編制の情報が、見聞きしていた情報と違うと言うとエリンは「まぁ、同じニホン海軍艦隊なら別に構わないのじゃ」と言ってその後を付けていた。



 その動向を暫く見守る事にしたエリン達は、30人の同行者たる護衛の竜人騎士が同行している。





 その全員が白い肌を持った全長が30メートルから35メートル前後の巨大な白竜へと変身している。



 その周りに居るのはドラグリア白龍大帝国を中心に生息し、同地の白竜人族が保護をしている龍族である白龍族である。





 身長が25メートルから30メートル前後で、人語の理解はできるが喋れない龍族だ。



 かつて龍族と竜人族は同じ種から枝分かれした種族だが、竜人族の祖先の方が、知能と身体能力の進化と進歩に優れた故に、その結果、白竜人族に進化した者達が文明を手にしたのである。



 しかし、枝分かれしても同種に近いので、全ての各地の竜人族達は、それぞれの肌色を持った種族の龍族を同胞として保護して来た歴史的な経緯が有るのだ。





 エリン達白竜人族共に同行する龍族。その通称を白龍族と呼ばれるホワイトハイドラゴン達は、ドラグリア白龍大帝国を中心に暮らし、主に魚や亜龍と呼ばれる中型から下位の種に当たる龍族やその他の大型生物を好んで捕食して居る。





 余程の事が無いと人は襲われる事が無い。



 この世界の龍族は、主に暮らしている縄張り一帯の土地で、一番に強い龍種族に従う習性が有るらしい。





 シベリナの北部側周辺では、エリンが龍族達の縄張りで一番のボスとして君臨し続けて居るので、どの縄張り白龍族も大人しく従っているし、喧嘩を吹っかけるバカは1人も、いや、一匹も居ないのだ。





 その白龍族をエリン達は凡そ150匹は従えて連れて来て居た。





 空に聳える鉄の城である彼の無敵ロボットを米国海軍の部隊規模に、例える言い方をするのならば、鉄の城的なロボットを1機とか5個の空母機動艦隊を引き連れて居るに等しい戦力だろう。





 まぁ、火力に付いてを言うのなら全くの別次元の話と成るが・・・・・・・・・・・・







 その恐ろしい規模の戦力との遭遇にバラン少佐とバン少佐の二人は、真っ青な顔に成っていた。





 ある意味、日本映画が産んだ彼の大怪獣○ジ●と遭遇した自衛隊員または一般市民と全く同じ心境と言えるだろう。





「えっえっえっ、エリノア・ドラグリアだと・・・・・・」





「バラン少佐・・・まままっ、不味いですな。」



「幾ら移動要塞デストロイヤーのデストロイヤー砲と搭載されている兵器群が如何に強力と言えども、あれだけの白竜人族と白龍族共を相手に戦うと成れば、火力不足は否めませんな。」



「ちっ、仕留めるのに時間を掛け過ぎたか・・・・・・・・」



「ニホン軍は、彼の化物共と結託したとは考え難いですな。」



「確かに、恐らくは偶然に居合わせたと考えるのが妥当だろう。」





「あのロリババアは、気まぐれな暴君で、有名な輩として有名だ。」



「滅多な事では人には手を貸さんし、見ず知らずの輩にも同じ理由で、手助けすらせんのだ。」





「それに此処数年の間、大きな戦に顔を出して居ない。」





「況してや、この様な小さな戦に、首を突っ込むなどとは、有り得んよ。」



 二人はエリンが、この様な遭遇戦、又は紛争程度の戦に首を突っ込む動機が無く、薄いとの結論に至った。



 しかし、二人はエリンが首を突っ込んだ理由が、移動要塞デストロイヤーとその内部に搭載されている兵器群だと言う事には気付かなかった様である。



 ある意味、移動要塞デストロイヤーさえ無ければ、あっさりと撤退が可能だったとも言えた。





 この戦いでのエリン達の参戦と言う事態に至ってしまったのは、彼ら二人とガミトフの戦略が思わぬ誤算と展開を生んだ結果とも言えたのである。





「しかし、惜しい事をしました。」





「あのデストロイヤー砲が上手くニホン海軍艦隊の水上航空竜母艦に命中して居れば、ニホン軍の戦力を少なからず低下させていた物を・・・・・・・・」



「バン少佐。如何やら我らは、時と欲を掻き過ぎた様だ。」





「ここいらで撤退の命令を出せっ!」



「但し、悠々と退きのかないと、あのロリババアは、ドッと攻め立てて来るぞっ!!!」



 バラン少佐は、思わぬ誤算としくじりを反省した。



 話に一区切りが付くとバン少佐は、近くの伝令官を呼び付ける。



「はい。誰か。」



「はっ!」



「直ぐに全ての部隊と艦船及び移動要塞デストロイヤーのギンジェム大佐殿に、例の魔導装甲巨兵とキメラドラゴリアンを盾にして、撤退する様にとお伝えしろっ!」





「これ以上の戦いは、消耗戦に成りかねないともな。」







「分かりました。」







 バン少佐は、伝令官に撤退戦の指示を出したのである。







 移動要塞デストロイヤーのギンジェム大佐の下に来た伝令官は、この戦いの指揮を執っているバラン少佐達の指示要請を聞いていた。





「撤退か・・・・・」





 明らかに不満な表情をしているギンジェム大佐。



 命令系統も所属艦隊も違う彼は、ガミトフ・バイマン中将の指示で動いて居る。





 しかし、ガミトフ中将からは現場指揮官の指示に、従って欲しいと命令されて居た。



「この俺様が、中途半端な戦果と手柄すら上げずに引き下がるのは、癪に障るが、仕方が有るまい。」



「だが、バランもバンも、タダで帰える気は無いと言うのは、実に良い。」



「誠の戦の指揮官とは、その様に斯く有るべきだろう。」





「その点だけは、根性と気概のある奴らだっ!」





「良かろう。例の者共を出させろっ!」





「はっ。一番ハッチ開放。」





「続いて二番ハッチを開放の準備っ!続けて、ファイ少尉とセブリナ少尉を所定に待機させます。」





 此処で帝国軍は、秘密兵器を出撃させる事にした。





 その一つは、かつてダバード・ロード王国の王国南部の鉄の都と王家の渓谷と言う伝説の地にて、古代遺跡を発見した際に発掘された古代兵器であるブラッデイ・サイクロプスと帝国に名付けられた黒き巨人型魔導兵器。



 帝国では魔導装甲巨兵と言う分類に分けられ、現在、発見されている数は100体は有ると言う兵器は、帝国国内で解析と量産と再設計図を下に現在の処、応用兵器の開発が進められて居ると言う話である。





 リナの姉であるレナ・ミーサガ・リンバースが関わった発掘には、この様な兵器の存在が有った為に、レナは追われ、捕らわれしまい。





 彼女の家族と親戚一族の離散を招いてしまうのだった。



 この騒動に巻き込まれたリナに取って溜まった物ではなく。





 リンバース家没落の切っ掛けを作った諸悪の根源とも言えた存在とも言える忌むべき兵器でも有るのだった。





 全長が30メートル近くにも成る巨大人型兵器は、少々無骨な姿をして居る。



 飛行機形態に変形が可能な機体で、搭乗者にも相応に膨大な魔力の保有力と維持と操作性が求められていた。



 しかし、帝国は搭乗可能な適合者を未だに発見出きず、仕方なく魔導錬金術で、強引に身体能力を引き上げられて作られたホムンクルスを使う事にした。





 ホムンクルスと言うのは、ファンタジー世界のゲームやラノベやアニメ等の作品に馴染みが有る人ならピンと来る物だが、知らない人の為に分かり易く説明をすると、SF世界風に言えば、クーロン兵器、又は強化人間と言う存在だ。



 その所業は人口的にニ●ー○イ●作り出そうとしている某連邦組織の強化された兵士と同じ存在と言える。



「ファイブル・ムーラ・ザーメ少尉。」



「これから我が艦と味方艦隊は撤退する。」



「総指揮を執って居るバラン少佐から、全軍の撤退の援護を支援しろとの命令だ。」



「ふっ、了解した。」



 ファイブル・ムーラ・ザーメ少尉ことファイ少尉は、白く長い髪を紐で縛ると、鉄で出きている兜を被る。



 他にも着込んで居るのは、薄い鉄板や魔物の外部皮膚組織や骨格の素材を用いた鎧で、ロボットアニメでお馴染みのパイロットスーツとも言える代物だった。





 彼女は魔導錬金術の魔導生体研究の一環で研究して作られた魔導生体兵器だ。



 元々は兵士をもっと有効的に、強力な肉体の兵士を増やせないかと始められた下種な兵器計画だった。女性固体が造られたのも理由が有る。



 男性タイプを種馬に、女性タイプ兵士にして居る。



 長い研究の結果、女性タイプの方が、何故か魔力値が高く強力な戦士に育つ事と次世代を生み出す効率的な事から女性タイプを多く量産して居るらしい。





 まぁ、影の噂では主任研究員の趣味とも言われて居るらしいが・・・・・・・・・・



 一方の男は一般兵士をしている人間よりも強い程度で、量産兵士として使われ、戦えなくなる直前まで使い潰れされ、最後には種馬にされて居るらしいとの事だ。



 しかし、このホムンクルスは、まだまだ、問題も多く残っており、古代の科学国家の遺跡から発見された生体研究の資料の模倣から研究計画がスタートして居る。



 今の所、大規模な量産はされて居ないのだ。



 他にも生ける死体を作り出す死兵たるネクロマンサー計画と言う物も有るらしく。





 黒すぎる無法研究計画の噂は尽きる事も無いのである。





 もう一つ兵器は、キメラドラゴリアンと言う生物兵器だった。





 これは、数多の竜人族と龍族の遺体や捕らえた者達の細胞組織を素にして作られて居る生体兵器である。





 その1人であるセブリナ・ムーラ・ザーメと名付けられ少尉扱いの軍人として、移動要塞デストロイヤーに搭乗させられて居た。



 何れもムーラ・ザーメと言う苗字を与えられているが、ムーラ・ザーメ帝国立兵器研究所の開発であり、出身と言う意味で有り、便宜上と書類的な観点から付けられている苗字だった。



 セブリナ少尉は、彼女を監督している者達の間では、ブリナと呼ばれて居る。





 それ以外では呼び捨てで物扱いだった。





 性別は竜化変身をさせる都合上、女として作られて居る。



「セブリナ少尉、お前にも出張ってもらう。」



「相手はドラグリア白龍大帝国の白龍大帝、エリノア・ドラグリアだ。」



「必ず倒せとは言わないが、倒す気で戦わないと殺ろされるだろう。」



「だから全力で、あの白き怪物を倒す積もりで行って来い。」



「了解・・・・・その為に私は此処に居る・・・・・」





 無口で無表情な生体兵器は、着ていた白いワンピースの布地を脱ぎ捨てると、スレンダーなスタイルの裸体姿を晒しつつ、魔動力昇降機の上に立つ。



 見た目の年頃は、16歳位で身長160センチの背丈と幼い顔立ちに鋭い殺気がに満ちた眼つきに成る。



「一番ハッチ開放。」



「続いて二番ハッチ開放。」



「魔動力昇降機を稼動、上部甲板へと上昇させます。」





 移動要塞デストロイヤーの甲板上層部に赤と黒のカラーリングの飛行兵器が姿現し、続けて160センチの少女が現れた。





「グルルルルっ、現れよったな。下種兵器がっ!」





 エリンは現れたキメラドラゴリアンに対して敵意を剥き出しにする。





 当然だ、彼の生体兵器の開発の裏では、どれだけの同胞の命と遺体が使われて居るのかを思うと虫唾が走る思いだからだ。



「ブリナ・・・・刃向う敵を殲滅する・・・・・・」



 外へと出たブリナは、鋭い目を赤く染まると前のめりの体制に成り、心臓と鼓動が高まって、ドックン、ドックンと激しく動いている。





「はぁはぁはぁはぁ、ううっっ、ああっ、ああああぁぁっ!」



 全身の細胞や血管が熱く成って背中にはメリメリと羽が生えて行く。





 徐々に身体か巨大化を始め、手足が鋭い爪を持った物へと変化していた。





「はぁはぁ、あああっ、はぁはぁはぁ、あぐぁっ、あアアアアっ・・・・・ググググっ。」



 声色は少女らしい声色から濁った物へと変化し、背丈が30メートルに達するとまだ残って居る女性らしい姿からゴギゴキ、バリバリと激しい骨格と細胞の変化の音を立てて一気にその姿が変わるのだ。



「グガガガアアァァァァーーーーッ、ギャアアアアアァァァーーーーンン!!!」



 雄叫びと共に完全に変身を終えると、灰色の肌を持った全長が38メートルの竜の姿へと変身を遂げてたのであった。



「グルルルルッ。」



「ガルルルッ。」





  遠巻きにして、吼え合う二人。





「ブラッデイ・サイクロプス。出るぞっ!」





 ブリナが変身を終えると発進準備を整えたファイ少尉は、飛行機形態のブラッデイ・サイクロプス共に空へと飛び立った。





「うーむ。何だか戦いの状況が、丸で怪獣映画やロボットアニメの様な展開に成ってしまったな。」



 小沢一佐は、目まぐるしく変わるアニメオタク世界的な展開に、もう付いて行けないと言った感じである。



「しかし、ある意味、彼女らは強力な助っ人ですよ。」



「本省や外務省、交援省経由の情報では、白竜人族で竜に変身が出きるのは女性だけで、何れも凄まじい戦闘力を秘めて居るとか。」





「まぁ、強くて頼もしけば、何でも良い。」



「それよりも、この危機的な戦闘状況を何とか切り抜けねばならん。」



 小沢一佐が、しょうかくの副長と今後のやり取りをして居ると、其処へエリンが声を掛けて来た。



「オザワ司令官。」



「はい。」



「あの大型兵器とキメラドラゴンと呼ばれる生体兵器は、わしとユキカゼに任せよ。」





「お主らの艦隊は、後方にいる帝国本隊と移動要塞戦艦デストロイヤーを討てぇいっ!!」





「後衛のお主達の艦隊の守りは、気にするでない。」





「居残る白竜人騎士と白龍たちらが、鉄壁に守って居るからの。安心せいっ!!」



「了解です。」



 エリンからの作戦提案に大して、小沢一佐の反応と決断は早かった。



 直ぐに部下達に、命令を発した。



「しょうかく、ずいかく両艦の各空自航空隊は、誘導弾発射後に、すぐさま発艦せよ。」





「全砲門は迎撃体勢へっ!」



「はっ、しょうかく、ずいかく両艦の各空自航空隊は、誘導弾発射後にすぐさま直ぐに発艦せよ。」



「全砲門は迎撃体勢へ移ります。」





「続けてSSM及びシー・スパロー撃ちーかーたーよーい。」



「了解。SSM及びシー・スパロー撃ちーかーたーよーい。」



「撃てえええぇぇぇぇーーーっ!!」

 

 小沢一佐の発射命令の一言で、各艦のCICで命令を受けている砲雷長達は、一斉に誘導弾の発射を命じる。



 すると各護衛艦から一斉に、各種新旧のミサイルが撃ち出されて、指定された目標へと飛び立って行った。





「者共っ!あの鉄槍が命中したらドラグバスターを放てっ!!手加減無用ぞっ!!」



 エリンは部下と引き連れて居る白龍達に、ドラグバスターなる物を放てと命じた。



 ドラグバスターとは、白龍人族と白龍族の固有攻撃能力の一つで、所謂、口から撃ち放たれる強力な破壊光線と言った物である。





 その威力は、帝国魔導艦なら粉微塵に吹き飛ぶ威力を持ち合わせている。





 護衛艦などを相手にしたとしても良くて半壊。打ち所が悪ければ撃沈は確実だろうと言う威力を秘めている。





 ダバ派遣支援艦隊とエリンらは、この戦いに勝負を付けるべく、一気に攻勢に出たのであった。