異世界の国々が驚いた異界国家日本は本当にすごーいデス~ネ

アースティア暦 1000年・西暦2030年・ 6月3日・午前9時32分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州地方・福岡県・福岡市・福岡市東部郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 





ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊と日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊らが開戦をしてから間も無く、一時間が経とうとして居た。



 異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室では、奇襲攻撃作戦が成功したと言う第一報が報告されて居た。



 総理官邸と防衛省内では、「やったっ!」と言う先手を取ったと言う歓喜に沸いて居たが、安元総理と小西防衛大臣の二人は、『まだ頭を討ち取った訳では無い』と引き締めを図る言葉で、場を鎮めて居た。





「作戦の第二段階は成功ですっ!!」



「我が方の空自航空隊の第一波っ!第二波を仕掛けた航空隊はっ!日本国へと侵攻途中である140隻以上の敵戦闘艦の要である水上空母・空挺竜母を撃沈して居ります。」





通信機を通じて、海自艦隊からの第二作戦成功の報告を聞いて「おおっ!!」と言う言葉が、異世界国家交流総合支援省の地下室に設置されて居る防衛監督指令室内で、歓声の声と成って聞こえ渡って居た。





 通信機器を通じたスピーカーからも、あかぎの艦橋内で、作戦の序盤の攻撃が成功した事による喜びの声がる漏れ聞えていた。



同時に、総理官邸の防災危機対策室でも、作戦成功の喜びの声で沸き立って居た。





「まだですっ!!!」



「敵にはジョーカーカード同然である。ドラグナー皇国おうこくのヴァロニカ姫将軍が居ますっ!!」





「彼女があかぎの居場所を鋭い観察眼力で見抜き、素早く迫り来る前にっ!!敵を壊走させて、我々に対して攻撃して来る理由を無くさせて、この海戦にケリを付けさせます。」



「君主論を書いたマキャベリ曰く、戦をやるからには、一発で・・・・一回限りで、スパッと計画に行うべきと有ります。」



「早々戦を何度もやる事や長引かせる事は得策では無いからです。」



「直ぐに次に作戦フェイズに移行しますっ!!戦地から南方向海域で待機して居る。海自潜水艦隊司令官の藤堂一等海佐に繋いで下さいっ!!」



「作戦フェイズ3を開始せよと・・・・・・・・・・・・・」





「了解です。」





「此方は交援省の防衛課の伊丹です。藤堂一等海佐に繋いで下さい。」







伊丹は急ぎ、次なる作戦である潜水艦隊による攻撃を行う為に通信機に手を掛けて行く。











アースティア暦 1000年・西暦2030年・ 6月3日・午前9時32分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本国・日本国領海・東シナ海近海域・日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」集結地点が一つ・南雲護衛隊群旗下・海自潜水艦隊・『藤堂潜水艦隊』・旗艦そうりゅう型潜水艦そうりゅうの発令所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









 海自潜水艦隊の陣容はと言うと、そうりゅう型潜水艦そうりゅう・うんりゅう・はくりゅう・ずいりゅう。



 おやしお型潜水艦みちしお・うずしお・まきしお・いそしお等による水中からの側面奇襲攻撃を加える予定をして居た。



 伊丹は作戦開始の命令を伝える為に通信を繋ぐ。



 次なる作戦とは、詰まり、魚雷と対艦ミサイルが、ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊を襲うのである。



 これで第一外征艦隊は、正面と東と南方向から攻撃を受けて居ると勘違いを起して、更に余計な混乱する目論見と成って居た。



第一外征艦隊の本隊からの急報を受けた帝国の飛竜航空隊は、急ぎ自軍の艦隊を守る為に、急ぎ反転をするだろう。





 其処へ沖縄の空自航空隊が、彼らの背後から襲うのである。



 更に止めにと言わんばかりに、海自艦隊は、一斉に対艦ミサイルを撃ち放つだろう。



 止め一撃と成る最後の攻撃には、あかぎの航空隊と潜水艦隊による残敵の掃討戦が行われる予定である。





 ちなみに海賊艦隊の方は、海保と海自の共同作戦で尖閣諸島付近での迎撃作戦が立てられて居た。





海自潜水艦隊は、第一外征艦隊の本隊から30キロ南の位置に、そうりゅう型の潜水艦が潜伏し、先鋒隊の本隊から20南東方向キロ付近に、おやしお型潜水艦がこっそりと潜伏をしながら配置に付いて居る。





 我が国の潜水艦隊は、あの米軍でも演習で翻弄が出きるほどの手だれだと言われて居るほど優秀と噂されて居る。





 科学が衰退して居るこの世界で、潜水艦の存在を知る者は少ないだろうと思われる。



 更に付け加えるのなら、潜水艦の発見すら難しい言えるのだ。





そうりゅう型潜水艦そうりゅうの発令所では、赤く染まって居る船内では、潜水艦隊の司令官を勤めている藤堂一等海佐に命令の通信が入る。





「藤堂一佐、交援省の防衛課の伊丹一尉から通信が入って居ます。」



「分かった」と言って、ヘッドホンのマイクを通じて伊丹と通信を始める藤堂一佐。



「代わりました、藤堂です。」





「藤堂一佐、少し早いですが、作戦フェイズ3を開始して下さい。」





「了解したっ!!各艦に繋げっ!!!」





「はい。」





 通信士担当の隊員が、各潜水艦に通信を繋ぐ。





「これより作戦フェイズ3を開始する。各艦魚雷及び対艦ミサイル撃ち方っ!!よーいっ!!」





各艦では、発射体制とGPS搭載の人工衛星と日本のレーダー基地から送られて来るデータリンクにより、攻撃目標である敵艦隊への進路設定を終えていた。



 藤堂の下には、発射準備が完了して居る伝える隊員達の報せが、くどい位に確認が出来て居る。





 作戦開始前に、何度も訓練や本作戦想定して予行演習を繰り返し、手順を確認して来て居る。





 演習以外で、此処までするのは、失敗が出きない本番でも有るからだ。





 何せ自衛隊・・・・海自創設以来の初の本格的な防衛戦であり、日本の潜水艦隊に取っても旧軍以来の85年ぶりの実戦でもあるからだ。





 藤堂を始め、この作戦に関わる潜水艦隊の隊員達は緊張の色を隠せない。





「藤堂一佐っ!旗下の各艦からは、全ての準備完了との最終報告が来て居りますっ!」



「それと、一撃目には、見た目が派手な格好をして居る敵艦を狙えっ!!!」



「派手な敵艦であり・・・ああ、なるほど。了解しましたっ!!!」と藤堂一佐の意図を理解した、そうりゅう副長は、通信で各艦の砲雷長や近くに居るそうりゅうの砲雷長に耳打ちをして目標を設定させて行く。



「第一派に措ける魚雷及び対艦ミサイルの発射設定の完了っ!!!」



「良しっ!!撃ちー方始めっ!!」





「撃ちか方っ!!始めっ!!」





藤堂が命令を発すると、一斉にそうりゅう型潜水艦が帝国艦隊の本隊に向って、西から対艦ミサイルを発射し、おやしお型の潜水艦隊は、魚雷を先鋒隊の殆んどを占めている第一外征艦隊に所属する帝国水上航行型艦に狙いを向けられ、魚雷を撃ち込んで行った。



 レーダーには、魚雷と敵である目標が映し出されて居る。





 第一外征艦隊は、今だ多数の艦が健在であり、これを出来る限り始末して追い返すのが作戦成功と言えるのが、今の日本と自衛隊の限界だった。





地球での現代戦と違って、この世界の戦争は兵器と兵力の大量投入が当たり前なのである。



 とある宇宙世紀世界の宇宙コロニー独立公国制度国家軍の将軍が、自国の総帥である長兄に対して言って居る様に「戦い数だよ。」と言うのこの世界では実践して居ると言えるのだった。



 魚雷と対艦ミサイルは、まるで忍者のように忍び寄り、第一外征艦隊の思いも寄らぬ方向から迫って居たのである。









 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前9時45分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・日本国・東シナ海近海域及びローラーナ帝国領・シャッポロ州・龍雲海沖近海域付近・ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊・第2陣・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊・侵攻中海域・第一外征艦隊・ネーレイ・マモー・ハンズ旗下直属艦隊・通称ネーレイ艦隊・第一艦隊所属・海上鋼鉄戦艦ザージェント・マモーハンズ艦橋にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  









一方の第一外征艦隊の先鋒隊は、ドラグナー艦隊の撤退を見送りながら、その進路を東へ東へと前進を続けていた。





 第一外征艦隊・第一艦隊の司令官のネーレイは、飢えた獣の如く獲物を求めて、艦隊を進めて行く。





 其処へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「申し上げますっ!!」





「何なんだいっ!そんなに慌ててっ!?」





「はっ!我が方の第一外征艦隊・本隊がっ!!!ニホン海軍の奇襲攻撃に遭って居ります。」





「何だって? はっ!?そうかいっ!わたしらは、目の前に居る筈の奴らに、まんまと一杯食わされた訳かいっ!!!」





「ネーレイ様。もしや・・・・・・・・・」





「そうさねっ!わたし達の目の前の居ると過程して居るニホン艦隊は囮だっ!!!」





「このまま行けば我が方の艦隊は、ニホンの奇襲を受け続けて混乱し、各個撃破されると言う訳さっ!!」





「それではっ!取り急ぎ進軍して居る全飛竜隊を呼び戻しませんとっ!!!」





「誰かあるっ!!!」





「はっ!!」





「前方を進軍して居る間抜けどもを、急いで呼び戻して来いっ!!!」





ネーレイに命じられた伝令官は、取り急ぎ艦隊前方を進軍して居るであろう飛竜隊に対して、多数の飛竜を飛ばして伝令に行くのであった。





その時である。





 伝令の飛竜が飛び立ってから間も無くして、それ等は突如として、ネーレイと第一外征艦隊・第一艦隊を襲ったのである。





 最初の一発は、魔導戦艦ゼムランの動力炉に直撃した。





「まっ!!魔導戦艦ゼムラン轟沈っ!!!!」





「なっ!?何が起こったって言うんだいっ?」





「判りませんっ!!」





彼らは魚雷を知らない。





 たがら撃ち込まれた物が、何なのかが理解が出きないし、想像も出きないのだ。



そして、次に襲われたのは後方に位置して居た陸上魔導揚陸艦と陸上魔導戦艦の艦隊である。





 陸上魔導艦と言うのは、陸上と水上の上をホバー走行して居る船で、浮遊魔導機関を有して居る。





 その浮遊力を生かして海上でも航行可能な船でも有るだ。



 陸上での主力兵器一つにして、民間でも陸上での物資を運搬する船として運用されて居る。



元々は魔法国家や旧科学文明で作られた船である。





 今は旧文明の劣化版の量産船と発掘船、更に改修延命処置を施した船が稼動し続けて居た。





「陸上魔導戦艦ガロップっ!!ジロップっ!!爆沈。」





水面の上を擦れ擦れ航行していた陸上魔導戦艦は、本来なら魚雷が当たる事が、先ず無いだろう。





 其処で防衛省と交援省と言うか、竜史が目標に到達した時点で魚雷に自爆コードを作動させられないかと海自関係者に聞いたのだ。



 理論上は可能と言うので専用のプログラムを搭載した魚雷を現行の魚雷を改良して試作し、データ取りと証して実戦導入して見た。





 実戦前の演習では、作動に問題無いと結果が出で居る。







この魚雷は、目標とした陸上魔導揚陸艦の真下に到達すると爆発して、艦の真下を爆風の水柱と破片で大穴を明けて沈める。





 短期間で作られた改良型魚雷は、どうやら目論見通りの能力を発揮に成功した様だった。





 ドカドカっ!!ドッカーン! と言う爆発音が鳴り響き、続けて艦船にひび割れが入る音がガガガガガッ!と言う大きな音を立てなながら艦艇を傾かせて行く。





「「「「「うああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」」」」」





 魚雷による攻撃は、ネーレイが乗艦して居る海上鋼鉄戦艦ザージェント・マモーハンズにも到達した。



 しかし、チョッとだけ的がずれた為か、狙って居た後部動力炉の区画では無く、ややズレた場所である艦首に火柱が立ち上がった。



 被害を受けた海上鋼鉄戦艦ザージェント・マモーハンズ艦首には、魚雷攻撃による大穴が開いて、多数の死傷者を出してしまった。





「被害報告っ!!」





「かっ、艦首に被弾っ!」





「何処からだっ!?何処から狙われたっのだ!?」





「不明ですっ!!!」





「ニホンとやらは、長距離魔法か長距離魔法兵器でも有して居るのかっ!?」





「ビンラー様とデビッド様から乗船して居らる艦隊旗艦にも、同じ様な被害報告が来て居ります。」





「くそっ!!良くもやってくれたねぇ・・・・・」





ネーレイは怨みの呪詛を吐きつつ、物凄い形相で艦橋内の天井を睨んで居た。





 藤堂一佐が手始めに狙い撃ちにしたのは、旗艦及び旗艦に近い敵艦であった。



 その理由は、その見た目が派手な姿格好をして居るから、指揮官が乗って居るだろうと言う理由からであった。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・ 6月3日・午前9時52分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本国・日本国領海・東シナ海近海域・日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」集結地点が一つ・南雲護衛隊群旗下・海自潜水艦隊・『藤堂潜水艦隊』・旗艦そうりゅう型潜水艦そうりゅうの発令所にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 後に日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」・南雲護衛隊群旗下・海自潜水艦隊・『藤堂潜水艦隊』と呼ばれる事に成る藤堂一佐の潜水艦隊。





 そんな旗艦そうりゅう型潜水艦そうりゅうの発令所では、赤く染まって居る船内では、潜水艦隊の司令官を勤めている藤堂一等海佐に第一派攻撃の結果がP-3C哨戒機から報告された。



「此方はローラーナ帝国艦隊を監視警戒中のP-3C哨戒機隊・601号機です。」



「藤堂隊の第一派攻撃は、成功せりっ!!詳細は不明なれども、撃沈少数っ!!!大破多数っ!!中破複数を確認せりっ!!!」



「指揮官が居ると思わしき、旗艦艇は?」



「撃沈3っ!!大破5と思われるっ!!!」



「よしっ!!第二次攻撃だっ!!急げえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と藤堂一佐は、続けてネーレイ艦隊を含めた艦隊への攻撃を加えるとの命令を下した。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午後9時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・日本列島・日本国内全土地域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 





 戦闘開始から30分以上が間も無く経過し様として居る。



 その日の各テレビ局の午前中のバラエティー番組系列ニュースが、始まったばかりであった。





それらの番組は急遽、その日の放送予定だった内容を変更し、速報ニースとして臨時ニュース番組が放送される事と成った。



 それまでは日本の南の国境の海上で戦闘が起きるかも知れないと報道で流されて居り、日本政府は万が一の事態に備えて、南西諸島全域で非難準備命令を出して居た。





しかし、2日前に報道された臨時ニュース以降の日本国内では、戦争に関する報道は少なく成って居た。



 やはり、実際に危機に成らないと我が国の国民達に取って、戦争とは他人事なのだ。





 特に該当地域以外では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「緊急速報ですっ!!6月1日に政府から発表が有りましたローラーナ帝国軍の動向ですが、今日7時40分に確認されて居たローラーナ帝国艦隊は、8時50頃に東シナ海と龍雲海との間で、自衛隊とローラーナ帝国軍の間で、武力衝突による戦闘に入ったと、日本政府及び防衛省から緊急発表が有りました。」





「現在、自衛隊が国外での戦闘を管理監督すると定めた特殊国外地派遣遠征有事法、通称を特征法を適用し、国外迎撃作戦を遂行するべく、交援省に指揮権限が移行しました。」





「現在、福岡市内の交援省の防衛監督指令室では、自衛隊による作戦を遂行中であると、交援省の報道官である片瀬報道官により発表が有りました。」





「現在、作戦は自衛隊が有利に進められ、順調に作戦が遂行されて居るとの事です。」





「交援省と防衛省は、航空護衛艦の航空隊による奇襲作戦に成功したと発表して居り、続報が有り次第、新たな発表すると言って居ります。」





この報道で日本国民達は不本意ながらも、85年振りに戦争に成ってしまった事に、ようやく気が付く事と成った。



国内では戦争に反対の声を上げてデモ行進をする団体や、国家の危機に対して進んで防衛力と周辺国との国交と同盟条約を進めるべきだと言う団体と世論は二分する事態と成ってしまって居る。



 事態に気が付いたのは良いが、こんな状態に成ったとしても、未だに煮え切らないのも日本人らしい。





 しかし、日本に取って、この戦いは本当の困難と危機は、まだ本の序の口で始まりに過ぎないのである。

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前9時20分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・沖縄県・南西諸島・先島諸島・石垣市・登野城・尖閣尖閣諸島・尖閣諸島海域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 自衛隊とローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊との激しい攻防と言いたいが、事実上の自衛隊側のワンサイドゲーム状態が続いて居た。





 一方の第一外征艦隊の別働隊として雇われて居る海賊艦隊は、ドラグナー皇国のサリヴァン市港を出発してから2日掛けて、尖閣諸島沖まで到達しつつあった。



 このまま行けば、宮古列島と八重山列島から成る先島諸島に到達する可能性が大であった。





 これに対して先島諸島を自治する各市町村は、日本政府に自衛隊に対して防衛出動を要請して居た。



 常日頃から南西諸島の島民らは、太平洋戦争での経験から、防衛体制の構築や自衛隊の増強、更には米軍駐留を無くして欲しいと言って居るが、いざ危機と成ると今まで迷惑な基地と輩と罵って居たのに、実に奇妙な物と思えて来る。



 危機感と言う者は本当に目の当たりにでもしないと分かり辛い物なのだ。





 同地方の自衛隊員らは沖縄県と奄美諸島出身らで占められて居る。



 日頃から日陰者と後ろ指を刺されて居たのに、此処に来て英雄の扱いをされて居る事に困惑して居た。



 そんな自衛隊と米軍の基地問題を抱えて居る同地方から防衛出動を受けた防衛省と海上保安庁は、合同で尖閣諸島沖へとミサイル艇5艇と護衛艦7隻と巡視船20隻を掻き集めて、警戒に当たって居た。



 また、先島諸島の全島に対して緊急避難命令が発令されていた。



 避難先は、台湾共和国と成って居て、台湾政府が派遣した台湾海軍の迎えが来る予定に成って居る。





 避難をする各島の地域住民らは、チャーターしたフェリーで非難を余儀無くされて居た。



 この避難は台湾侵攻や某国の攻撃を受けた場合を想定したマニュアルを基に遂行されて居るが、南西諸島の戦災避難による全島退避は、困難を極めると共に犠牲者ゼロを完遂するのはほぼ不可能に等しいと言われて居る。



 攻め手である敵側が何もして来なければ、可能であるが、常識的な考えをすれば、そんな事は有り得ないに等しいと言えるだろう。





日本政府は交援省の調査結果に措いて、海賊は乱捕り行為を行うとシベリナ連合各国の商会関係者と異世界各国軍からの聞き取り調査で得て居た。



 乱捕りと言えば、先ずは財貨を手当たり次第に奪うの事を一般の方々は真っ先に思い浮かべるだろう。



 しかしながら、そんな事は生易しい上に、それだけでは済まない。



 戦場で興奮した賊徒と言うものは、無差別に虐殺と人攫いに強姦まで行うからだ。



 性質の悪い女は、男を下に組み敷いて、女王様気取りのドS行為を好む者まで居るかも知れない。



 アースティア世界へと転移災害に遭った日本国が有った地球世界に措いてのウクライナ戦争では、ネタミール・クーチン大統領と言うロシア大統領とロシア軍の上層部らが、無差別に無抵抗の人々が男女・年齢を関係無く殺されて居る。



 どの者が敵であるか分からないし、ヒトごと更地にした方が侵攻がし易いと言う理由で無差別殺人を自国軍の兵士らに強要させて居るのである。



 兎も角、統率力の薄いと武装集団と言うのは、正規・不正規を問わずに、敵地では奴隷と強姦、虐殺行為をされる危険性を孕んで居る物である。



 そう言った危険性を回避する為に、日本政府は先島諸島の全島避難を決定したのである。



 もう、第2次大戦の様な玉砕戦行為と市民を犠牲にする事を繰り返す訳にはいかない決意とウクライナ戦争での悲劇を先島諸島の住民、沖縄のいや、日本国民全体に示したのである。





殆んどと言って良いほど、海自の護衛艦は出払って居るし、第一外征艦隊への対応に忙殺されて居る状況である。



 そんな中を佐世保地方隊の傘下に有る海上自衛隊・沖縄基地隊。



 この基地は、掃海艇を有する沖縄基地隊・第46掃海隊の3隻が所属するだけの部隊だったが、近隣に彼の赤旗共産党が牛耳って居る某国と将軍様バンザーイで盛り上がって居る空飛ぶおもちゃ作りにとても熱心な北国の船が、付近の海域を我がもの顔で居たり、ミサイルを撃ち込んだりと・・・・何かと煩い状況が続いた事が切っ掛けで配備されて居た。





 新設された主な理由として、島嶼等防衛の専用部隊の新設と言う事を理由に謳って居る。



 近年、日本海側と小笠原と沖縄に、我が物顔で現れる国際法と相手国の法律を全く無視する赤旗を掲げた無法国家が、頻繁に現れる対策の為に、ミサイル艇『はやぶさ』とゆきかぜ型護衛艦の配備が進められたのである。





ゆきかぜ型護衛艦は、はたかぜやしまかぜも含めた護衛艦の退役を見越しての建艦であった。



 しかし、次元転移の災害に伴い帝国との戦いと護衛艦艦隊の近隣諸国への派遣で、領海の防衛に穴が空きつつ在るのを危惧し、艤装が済んだ護衛艦から造船ドッグから直行で随時配備と成り、半ば無理矢理な納入と配備と成ったのだった。



  ゆきかぜ型護衛艦の配備先として、ゆきかぜ・すずかぜ・はつかぜ・まいかぜは、去年の暮れから佐世保で運用を開始し、沖縄基地への配備されて居る。



 その次に舞鶴基地には、はたにかぜ・あまつかぜ・ときつかぜ・たちかぜの配備が予定と成って対北国用の対策としての任務に就く予定だった。



 それに続く予定ののが、なつかぜ・はまかぜ・うみかぜ・やまかぜは、横須賀を母港にして、小笠原方面の警戒任務に就く予定で在るが、就役の方は、まだまだ先に成るだろうと見られて居た。





海自は創設以来の大幅な艦船の増強と入れ替えを対大陸と半島国家対策を見越して行おうとしたが、その備えは異世界の覇権主義帝国の為の備えと成ってしまうのは、何んとも皮肉な巡り合せとしか言えないだろう。





 そして、はやぶさ型ミサイル艇にも同じことが言えた。





 実際のはやぶさは6艇しか配備されて居ない。





 この世界の日本には18艇も配備されて居るのだ。





北の彼の国がミサイルを撃ちまくり、漁船と工作船と武装船が日本の漁船を脅かす様に成って以来、この日本国では、はやぶさの増強の取り組んで来た。



 何せ、無人島の漁師小屋や誰もいない沿岸部の漁場と無人家屋と無人の漁師施設を荒らし、中に有る物なら何でも強奪し、バレたらバレたで悪びれもしない。



 オマケに軽武装で、周囲を見張る確信犯で有るからだ。



 そんな面倒な連中が、日本に密漁とコソ泥に来て居るのである。



 更に強盗までされたら溜まったもんではない。





 彼の国では、漁船は軍の管理下に有るし、兵士もお国の命令で漁に軍の任務と称して出されて居る。



 それに武装すらも持ち出して居たとしても、何ら不思議は無かった。





 そんな事情と対策が、まさか異世界の海賊退治に使われるのも笑える話で、海自幹部と隊員の多くは、冗談でも苦笑しかないと渋い顔してぼやいて居た。





一方のアルビダ・ラッグナスが率いる紅き火蜥蜴海賊団の50隻のほか、250隻の海賊艦隊は、紅き火蜥蜴海賊団とその旗艦たるアシラグーン号を中央に配置して、合計300隻もの海賊艦隊は、一路を未知と謎に満ちた国家たる日本へと向かって航行して居た。



 アシラグーン号は、真っ赤に帆を持つ帆船型の海賊船である。





 鉄板の装甲を有し、風力と魔動力機関と合わせる事で、航行速度を上げて居る。



 主要武装は、主にフランキ砲似ている大砲を用いて居るが、魔力を封じ込めた弾を撃ち出す魔導砲も有して居る。





 約30門の大砲と団員の白兵戦による総掛かり戦が、彼らの主な戦い方だ。





そして、彼女達は2日掛けて見慣れぬ島々を発見したのである。





 その島とは尖閣諸島の魚釣島だった。





「島の様子は、どうだい?」





「アルビダ姉さん、やっぱり無人島でさぁっ!」





「クソっ!此処に来て空振りとはねぇ・・・・・・」





立ち寄った島が、無人島と知った彼女は、悔しさの余り悪態を付いた。





「姉さん、他の離れ小島も、やっぱり無人島でさぁっ!」





「そうかいっ!」





「ですが、この島には見たこともない材質で作られた小さな灯台が建てられてますぜ。」





「コヨミ文字で、書かれた文章が彫られて居ます。」





海賊達が見たのは、2020年当たりに、民間の有志による者達の手によって、寄付金を集めて立てられた灯台だった。



 この灯台は、大掛かりな仕掛けが有る物では無く、台風や大時化等の大風にも耐えられる設計で、近くにはソーラーパネルと小型の風車発電機が設置されていた。





「じゃ、此処がニホンかい?」





「その離れ小島って所でしょうな。」





「それにしても、変わった板と風車ですぜ。」





「粉引きにするにしても小屋が見当たらない。」





「何の為の物でしょうな?」





 彼らはソーラーパネルや風力発電の風車が、何の為に有るのが理解が出きないらしい。







色香と煽て言う事を聞かせている手下同然の扱いを男海賊達が、彼女の配下共に尖閣諸島に小船で近付いたり、亜人海賊で空が飛べたり海を泳ぐのに適した種族が続々と島へと上陸を始めて居たが、目当てにして居た肝心のお宝所か、人っ子1人も居なかったのである。



 太陽が大分上がって来て居た午前8時30分、海賊達の動きを完璧に把握して居たと言っても過言ではない一団が、海賊達に近付いて来ていた。



 他の海賊達が、久場島と大正島から戻って着た時には、灰色と白い悪魔とも言うべき怪物船団達は、彼らの目の前に現れたのである。







 アースティア暦 1000年・西暦2030年・4月3日・午前9時35分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・沖縄県・南西諸島・先島諸島・石垣市・登野城・尖閣尖閣諸島・魚釣島沖海域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 この海賊艦隊を相手に日本政府は、防衛省・交援省・海上保安庁の省庁に命じて合同で、作戦と行動規範を策定を提出せさた。



 交援省が掻き集めた海賊の情報を元にして、海自と海保は九州地区の艦船を沖縄に集結させて居る。



 海自は佐世保と沖縄基地の護衛艦を7隻を派遣、ゆきかぜ型護衛艦とはやぶさ型ミサイル艇のさしば中心とした艦艇を展開する。





 一方の海保は、同地を管轄である第11管区海上保安本部・第7管区海上保安本部・第十管区海上保安本部から巡視船を掻き集めて巡視船おおすみを旗艦として、海保巡視船団を派遣して来て居る。





海自の指揮は、護衛艦ゆきかぜ艦長の小杉九朗太一佐。



 一方の海保の指揮官をわざわざ海賊退治の為に、巡視船おおすみの船長として指名され、一時的に第十管区海上保安本部から海野康三郎二等海上保安監を派遣して来て居た。





「それでは小杉一佐、先ずは我々から彼らに対して、警告させて貰う。」





無線で話して居るのは、海保の指揮官である海野船長である。



どっしりとした貫禄の有る髭を蓄えた男だった。





「無理を為さらない様にして下さい。何か有れば、後方のミサイル艇が救援します。」





「ああ、今回はかなり特殊なケースと言えるが、今後はこう言った事態が増えるかも知れん。」



「対処の仕方を試めす、良い機会だと思って、やって見る積りだ。」





交信を終えると海保の船団は、海賊船団が屯する魚釣島へと向って行くのであった。



 その海賊達は、一つの間違いを犯して居た。



 それは島に上陸をした事である。



 島に近付かなければ、少なくとも海自は海賊を追い払う仕事を海保に任せる予定で居た。



 何せ弾代が勿体無いのだ、それが本音でもあった。



 それに放水と機関砲の経費を比べれば放水の方が安いに決まって居るし、海賊が現れる度に、海自の護衛艦が海保の護衛と援護に出張るのは護衛艦の数も足りない。



 今回の海保の出動は、巡視船の火力不足と相手の技量を見極める目安作りの目的も含まれて居た。





 果たして、相対する海賊たち等は、どの程度の実力を有するだろうか?





交援大臣の竜史は、ある提案して居た。





 それは海上自衛隊と海上保安庁の間の組織が必要に成るのでは、ないかと言うのである。



まだ提案段階であるが、海上警備隊の創設である。





 交易路の警備と護衛を主任務とし、火力は護衛艦より少し落とした艦船での運用を旨とする組織だ。





 管轄先には、経産省の辺りに所管させては、如何かと意見書に書かれて居た。



 そうすれば、少なくとも沿岸警察として海保は、これまで通りの日本国領海内での業務が行え、海自は外敵に専念出来る様に成るからだ。





特に護衛艦が商船を護衛をし続けるのも効率が悪いと言わざる終えない。





 日本政府も学の無い竜史にしては、ある意味まともな意見として、真剣な検討を始めたらしいのである。





 さて、巡視船が300隻もの海賊船団に東から近付いて行く。





 その後ろから、はやぶさミサイル艇艇さしば以下7艇が、遠巻きに見守りながら海保船団の後に続いて居た。



 海自の護衛艦7隻は、西回りに動きを取りつつあった。



 半方位を取りつつ、海賊を追い払うのが主な目的である。





 何せ前回は、大陸の情勢が知りたくて捕虜を取ったが、今回はタダ飯食らいを成るべく取りたくないと考えて居るからだった。





アルビダが海保の巡視船団に気付いたのは、見張りをして居た海賊の1人が声を上げて知らせて来たからだ。





「姉さんっ!!!てっ、ていへんだああああぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」





「どうしたんだい?」





「ひっ、ひっ、東の方角から白くてデカイ船が、この島へと近付いて来てますぜっ!姉さんっ!!!」





彼らは聞いた事もない雑音、海保のサイレンの事だが、その奇妙で喧しい雑音に嫌悪感を抱きながら島を遠巻きに半包囲して行くの眺め見て居た。

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前9時44分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・南西諸島・沖縄県・先島諸島・石垣市・登野城・尖閣尖閣諸島・魚釣島沖海域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 海保船団を率いる海野船長は、声を高らかにして、海賊達に向けて地球世界時代でもお馴染みで、尚且つお決まりの台詞を言うのであった。





「こちらは日本国海上保安庁であるっ!!!我が日本国の固有領土たる尖閣諸島周辺の島々を不法占拠して居る者達に告げるっ!!!」





「諸君らはっ!!!我が国の領土・領海内への無断での進入及びっ!!!尖閣諸島全土地域への不法上陸を占拠して居るっ!!!」



「直ちに退去せよっ!!!直ちに退去せよっ!!!退去しなければっ!!不法入国及び不法侵入罪で全員逮捕するっ!!!」





20隻の巡視船からサイレンを鳴り散らしつつ、各砲台が海賊船団へと向けられていた。





 一方の海賊達は、そんな海保の奇妙とも言える威嚇と警告を目を丸くして聞いて居た。





「ニホン国カイジョウホアンチョウだぁ!?何者だいっ!の白い船の連中はっ!?」





白くカラフルな目立つ色彩の色合いが混ざった船は、大きな騒音を巻き散らしながらアルビダ達の目の前で、船体を横向きにして、砲台の様な物を向けて来て居た。





「姉さん。ありゃ、コヨミ文字ですぜっ!ひょっとしたら、コヨミ皇国の新しい部隊ですかね?」





学の無い海賊の1人が、推測で物を言うが、別の者が正しい答えを言い放った。





「バカかっ!奴らは自らニホン国と言って居るだろうがっ!!あれは恐らくニホンの沿岸警備船だっ!!!」





「・・・・・と言う事は・・・・ニホンが近いって事さね。」



「お前達っ!舐めた事にニホンの連中は、ご丁寧に警告をして来たよ。」





「ガハハハハハハッ!!!」





「あはははははっ!!!」





「ふはははははははっ!!!」





「くっくっくっ、バカのじゃねぇのかっ!」





「姉さんっ!殺っちまいましょうっ!!」





「あたり前だよっ!さぁ!野郎共っ!!掛かれえええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーっ!!」





「「「「「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっっっ!!!」」」」」





「「「「「ヒヤッハーーーーーーッ!!!」」」」」



 海賊達は、大船や小船に乗り込んで、自らが最も得意とする海戦や白兵戦を仕掛け様として居た。





「はぁ~、やはりこうなるか・・・・・・各船っ!撃ち方よーいっ!」





海野船長は事前に、この世界の海賊に関する資料や参考用の映画なとで対策の為の事前学習を済ませていた。





 しかし、こうもお約束な展開通りに成ると、流石に溜息が出てしまう。



 地球の海賊は、人攫いと船舶を人質にして、金銭要求と言う此方とは、別の意味で分かり易っかったが、こっちはこっちで別の意味で分かり易くて面倒だと、この場に居るであろう全員が思った。



 血の気のを多い事に、世紀末世界に居る無法者立ちが叫ぶ様な、お決まり文句のヒヤッハーを言う連中は、素直に捕まりもしなければ、この場から大人しく退く事もしないらしい。





ウィィンと駆動音を鳴らしながら砲台は海賊船へと照準を定める。





「図体がデカイだけだ、目に付いた白い木偶の坊を片っ端から沈めてやれっ!!!」





「「「「おうっ!!」」」」





とある海賊団が、船体を横向きにすると、一斉に大砲を撃とうとして居た。





「来たぞっ!!放水開始っ!!」





巡視船の各船長は、近付いて来て砲撃をしようとして来た海賊船に対して、放水砲を向けて撃ち放った。





「ぐはっ!!」





「けほけほっ!!!ぺっぺっ!!しょっぺええぇぇぇーーーーっ!!!」





「何だっ!こりゃっ!」





「こりゃ、海水だぞ!」





「お頭っ!!さっきの放水で大砲の火薬がぁっ!!」



 

交援省が、提案して居た対海賊戦に措ける初手の有効打撃である放水砲による敵船の大砲の無力化は、功を奏したらしい。





「海野船長っ!!海賊達は、この程度では、まだ退く気が無いようですっ!!」





「止む終えんっ!!機関砲っ!!撃ち方よーいっ!!海自にも協力要請しろっ!!」





「了解ですっ!!」





海野は当初の予定通りと成って居た海自の参戦を要請する事にした。



 一様、組織事の縦割りが有るので、海保で警告、後に海賊船団の撤退が無ければ、海自の介入が会議で決まって居るのである。





「小杉一佐っ!!海野二等海上保安監から共同作戦を開始したいと言って居られますっ!!」







「良しっ!!各艦右弦っ!!撃ちー方よーいっ!!」





「小杉一佐っ!!海賊の一団が、此方に気付いて向って来ますっ!!」





「くっ!仕方がない退去警告しろっ!!」





面倒な事に海賊達が、護衛艦の主砲を撃つ前に、海自側に向って来て居る。





 海自としては、一様、海保と同様に建前上は警告しなければ成らないのだった。





「此方は日本国海上自衛隊であるっ!!」





我が日本国の固有領土たる尖閣諸島周辺の島々を不法占拠して居る者達に告げるっ!!!」





「諸君らはっ!!!我が国の領土・領海内への無断での進入及びっ!!!尖閣諸島全土地域への不法上陸を占拠して居るっ!!!」



「直ちに同海域及び同諸島から退去せよっ!!! 退去せよっ!!!退去せよっ!!!退去せよっ!!!退去せよっ!!!」



「繰り返すっ!!直ちに退去せよ!!!尖閣諸島は我が日本国の領土であるっ!!速やかに退去せよ!!!」



「警告を無視した場合は、実力行使するっ!!」







出きれば彼の隣国の警備船に対しても、堂々とこんな事を言って見たいものである。



 この場に居る海自と海保の者らは、あの国に言いたくても言えなかった事への憂さ晴らしをするかの様に生き生きと仕事に専念して居た。





一方の海賊船団の30隻は「知るかボケええぇぇぇーーーーーっ!!!」と言って居る。





「問答無用か・・・仕方ない。撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!」





「了解っ!目標っ!3時方向っ!!海賊船団っ!」





「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」





船体を横向きにして各護衛艦の7隻は、一斉に前部と後部に付いて居る2基の主砲と20ミリCIWS・1基が火を噴いた。





ドンドンッ!!ドンドンッ!!ドンドンッ!!



ブオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!





海保の船団も同じく機関砲と機関銃を撃ち放った。







ブオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!



 



 ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!



 ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!



 ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!ダダダダタダッ!!!





海保の船団の左方向からミサイル艇はやぶさの7艇が現れる。





彼らは、更に海賊達を包囲する為でに左側から回り込む。





「曽我部艇長っ!!各艇予定位置に就きましたっ!!」





「良しっ!!日本の海を荒れす海賊共に情け無用っ!!!撃ちーかーた始めっ!!!」





曽我部三佐は、丸でJの名がが付く、宇宙の始末屋っ!!お呼びと有らば即参上っ!!みたいな事を言いつつ、曽我部三佐が率いるミサイル艇隊は、海賊艦隊を射程位置に捕らえ、各主砲と機銃を撃ち放つ。





ダダダダダダダダッ!!ドンドンッ!!ドンドンッ!!



ダダダダダダダダッ!!ドンドンッ!!ドンドンッ!!



ダダダダダダダダッ!!ドンドンッ!!ドンドンッ!!



ダダダダダダダダッ!!ドンドンッ!!ドンドンッ!!





「うああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!!」





「ひっ!ひひいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーっ!!!」





「ばっ!化物だああああぁぁぁぁーーーーーっ!!!」





「にっ!逃げろおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!!」



逃げ惑う海賊たち、彼らが陣取る狭い島では不利と悟ったのか、一斉に逃げる海賊や、逆に勇敢に日本の軍や警備隊に立ち向かう者も現れた。





 そんな中をアルビダは、どさくさに紛れて戦地から逃げ始めていた。





「くそっ!!こう言う事かいっ!!如何りで帝国が大艦隊を率いて攻めたがる訳だっ!!」



「トンだっ!!ハズレクジを引かされもんさね。」





「アルビダっ!!ズラかるよ!!!」





「カーリーナ義姉さん。」





「しっ、その名前は出してはダメって言ってるでしょう。」





「ごめんよ、カーリー義姉さん。」





「宜しい。」





何時も強気で妖艶なアルビダでも頭の上がらない人物が居た。





 紅き火蜥蜴海賊団の先代の頭領で既に、ドラグナー皇国の王女のヴァロニカとの戦い戦死をして居る人間族の女海賊カーリーナ・ラドスである。



 紅き火蜥蜴海賊団の女海賊達からは母であり姉の様に慕われて居た。



 勇敢で優しく美しい彼女は、既に死んで居る筈なのだが、生前に偶々手に入れた死者の宝珠と言う7アクセサリーからなる宝石を身に着けていた為に、姿の見える幽霊として現世に留まって居た。





その後は、密かにアルビダ達を見守って居たのだが、危なつかくしくて、見ていられずに、怪我で死に掛けていた今の女傭兵の身体を上手く回復させて、憑依して肉体を乗っ取り、アルビダの前に再び現れたのである。



 最初は半信半疑だったが、紅き火蜥蜴海賊団の幹部らは、自分達のしか知らない出来事を聞かされると彼女の事を受け入れたのであった。



 今は表向きの身分は、アルビダの遠縁の親戚で、義理の姉を称して居る。



 名前もカーリー・ラッグナスと以前の名前を文字って使って居た。





ちなみに幽霊の彼女が憑依して乗っ取った肉体には、痛覚を感じ難いように意識下で痛覚を切っている。



 そんな訳で無茶な治療を病院で受け、カーリーの乗っ取っている女傭兵の身体は、死地から蘇生が出きたのであった。





「それよりも男達を盾にして逃げるわよっ!!」





「はい。死んでは元子も無い。カーリー義姉さんの遺言だからさねっ!!」







紅き火蜥蜴海賊団は、甚大な被害を受ける前に、尖閣諸島から逃げ出したのである。







「小杉一佐っ!海賊達が退いて行きますっ!!」





「海保と各艦に連絡っ!!追撃するっ!!」





「了解ですっ!!」





海自と海保は国境の領海の外まで必要に、そして、徹底的に追撃を繰り返して海賊達を追い払ったのである。





 海賊側は、3万人の兵力の内、1500人が捕らえられ、1500人を討ち取られて居た。



 捕らえられた海賊達は、一旦はコヨミ皇国に送られ、其処で裁判に掛けられる。



 そして、捕らえた海賊の行った罪状の多い国に優先して送られる事と成って居た。





 日本は今回の龍雲海での交戦に措いて、捕虜を成るべく取らない方針である。



 以前に捉えた捕虜は、情報収集為の目的と日本国籍の民間船の襲撃に由る刑期が終われば、即時開放と言う事が決まって居る。



 しかしながら、ローラーナ帝国との外交チャンネルが無い為に、何処かの国を経由して帰国させるしか手立て無かった。



 その事が成されるのは、ずっと先の事に成りそうだし見られて居た。





 第二次龍雲海沖海戦で、尖閣諸島での戦いはこの様な形で幕引きと成ったのであった。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前9時58分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州地方・福岡県・福岡市・福岡市東部郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 



 第一外征艦隊の別働隊として雇われて居る海賊艦隊の撃退に、成功した日本国。



 その撃退成功の報告は、福岡市に本拠を置く、異世界国家交流総合支援省内に設置され、日本国へと侵攻して来て居るローラーナ帝国軍の撃退作戦を監督して居る交援省防衛監督指令室にも届けられて居た。





「高見大臣。尖閣諸島へと攻め込んで来た海賊船団を国境外の海域、凡そ10キロまで追撃後に、海賊船団らを撤退したとの報告が、海自と海保の両現場司令官からの通信での報告が有りました。」





「その半数を撃沈し、残り半数が逃走。今は生き残りを救助、その場で逮捕と成りました。」





「では外務課は、外務省と協力して海賊の引渡し先をシベリナ連合諸国各国と話し合って、彼らの今後の進退の処遇を取り決めて下さい。」



「それまでは、法務課と法務省、警務課と海保課で逮捕した海賊の管理を徹底して下さい。」



「それまでの行き先は、直ぐにでもコヨミ皇国との犯罪者に付いての交渉での話し合い行い。」





「交渉期間中とその後の勾留先として、南西国藩・加古島市にて勾留。」



「後に罪状に付いて裁判を行い海賊被害の罪状の多い国が優先して引き取る様にします。」





交援省の法務課とは、国内国外の捕虜や罪人の管理と収容所の管理、警察庁から派遣されて来て居る警務課の監督権を持つ部署である。



 警務課も日本が借り受けている地域での犯罪の取り締まりと、罪人の管理と治安維持に務めて居る所である。



 何かと海保と連携を取る体制の為に、海保課とは部屋が近い様に配置されている。





「分かりました。」と伊丹が言い、再び次の作戦段階の為に、モニターに目をやった。 





「さーて、作戦をフェズ4に移行しますっ!!」



「ホット&クールで、ナイスなパーリィは、これからですよ。くくくっ。神谷一佐に繋いで下さい。」と何処かのバサラ戦国武将ゲームに登場する日本刀を6つも扱う異国言葉を使うナイスガイな眼帯武将の様な言い回しを言う竜史は、次なる作戦を実施を命じた。









 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時05分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・日本列島・日本国・沖縄県・東シナ海近海域及びローラーナ帝国領・シャッポロ州・龍雲海沖近海にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  







 第二次龍雲海沖戦と呼ばれる戦いと成った戦場海域たる東シナ海の海上では、空自の第9航空団那覇基地所属の101小隊・202小隊・303小隊・404小隊・505小隊・606小隊などF‐15J戦闘機から成る30機。



 F‐2戦闘機隊から成る20機が攻撃命令を受けるまでの間を旋回飛行で、待機しながら待っていた。





「高見です。フェイズ4を発動します。第9航空団の全機に命じます。」





「奴らは最も愚かな采配で、味方の航空団を反転さて居る。」





「敵の尻に導火線を付けて、鉄と硝煙の香りが漂うホット&クールで、ナイスなパーリィで派手に持て成してやれっ!!!」





「くっくっくっ、がはははっ!!!高見っ!!!中々面白い事を言うなっ!!!!」



「サシバリーダー各機へっ!!聞いての通りだっ!!」



「折角無理やりに押し掛けて、いらっしゃった来たお客様をお土産無しで、お帰り頂くのも失礼だっ!!」



「メイいっぱい持て成して、このパーティーを楽しんで帰って貰おうじゃないかっ?」





神谷一佐が率いる第9航空団の全機は、反転して、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊の本隊を援護防衛するべく、大慌てで戻る竜騎兵航空隊へと強襲するのであった。







 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・日本列島・日本国・沖縄県・東シナ海近海域及びローラーナ帝国領・シャッポロ州・龍雲海沖近海・ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊・飛竜航空隊にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  





一方の日本国の本隊艦隊と航空隊を叩くべく、前進を続けているローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊・飛竜航空隊はと言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「伝令ええぇぇぇーーーーっ!!伝令ええぇぇぇーーー-っ!!」



「先鋒艦隊と本隊艦隊がニホン海軍の奇襲を受けて居るっ!!急ぎっ!戻れとの命令だっ!!!」





「何だとっ!?」





各隊では、伝言式に命令が伝えられて行く。既に自衛隊側が行った最初の攻撃から1時間近くが経ってようやく反転の命令が伝わったらしい。



 しかし、一番不味いのは、進軍中に戻れと命令されて、その後ろを突かれる事である。



 侵攻中の前衛部隊は、命令で大回りで艦隊へと戻り、中衛の部隊は、流れ弾と先鋒隊後衛部隊の混乱に巻き込まれて更なる混乱に陥る。





更には前へ後ろへと進む部隊同士の混乱で、如何にも成らなく成るである。







  其処へ・・・・・・・・ゴオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーッ!!と言う死神が撃ち放った空飛び槍が迫って来てしまって居た。





  どうやら彼らは、無能な指揮官の采配のせいでダメな運命を辿ったらしい。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・沖縄県・東シナ海近海域及びローラーナ帝国領・シャッポロ州・龍雲海沖近海・航空自衛隊・第9航空団にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  





 

 航空自衛隊・第9航空団は神谷一佐を先頭にして、罠に掛かって混乱に陥って居たローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊・飛竜航空隊を捕えて居た。







「第9航空団の各機へっ!!!あと3分で射程圏内に入る攻撃態勢に移れっ!!!」





 那覇基地の管制管である早瀬美加一尉から通信を通じての攻撃態勢を取れとの命令が入る。





「野郎どもっ!!聞いて通りだっ!!!。各機ターゲットロックオン・・・・・・・・・・」





 航空自衛隊・第9航空団に所属する戦闘機各機のコクピット内で、ロックオンの機械音が鳴り響く。





「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」





 神谷一佐の攻撃命令を受けた第9航空団に所属する航空隊の全機から、一斉にミサイルが放たれた。





「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・・・」





 戦闘機各機からミサイルが撃たれ、暫し短い沈黙が、スローモーションの如き長く感じられる様な雰囲気の時間が流れる。





 そして、僅か数秒後・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 ドゴオオオオォォォォーーーーーーーーンンッ!!





「全弾命中っ!!」





「やったぁぞっ!」





 全弾命中と成り、喜びの声上げる柏崎二射が叫ぶ。





「喜ぶのは早いぞっ!!!全機小隊事に散開っ!!連携して、敵機を叩けっ!!!」





「「「「「「了解っ!!」」」」」」





第9航空団は、一斉に散開して飛竜航空隊へと襲い掛かった。





 一方の飛竜航空隊の中には、冷静に状況判断が出きる部隊が居た。





 優秀だと言えるが、とても長生きが出きそうに無い者達だろう。





「クソッ!!クソッ!!クソがあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーっっっ!!」





愛騎の竜に命じて、ブレスや火炎弾を放つが、音速で飛び回るF-15とF-2に中る筈も無く。



 逆に大した抵抗する事も出来ずに、空しく撃墜されて大空の上で散って行く。



 20ミリバルカン砲で、次々とミンチにされる姿と言うのは、無残の一言に尽きるだろう。





「くっ!!来るなっ!!来るなっ!!来るなあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」





「こんな所で、死んで溜まるかあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!!」





混乱の中で一部の飛竜航空隊と指揮官の命令を聞かない竜騎士達は勝手に戦場から逃げ出して居た。





「おっ、おいっ!!勝手にっ!!」





「そんな事っ!知るかっ!!!」





「そうじゃないっ!!後ろだっ!!!」





「へ?」





 其処へ現れたのは、303小隊の隊長の速水一射だった。





「逃すものかっ!!」





ブオオオオオォォォーーーーッ!!と言う爆音を鳴り響かせたバルカン砲が撃たれた。





味方の無残な光景を見て「だからだ。」騎士の1人が呟く。





 日頃訓練や座学で教官から口を酸っぱくして、言われて居る事がある。





 戦闘中、勝手に又は力尽きて、部隊から離れれば、敵はその者から食い殺しにやって来ると。





しかし、今回は相手が悪すぎた。





 最強種の一角である竜族や竜人族でも、日本国の自慢の戦闘機に手を焼くかも知れない。





第一外征艦隊・飛竜航空隊と日本国航空自衛隊の戦いは、さながらSF映画かアニメの体を呈している光景であった。





「よーしっ!俺だってっ!」





長谷川一尉も、張り切って任務に当たっていた。ブオオオオオォォォーーーーッ!!とバルカン砲が火を吹く。



 すると其処へ別の飛竜航空隊の五騎が現れる。





「今だあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!」





「おおわわっ!!!」





 長谷川一尉は、不意を突かれたが、何とか避ける事が出来た。





「ちぃっ!!外したっ!!!各騎は連携して事に当たれっ!!!不意を付ければ、倒せるかも知れんっ!!!」





 其処へ神谷一佐が現れる。





「健児っ!!何をチョロチョロと飛んで居るっ!!!」





「何とっ!?」





 ブオオオオオオオオオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!





「うああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!」





 長谷川一尉を襲った飛竜航空隊の一隊は、神谷一佐によって撃ち取られた。 





「先輩、済みませんでした。」





「構わんっ!各機へ油断するなっ!手負いの獣は怖いぞおおおぉぉぉーーーーっ!!!」





「神谷一佐っ!此方は那覇基地です。交援省から命令通達です。」





「最後に、もう一中てしたら、貴隊は下がって構わないとの事です。」





「了解した。」





 第9航空団の各機は、態勢を立て直すと、余って残って居るミサイルを敵に撃ち放って基地へと帰等したのであった。







アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・日本国・東シナ海近海域及びローラーナ帝国領・シャッポロ州・龍雲海沖近海域付近・ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊・第4陣・総旗艦・魔導空挺戦艦ザージェント・ギワザン・ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  





第一外征艦隊の艦隊旗艦である空挺戦艦ザージェント・ギワザンに居るギワザンは、伝令官から驚愕の事実が伝えられた。





「何だとっ!!!」





「はっ、日本軍の鉄竜の追撃に遭い。670騎居た筈の飛竜航空隊が、600騎も討ち取られてしまいましたっ!」





「おっおっおっ、おのれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」





「ギワザン閣下っ!!!東方向から何か来ますっ!!!」





日本の戦術と戦略に翻弄されて、怒り心頭のギワザンに、自衛隊は更なる追い討ちを掛ける。



 現場をプロに任せて居るとは言え、指揮権を持っている竜史は、戦略シュミレーションゲームでも性質の悪い攻め方を得意として居る。



 なので、ある意味、天性の感覚的に敵の痛い時期を見計らって、やりたい放題して居たのだった。





「しかし、高見君も性格の悪いやり方をしますね~」





藤原は事前に作戦を会議で、打ち合わせをして居たとは言え、敵の嫌な位置を攻めさせる命令を下した竜史の事を半ば苦笑した顔付きで見ていた。



 勿論、竜史の作戦提案は、伊丹や現場の指揮官の意見を求め上で意見を述べていた。





 特に彼の追撃のタイミングと言うは、本職である自衛官達が苦笑するほど、敵にとって最も嫌なタイミングであった。







「さぁ、フィナーレと行きましょうか・・・・・・」





「作戦フェイズ5に移行っ!!!美味しいメインディッシュは、我が国自慢の対艦ミサイルにアスロックの盛り合わせですっ!!!」



「甘ーいお菓子のデザートは、航空隊の爆装アラモードの盛り合わせとなっています。」



「それでも退かなければアメリカさんに、指導して貰って改装させた偵察機のグローバルホークをミサイルの爆装と言うお重箱をお土産で、お持ち帰りして貰いましょう。」





「怖っ!!」と防衛監督指令室内の全員が思った。



 因みに、この世界の日本のグローバルホークは、只の無人偵察機として導入され、武装はされて居なかった。



 だが、戦力不足を補う目的の為に、敵基地の攻撃と迎撃目的のみ爆装改装機の使用可能と法改正が成されて居る。





その改修作業は、米軍の指導の下で行われて居た。



 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・日本国・日本国領海・沖縄県・東シナ海近海域・日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」集結地点・旗艦・航空護衛艦あかぎ・あかぎ艦橋にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









航空護衛艦あかぎの艦橋では、護衛艦のこんごう・あたご・しらね・むらさめ・きりさめ・さわぎり・うみぎりに対して命令を発した。





「各艦っ!SSM及びアスロックを発射っ!目標っ!帝国艦隊本隊っ!!!発射後に第3次航空攻撃を開始せよっ!!!」





「了解っ!!」





司令官である南雲一佐は、帝国艦隊に対して、止めを刺す態勢に入った。





 護衛艦の定番装備とも言える4連装SSMとロケット式魚雷のアスロックである。





「ターゲットロック完了。」





「撃ちー方っ!始めっ!!」





海自艦隊からロッケット噴射の轟音が響き渡り、帝国艦隊へと対艦ミサイルが飛んで行く。





「空自航空隊っ!!第一航空隊・第二航空隊っ!全機発艦開始っ!!!」





燃料と整備、それに弾薬の補給を済ませた空自航空隊は、第3次航空攻撃を開始するのであった。







 その数分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 ゴオオオオオオオオォォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!・・・・・・・・・・・・ドッカアアァァァァーーーーーーーーーーンッ!!!





「ギワザン閣下っ!敵の航空隊による3次攻撃ですっ!!」





「ぐううっっ!!ぬぬぬぬっっっ!!」





パキンと言う指揮棒を折る音が艦橋に響き渡った。



 ギワザンの目の前には、好き放題に暴れまわる日本の航空自衛隊、更に何処からとも無く現れる鉄の槍こと対艦ミサイルに、謎の爆風魔法ではないかと思われている恐怖の魚雷攻撃の嵐だった。





「撤退だっ!!」



 ギワザンは軽く、そして悔しそうに呟く。



「はぁ?」





「撤退だと言って居るっ!!!二度も言わすなっ!!!この馬鹿者がっ!!!」





「はっ!!はいっ!!!!」





怒り心頭のギワザンに言われて、副官や伝令官らは、慌てて撤退命令を出した。





 その撤退命令が出された丁度その頃だった。





 日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」に危機が迫って居た。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時33分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本国・日本国領海・沖縄県・東シナ海近海域・日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊・通称名「南雲護衛隊群」にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 日本国政府並びに異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室が主導する防衛作戦は、いよいよ終盤戦に差し掛かろうとして居た。 



 このローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊と日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」との大海戦は、アースティア大戦末期序盤に措ける転換点との見方をする歴史学者も多く居り、高見竜史と言う何の変哲もない青年が偉人の一人として扱われ始めたとも言うべき出来事でもあった。



 しかしながら、日本国政府並びに異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室でも予想はして居たが、その前に決着を付けられ無いと言うか、防ぎ様の無い事態に陥ってしまう。





 そんな難敵たる人物が、南雲一佐が率いて居る護衛隊群へと低空飛行で向う一団と成って現れたのだ。





「居たっ!!見付けたぞっ!!!」





ヴァロニカは、合身した赤い龍鎧器、ドラグアーマーを身に纏い、獲物を捕らえた事に喜び、ニヤリと笑って居た。



 その後ろに続くのは、紫色のドラグアーマーのアイリーと青色のドラグアーマーのコレットである。



 その指揮下で動くレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団は、120騎の精鋭で、全員が龍鎧器ドラグアーマーの形態に変身した完全武装状態である。







 これはドラグナー皇国の騎聖龍士が、日本国軍(自衛隊)が手強い敵であり、本気で渡り合えると判断して上で、全力を以てして立ち向かって来た証拠であった。





「姫さまっ!!!」





「ヴァロニカ様っ!!!やりましょうっ!!!!」



「我らはっ!!栄えあるドラグナー皇国おうこくのレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団ですっ!!」





「敵の顔を拝まずに、殺られたと有ってはっ!!武人の名誉を傷付けられた事と成りますっ!!」







何時もほんわかしていて、母性溢れ、物凄く怪しからん爆乳を持ったアイリーと生真面目で、姉とは対照的な洗濯板を持って居て、何時も男に間違われるコレットの二人が、非常に真剣な表情をして居た。



 それは敵陣に突入して、死ぬ覚悟が出来て居る顔付きだった。



 そんな顔付をして居るのは、二人だけでは無い。



 此処に居る突撃部隊は、何れもヴァロニカ・サークラ・レアモンの子飼いの者達である。





 それも元々は戦をする様な女性達では無い人々であった。



 ある者は貧困、ある者は意中の男性や夫を失い。



 ある者は、犯罪者等と言った出自や身分であった。



 そう、彼女達は、過去に何かしかの経歴の中では、様々な傷を持って居る者が多く居たのだ。





アイリーは、貧困からコレットと共に盗賊家業をしたり、盗みを働いて居た一団を率いていた。



 男を誑かしたりして、盗み取るお金を生活の糧にして居た所をヴァロニカに討伐されたのである。





 その際、彼女達らは死を覚悟した時に、ヴァロニカに言われたのが「更生するなら職を与えると言われ、更生しないなら裁判後に、極刑か処刑だ」と言われた。



この様に言われたアイリーは、全身に稲妻の痺れを感じるかのように陥った。





そして、彼女達は、その場で年下の皇女に忠誠を誓ったのである。



 当初は斡旋して貰った仕事は、後宮のメイドであり、ヴァロニカの御付きだった。



 そして、盗賊団時代の腕も買われて、騎士団の厳しい訓練にも耐えて騎士団の近衛隊としても腕を振るって居る。



 メイド仕事に苦戦していたコレットも、姉の後に続いて騎士団入りを果たしていた。





だからである、自分達をとても大事にして貰って居る姫様の為に、文字通りに命を投げ出して居る覚悟が有るのだ。



 それ故に、レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の団結力は大陸図一と謳われる騎士団の一つと謳われて居た。



 ローラーナ帝国に敗北しても尚も、その武名を恐れて帝国は、ドラグナー皇国とレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団とそれらを率いるヴァロニカを如何にも出来なかったのである。



 彼女達に対して、拘束も出来なかったし、ドラグナー皇国が帝国の従属国に落ちた後も、ヴァロニカとレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団を放逐するしか無かった。





 更には・・・・様々な言い掛かりを付けて処刑すらも出来ないし、ヴァロニカの人気に対して、ローラーナ帝国は手を出せないと言う始末。



 そんな異世界最強の武人が海自艦隊に向って居た。







「ニホンの鉄槍も、攻撃目標とする対象物の至近距離に達するまで、低空飛行をして居た。」



「これらの状況判断からして、彼の鉄槍が低空飛行を取るのも、恐らく何らかの理由で、敵からの探知と発見がし辛いと見た。」





「その様ですわね。姫様、我々が此処まで近付いても何もして来ないと言う事は・・・・・・・・・」





「そうだアイリー、奴らは対人対空戦に対して備えが薄い。恐らくは異界では対人対空戦事態が無いか、廃れてしまって居るのかの何方かだろう。」



「私の考えでは有るが、異世界では対人対空戦その物が無いと見て居る。」



「その考え方が当たって居ると言う見方の結果がこの状況だと言う事に成る。」



「だから此処まで来れたと言う事に成る。」とヴァロニカは、地球世界での対空戦に措ける戦術・戦略の体型を予想や憶測でピタリと言い当て見せたのは、驚嘆に値するだろう。



「流石は姫さまです。」と言うコレット。





「だが、この手は一度きりか、後数回限りに成るだろうな。」



「この戦での出来事を見聞きする限りでは、恐らく二ホンは、かなりの技術を持った技術立国なのであろう。」



「この様な小手先だけの手口は、何れは防がれてしまう。敵も愚かではない。」





「さて、今は敵が最も得意とする戦術を盗られたら、その持ち主たる相手がどう言う反応するだろうなが楽しみだな。」



「ふふ・・・・・・・」





楽しみだと言う顔して不敵に笑いながら、護衛艦隊との距離を詰める。



 距離が9キロを切ったタイミングで、旗艦である航空護衛艦を始めとする中心艦隊艦隊の護衛を務めるごんごうを始めとする護衛艦隊は、一斉に警報を発した。





「南雲一佐っ!!!大変ですっ!!!」





「如何したっ!?」





「レーダー班と監視班からですっ!」





「微弱な反応ですが、南東方向に微かに飛行物体の反応が有りましたっ!!!」



「それで目視の監視をして居た各艦の隊員が、一斉に此方に向かって来る物体を視認。」



「良く見ると、鎧を着た一団が南東の方角から此方に向って来ますっ!!!」





「・・・・・如何やら此処の艦隊が見つかったらしい。楽な海戦かと思って居たが、実戦と言うのは思わぬ出来事が起こるものだな。」





「各艦っ!!!総員対空戦闘よおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーいっ!!!」





「強敵が来るぞおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!」



「総員っ!!!気を引き締めて掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」



「これから来る相手は、アイアン・ブラッド・プリンセスっ!!!」





「血染めの鋼鉄姫将軍っ!!!ヴァロニカ・サークラ・レアモン姫将軍と言わる人物だっ!!!」





「それもっ!!この世界で最強の武人がなっ!!!」





「了解っ!!各艦総員っ!!全力射で迎え撃ちますっ!!!」





「我らは、何としても持ち堪えねば成らないっ!!!」





「あと少しだ、あと少しで決着が付く・・・・・・・・・・」







監視衛星からは侵攻して来た、帝ローラーナ国艦隊が、撤退を始めて居るらしいとの結果が報告され始めていた。





 何時までかは、分からないが、一定時間の間だけ、耐える必要があった。



 主砲や20ミリ機関砲、迎撃ミサイルが直ちに射撃体勢を取った。



 最初に複数のミサイルが撃ち放たれる。





「この近距離だっ!!奴らも流石に気付いたかっ!?迎撃が来るぞ!!皆っ!突っ込めえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!」





「「「「「「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっっ!!!」」」」」」





 ヴァロニカを先頭にして、レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団は、決死の覚悟の特攻を仕掛けたのだった。



 

 ガキイィィィンンンっ!!!と鳴り響かせ、魔力強化され、更には特殊な造りの剣が受けた砲弾やミサイルが切り裂かれる。



 機関砲は集中的に正面を厚くして張られた魔法障壁でダメージを軽減されてしまいます。



 例え撃ち落とされたとしても、墜落するだけでも済んで居た。



 戦闘が無理だと感じれば、魔法障壁を応用して膜を張って水中から撤退すれば、大怪我を追わずに逃げられる事も可能だった。







「信じられませんっ!!!120人の空飛ぶ騎士を確認しましたが、脱落がたったの5人ですっ!!!」





「嘘だろ・・・砲弾にミサイル、機関砲を受けて、怯まずに来るなんて・・・・・・・・・」





「確かに・・・・アレは精鋭だ。」





「南雲一佐・・・・・・・・・」





「藤田2佐っ!全力で何としてでも防ぐんだっ!!!」





「敵は我々の想像も及ばない本物の武人だ・・・・・・」





「はっ!!」





藤田2佐が更に激を飛ばそうとした時だった。





「ほっ、本艦のちょ、直上に真紅の騎士ですっ!!!!」





「なあぁぁぁぁにいいぃぃーーーっ!?」





南雲一佐が滑走路の甲板方向の艦橋の窓から空を見上げた。



 其処には、赤い彗星の如く、あかぎを魔法剣シルヴァロスから放たれる必殺技、ヴァロスカリブレイカーを放とうと構えていた。







「迎撃っ!!!」と別の隊員が通信で叫ぼうとしたが。





「こんごうっ!!主砲に被弾っ!!」







「しらね、青い騎士から攻撃を受けて、二番主砲とシースパロー発射機に被弾!」







「その他各艦にも、同じく被弾しましたっ!!!」





「何れも光弾と斬撃によるものと報告が来ておりますっ!!!」





 航空護衛艦あかぎの撃沈を確信し、乗員の生命を優先した南雲一佐が退艦命令を出します。







「遺憾ながら、あかぎから総員退艦だっ!!!出撃中の航空隊は、沖縄基地へと退避させろっ!!!」



 航空護衛艦あかぎ艦内では、退艦警報が発令され、艦内から大慌てで脱出しようと慌しく駆け回る隊員達は、整然と退艦を始めて行く。



一方のヴァロニカは、魔力をチャージをしながら、あかぎを見下ろして高らかに名乗りを上げた。





「大きいな・・・・だが・・・・・・・」





「後一歩であったなニホン軍の諸君っ!!!わたしはヴァロニカ・サークラ・レアモンっ!!!」



「ドラグナー皇国第一皇女っ!!!レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の団長であるっ!!!」



「これは散々に我ら騎士団を痛ぶってくれた礼だっ!!!得と味わうが良いっ!!!」





ヴァロニカのドラグアーマーと魔法剣シルヴァロスの二つが、真っ赤に閃光を放って居た。





 周囲の景色も赤く染まろうとして居て、赤く染まった閃光からは、バチバチと音を立て居る。





「全てを灰燼に滅せよっ!!!滅殺っ!!!ヴァロスっ、カリブレイカーーっ!!」





「うあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!とーめーてえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっっ!!!」





「姫様っ!後ろっ!後ろっ!」とアイリーが、西の空から飛んで落ちて来た物体の注意喚起をしたのも空しく、ヴァロニカにぶつかるのであった。







「えっ?!」





ヴァロニカの間抜けな声と共に、ゴチンとぶつかる音がすると飛んできた何かとヴァロスカリブレイカーを放とうとして居たヴァロニカは、クルクルと回りながら、あかぎの甲板に落ちると、ゴロゴロと転がって最後には、後部甲板から海中へとドボーンと落ちてしまう。





「けほけほっ!!ぺっぺっぺっ!!ぷはっ!はぁはぁはぁ・・・・・ふぅーっ!!やっと止まったよ~っ!!」





「んん???」





「あれ?此処は、一体、何所なのだ?」





甲板に無我夢中で飛んで這い上がって来たのは、白い羽を持った人物であった。



 突然の事に動揺する南雲は、冷静に護衛艦隊に向けて、撃ち方止めと命令を発すると、同じく想定外の展開と成ってしまったレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の者達も、自然と戦闘を止めるのだった。







「あっ?!あっ、あの人は・・・・」





「なっ?!何でっ!!こんな所にっ!?」





アイリーとコレットもポカンとした顔付きで、あかぎの甲板で、びしょ濡れの人物をじっと見詰めて居たのである。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・ 6月3日・午前10時33分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州地方・福岡県・福岡市・福岡市東部郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 





さて、話はレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の奇襲の7分前くらいに遡る事に成る。



龍雲海沖海戦に措ける戦闘の推移を異世界国家交流総合支援省・防衛監督指令室で見て居る竜史達。



 それ在日米軍や米軍のハワイ・太平洋艦隊からの協力体制の下で提供を受けて居る監視用ドローンやグローバルホーク等から送られて来る映像をモニターやスクリーン越しで、竜史を始めとする大臣と課長クラス、そして官僚と一般職員のメンバー等は見て居た。





其処へと更なる急報が入る。



 それと同時に映像から送られて来る海自艦隊からも、異世界国家交流総合支援省・防衛監督指令室を含めた関係各所へと緊急警報が鳴り響いた。





「大変ですっ!!我が海自護衛隊群艦隊に向って来る微弱な反応を持った飛行物体を感知しましたっ!!」



「物凄い勢いで護衛隊群へと進軍をして来る模様っ!!!」





普通なら防衛課の課長たる伊丹を介するのが決まりなのだが、緊急であった為に、出向して派遣されて来て居る海自隊員が、声を荒げながら竜史達らに訴えて来て居た。





「それじゃ、あの警報は・・・・・・・・・」





 竜史は、海自艦隊の警報と今の報告に加え、この後の事態に凡その検討を付けていた。





「はい。恐らく例の・・・・・紅葉皇女殿下やシベリナ王国連合諸国から得て居る情報から推察されると成ると、彼のアイアン・ブラッド・プリンセス。血染めの鋼鉄姫将軍と恐れ謳われて居ると言う・・・・ヴァロニカ・サークラ・レアモン姫将軍だと思われますっ!!!」





「紅葉さんが言ってた噂のアイアン・ブラッド・プリンセス・・・・・血染めの鋼鉄姫将軍のお出ましか・・・・ちいぃっ!!戦の勝敗を決められる大手まで、後少しだと言うのに・・・・・・・・・・・」





「高見大臣っ!!南雲一佐からですっ!!我が護衛隊群は、向かって来る敵部隊を迎え撃つべく、これより全力で迎撃するとの事です。」





「当然でしょうね。」



「あっ!?そうだっ!!例の魔法の斬光剣が撃たれそうに成ったら、各航空護衛艦の乗員は、直ぐに退艦する様に言ってっ!」





「高見大臣っ!!此処で如何して、航空護衛艦を狙うと分かるんですか?」





「それは将を討つなら馬を射よと言う古事が有りますっ!!今僕らが一番に痛い所は何だと思います?」





「はっ!?まさか・・・南雲一佐とあかぎですか?」





「そう、海自艦隊で一番に巨大な護衛艦だし、一番目立つ艦艇。」



「例え南雲さんの存在を敵側が知らなくても、真っ先に一番に大きな戦艦を将軍様が撃てと命じて狙うのは、戦争では当たり前の事です。」



「更にあかぎは、日本の主力にして最新の航空護衛艦だっ!!」





「何兆、何千億と言う血税から成るお金をかけて建艦して来たんだっ!!」



「今沈められたら大変ですよね・・・・・・・・・・・・・・・」





 言いたい事を言い終えた竜史は、遠い目をして居た。



 造ったのは日本政府だし、竜史本人には、この一件で責任が及ぶ事は、無いだろう。







 不沈空母、不沈艦伝説何て代物は、この世には存在して居ない。





どんな船でも、沈む時は沈むものだ。





「そっ、それは・・・・・・・」





 海自隊員を含めて、交援省防衛監督指令室に席を持って居る自衛隊員らは、思わず黙り込んでしまう。





 総理官邸と防衛大臣執務室では、安元と小西も頭を抱えていた。



 安元は丸で自分の自家用車が「まだ、車のローンを払い終わって無いんだけど」と言いたい感じの顔付きをして居た。





 勿論、造船会社には、お金を一括で支払って居るが、税金的な話をすれば、借金して居る事には変わりが無い。





 ある意味、国民と言う銀行にローンの支払いして居る様なものである。





 小西も防衛大臣執務室に設置されたパソコンのモニターの前で、制服組の自衛隊幹部らと供に・・・・・・・・特に海自幹部らと一緒に成って物凄い絶望的な顔付きで真っ青な顔して居た。



 また、財務省では、あかぎが沈むかもと言う急報に峯財務大臣や財務官僚達も、真っ青な顔付きで、頭を抱えて居た。





 只でさえ、護衛艦の修理費だけでも馬鹿に成らないのに、高い買い物である航空護衛艦が、大きな成果も老朽化もして居ないのに、このままでは今にも沈められそうに成ってしまう事に絶望をしてしまう。





「では・・・一体、如何すれば、良いんですか?」





「高見くん、何か無いのか?」





交援省防衛監督指令室に集まる人生の先輩方から問い詰められた竜史は、真剣な眼差しで大真面目に答えた。





「どうしよっかっ!!てへっ!!」





ずるっ!!無いのかよっ!!!と皆に突っ込みを入れられた竜史。





「流石に、この状況は、如何にも成らないんだよね~これが・・・・・・・」





「「「「「えええええええぇぇぇぇぇーーーーーっっっ!?」」」」」





「いや~本当に困ったね~っ!!大抵こんなピンチの類は、ギャグオチでお茶を濁すか強力な助っ人でとも現れないと、如何にも成らないって言うのが、大抵のお約束なんだなーーーっ!!」





そう、天下無双なんて武人を止められるのは、同等の変態的な強さを誇って居る存在か、ギャグオチと言うのが、アニメ・マンガ・ゲーム・ラノベの世界的物語での相場展開だったりする。





 こんな状況に成ってしまえば、流石に竜史のオタク的な発想の転換のアイディア何てものが、出てきても役立たずだろう。





 其処へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「あれ???24カメのドローンが、何かを捉えた様です。」





「はい?」と間抜けな反応をする竜史。





 そのカメラを自衛隊員らが正面モニターへと映す。





「とーーめーーてーーーえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!!」





「今っ!何か人影がっ!」





その人影をカメラが次々と捕らえたので、追跡を続けて行くと・・・・・・・・・・





「ねぇ、伊丹さん。この後の展開に凄っくっ!下らない笑えないと言うか、ギャグアニメ・マンガ的なオチが付くと思うのですけど・・・・・・」





「流石の私でも言わなくても分かります。私も同感ですから・・・・・・・・・・・・」





 防衛監督指令室の竜史を筆頭に、伊丹以下の課長級の者らは竜史の一言で、どうしょうも無い結果に成る事に思い至った。





「「「「「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっっ!?」」」」」





 防衛監督指令室内のほぼ全員が、一斉に思わず叫んでしまう。







「滅殺っ!!ヴァロスっ!!カリブレイカアアアァァァーーーっ!」





「うあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!とーめーてーーえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーっっ!!!」





クルクルと空中で舞いながら、遥か彼方から降ってきた人影。





 その瞬間、画面に映る二人はぶつかり合い、回転しながら航空護衛艦あかぎの飛行甲板の真上に転げ落ちて、そのまま海へとドボンとダイブして行くのであった。







「はぁ~、やっぱり下らないオチが付いちゃった。」





「取り敢えず、この状況は助かったと言えば良いのか?」と林課長。





「直ぐに両軍に停戦を呼び掛けて下さいっ!!」





「はっ!?はいっ!!!」





海自関係の通信担当の海自隊員が、直ぐにあかぎへと連絡を付けた。





 南雲一佐は、交援省から通信を聞くと、直ぐに全艦隊に「撃ち方っ!やーめええぇぇぇーーーーーーっ!」と叫び、各艦が一斉に砲撃を停止する。





総理官邸では安元が、防衛省・防衛大臣執務室で、小西防衛大臣と自衛隊の上級幹部らが、そして、財務省の大臣執務室で峯財務大臣と官僚や一般職員等が、揃って「助かったあああぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」「バンザーイっ!!バンザーイっ!!バンザーーイっ!!」「ううっ、良かった。良かったよおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」とあかぎが沈まなかった事を心から喜んで居た姿が見受けられて居た。





続いてアイリーとコレットも騎士団長であり、主であるヴァロニカが海中へとダイブしてしまうのを呆然と見ながら、ハッと我に返ると、これでは張り詰めていた戦場の興が削がれると判断し、直ぐに海自護衛隊群艦隊と交戦をして居た部隊各員らに、戦闘停止を命じたのであった。





 戦闘は、ヴァロニカの見っとも無い姿を団員達が見てしまう中で、既に止まって居たが、二人は指揮官として、総司令官であるヴァロニカが戦闘不能と成った事が、戦闘停止を命じる要因と成ったのである。





 そして、アイリーが、警戒しながら恐る恐る敵対して居るあかぎの艦橋に近付く。







「私はアイリー・シェリー大佐と申します。この艦隊の司令官殿は、何方の方ですか?」





アイリーの紫色のドラグアーマーを身に着けた姿を見て、艦橋の隊員の一部は、その異様な格好と言うか、コスプレの様な騎士鎧を見て驚く者が少なかった。





 そう、そんな格好に驚くのでは無く、況してや宙に浮いている状態にも驚きはして居ない。





 何故なら艦橋の海自隊員らは、アイリーの怪しからん爆乳の目のやり場に困る者や釘付けに成る始末である。





 その格好は、恥かしくないのと突っ込みを入れたく成るが、サイズに問題が有るせいで、如何にもなら無いだろうと海自隊員達は、思い浮かべていた。





 それ位インパクトある爆乳を持った女性だったのである。





 それに・・・・その事にツッコミを入れたら、色んな意味で負けかな~と言う雰囲気が漂って居るからでもあった。





「私が本艦隊を率いて居る日本国海上自衛隊艦隊司令官、南雲忠二一佐であります。」





「さて、其方のご用件を伺いましょう。」







「急な戦闘停止をご容赦ください。」





「今の状態では両者が戦うのは興ざめで有りましょうし、それに・・・・・・・・」





「そちらの司令官殿があの様な顛末で、このまま戦闘を続けてたとしても此方としても、とても卑怯と言いますか、何とも後味の悪い戦ではありますが・・・・・・・・」





「ふぅ。この戦いでニホン国には、一人も騎士らしい者が現れないので、居ないものだと思って居りました。」





「いや、決して貴国の戦い方が卑怯だと言って居るのでは有りません。」





「そう言った戦い方を主眼に置いた組織なのだと言う事です。」





「いいや、ある意味、卑怯でしょうな。(向こうからすれば色々とチートな感じのする機材や機械装置を使って居るしな。)」





「しかし、我が国にも、コヨミ皇国の様な武士の精神と以前の世界で我が国に海軍精神を教授してくれた国の教えが有りましてな。」



「戦いが終わったら、勝った方は負けたほうの健闘を称える。」



「または、戦略以外で最も卑怯な手口、人の戦いに置いて禁じてを使う様な戦いをしないのが礼儀として居ります。」





そう、日本の海自には、侍の矜持と英国海軍のジョンブル精神が合わさって居る。



 前大戦の教訓から卑怯すぎる手口は使わないのが、日本国としてのモットーでもある。





 しかし、現代兵器のオンパレードと言うのは、卑怯ではないかと言うかもしれないが、これは戦い方と装備の違いでしか無いのだ。





 従って今回は、日本とドラグナーの間では、お互いに奮闘した戦とも言えたのである。



 それ故にレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の面々は、切り札を切って海自艦隊に決戦を挑んで来た。





 本当に真っ直ぐな女性騎士達であった。





(そうは言って居るが、彼方のアニメか漫画めいた戦い方のほうも、十分に卑怯な類だと思うのだがね。)と南雲一佐が内心で思って居た。





 そりゃそうだ。





 彼の言いたい事を例えるなら、スーパーな戦闘宇宙民族、有り得ない戦い方をする海賊に、格闘グルメ家。



 はたまた、チートな力を隠し持ちながら戦う魔導高校生、ハルバートを軽々と揮う少女や無双なゲームに出て来る赤毛ウマに跨る無敵な将軍に、古今無双な戦国武将と、例えを上げたらキリが無いだろう。



 正直に言って現代兵器に取って真逆な戦法にして、兵器キラーとも言える存在だ。





 竜史も「戦術が戦略を無理やり破る様なやり方は、コードギア・反逆のルルーシュリアに登場する白兜なロボットだけで十分だ」と、丸でレジスタンスの司令官の様に愚痴って居た。



 だってさ、あの白兜の奴ってば、何時も何時も段取りを無視して、ルルーシュリアを追い込んでくるじゃん?ってな感じである。







「なるほど、貴国は良き師のである国家との付き合いに恵まれたのですね?」







「はい。」







アイリーは「では後ほど」と言うと、この後の戦後処理と海に落ちたヴァロニカの救助をするべく、彼女の元へと急いだ。





「なぁ、あの格好は目に毒だよな。」





「ああ、あんな物は、地球の白人系のモデルでも中々居ないと思う。」





「ちょっとっ!!!其処の二人っ!!!まだ戦闘後に成りそうとは言え、発言が不謹慎ですよっ!!!」





私語の注意をしたのは藤田沙希2佐である。





「羨ましい・・・・・・・」





「藤田2佐、何か仰いましたか?」





「なっ!何でも有りませんっ!!!」





ついつい、本音が漏れた藤田2佐だった。



 何せ小柄な彼女は、スタイルに恵まれていないスレンダーボデイスタイルだったからだ。





 まぁ、あんな怪しからんモノを持った女性を見たら、スタイルを気にしている人なら何か思う事も有るのだろう。



アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前9時58分頃の事です。





 一外征艦隊の別働隊として雇われて居る海賊艦隊の撃退に、成功した日本国。



 その戦局は、僅か一時間程度で日本国・自衛隊側の勝利に傾く所か、一方的なワンサイドゲームと化して行く事に成ります。

 

 対艦ミサイル・長距離魚雷・ジェット戦闘機と言った現代戦争兵器の代名詞とも言うべき装備の前に、ファンタジー世界特有兵器と言うのは、飛距離・射程距離が無いが故に、成す術が無いと言えるでしょう。





 その撃退成功の報告は、福岡市に本拠を置く、異世界国家交流総合支援省内に設置され、日本国へと侵攻して来て居るローラーナ帝国軍の撃退作戦を監督して居る交援省防衛監督指令室にも届けられてました。





 竜史は透かさず次なる命令を発します。



「神谷一佐に繋いで下さい。」の沖縄の第9航空団那覇基地所属の航空自衛隊員で、第9航空団の部隊長にして、直営部隊長である101小隊を率いるパイロットでもある神谷晶一佐に次なる攻撃命令を下すべき無線通信を入れます。





 この第二次龍雲海沖戦と呼ばれる戦いと成った戦場海域たる東シナ海の海上では、空自の第9航空団那覇基地所属の101小隊・202小隊・303小隊・404小隊・505小隊・606小隊などF‐15J戦闘機から成る30機。



 F‐2戦闘機隊から成る20機が攻撃命令を受けるまでの間を旋回飛行で、第4作戦命令を待機しながら待って居ました。









「高見です。フェイズ4を発動します。第9航空団の全機に命じます。」





「奴らは最も愚かな采配で、味方の航空団を反転さて居る。」





「敵の尻に導火線を付けて、鉄と硝煙の香りが漂うホット&クールで、ナイスなパーリィで派手に持て成してやれっ!!!」





「くっくっくっ、がはははっ!!!高見っ!!!中々面白い事を言うなっ!!!!」



「サシバリーダー各機へっ!!聞いての通りだっ!!」



「折角無理やりに押し掛けて、いらっしゃった来たお客様をお土産無しで、お帰り頂くのも失礼だっ!!」



「メイいっぱい持て成して、このパーティーを楽しんで帰って貰おうじゃないかっ?」





神谷一佐が率いる第9航空団の全機は、反転して、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊の本隊を援護防衛するべく、大慌てで戻る竜騎兵航空隊へと強襲するのでした。







一方の日本国の本隊艦隊と航空隊を叩くべく、前進を続けているローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊・飛竜航空隊はと言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「伝令ええぇぇぇーーーーっ!!伝令ええぇぇぇーーー-っ!!」



「先鋒艦隊と本隊艦隊がニホン海軍の奇襲を受けて居るっ!!急ぎっ!戻れとの命令だっ!!!」





「何だとっ!?」





各隊では、伝言式に命令が伝えられて行く。既に自衛隊側が行った最初の攻撃から1時間近くが経ってようやく反転の命令が伝わりました。



 しかしながら、一番不味いのは、進軍中に戻れと命令されて、その後ろを突かれる事です。



 侵攻中の前衛部隊は、総司令官の命令で、巨大な進軍陣形を組んで移動して居る艦隊と航空部隊らは、大回りで艦隊へと戻り、中衛の部隊は、流れ弾と先鋒隊後衛部隊の混乱に巻き込まれて更なる混乱に陥る。





 更には前へ後ろへと進む部隊同士の混乱で、如何にも成らなく成ってしまうのです。







  其処へ・・・・・・・・ゴオオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーッ!!と言う死神が撃ち放った空飛び槍が迫って来てしまって居た。





 どうやら彼らは、無能な指揮官の采配のせいで、ダメな運命を辿ったらしまうのでした。







 交戦記録は、多数の偵察ドローンにより撮影されており、以下の記録が残されて居ます。



 航空自衛隊・第9航空団は神谷一佐を先頭にして、罠に掛かって混乱に陥って居たローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊・飛竜航空隊を捕えて居た。







「第9航空団の各機へっ!!!あと3分で射程圏内に入る攻撃態勢に移れっ!!!」





 那覇基地の管制管である早瀬美加一尉から通信を通じての攻撃態勢を取れとの命令が入る。





「野郎どもっ!!聞いて通りだっ!!!。各機ターゲットロックオン・・・・・・・・・・」





 航空自衛隊・第9航空団に所属する戦闘機各機のコクピット内で、ロックオンの機械音が鳴り響く。





「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」





 神谷一佐の攻撃命令を受けた第9航空団に所属する航空隊の全機から、一斉にミサイルが放たれた。





「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・・・」





 戦闘機各機からミサイルが撃たれ、暫し短い沈黙が、スローモーションの如き長く感じられる様な雰囲気の時間が流れる。





 そして、僅か数秒後・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 ドゴオオオオォォォォーーーーーーーーンンッ!!





「全弾命中っ!!」





「やったぁぞっ!」





 全弾命中と成り、喜びの声上げる柏崎二射が叫ぶ。





「喜ぶのは早いぞっ!!!全機小隊事に散開っ!!連携して、敵機を叩けっ!!!」





「「「「「「了解っ!!」」」」」」





第9航空団は、一斉に散開して飛竜航空隊へと襲い掛かった。





 一方の飛竜航空隊の中には、冷静に状況判断が出きる部隊が居た。





 優秀だと言えるが、とても長生きが出きそうに無い者達だろう。





「クソッ!!クソッ!!クソがあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーっっっ!!」





愛騎の竜に命じて、ブレスや火炎弾を放つが、音速で飛び回るF-15とF-2に中る筈も無く。



 逆に大した抵抗する事も出来ずに、空しく撃墜されて大空の上で散って行く。



 20ミリバルカン砲で、次々とミンチにされる姿と言うのは、無残の一言に尽きるだろう。





「くっ!!来るなっ!!来るなっ!!来るなあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」





「こんな所で、死んで溜まるかあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!!」





混乱の中で一部の飛竜航空隊と指揮官の命令を聞かない竜騎士達は勝手に戦場から逃げ出して居た。





「おっ、おいっ!!勝手にっ!!」





「そんな事っ!知るかっ!!!」





「そうじゃないっ!!後ろだっ!!!」





「へ?」





 其処へ現れたのは、303小隊の隊長の速水一射だった。





「逃すものかっ!!」





ブオオオオオォォォーーーーッ!!と言う爆音を鳴り響かせたバルカン砲が撃たれた。





味方の無残な光景を見て「だからだ。」騎士の1人が呟く。





 日頃訓練や座学で教官から口を酸っぱくして、言われて居る事がある。





 戦闘中、勝手に又は力尽きて、部隊から離れれば、敵はその者から食い殺しにやって来ると。





しかし、今回は相手が悪すぎた。





 最強種の一角である竜族や竜人族でも、日本国の自慢の戦闘機に手を焼くかも知れない。





 第一外征艦隊・飛竜航空隊と日本国航空自衛隊の戦いは、さながらSF映画かアニメの体を呈している光景であった。









「よーしっ!俺だってっ!」





長谷川一尉も、張り切って任務に当たっていた。ブオオオオオォォォーーーーッ!!とバルカン砲が火を吹く。



 すると其処へ別の飛竜航空隊の五騎が現れる。





「今だあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!!」





「おおわわっ!!!」





 長谷川一尉は、不意を突かれたが、何とか避ける事が出来た。





「ちぃっ!!外したっ!!!各騎は連携して事に当たれっ!!!不意を付ければ、倒せるかも知れんっ!!!」





 其処へ神谷一佐が現れる。





「健児っ!!何をチョロチョロと飛んで居るっ!!!」





「何とっ!?」





 ブオオオオオオオオオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!





「うああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!」





 長谷川一尉を襲った飛竜航空隊の一隊は、神谷一佐によって撃ち取られた。 





「先輩、済みませんでした。」





「構わんっ!各機へ油断するなっ!手負いの獣は怖いぞおおおぉぉぉーーーーっ!!!」





「神谷一佐っ!此方は那覇基地です。交援省から命令通達です。」





「最後に、もう一中てしたら、貴隊は下がって構わないとの事です。」





「了解した。」





 第9航空団の各機は、態勢を立て直すと、余って残って居るミサイルを敵に撃ち放って基地へと帰等したのでした。









 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時40分頃に成ると、第一外征艦隊の艦隊旗艦である空挺戦艦ザージェント・ギワザンに居るギワザンは、伝令官から驚愕の事実が伝えられる事に成ります。







「何だとっ!!!」





「はっ、日本軍の鉄竜の追撃に遭い。670騎居た筈の飛竜航空隊が、600騎も討ち取られてしまいましたっ!」





「おっおっおっ、おのれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」





「ギワザン閣下っ!!!東方向から何か来ますっ!!!」





日本の戦術と戦略に翻弄されて、怒り心頭のギワザンに、自衛隊は更なる追い討ちを掛ける。



 現場をプロに任せて居るとは言え、指揮権を持っている竜史は、戦略シュミレーションゲームでも性質の悪い攻め方を得意として居たそうです。



 なので、ある意味、天性の感覚的に敵の痛い時期を見計らって、やりたい放題と成って居たそうです。









その締めの台詞と言うのが、以下の通りだったそうです。





「さぁ、フィナーレと行きましょうか・・・・・・」





「作戦フェイズ5に移行っ!!!美味しいメインディッシュは、我が国自慢の対艦ミサイルにアスロックの盛り合わせですっ!!!」



「甘ーいお菓子のデザートは、航空隊の爆装アラモードの盛り合わせとなっています。」



「それでも退かなければアメリカさんに、指導して貰って改装させた偵察機のグローバルホークをミサイルの爆装と言うお重箱をお土産で、お持ち帰りして貰いましょう。」





「怖っ!!」と防衛監督指令室内の全員が思ったそうです。









そして・・・・・・・航空護衛艦あかぎの艦橋では、護衛艦のこんごう・あたご・しらね・むらさめ・きりさめ・さわぎり・うみぎりに対して命令を発します。





「各艦っ!SSM及びアスロックを発射っ!目標っ!帝国艦隊本隊っ!!!発射後に第3次航空攻撃を開始せよっ!!!」





「了解っ!!」





司令官である南雲一佐は、帝国艦隊に対して、止めを刺す態勢に入った。





 護衛艦の定番装備とも言える4連装SSMとロケット式魚雷のアスロックである。





「ターゲットロック完了。」





「撃ちー方っ!始めっ!!」





海自艦隊からロッケット噴射の轟音が響き渡り、帝国艦隊へと対艦ミサイルが飛んで行く。





「空自航空隊っ!!第一航空隊・第二航空隊っ!全機発艦開始っ!!!」





燃料と整備、それに弾薬の補給を済ませた空自航空隊は、第3次航空攻撃を開始するのであった。







 その数分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 ゴオオオオオオオオォォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!・・・・・・・・・・・・ドッカアアァァァァーーーーーーーーーーンッ!!!





「ギワザン閣下っ!敵の航空隊による3次攻撃ですっ!!」





「ぐううっっ!!ぬぬぬぬっっっ!!」





パキンと言う指揮棒を折る音が艦橋に響き渡った。



 ギワザンの目の前には、好き放題に暴れまわる日本の航空自衛隊、更に何処からとも無く現れる鉄の槍こと対艦ミサイルに、謎の爆風魔法ではないかと思われている恐怖の魚雷攻撃の嵐と成ります。





 自衛隊側の完全勝利と成ったと悟った、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊総司令官のギワザンは、直ぐに撤退する決断をしたのです。



「撤退だっ!!」



 ギワザンは軽く、そして悔しそうに呟く。



「はぁ?」





「撤退だと言って居るっ!!!二度も言わすなっ!!!この馬鹿者がっ!!!」





「はっ!!はいっ!!!!」





 怒り心頭のギワザンに言われて、副官や伝令官らは、慌てて撤退命令を出したらしく、予想されて居る以上に、日本軍こと自衛隊側の軍事力が高かった事を思い知らされることにも成ったのでした。



しかしながら、戦と言うのは、時に思いもよらない出来事が襲う事も有ります。



 



 怒り心頭のギワザンが苦渋の決断で、撤退命令が出された丁度その頃でした。





 日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」に、とある危機が迫ろうとして居たのです。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時33分頃の事でした。





 日本国政府並びに異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室が主導する防衛作戦は、いよいよ終盤戦に差し掛かろうとして居ました。 



 このローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊と日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」との大海戦は、アースティア大戦末期序盤に措ける転換点との見方をする歴史学者も多く居り、高見竜史と言う何の変哲もない青年が偉人の一人として扱われ始めたとも言うべき出来事にも成って居ます。



 しかしながら、日本国政府並びに異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室でも、有りそうな想定外な出来事を数パターンは予想はして居たが、圧倒的な技術力の格差と各種ミサイルに長距離魚雷や戦闘機による複合攻撃により、ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊と日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」との決着を付けられそうだと見て居ました。



 しかしながら、戦争と言う物は生き物に例えられる事が有る通り、結果的に見れば、決着が付けられないと言うか、防ぎ様のない事態に陥ってしまいます。





 そんな難敵たる人物が、南雲一佐が率いて居る護衛隊群へと低空飛行で向う一団と成って現れたのでした。



 その経緯の回顧録は、アースティア大戦後に措ける・・・・後の聞き取り取材による書籍にて、以下の通りと成って居るそうです。





「居たっ!!見付けたぞっ!!!」





ヴァロニカは、合身した赤い龍鎧器、ドラグアーマーを身に纏い、獲物を捕らえた事に喜び、ニヤリと笑って居ました。



 その後ろに続くのは、紫色のドラグアーマーのアイリーと青色のドラグアーマーのコレットでした。



 その指揮下で動くレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団は、120騎の精鋭で、全員が龍鎧器ドラグアーマーの形態に変身した完全武装状態でした。







 これはドラグナー皇国の騎聖龍士が、日本国軍(自衛隊)が手強い敵であり、本気で渡り合えると判断して上で、全力を以てして立ち向かって来た証拠であった。





「姫さまっ!!!」





「ヴァロニカ様っ!!!やりましょうっ!!!!」



「我らはっ!!栄えあるドラグナー皇国おうこくのレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団ですっ!!」





「敵の顔を拝まずに、殺られたと有ってはっ!!武人の名誉を傷付けられた事と成りますっ!!」





何時もほんわかしていて、母性溢れ、物凄く怪しからん爆乳を持ったアイリーと生真面目で、姉とは対照的な洗濯板を持って居て、何時も男に間違われるコレットの二人が、非常に真剣な表情をして居たそうです。



 それは敵陣に突入して、死ぬ覚悟が出きている顔付きでした。



 そんな顔付をして居るのは、二人だけではありません。



 此処に居る突撃部隊は、何れもヴァロニカ・サークラ・レアモンの子飼いの者達でした。





 それも元々は戦をする様な女性達では無い人々から構成され居ました。



 ある者は貧困、ある者は意中の男性や夫を失い。



 ある者は、犯罪者等と言った出自や身分であったそうです。



 そう、彼女達は、過去に何かしかの経歴の中では、様々な傷を持って居る者が多く居たでのした。





アイリーは、貧困からコレットと共に盗賊家業をしたり、盗みを働いて居た一団を率いて居ました。



 男を誑かしたりして、盗み取るお金を生活の糧にして居た所をヴァロニカに討伐されたのが、主君と仰ぐヴァロニカとの出会いだったとの事です。





 その際、彼女達らは死を覚悟した時に、ヴァロニカに言われたのが「更生するなら職を与えると言われ、更生しないなら裁判後に、極刑か処刑だ」と言われたそうです。



この様に言われたアイリーは、全身に稲妻の痺れを感じるかのように陥った。





そして、彼女達は、その場で年下の皇女に忠誠を誓ったのである。



 斡旋して貰った仕事は、後宮のメイドであり、ヴァロニカの御付きと成ったのです。



 そして、盗賊団時代の腕も買われて、騎士団の厳しい訓練にも耐えて騎士団の近衛隊としても腕を振るう事になりました。



 当初はメイド仕事に苦戦していたコレットも、姉の後に続いて騎士団入りを果たして行く事に成ります。





だからである、自分達をとても大事にして貰って居る姫様の為に、文字通りに命を投げ出して居る覚悟が有りました。



 それ故に、レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の団結力は大陸図一と謳われる騎士団の一つと謳われて居ました。



 ローラーナ帝国に敗北しても尚も、その武名を恐れて帝国は、ドラグナー皇国とレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団とそれらを率いるヴァロニカを如何にも出来なかったと言われて居ます。



 彼女達に対して、拘束も出来なかったし、ドラグナー皇国が帝国の従属国に落ちた後も、ヴァロニカとレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団を放逐するしか無かったのでした。





 更には・・・・様々な言い掛かりを付けて処刑すらも出来ないし、ヴァロニカの人気に対して、ローラーナ帝国は手を出せないと言う始末。



 そんな異世界最強の武人が海自艦隊に向って居た。





「ニホンの鉄槍も、攻撃目標とする対象物の至近距離に達するまで、低空飛行をして居た。」



「これらの状況判断からして、彼の鉄槍が低空飛行を取るのも、恐らく何らかの理由で、敵からの探知と発見がし辛いと見た。」





「その様ですわね。姫様、我々が此処まで近付いても何もして来ないと言う事は・・・・・・・・・」





「そうだアイリー、奴らは対人対空戦に対して備えが薄い。恐らくは異界では対人対空戦事態が無いか、廃れてしまって居るのかの何方かだろう。」



「私の考えでは有るが、異世界では対人対空戦その物が無いと見て居る。」



「その考え方が当たって居ると言う見方の結果がこの状況だと言う事に成る。」



「だから此処まで来れたと言う事に成る。」とヴァロニカは、地球世界での対空戦に措ける戦術・戦略の体型を予想や憶測でピタリと言い当て見せたのは、驚嘆に値すると言えるでしょう。





「流石は姫さまです。」と言うコレット。





「だが、この手は一度きりか、後数回限りに成るだろうな。」



「この戦での出来事を見聞きする限りでは、恐らく二ホンは、かなりの技術を持った技術立国なのであろう。」



「この様な小手先だけの手口は、何れは防がれてしまう。敵も愚かではない。」





「さて、今は敵が最も得意とする戦術を盗られたら、その持ち主たる相手がどう言う反応するだろうなが楽しみだな。」



「ふふ・・・・・・・」





楽しみだと言う顔して不敵に笑いながら、護衛艦隊との距離を詰める。



 距離が9キロを切ったタイミングで、旗艦である航空護衛艦を始めとする中心艦隊艦隊の護衛を務めるごんごうを始めとする護衛艦隊は、一斉に警報を発しました。





「南雲一佐っ!!!大変ですっ!!!」





「如何したっ!?」





「レーダー班と監視班からですっ!」





「微弱な反応ですが、南東方向に微かに飛行物体の反応が有りましたっ!!!」



「それで目視の監視をして居た各艦の隊員が、一斉に此方に向かって来る物体を視認。」



「良く見ると、鎧を着た一団が南東の方角から此方に向って来ますっ!!!」





「・・・・・如何やら此処の艦隊が見つかったらしい。楽な海戦かと思って居たが、実戦と言うのは思わぬ出来事が起こるものだな。」





「各艦っ!!!総員対空戦闘よおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーいっ!!!」





「強敵が来るぞおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!」



「総員っ!!!気を引き締めて掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」



「これから来る相手は、アイアン・ブラッド・プリンセスっ!!!」





「血染めの鋼鉄姫将軍っ!!!ヴァロニカ・サークラ・レアモン姫将軍と言わる人物だっ!!!」





「それもっ!!この世界で最強の武人がなっ!!!」





「了解っ!!各艦総員っ!!全力射で迎え撃ちますっ!!!」





「我らは、何としても持ち堪えねば成らないっ!!!」





「あと少しだ、あと少しで決着が付く・・・・・・・・・・」







監視衛星からは侵攻して来た、ローラーナ帝国艦隊が、撤退を始めて居るらしいとの結果が報告され始めて居ました。





 何時までかは、分からないが、一定時間の間だけ、耐える必要があったのです。



 主砲や20ミリ機関砲、迎撃ミサイルが直ちに射撃体勢を取って行きます。



 最初に複数のミサイルが撃ち放たれました。









「この近距離だっ!!奴らも流石に気付いたかっ!?迎撃が来るぞ!!皆っ!突っ込めえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!」





「「「「「「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっっ!!!」」」」」」





 ヴァロニカを先頭にして、レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団は、決死の覚悟の特攻を仕掛けたのです。



 

 ガキイィィィンンンっ!!!と鳴り響かせ、魔力強化され、更には特殊な造りの剣が受けた砲弾やミサイルが切り裂かれて行きます。



 機関砲は集中的に正面を厚くして張られた魔法障壁でダメージを軽減されてしまいます。



 例え撃ち落とされたとしても、墜落するだけでも済んで居ました。



 戦闘が無理だと感じれば、魔法障壁を応用して膜を張って水中から撤退すれば、大怪我を追わずに逃げられる事も可能でした。







「信じられませんっ!!!120人の空飛ぶ騎士を確認しましたが、脱落がたったの5人ですっ!!!」





「嘘だろ・・・砲弾にミサイル、機関砲を受けて、怯まずに来るなんて・・・・・・・・・」





「確かに・・・・アレは精鋭だ。」





「南雲一佐・・・・・・・・・」





「藤田2佐っ!全力で何としてでも防ぐんだっ!!!」





「敵は我々の想像も及ばない本物の武人だ・・・・・・」





「はっ!!」





藤田2佐が更に激を飛ばそうとした時でした。





「ほっ、本艦のちょ、直上に真紅の騎士ですっ!!!!」





「なあぁぁぁぁにいいぃぃーーーっ!?」





南雲一佐が滑走路の甲板方向の艦橋の窓から空を見上げます。



 其処には、赤い彗星の如く、あかぎを魔法剣シルヴァロスから放たれる必殺技、ヴァロスカリブレイカーを放とうと構えます。





「迎撃っ!!!」と別の隊員が通信で叫ぼうとしました。





「こんごうっ!!主砲に被弾っ!!」







「しらね、青い騎士から攻撃を受けて、二番主砲とシースパロー発射機に被弾!」







「その他各艦にも、同じく被弾しましたっ!!!」





「何れも光弾と斬撃によるものと報告が来ておりますっ!!!」





 航空護衛艦あかぎの撃沈を確信し、乗員の生命を優先した南雲一佐が退艦命令を出します。





「遺憾ながら、あかぎから総員退艦だっ!!!出撃中の航空隊は、沖縄基地へと退避させろっ!!!」



 航空護衛艦あかぎ艦内では、退艦警報が発令され、大慌てで艦内から脱出しようと慌しく駆け回る隊員達は、整然と退艦を始めて行きます。



一方のヴァロニカは、魔力をチャージをしながら、あかぎを見下ろして高らかに名乗りを上げたそうです。





「大きいな・・・・だが・・・・・・・」





「後一歩であったなニホン軍の諸君っ!!!わたしはヴァロニカ・サークラ・レアモンっ!!!」



「ドラグナー皇国第一皇女っ!!!レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の団長であるっ!!!」



「これは散々に我ら騎士団を痛ぶってくれた礼だっ!!!得と味わうが良いっ!!!」





ヴァロニカのドラグアーマーと魔法剣シルヴァロスの二つが、真っ赤に閃光を放って居た。





 周囲の景色も赤く染まろうとして居て、赤く染まった閃光からは、バチバチと音を立て居たそうです。





「全てを灰燼に滅せよっ!!!滅殺っ!!!ヴァロスっ、カリブレイカーーっ!!」





「うあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!とーめーてえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっっ!!!」





「姫様っ!後ろっ!後ろっ!」とアイリーが、西の空から飛んで落ちて来た物体の注意喚起をしたのも空しく、ヴァロニカにぶつかってしまいます。







「えっ?!」





ヴァロニカの間抜けな声と共に、ゴチンとぶつかる音がすると飛んできた何かとヴァロスカリブレイカーを放とうとして居たヴァロニカは、クルクルと回りながら、あかぎの甲板に落ちると、ゴロゴロと転がって最後には、後部甲板から海中へとドボーンと落ちてしまいました。





「けほけほっ!!ぺっぺっぺっ!!ぷはっ!はぁはぁはぁ・・・・・ふぅーっ!!やっと止まったよ~っ!!」





「んん???」





「あれ?此処は、一体、何所なのだ?」





甲板に無我夢中で飛んで這い上がって来たのは、白い羽を持った人物でした。



 突然の事に動揺する南雲は、冷静に護衛艦隊に向けて、撃ち方止めと命令を発すると、同じく想定外の展開と成ってしまったレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の者達も、自然と戦闘を止めるのでした。







「あっ?!あっ、あの人は・・・・」





「なっ?!何でっ!!こんな所にっ!?」





アイリーとコレットもポカンとした顔付きで、あかぎの甲板で、びしょ濡れの人物をじっと見詰めて居ました。





 その空の彼方から航空護衛艦あかぎに降って来た人物・・・・事の成り行きは1日前前までに遡る事に成ります。



 アースティア暦1000年・6月2日・午前8時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央部地方・パイプ・ライン大河沿い・アセリナ王国・イーストグリーン州 州都・リレル・ラウェル市・アルガス公国とアセリナ王国国境付上空にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 この日、件の人物と成るのは、アセリナ王国の総長の事で、彼女が、早朝散歩ならぬ早朝飛行を楽しんで居た事が始まりでした。





「フンフン、フンフン、フフ~ン♪ 今日も我は絶好調なのだあああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」



 

 そのアセリナ王国の総長たるマーヤ・リリロッカ・ヨシカーナが・・・・・何故、自国と隣国の国境近くを飛んで居るかと言うと、単に仕事から抜け出して居るからとの事が、マーヤ周辺の閣僚・幹部・官僚たちらの証言が有ると言う回顧録から窺い知る事が出来ます。



 

「くっくっくっ、我が名はマーヤ・リリロッカ・ヨシカーナっ!!!」



「この世界の救わんとする我はっ!!この光輝く早朝に光臨するっ!!!」



「我の器たる肉体は聖なる太陽に清められっ!!今宵も悪しき者達を成敗せんとっ!!我のエクスプロン・ランサーの光の閃光に呑まれるが良いいいいぃぃぃーーーーーーーーーーっっ!!!!」





「なぁーーーっ!!はーっはっはっはっ!!なぁーーーっ!!はーっはっはっはっ!!なぁーーーっ!!はーっはっはっはっ!!なぁーーーっ!!はーっはっはっはっ!!」





ってな感じで高笑いをするマーヤは、ドヤ顔の決めポーズが決まったなんて思って居て、やっぱり中二族たるアセリナの人達の思考は、常人には分からないものでしょうか?





其処へ・・・・・・・・・・・・・・







「んんん???」





遥か東方の方角から「ゴーーーッ!!」と言う轟音が鳴り響きながら近付いて来る物体がありました。



 C-130Hが7機とF‐15J戦闘機の10機の編隊が、ガイダル島の遺跡基地の改修が、概ね無事に終わったので、ガイダル基地に補給物資輸送の為に向う途中だった所をマーヤは出くわしてしまうのです。





「ふえええええぇぇぇぇっ!?なんとおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!?」





 マーヤは、出会い頭に避け切れなかった先頭の戦闘機に吹き飛ばされたと、ダジャレめいたオチに陥ってしまいます。









その数分前・・・・・自衛隊側の記録が残って居ます。





 C-130Hの5号機の操縦席では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「萩村さん、この世界の空も良いスッね。」







「おう、そうだな梶。」





操縦の合間に雑談をして居るのは、C-130Hの5号機の操縦を担当している機長の萩村一射と梶二射でした。





 この異世界の空は、生き物や空挺魔導艦にさえ気を付ければ、事故がほぼ有り得ない世界なのです。





 二人は、この異世界アースティア世界に措いても地球世界時代と変わらずに米軍は居るが、航空管制の五月蝿くない自由な空を同僚等と共に謳歌して居ました。



 転移災害以前の我が日本国内では、在日米軍の都合により自由な飛行が許されて居ない窮屈な飛行を強いられて居る事は良く知られて居ました。



 それが国際飛行規定が殆んど無いに等しい世界の自由に飛べる空が嬉しいとの証言記録が残って居ます。





「今は俺達だけの空だ、小煩い国家の管制官と航空管制の整った友好国以外に無い、この異世界の空は、俺達の様な飛行機乗りに取って、正にユートピア、天国も同然だ。」





「そうッスね。無茶さえしなけりゃ、飛び方に文句が付かないのも良いッスよねぇ~」





「そうだろう、そうだろう。うんうん・・・・・・・・・」萩村一射と感慨深げに言う。





すると、其処へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 ヒューーウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!







「ふにあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっっ!!ムギヤッ!!」





ボテッと言う擬音が響く感じで、マーヤが操縦席の窓にぶつかる。





普通ならとっくに気が付いて飛行機の方か、又はマーヤの方からも避ける所だが、マーヤは自分が言って居た中二的な台詞に酔って居たし、航空自衛隊の隊員も高速で飛んで居るので、歩行者ならぬ飛行者なんてものを避け様としたが、如何やらダメだったみたいです。





 不規則な槍捌きと突然に止まるマーヤの動きの予測が付き辛く、護衛隊のF‐15J戦闘機は、何とか回避が出来たくらいでしょう。



マーヤは、風圧等で吹き飛ばされ、C-130H編隊の5号機の操縦席付近の窓にマーヤがピタッと張り付いてしまいます。





「なっ、なっ・・なっ!?何だっ!?」





「萩村さん、ヒトッスっ!!しかもっ!!白い羽の生えた金髪の女の子ッスよっ!!」





自衛官の二人には、信じられない光景が目の前に有りました。



 セミロングの金髪で、白い羽と何だか分からないが、槍の様な物を持った女の子が、操縦席の窓ガラスに張り付いて居たのです。



本当にベタな展開だが、操縦者の二人には、丸でギャグアニメかコメディ映画みたいな展開が其処には見えて居たそうです。





「なっ!?何なのだっ!?これは?新種の生き物なのか?」





「んんん?!中に・・・・・人か?」





「おーいっ!!この物体は何なのだっ!?」





 マーヤは、目の前に居る自衛官二人を凝視します。





 一方の自衛官の二人は、マーヤの声が、エンジン音や風圧の影響で聞き取り辛かった。





 彼女は、まだアセリナ王国・外務局省で情報が精査されて居て、日本の内部事情に疎かったそうです。



日本とか言う珍しい国が見つかったと報告されて居るだけで、別段に興味がそそられる事柄では無いので、マーヤは詳しくは知らなかったのでした。





「何て言って居るんですかね?」





「ハッキリ言って、分からん。エンジン音やジェット気流なんかのせいか、外の声が聞き取り辛い。」





「でも・・・・・・これって交通事故にでも成るんっスかね?」





「バカかっ!?こんな事態、どうやったら想定が出きるかっ!!」



「万が一、予測が出きたとしても、普通は歩行者ならぬ飛行者の方が逸早く避ける物だろうがっ!!」





「そうっすよね。」





「まぁ、こんな高度でも平気な奴だ。高見大臣や政府が言ってた亜人族って奴だろう。」





「ああ、エルフとかドワーフとか人魚とかが居るって、本省や交援省にニュテレビースやネットニュースに、新聞とかで言ってましたしね。」





「ドランゴンや魔法使いにさえ気を付ければ良いと思ってたが、それ以外にも居ると報告せねばな。」







其処へ近くから見ていた護衛機のF‐15J部隊の指揮官機から通信が入る。





「五号機っ!どうした?何か張り付いて居る様だが?」





「ああ、問題ない。見辛いが如何にか飛べて居る。」



「何らかの理由で、この辺りに住んで居ると思わしき、現地の亜人種のヒトが、何処からともなく飛んで居た所に出くわしてしまったらしい。」



「怪我も無い様だし、その内、何処かに行くだろう。」





「了解。念の為だ、今のままでは風圧で起き上がれまい。少しだけスピード落としてやれ。2機の護衛を残すから、ゆっくりと追い付いて来い。」





「了解ですっ!!」





「だそうだ。それじゃ、降って沸いたお客様には、安全且つ、無事にお帰り願おう。」





萩村は機体のスピード少しばかり落としてやると、トントン叩いて中へ声を掛けつつ、物珍しそうに飛行機を見て居る頭の可笑しそうな女の子が風圧で剥がれないのを助けてあげたそうです。





「あっ!?」





「ふにあああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!!」







マーヤはペロリとテープが剥がれる様にして、何処かへと別の風に煽られて吹き飛んで行ったのでした。





「おおっ!!無事に剥がれた様だな。」





「そうですけど、あの子。アレで大丈夫っすかね?」





「輸送機の軽い衝突でも平気だった様だし、平気だろう。一様、目的地に着いたら、この辺りに国土を持って居る国家の現地政府にでも、報告して置こう。外交問題にはしたくは無いからな。」



「今は長距離通信も不安定つすからね。」



「そうなんだよな。流石に、地球世界で言うユーラシア大陸の中央地域からの日本への通信は不安定だからな。」と言った感じで航空自衛隊の面々は、何事も無かった様に任務に勤めるのでした。



 後日改めて、日本国・外務省とアセリナ王国・外務局省との間で、アセリナ王国総長のマーヤと航空自衛隊C-130H編隊の5号機との衝突事故に付いて、事後処理が行われました。



 

 ですが、マーヤが仕事を放り出して、そんな空で散歩をして居たのが悪く、避けない素振りを出来なかった方が悪いとされ、特に本人も怪我が無く、自衛隊側にも損害が無かった事から、互いに責任を取らない事で決着が付き、マーヤ周辺の閣僚・幹部・官僚たちらからは、マーヤへの説教と言う裁きが下されたとの事でした。





 そんなギャグアニメ的な事情からマーヤは、気流に流れに流れて、流されてしまった結果。



 第二次龍雲海沖海戦の真っ最中であった航空護衛艦あかぎへと流れ着く事に成ってしまうのです。

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午前10時53分頃の事でした。





 日本国政府並びに異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室が主導する防衛作戦は、いよいよ終盤戦っ!!





 このローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊と日本国海上自衛隊・護衛隊群連合艦隊「南雲護衛隊群」との大海戦は、アースティア大戦末期序盤に措ける転換点の終結と言うのは、喜劇かコントかと言われしまって居ます。





 その理由は以下の通りと成って居ます。









一方のマーヤは、艦橋や艦内から武装して現れた海自隊員と周囲の空を舞うドラグナー騎士達を見て、自分が注目されて居る事に気が付いたようです。





「あっれーっ!!何故に我は、こんなにも注目されているのだっ!?」







「それに・・・・今まで見た事も無い造りの船なのだ?丸で我が義妹のシェスカの船みたいで有るな?」





見た事も無い船に興味深々で、幼い頃より妹の様に可愛がって居る?シェスカの実家で使って居る船に似て居ると思ったらしい。





 そして、物珍しそうに辺りをキョロキョロ見渡して居ると、突如として寒気に襲われた。





「へっ!へっ!へっ!!へっくちょんっ!!!」





(ううっ、寒っ!!)





 それもその筈です、マーヤは完全に体が冷え切って居たようで、長時間の空の旅と海へのダイブのせいで、身体がブルブルと震え出してしまったのでした。



 しかし、マーヤが辺りを見回した所を見る限り、此処は戦場でした。





 アセリア族として、格好が悪い事は言えないし、それが出きないのがアセリアの可笑しな性格と思考を持った人達の困った性分でもあったからです。





(むむむっ!!何だか知らないが、この状況で・・・・何か言わずには居られないぞっ!!!)





 回顧録では「ええーっ!!どううしよーっ!!完全に我は注目されてれるよおおおおおぉぉぉぉーーーーーっ!!!!」とか思って居たと振り返って居ます。





 そんな中で、無言で見詰められて居る上に、この状況が堪らなく息苦しい感じて居るマーヤは、例えずぶ濡れであろうとも、何時ものノリで言い放つのでした。





「くっくっくっ・・・・此処に居る全ての者共よ聞くが良いいいぃぃぃぃーーーーっ!!!」





「我が名はマーヤ・リリロッカ・ヨシカーナっ!!」



「この世界の救わんとする我は、この戦場に光臨するっ!!!」



「今宵も悪しき者達を成敗せんと、我のエクスプロン・ランサーの光の閃光に呑まれるが良いいいいぃぃぃーーーーーーーっ!!!!」



「なーっはーっはっはっはっはっはっはっ!!」





「なーっはーっはっはっはっはっはっはっ!!」





「なーっはーっはっはっはっはっはっはっ!!」







「なーっはーっはっはっはっはっはっはっ!!」





「なーっはーっはっはっはっはっはっはっ!!」







「さぁ、悪の手先に堕ちたドラグナーの騎士たちよっ!!我が槍の錆びにしてくれようぞっ!!!」





名乗り口上を言い放ち、更に決めポーズを取って居るみせます。





 その動きに合わせて槍先が鍍金加工されたかの様に光り輝いて居るエクスプロン・ランサーをブンブント振り回しながら槍を構えます。





「どうしたっ!我と思わん者はっ!!この聖天使騎士団の総騎士団長にして、閃光の聖騎士マーヤに挑む者は居らんのかっ?!」





とか続けて言い放ちますが、周囲の者達はシーンとして居た・・・・・・と言うよりも、ポカンとして居たそうですね。



 それも・・・・・コイツはずぶ濡れの格好で、何を言ってるんだと思われて居たようです。





(うんうん、我は今日も決まってるね。さーてっと、誰も我に掛かって来ないようだし、このまま帰っちゃえーっと・・・・・・・・・)





「何だっ!口ほどにも無い者共だなっ!!!」





「こう見えて我は世界を救わんが為の仕事で忙しいのだっ!!!」



「斬り掛かって来る根性が無いなら去ねいっ!!」と・・・・・・・そのまま立ち去ろうとした時だった。





「まーたーおーまーえーかーっ!!!!マーヤーああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」





怒りに震えた声が背後から聞こえたマーヤが振り返る瞬間の事でした・・・・彼女の後ろには、怖ーい形相した武神様が、ずぶ濡れな上に、それはそれは大層お怒りのご様子であったそうです。







「ひっ!?だだだっ、だれっ!!誰の事だ?!我はマーヤなのではないぞっ!!!」





戦闘の時意外ではトラブルメーカーで、ハッタリ言うだけの気弱なのが、本来の彼女なのでした。





 思わず、旧友怒れるの怖い形相を見て、バレバレの嘘を言ってしまったそうです。





 勿論、逃げられないと分かって居てもでした。









ヴァロニカは、愛騎レッドアイゼンとのドラグフュージョンを強制解除されて居ました。





 そして、重い鎧を着て居るヴァロニカは、不名誉の溺死寸前の所をレッドアイゼンに引き上げられてあかぎの飛行甲板に飛んで来ていた。





「キュウゥゥンンン。」





何の心の準備もせずに、海水に使ったレッドアイゼンは、情けない鳴き声と嫌な顔をしながらぐったりとして居た。





被害に遭ったレッドアイゼンは、突然、水に濡れるのが嫌なのだ。





「嘘を付くなあああぁぁぁぁぁーーーっ!!!先ほど堂々と大声で名のって居たであろうがっ!!船の外側まで聞えて居たぞ!!!」





「ええっと、そのだな・・・・・・・・・・・・・・・」





「貴様はっ!!何時もそうだっ!!!」





「何時も何時も何時も何時も何時も何時も何時も、いっーーーもっ!!!」





「何で私がっ!!お前のトラブルのせいでっ!!!こうも毎度っ!!毎度っ!!酷い目に遭わなければ成らんのだっ!!!」







「ここっ、こっ、今回は死にそうだったんだぞっ!!!」





泣きそうな目で訴えるヴァロニカは、本当に溺死寸前だった。





 彼女は泳げない分けじゃない。





 ただ、装備が重いので沈むのは自明の理である。



 彼女の竜騎士団は、聖竜のお陰で水中でも1時間くらいは戦闘が出来るが、それは息継ぎしての話なのである。





 1時間ごとに息継ぎしないと聖竜の力が尽きて、両者の息が続かないのである。



 今回はパートナーであるヴァロニカが上手くレッドアイゼンに、指示を出せない程の不意打ちで、海にダイブした為に、合身の強制解除に成ってしまい海へとドボンしてしまう。





 ヴァロニカは、危うくそのまま海の底へと沈む所だったのであった。





「けっ、計算どおりっ!!良くぞ我の正体を見抜いたなっ!!我が友にして、今や宿敵の友たるヴァロニカよっ!!」







「「「「「「「「嘘付けええええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」」」」







 思わず其処に居る全員が、声を揃えて、一斉にツッコミを入れながら叫んだ。





「ひっ!!」







一斉の突っ込みに、怯んだマーヤは、恐る恐る周囲に聞いて回ります。





「えっと、ひょっとして・・・・我はお呼びで無いのか・・・・・・・」





マーヤに聞かれた者等は、何故かうんうんと頷きます。





「お呼びで無い?」





 更に頷きます。





「お呼びで無いの?」





 そうだ、そうだと言う雰囲気と頷く者ら。





「それじゃっ!!こりゃまた失礼しまし・・・・・」





それは丸で、昭和の往年のスターの如く逃げようとしたマーヤでしたが、すぐさま彼女の方にヴァロニカの手に捉まれてしまいます。





「待ていいいぃぃーーっ!!!」





「まーさーかー・・・・このまま逃げられるとでも?」







「ガタカダブルブルっ!!ガタガタブルブルっ!!」





「ゆっ、ゆゆゆゆっ許してええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!!」







「槍を取れええええぇぇぇぇーーーーーっ!!!貴様と一刺しやらんと私の気が済まんっ!!」







実はマーヤは、ヴァロニカに一度も武道の試合で勝った例が無かったそうです。





 良くて引き分けが良い所だったらしく・・・・・と言うよりも、分が悪いから必死で逃げて居たそうです。







「ふええええっ!!ごっ、ごめんなさーいっ!!ゆっ!ゆゆゆゆゆっ!許してええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」







「来ないのなら、こっちから行くぞっ!!うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」







ヴァロニカが地面に転がって居た魔法剣シルヴァロスを拾い上げると勢い良く斬り掛かって来ます。







(まっ、不味いのだっ!!このままでは、非常にめんどくさい事に・・・・・・)



(でっ、でもっ!周りからこんなにも注目されて居る中で、ズタボロにされるのはカッコ悪いのだっ!!!)





ヴァロニカの魔法剣シルヴァロスが斬り掛かると、マーヤがエクスプロン・ランサーをすかさず構えて直します。





 そして、二人は凄まじい斬り合いを始めます。





(くっ、暫くやり合わない内に、腕が前より上がって居るだとっ!?)





(くそっ、槍の一合、一合が重いっ!!この戦で消耗さえして居なければっ!!マーヤ如きにっ!!)





(あれれれっ!?前やった時よりも何だか動きが悪いな?どう言う事なのだ?)





 この時マーヤは、ヴァロニカの動きを悪い事不思議に思って居ました。





 それは多分、疲れて居るだけだ思われます。





 カンカンと得物特有の金属音が甲板の上に鳴り響きます。





 更に言うと、海自隊員の別の意味での悲鳴が鳴り響いて居たそうです。





 それは何故かと言いますと、飛行甲板が少しづつですが、傷付いて来て居るからでした。





 整備を担当している航空科の隊員とデッキ科の隊員が、特に涙目に成り「あーあーっ!!」と頭を抱えて居たそうです。





(はぁ~、それにしてもお腹が空いたのだ。)



(もう丸3日も、何も口にして居ないよおおおおぉぉぉぉーーーーーっ!!!!)





(早く面倒な性格のヴァロニカを如何にかしないとなのだっ!!!)





(早くっ!この勝負で満足させなければっ!)



(・・・・・でないと、更にしつこく向って来るのだっ!!!)





 尚も激しい斬り合い続いて行きます。



 槍と剣の搗ち合いは、300を超え様として居たとの事でした。



 カンと言う刃物音が最後に響くと両者は間合い取ります。





(くうっ、3百合は斬り合った筈だ。)



(だが、何なんだっ!あの表情はっ!!必死すぎるっ!)



(きっと、途轍もない修練を重ねたに違いない。)





(もう、しつこいのだあああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!そろそろ止めたいって言えば良いのにっ!!!)



(それにもあの息を切らしても冷静な表情は何なのだっ!)



(ヴァロニカの脳筋っ!!、ああっ!もうっ、めんどくさいっ!!)



(我はお腹が空いて死にそうなのだっ!!!)





 この時の戦う旧友の二人の思惑に、齟齬が見られて居たみたいです。





 マーヤは腹を空かして、目が血走って居るだけであり、ヴァロニカもマーヤに対する怒りで勘違いをして居たとの回顧録は、戦後最初のインタビューでの暴露話で、喧嘩沙汰になるほどの事でした。





「もう、ヴァロニカっ!!いい加減にするのだっ!!」





「来いっ!マーヤっ!!」





 二人は同時に駆け出します。



 そして・・・・・・・・・・





「ううっ・・・ああ、もう眠く成って・・・・・ぐうーっ・・・・・・・・・・・」





「きゅうぅぅぅ。お腹が空き過ぎて力が出ない。」





二人は、それぞれ別の意味でパタリと力尽きてしまいました。





ヴァロニカは、力と魔力の消耗と疲労から疲れ果て寝てしまい。



 マーヤに至っては、空腹で目を回して倒れて居たそうです。





 無理もありません、マーヤは丸3日は何も口をして居ませんでした。





 さて、この様なバカ騒ぎかバカげた上に、偶発的な邪魔者が入りましたが、ようやく戦闘が止まり、何とも味気の無い終わり方なので、後世の歴史書を読む学者や脚本家達は、揃って嘘くさいと言い放ち、学者達は内容の真意を必死で確かめ、脚本家らは脚色を付けた内容に変更する者が多発する事に成った要因と言われて居ます。





この戦いは日本の圧勝と言いたいが、損害も少なからず出て居ます。





 しかしながら、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊は、この戦いのせいで艦隊の再編と再建を余儀無くされ、当面の間は、作戦不能に陥る事と成ってしまうでした。



 2330隻の艦隊の内、飛行型と水上航行型の竜母は全滅に成り、各種の大小の戦闘艦も1400隻程が魚雷とミサイル、爆撃に由って沈められて居り、航空隊たる竜騎士隊も全滅させられて居たそうです。





中小の傷者と撃沈を免れて済んで居たのはドラグナー皇国のレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団くらいであったそうです。





 ドラグナーの騎士達は、日本艦隊のミサイルや砲弾の直撃の直前に魔法障壁や剣などで受身を取って居たそうです。



 味方に回収されながらの撤退で、何とか生き残って居るのでした。



 海上自衛隊とレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の両者は、この後、戦後処理を行う為に、時はアースティア暦1000年・西暦2030年・6月3日・午前11時10分を持って同海戦での戦いでの停戦に合意します。





 沖縄から外交官と交援省の外務課と停戦条約の立会いの為に、小林由紀子交援省大臣補佐官が派遣されました。





交援省の役割は、異世界に於ける全ての軍事・国交・外交・経済の雑用及び仲立ち・その他を業務として居る為なので、この立会いは必然な事なのでした。





 一方のドラグナー側は、騎士団長たるヴァロニカ姫将軍が、体調不良で寝込んで居るので、騎士団員の中でも年長者たるアイリーが、騎士団長代行で停戦条約サインを行いました。



 しかし、この停戦はあくまで、この第二次龍雲海沖海戦の事に呑みの停戦である事を強調して置きます。



 帝国は日本との停戦をしたいとは国家としては思っては居ないのです。





 今回の第二次龍雲海沖海戦は、日本国へと侵攻をしたドラグナー皇国・ドラグナー皇国軍・レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団空挺魔導艦隊と言う属国軍艦隊とローラーナ帝国・ローラーナ帝国海軍・イースト・ウッド・ブリヂストン第一外征艦隊と言う帝国内の一外征艦隊との停戦でなのです。





 この世界での戦争のレベルの位置付けとしては、紛争と成る位置付けとされて居ます。





既にレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団空挺魔導艦隊は、ローラーナ帝国海軍・第一外征艦隊の総司令官であるシドウ・ギワザン准将に、日本国と停戦に至ったと伝令を出して居ました。



 余りにも大規模な武力衝突で在るが故に、その戦後処理には、1月以上掛かると言って有り、色々な理由を付けて帰国が、お遅れると報告をする様にも伝令官に言って有ったそうです。



 それに加えて、生き残った者の救助に傷病者の回復と、結構やる事が多い事を付け加えて置きます。



 航空護衛艦あかぎ艦内での話し合いでは、レッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の面々の日本滞在期間と将校や兵士の一斉引き上げの期日等が決められました。





 なお、今回の戦後処理の仲介役と連絡中継地としての役割をコヨミ皇国が買って出てくれました。



 如何やら紅葉が裏で手を回してくれて居たようです。





 この様な形で、第二次龍雲海沖海戦の戦闘は終わりを告げる事と成ったのでした。