「ナオ、お前の存在が俺らには邪魔だ。このパーティから追放する!」
中世ヨーロッパに似ているが、魔法という異能が存在する別世界。
そんな世界に存在する風光明媚なガルフォード王国王都の昼下がりの冒険者ギルド内に、若い茶髪の短髪の男の怒号が響き渡った。
若い男の後ろには、これまた同じくらいの年齢だと思われる茶髪のツンツン頭の男と緑髪のセミロングの男が不機嫌そうな表情をして立っていた。
そして三人の眼前には、床に尻もちをついて怯えた表情を見せている小さな男の子の姿があった。
男の子と言いつつ、セミロングのプラチナブロンドに綺麗な青い目をしていて、痩せている体躯と相まって一見するとか弱い女の子の様にも見えた。
更に男の子の前には透き通るような青いスライムが一匹いて、触手をめいいっぱい広げてまるで小さな男の子を守っているみたいだった。
「パーティーから追放する」
この言葉通り、先程まで三人の男と小さな男の子は同じパーティーメンバーだった。
しかし、小さな男の子の前にいる男が一方的にパーティからの追放を言い渡していた。
ざわざわざわ。
冒険者ギルド内には多くの冒険者がおり、突然の追放劇を目の前にしてかなりざわついていた。
中には、睨みつける様な目つきをしている冒険者もいる。
しかしながら、睨みつけられる様な視線は小さい男の子ではなく三人の男に向けられていた。
どうも周りにいる冒険者は、小さな男の子を見下す三人の男に問題があると考えていた。
そんな周囲にいる冒険者からの視線も全く気にせず、男たちは更に小さい男の子に酷いことを要求してきた。
「ナオ、有り金を寄越せ。今まで手間を掛けさせた手間賃だ」
「えっ、お金、ですか?」
「そうだよ。さっさと出しやがれ!」
男の叫び声に小さな男の子はビクッとなってしまい、反射的に肩から下げていたバックからお金の入った革袋を取り出していた。
そして、震える手でお金を男に渡していた。
お金を受け取った瞬間、三人はニヤリと歪な笑みを見せていた。
スライムが小さな男の子を止めようと抱きついたけど、男の子は力なく首を振っていた。
ここで傍観者だった一人のスキンヘッドの屈強な男性が、受付から厳しい目つきをしながら三人に話しかけた。
「おい、お前ら。本当にナオを追放するんだな? 二言は無いな?」
「ぎ、ギルドマスター。ほ、本当だ。俺等は、パーティからナオを追放する。これは三人の決定事項だ!」
「そうか」
ギルドマスターと呼ばれた男性に低い声で話しかけられると、男達はさっきまでの横柄な態度が嘘のように戸惑った表情で返答をした。
男達からの返答を聞いたギルドマスターは、受付嬢に指示を出しつつ後ろに視線を向けて軽く頷いた。
すると、受付の奥から背の高い美男美女の冒険者が姿を現した。
男性一人に女性二人のパーティで、男性が小さな男の子に近づいていった。
綺麗な金髪を短く切りそろえ、甘いマスクに加えて鍛え抜かれた肉体だと服越しにでも分かった。
後ろに控えている深い青髪のロングヘアでローブを羽織った魔法使いの女性と、燃えるような赤い髪をポニーテールにし勝ち気な瞳の女剣士も金髪の男性の後に続いた。
「ゆ、勇者様。何でここに……」
「確か、地方に行かれていたはずだと」
「い、一体何ですか?」
三人の男性は、金髪の男性が真顔で放った圧力に汗をかきながら何とか言葉を放った。
勇者様。
この世界には勇者という称号はないが、素晴らしい功績を挙げた者には「勇者」という二つ名が贈られていた。
いま三人の目の前にいるこの金髪の男性は、周りから「勇者」と呼ばれるにふさわしい功績を挙げていた。
三人にとっては雲の上の様な存在の人物が、まさにいま鋭い目で自分たちを見ていた。
「ゆ、勇者様……」
未だに尻もちをついている小さな男の子とスライムも、背後から近づいてくる金髪の男性を不安そうに見上げていた。
明らかにこちらに近づいてきているので、金髪の男性が自分に何かをするのではと思っていた。
しかし、事態は予想外の方向に動いた。
ひょい。
「えっ? えっ?」
何と、金髪の男性が尻もちをついていた小さな男の子を抱き上げたのだ。
突然の出来事に、スライムを抱えている小さな男の子は状況を全く理解できなかった。
小さな男の子をお姫様抱っこしたまま、金髪の男性はギルドマスターと呼ばれた男性に声をかけた。
「ギルドマスター、すまないが個室を貸してくれないか?」
「おう、分かった。俺もついていくぞ」
「わわっ!」
そして、金髪の男性は小さな男の子をお姫様抱っこして、冒険者ギルド内にある個室に向かった。
金髪の男性の後を女性二人とギルドマスターと呼ばれる男性がついていくが、踵を返した瞬間に三人を鋭く睨みつけた。
しかし三人は突然の事に馬鹿みたくぽかーんとながら固まってしまい、自分たちが睨みつけられた事に全く気が付かなかった。
ざわざわざわ。
冒険者ギルド内にいた冒険者も五人と一匹が個室に向かったのを見て再び動き出したが、一様に安堵した表情を見せていた。
そして、未だに固まっている三人に声をかける者は現れなかった。
バタン。
僕は何が何だか分からないまま、勇者様に抱っこされながら冒険者ギルドの個室に入りました。
僕の腕の中にいるスライムのスラちゃんも、周りをキョロキョロと見回していた。
そして僕とスラちゃんは、個室にあるソファーに優しく降ろされました。
「よいしょっと。ナオ君、いきなり抱き上げて済まなかったね」
「い、いえ……」
「しかし、ナオ君は体も細いし軽すぎだ。後で、その辺も聞かせてくれ」
勇者様は、ソファーに座った僕にニコリと笑みを浮かべながら優しく頭を撫でてくれました。
勇者様スマイル全開って感じですね。
そして勇者様とお付きの二人の女性は、僕と反対側のソファーに座りました。
僕の隣には、ギルドマスターがドカリと座ります。
あっ、ギルドマスターに謝らないと。
「ギルドマスター、冒険者ギルド内で騒いじゃってごめんなさい。皆さんに迷惑をかけちゃいました」
「ああ、気にすることはねえ。騒いだのは、あの三人だからな。処罰するなら、ナオじゃねえって事よ」
ギルドマスターはそういうと、ペコリと頭を下げた僕とスラちゃんの頭をガシガシと撫でてきました。
うん、ギルドマスターは見た目に違わずとても豪快ですね。
勇者様達もちょっと笑っているけど、お陰で落ち込んでいた気持ちがちょっと持ち直したよ。
スラちゃんも、元気にふるふるとしています。
「取り敢えず、お互い自己紹介だな。俺はお前らの名前を知っているが、お互いちゃんとした名前を知らないからな」
ギルドマスターが少し真面目な顔をして話をしたけど、さっき勇者様は僕の名前を話したんだよね。
でもスラちゃんの事も紹介しないとと思い、僕から自己紹介を始めました。
「えっと、僕はナオと言います。王都の隣にあるバンザス伯爵領から来ました。年は八歳で、えっと、治癒師です。このスライムは、スラちゃんです」
僕がスラちゃんを抱いたままペコリと頭を下げたら、目の前に座っている二人の女性が何か変な声をあげちゃった。
慌てて顔を上げたら、何でもないって表情をしていたので敢えて何も聞きません。
勇者様は、二人の女性を見てしょうがないなあって表情をしていました。
「それでは、こちらも自己紹介をしないとならないな。私はヘンリー、ヘンリー・ガルフォードだ。今年十八になり一応第二王子だが、それはついでに覚えてくれ」
ゆ、勇者様は実はこの国の王子様ではないかとうわさ話があったけど、本当に王子様だったんだ。
またもやニコリと輝くばかりの勇者様スマイルを見せているけど、僕は衝撃的な事実にかなり驚いちゃった。
「では、次は私ね。シンシア・ガルフォード、ヘンリーの嫁よ。ナオ君、シンシアって呼んで頂戴ね」
青髪のロングヘアでとっても美人さんのシンシア様は、何と勇者様の奥さんなんだ。
とても豪華な杖を持っていて豪華な薄い緑のドレスの上に立派なローブを羽織っているから、間違いなく魔法使いなんだ。
あと、シンシア様はとてもお胸が大きいです。
「じゃあ、最後に私ね。ナンシーよ、ナンシー・オラクルが正式名だけど、ナンシーって呼んでね。十四になって、一応第三王子様の婚約者って事になっているわ」
とても活発で明るそうなナンシー様は、真っ赤な髪をポニーテールにしていて騎士服にライトプレートを身に着けていました。
因みに髪色と同じ赤いミニスカートを履いていたけど、黒のスパッツで完全ガードしています。
「えっと、ヘンリー様、シンシア様、ナンシー様、宜しくお願いします」
「うーん、ちょっと固いなあ。ナオ君、様はいらないよ」
えっ、えっと。
僕が三人の名前を呼んだら、ヘンリー様が勇者様スマイルのまま駄目出しをしてきたよ。
じゃ、じゃあ、これで良いのか?
「へ、ヘンリーさん、シンシアさん、ナンシーさん、で、良いですか?」
「今はこれで良いよ。改めて話したばっかりだからね」
「私としては、ナオ君に『お姉ちゃん』って呼んで欲しいなって思ったわ」
「あっ、それ私も分かります。ナオ君に、可愛く『お姉ちゃん』って言って欲しいです」
女性二人が何故かとても盛り上がっているけど、流石に「お姉ちゃん」はとてもハードルが高いです。
お二人の期待には応えられないけど、「さん」でもかなりドキドキしていますよ。
そして、ヘンリーさんは女性陣のやりとりを聞いて少し苦笑した後、僕に鋭い質問をしてきました。
「ナオ君は治癒師って言ったけど、本当はもっと魔法が使えるはずだよね?」
勇者様スマイルのまま、厳しい質問を投げかけてくるのは反則です。
僕は、思わず答えに詰まっちゃいました。
すると、ヘンリーさんが僕の様子を見て慌てて言葉を続けました。
「あっ、別にこの件でナオ君を罰するとかは一切ない。話したくなければ、話さなくても良い」
ヘンリーさんがそこまで言ってくれているので、きちんと話さないとと思い僕も意を決しました。
スラちゃんの事も説明しよう。
「えっと、僕は多分ですけど全属性の魔法が使えます。簡単に確認した事があるので。でも、得意としているのは回復魔法です。あと、スラちゃんも全属性の魔法が使えます」
「ぜ、全属性……」
僕の話を聞いたヘンリー様が、思わず信じられないと絶句してました。
僕が全属性の魔法が使えるとは、全く思っていなかったみたいですね。
シンシアさんとナンシーさんも、かなりビックリした表情を見せていました。
僕の隣にいるギルドマスターは、とても真面目な表情で僕を見ていました。
「何故こんな事を聞いたのかは、後程改めて話そう。実は、以前からナオ君のとあるところに目をつけていたんだ」
キリリと勇者様スマイルに戻ったヘンリー様がこういうので、僕の中から何かを見つけたんだ。
どんなところかなと考えていたら、ギルドマスターが割り込んできました。
「ナオ、取り敢えず冒険者ギルドで何があったかを話してくれ。そうだな、出来れば冒険者になった辺りからだな」
ギルドマスターが、真剣な表情をしながら僕に話しました。
確かに、何があったかをキチンと話さないと駄目だね。
僕は、姿勢を正して話し始めました。
「僕は、昨年の夏に冒険者になりました。というか、させられました」
「冒険者にさせられたとは、一体どういう事だ?」
僕の話を聞いて、ギルドマスターだけでなくヘンリーさん達も怪訝な顔に変わりました。
でも、これは本当なんです。
「一応僕とあの三人は幼馴染になっていますが、本当は三人の家の力が強くて地元の人は逆らえない状況でした。そして僕の家は魔法使いが多く生まれるので、そこに目をつけられました。あの三人は一攫千金を目指して冒険者になろうとし、魔法使いだった僕を巻き込みました」
僕が淡々と話すのを、全員が真剣な表情で聞いていました。
スラちゃんもうんうんと相槌を打ってくれるし、これは間違いじゃないんだよね。
「僕は、家の外でスラちゃんと遊んでいたら着の身着のまま強引に三人にバンザスの街に連れて行かれました。そこで冒険者登録をしました。僕が、回復魔法を使えるのが大きかったみたいです。そして、数回目の依頼でたまたま大きなお金を得たのが失敗の始まりでした」
僕が冒険者登録をした経緯を聞いて、特にシンシアさんとナンシーさんが絶句していました。
ヘンリー様も厳しい表情に変わったけど、僕は話をつづけます。
「その、冒険者の仕事は簡単だと、楽にお金を稼げると思ったみたいです。王都に行けばもっとお金を稼げると、そう考えて年が変わって直ぐに王都に来ました。そして、王都に来て一ヶ月も経たないうちに三人のお金使いがとても荒くなりました。あと、依頼も適当にするので、いつも僕がフォローしていました。でも、余計な事をするなといつも言われていました。元々、殆どお金は貰っていなかったのですけど……」
「それで、あの馬鹿三人はナオが勝手な事をすると邪魔者扱いして、さっきパーティから追放したんだな」
ギルドマスターの問いかけに、僕はコクリと頷きました。
ここ一週間くらいは、僕は三人からいつも一方的に責められていました。
年下が年上に指示をだすなと、いつも機嫌の悪そうな表情で僕を怒鳴っていました。
でも、僕は年下だし何よりもあの三人の実家の件があるから何も言えませんでした。
「俺は最初お前らを見た時に田舎から来た近所同士って聞いたから、てっきり仲が良いと思っていた。だが、直ぐに様子がおかしいと気がついたよ。他の冒険者も、あの三人はおかしいと俺に言ってきた」
「えっ、そうなんですか?」
「そうだ。だが、まだ奴らは何も問題を起こしてないし、下手に手出しできなかった。っで、今日を迎えたって訳だ」
やっぱり他の冒険者も、あの三人はおかしいって思っていたんだ。
もっと早く、他の冒険者に助けを求めれば良かったよ。
僕もスラちゃんも、思わず項垂れちゃいました。
すると、ギルドマスターと同じ様な話をヘンリー様もしてきました。
「私も表情が暗いナオ君を冒険者ギルドで見かけていて、優秀な魔法使い抜きにして何とかしてあげたいと思っていた。あの三人は冒険者ギルド内で我が物顔でいたから、絶対に何かをやらかすと思っていたよ」
「その、ヘンリーさんにも気を使わせちゃったんですね……」
「ナオ君が気を病む事はないよ。今日は、別件でギルドマスターと話をしていた。そうしたら、目の前であの事件が起きたんだ」
ヘンリーさんが苦笑しながら話をしてくれたけど、そこまで考えてくれたんだ。
僕は三人によって冒険者にさせられてからずっとスラちゃんと一人と一匹かなって思っていたけど、沢山の人が僕の事を思ってくれていたんだね。
ちょっと、いや、かなり嬉しくなりました。
「取り敢えず、話は分かった。パーティの抜ける抜けないは良くあるが、金を要求するのは駄目だ。報酬を正しく分配する規定もあるし、他の者が一方的にお金を要求するのも禁止だ。登録時に配った冊子にも書いてあるぞ」
「僕は、冊子に書いてあるのを確認しました。でも、三人は冊子を直ぐに捨てました」
「こういうお金絡みのトラブルを起こす奴は、冊子を直ぐに捨てる傾向にある。そういう奴は、冒険者以前に人として駄目だがな」
流石はギルドマスターです。
細かい規定のところまで、しっかりと覚えているんですね。
でも僕は、もうお金は戻ってこないと思っています。
「取り敢えず、俺というかギルドからはここまでだな。ギルド内で騒ぐのとパーティメンバーのお金を要求する二つの規定違反をしたから、奴らは俺たちの監視対象になる」
ギルドマスターからのお話は終わったけど、何だか不敵な笑みを浮かべているのがとっても怖いよ。
ある意味、この時を待っていたって感じですね。
そして、今度はヘンリーさんが僕に話しかけてきました。
「さっき私がナオ君のとあるところに注目していたと言ったけど、それは髪の色なんだよ」
「えっ、僕の髪色ですか? 僕は、シルバーみたいな色をしていますけど」
「そう、そこなんだよ。実は、魔力を持っている人は一番強い魔力に合わせた髪色になるんだよ。そして、私は今までこんなに綺麗なプラチナブロンドの髪を見たことがなかったんだ」
魔力属性によって髪色が変わってくるなんて、僕は初めて知ったよ。
もちろん、あの三人は何も知らなかったよ。
スラちゃんもとっても驚いているけど、じゃあもしかして……
「ヘンリーさんは雷か光魔法、シンシアさんは水魔法で、ナンシーさんは火魔法が得意って事なんですね」
「ナオ君は、理解が早くて助かるよ。つまりは、そういう事だ」
シンシアさんもナンシーさんも、僕の答えが合っているとニコリとしてくれました。
そう考えると、僕の髪色ってとっても珍しいんだね。
「そして、複数魔法を使える人はとても賢いって言われている。一つの属性だと、普通の人と大して変わらないみたいだ。ナオ君がキチンとした受け答えが出来ているのも、きっと全属性の魔法が扱えるのが大きいと思っている」
うーん、頭の良さとかは今まで考えた事がなかったなあ。
うちの家族もこんな感じで普通に受け答えしていたけど、それも魔法が使えたからなのかな。
僕は、スラちゃんと一緒にうーんって考えちゃいました。
「ははは、そこまで深刻に考えなくてもいいよ。それじゃあ、今後の事を話そうか」
あっ、ヘンリーさんがニコリとしながらも声色が真面目なものに変わった。
僕とスラちゃんは、また姿勢を正しました。
「まずは、私達がパーティから追放されたナオ君を保護した事になる。これは何となく分かるかい?」
「はい。あの、お姫様抱っこをされましたので……」
「ナオ君は女の子みたいに可愛いから、あながち間違ってはいないね」
ヘンリーさんは少し笑っているけど、あの時は何が何だか分からなかったけど、今思うと結構恥ずかしい光景だよね。
僕は、思わずちょっと顔が赤くなっちゃった。
「後は、ナオ君は私たちと一緒に行動して欲しい。もちろん無理強いをさせるつもりはないし、試験期間は設けるよ」
「あの、それって、僕とスラちゃんが勇者パーティとして行動するって事ですか?」
「そういう事になる。ナオ君とスラちゃんは聖魔法が使えるから、私たちとしてもとてもありがたいんだ」
な、何だか一気に話が大きくなっちゃった。
僕が勇者パーティに入るなんて。
スラちゃんは問題ないって言っているけど、流石に僕も分からないよ。
でも、試験期間もあるんだよね。
どっちにしても、いま頼れる人がヘンリーさんたちしかいないんだよね。
僕は、意を決しました。
「その、まずは試験期間でお願いします」
「ああ、それでいい。気楽にやっていこう」
「ナオ君、宜しくね。歓迎するわ」
「ナオ君ならきっと大丈夫だよ。私、楽しみにしていたんだ!」
僕は立ち上がって、スラちゃんと共にヘンリーさん達と握手をしました。
ヘンリーさんたちは、僕だけでなくスラちゃんにもキチンと握手をしてくれました。
やっぱりとても良い人だね。
「さて、この後色々とやらなければならないな。ナオ君、その服ってもしかして……」
「はい、家から連れられた時に着ていた服です。他の服が買えなかったので、ずっと生活魔法で綺麗にしていました。今は冬なので、薄手の布を被って何とか寒さをしのいでいました」
「自分たちは豪華な服を着ていたのにな。もしかしたら、ナオ君に自分たちの服を見せつけて立場を分からせていたのかも知れない。想像だけど、食事面も差別していたのだろう。あの三人とナオ君の体格が極端にちがうのも、きっとそのせいだね」
うーん、僕的にはあの三人はそこまで考えていないと思うなあ。
でも、お金がなくて服が買えなかったし、食べるものも少なかったのは確かです。
それに、今は手持ちのお金が全くありません。
アイテムボックスの中も空っぽです。
すると、シンシアさんとナンシーさんがとある提案をしました。
「とても綺麗なお顔なのに、ボロボロの服じゃ可哀想だわ。取り急ぎ、ギルドの売店で一式揃えましょう」
「あ、あの、シンシアさん。僕、いまお金を持っていなくて……」
「何を言っているのよ。そのくらい、お姉さんが出してあげるわ。後日、ゆっくりと装備を見繕いましょう」
「私も、ナオ君の服を見繕ってあげるわ。ふふ、弟っていなかったからとても楽しみだわ」
うん、シンシアさんとナンシーさんがどんな服にするか、とても盛り上がっています。
ヘンリーさんもギルドマスターも、諦めろといった表情をしています。
どんな装備になるのか、張り切っている二人を見ると何だかとっても心配です。
話が終わったので、全員個室から出ます。
個室から冒険者ギルド内に僕たちが姿を現すと、不機嫌な表情を隠さない三人がドカドカと足音を立てながら近づいてきた。
どうも僕たち、というか僕に話があるみたいだ。
「おい、お前! 勇者パーティに入ったって、一体どういうつもりだ!」
「どうせ賄賂でも贈ったんだろう? お前は実力のないチビだからな」
「お前じゃなくて、俺たちにその立場を代わりやがれ!」
何となく想像がついていたけど、三人は我に返って僕がヘンリーさん達に連れられたのをおかしいと思ったんだ。
周りにいる冒険者を見るとうんうんと頷いていたから、誰かが僕が勇者パーティに入ったと言ったんだろう。
だから、三人は激昂して僕に文句を言っているんだ。
そして、僕の気持ちにも変化が起きていました。
今までは三人の暴言を聞いてビクビクおどおどしていたけど、ヘンリーさん達が側にいるので少し平気になりました。
スラちゃんも、僕の頭の上に乗りながら触手をふりふりして三人に抗議していますね。
でも、どうやって目の前でギャーギャー騒いでいる三人に個室で話した内容を説明すれば良いんだろうか?
僕が何かを言っても、絶対に納得しないはずだよ。
すると、スッと僕の前にヘンリーさんとギルドマスターが歩み出ました。
更にシンシアさんとナンシーさんも、僕の両側についてくれています。
後ろ姿だけど、ヘンリーさんとギルドマスターがとても怒っているのが何となく分かりました。
「ナオ君は、私たちからスカウトした。そもそもナオ君と直接話したのも、今日が初めてだ。ナオ君が私たちに何かをする事は、今まで一切無かったと断言しよう」
「そもそも、お前らがナオを追放したからこそ事態が動いたんじゃねーのかよ。それを自分に代われとか、余りに都合が良すぎるぞ」
「「「うっ……」」」
ヘンリーさんとギルドマスターから正論を言われて、三人は明らかにたじろいていた。
しかし、ヘンリーさんとギルドマスターの話は止まりません。
二人から放たれる怒気も、更に増した気がします。
「ナオ君は、もう私達のパーティの一員だ。ナオ君を侮辱する事は、私たちを侮辱する事に繋がる。その意味を、君たちは理解しているのかな?」
「お前らは、ナオが邪魔でパーティ追放したんだろう? 冒険者なんだから、ナオが悔しがるくらい自分たちで金を稼いでみろ! そのくらいの根性を見せろ!」
「「「く、くそー!」」」
ダッダッダッ。
三人はヘンリーさんとギルドマスターに更に正論を言われてしまい、捨て台詞を吐いて冒険者ギルドから走り去っていきました。
僕たちの周りにいた冒険者も、やれやれって表情をしていますね。
あっ、ヘンリーさんとギルドマスターにお礼を言わないと。
「ヘンリーさん、ギルドマスター、助けてくれてありがとうございます」
「良いんだよ、このくらい何ともないよ」
「奴らは、自分の都合の良い意見しか聞かないだろう。いくらこちらが注意しても、逃げて聞く耳を持たないだろうな」
ヘンリーさんとギルドマスターは、お礼をいう僕の頭を撫でました。
でも、やっぱりギルドマスターはガシガシと頭を撫でるね。
そして、周りにいた冒険者も僕に声をかけてきました。
「ナオ、あの馬鹿のパーティから抜けて本当に良かった。ナオには悪いが、あの馬鹿は一ヶ月以内に間違いなく潰れるぞ」
「みんながナオを心配していたぞ。ナオならソロでも十分にやれるが、ヘンリー達のパーティに入ったなら安心だ」
「あんな馬鹿を何人も見てきたが、ある一線を越えると一気に転げ落ちる。あいつらも、その一線を越えたんだ」
「ナオは今後絶対に手を貸すなよ。奴らと一緒に転げ落ちる事になる。逆に言うと、ナオが奴らのストッパーだったんだよ」
「俺は、あいつらは一週間持たないと思うぞ」
僕のことを心配している冒険者もいれば、あの三人に手を出すなって忠告する人もいる。
でも、総じて僕にもう大丈夫と笑いかけてくれたよ。
ここで、ある意味傍観者だったシンシアさんとナンシーさんが僕の手を握ってきました。
「さあ、邪魔者はいなくなったから新しい服を買いましょうね」
「たまに購買は使うけど、結構揃っているんですよね」
そして、僕は手を繋がれたままギルド内にある購買に連れられて行きました。
何故か僕の後ろには、女性冒険者がぞろぞろとついてきました。
「ふふふ、前からナオ君にオシャレしてあげようと思っていたんだよね。あの綺麗なプラチナブロンドに似合う服を見繕ってあげたいんだよね」
「可愛いお顔だから、どんな服でも似合いそうだよね。フリフリのスカートとか似合いそう」
「ちょっ、それは反則だわ。想像したら、は、鼻血出そう……」
な、何だか不穏な事を言っているけど、きっと大丈夫だよね?
大丈夫だよね?
スラちゃんはヘンリーさんのところに逃げちゃっているし、ヘンリーさんも購買から離れた受付に避難しています。
ギルドマスターも既に業務に戻っていて、男性冒険者も遠巻きに見ているだけでした。
「いらっしゃい。大勢で来たわね」
「おばちゃん、こんにちは。今日はナオ君の装備を買いにきました」
「ナオ君に似合う服はありますか?」
「あら、遂にナオ君の服を買うのね。ちょうど新作が入荷したのよ。きっとナオ君に似合うわよ」
更に購買のおばちゃんも、シンシアさんとナンシーさんの発言を聞いて盛り上がっちゃいました。
こうして約一時間、僕は女性陣に囲まれながら着せ替え人形となってしまいました。
女性陣のあまりの迫力に、男性陣は僕が解放されるまで購買に近づく事が出来なかったそうです。
一時間後、僕は女性陣からようやく解放されました。
「うんうん、良い感じに仕上がったわ」
「とても愛らしい装備ですわ」
「あっ、ありがとうございます」
「「「ナオ君可愛い!」」」
僕が良い仕事をしたという表情の女性陣にペコリと頭を下げると、みんながニコニコしながら頭を撫でてきました。
今の僕は、普段着にも使える長袖半ズボンに革の靴を履いていて、濃い青色のマントを羽織っています。
更に、取り扱いやすいダガーと堅い木でつくられた杖も買ってくれました。
因みに、ボロボロの服はアイテムボックスにしまいました。
僕がアイテムボックスを使ったら、女性陣はとってもビックリしました。
どうもアイテムボックスを使える人は多くないそうで、貴重な存在だと言われました。
おや?
スラちゃんを肩に乗っけているヘンリーさんが、側にやってきたギルドの受付のお姉さんから話を聞いて驚いた表情をしているよ。
何かあったのかな?
「ナオ君、急いで泊まっていた宿に向かうよ。どうもトラブルがあったみたいだ」
「えっ、トラブルですか?」
「どうもお金絡みみたいだ。あの三人が、何かをやらかしたみたいだよ」
ヘンリーさんの話を聞いたら、僕はシンシアさんとナンシーさんと思わず顔を見合わせてしまいました。
とっても嫌な予感がしたので、僕たちは急いで僕と三人が泊まっていた安宿に向かいました。
冒険者ギルドから安宿まですぐ近くなので、あっという間に到着です。
カウンターに行くと、衝撃の事実が待っていました。
「あの三人、ナオ君に支払いを押し付けて別の宿に行っちまったよ。あと、ナオ君の荷物っぽい物も持ち出していたよ。止めようとしても、走っていっちまったよ」
宿のおばちゃんが困ったように話してくれたけど、僕はあまりの衝撃に固まってしまいました。
またまた急いで僕達が泊まっていた部屋に向かうと、二段ベッドが二つおいてある部屋の中にあった物が空っぽです。
荷物を色々と入れていた僕の大きなリュックサックも、僕の寝ていたベッドから綺麗さっぱりなくなっていました。
衝撃のあまり、僕は床にペタリと座り込んでしまいました。
スラちゃんが僕の肩に乗ってきて、大丈夫かと触手で僕の頬をペシペシとしてきました。
「あの、僕がみんなの荷物を持っていたんです。それで、移動用に大きな中古のリュックサックに色々な物を入れていました。テントや寝袋もです」
「という事は、三人は小さなナオ君に荷物持ちをさせていたのか。まるで奴隷みたいな扱いだな」
ヘンリーさんは僕の側に座って、スラちゃんと反対側の肩をぽんぽんと優しく叩いてくれました。
そして、シンシアさんとナンシーさんも優しく声をかけてくれました。
「冒険者ギルド内でもお金を要求していたし、いくらパーティの共有財産とはいえやっている事が窃盗犯だわ。半ば強引に追い出された上に、こんな目に合うなんて……」
「ナオ君は全く悪くないわよ。だから、今はショックかもしれないけど、私達が付いているから大丈夫よ」
こうして僕がショックから立ち直るまでの間、ヘンリーさんたちはとても優しくしてくれました。
流石に部屋の中に長時間いる訳にもいかないので、僕たちは再びカウンターに移動しました。
「そうかい、ナオ君はあのパーティから追い出されたのね。でも、いつも素直に挨拶をするナオ君が傍若無人な三人とくっついているのがおかしいと思ったんだよ」
宿のおばちゃんに今日の事を説明すると、おばちゃんも僕の頭を優しく撫でてくれました。
みんな揃って、僕があの三人と一緒にいるのはおかしいって言ってくれました。
すると、ここでヘンリーさんがおばちゃんにとある事を言ってきました。
「女将さん、今回かかった費用は私が建て替えます」
「えっ! ヘンリーさん、僕が払わないと駄目ですよ」
「いや、これは私が払う。それで、もしお金を払う事になっても、後で私に払えばいいさ」
僕は、ヘンリーさんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
僕の事を助けてくれただけでなく、お金まで払ってくれるなんて。
かなり落ち込んじゃった僕の事を、スラちゃんとシンシアさんが優しく抱きしめてくれました。
すると、ナンシーさんがこんな事を提案しました。
「女将さん、あの三人が泊まる宿は全て前払いだと他の宿に伝える事はできますか? このままだと、更にナオ君に全て押し付ける可能性がありそうです」
「直ぐに組合の会長のところに行ってくるよ。会長も、ナオ君の事は高く評価していたからね」
宿のおばあちゃんは、宿のおじさんに話をしてから急いで何処かに走っていきました。
そういえば、一週間前に道端に座り込んでいた体調が悪かったおじいさんを治療した事があったよね。
もしかしたら、その人が会長さんなのかも知れない。
すると、おばちゃんは直ぐに一人のおじいさんを連れて帰ってきました。
やっぱり、前に治療したおじいさんだったんだ。
「ナオ君、色々あったと聞いたけど大丈夫かい? ヘンリー殿下と一緒なら、もう大丈夫だ。既に宿だけでなくて、食堂にも声をかけるように指示を出したぞ」
「会長さん、ご迷惑をおかけしました。色々とありがとうございます」
「何をいうか。ナオ君は何も悪くない。それに、儂はナオ君に命を助けられたから、このくらいやって当然じゃ」
今日の僕は、本当に色々な人に助けられています。
こうして会長さんにも、ニコリとしながら頭を撫でてくれました。
いっぱい助けられちゃったから、今度はいつか僕が恩返ししないとね。
宿のお金の問題は取り敢えず解決したけど、今夜僕とスラちゃんが泊まる場所はどうしようか。
お金もないし、どこかで野宿をするしかないのかな。
そう思っていたら、ヘンリーさんが明日の事を話してくれました。
「ナオ君、明日は近隣の村に移動して調査を行う事になっている。悪いが付き合ってくれ」
「頑張ります!」
「ふふ、そんなに意気込まなくても大丈夫だよ」
僕が勇者パーティに入って、初めてのお仕事です。
僕とスラちゃんがふんすって拳を握って気合を入れたら、ヘンリーさんが思わず苦笑しちゃったよ。
そして、今夜どこに泊まるかという問題もあっさりと解決しちゃいました。
「ナンシー、ナオ君を屋敷に泊めてやってくれないか?」
「もちろんだよ! ふふふ、ナオ君の事をぎゅっとしながら一緒に寝ちゃおうかな? 凄く楽しみだわ」
な、何だかナンシーさんが不穏な事を言っているけど、きっと大丈夫だよね?
という事で、今夜はナンシーさんの屋敷に泊まることになりました。
「ナンシー、とても羨ましい……」
シンシアさんがジト目でナンシーさんの事を見ているけど、僕だって流石に王城に泊まるのは無理ですよ。
何にせよ、この後の対応が決まったので今日は帰ることになりした。
あっ、そうだ、お礼を言わないと。
「おばちゃん、会長さん、色々とありがとうございます」
「いいのよ。また近くに来たら顔を出してね」
「頑張るのだぞ。何かあったら、遠慮なく相談するんだぞ」
僕とスラちゃんは、手を振りながら宿を出ました。
宿のおばちゃんと宿組合の会長さんにも、また会いたいな。
そして、貴族街に向かって歩き出しました。
「今日は、僕が思ってる以上に多くの人に助けられました」
「元からナオ君はとても礼儀正しいし優しいから、冒険者も何とかしたかったんだよ」
「見た目も髪色もとっても可愛いし、女性冒険者はナオ君をかまいたくて仕方なかったんだよ。最初は、馬鹿な三人のところに美少女がいるって噂になったのよ」
なんと言ってもヘンリーさんに助けられたし、僕の両側にいるシンシアさんとナンシーさんにもとっても助けられました。
色々なものを失っちゃったけど、その分得たものも沢山ありますね。
みんなでお喋りをしながら歩いていき、ナンシーさんの屋敷に到着です。
「す、凄い。こんなに大きいお屋敷だなんて。しかも、王城の直ぐ側です」
「歴史だけは古いからね。王城に近いから、よく遊びに行っていたんだよ」
言葉の比喩じゃなくて、本当にドーンと大きな柵に囲まれて大きなお庭がある屋敷でした。
ナンシーさんが頬をポリポリとしながら話していたけど、王城とも目と鼻の先です。
勇者パーティの人々は、とんでもない人たちだと改めて思いました。
「じゃあ、私はこれで失礼するよ」
「ナンシー、ナオ君、また明日ね」
「またね!」
「今日は色々とありがとうございました」
ヘンリーさんとシンシアさんと別れて、僕とスラちゃんはナンシーさんの後をついていきながら屋敷に入りました。
うん、門から屋敷までとっても距離がありますね。
ようやく玄関にたどり着いたけど、玄関だけで僕の実家がスッポリ入りそうなくらいだよ。
綺麗な石造りの屋敷で、とても品の良い彫刻も飾られています。
庭にも植物が沢山植えられていて、沢山のお花が咲いていました。
ガチャ。
「ただいまー。ナオ君連れてきたよ」
そして屋敷の中に入ったけど、これまた凄いよ。
天井もとっても高くて、シャンデリアからキラキラと光が降り注いでいたよ。
赤色の絨毯が建物の奥まで敷かれていて、ところどころに大きなつぼや鎧に絵が飾られていました。
ナンシーさんが玄関から声をかけると、メイド服を着た使用人がやってきました。
とてもできる人って感じの動きです。
僕もスラちゃんも、ポケーってしちゃいました。
うん、別世界に来たってこういう事をいうんだね。
「お嬢様、お帰りなさいませ。ナオ様を、応接室にお連れします」
「宜しくね。私も着替えたら直ぐに行くよ」
ナンシーさんは自室に向かっていき、僕とスラちゃんは使用人の後をついて応接室に案内されました。
廊下を歩くだけでも、すごい緊張するよ。
ガチャ。
「こちらが応接室になります。ナオ様、どうぞソファーにお座り下さいませ」
「はっ、はい」
「紅茶をお持ちしますので、少々お待ち下さい」
僕は、使用人に言われるがままにソファーに座りました。
な、なにこれ!
ソファーに座ったら、僕の体が沈んだよ。
とってもふわふわのソファーで、凄くビックリしちゃった。
スラちゃんも僕の肩から降りてきて、ソファーの柔らかさにビックリしていました。
「紅茶をお持ちしました。熱いのでお気をつけ下さい」
「はっ、はい。ありがとうございます」
「それでは、少々お待ち下さいませ」
僕の目の前にとても高価だと思われるティーセットが置かれて、紅茶の湯気が立っていました。
せ、せっかくだから飲んでみようっと。
わあ、とっても美味しいよ。
今まで何回か紅茶を飲んだ機会があったけど、比べ物にならないくらい美味しい。
紅茶って、こんなに美味しいんだね。